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【天命】・2
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「えっ――!?」
驚きの声を上げた私の元に、遠くから声が投げかけられてきました。
「ルールゥ、こちらです」
慌てて声のした方へ向かってみれば――。
「ちょ、えッ――どぅェエちょちょちょちょちょっ!」
思わず、仰天の声を上げてしまいました。
まだ立ち上がることさえ困難なはずのセラが、私の作った鍬を手に、水飲み場付近の地面に刃を突き立て土耕しをしていたのです。
何故!?
「ど、どう――ああっ、危ないッ!」
揺れるセラの体。
ふらりと倒れそうになったその華奢な体躯を、慌てて駆け寄り、支えました。
受け止めた腕の中で、セラはぜーひゅーと荒い息を吐き出しながら、揺れる視線を私に向けました。
「――申し訳ございません、ルールゥ様」
「うん――い、いやいや! ど、どうしたの!? 駄目だよ、まだ安静にしてなきゃ……!」
「ミ――ミハク様から、この頃は新しい水路を作ろうかと悩んでいたところだと、窺ったんです……」
私は驚きの視線をミハクに向けましたが――ミハクは薄く目を瞑り、何の反応も返さず、黙っているだけでした。
話が見えず困惑を浮かべたまま、とりあえず衰弱状態のセラに視線を戻します。
「そ、それで……?」
「あの、私、役に立てますから」
荒い呼吸を繰り返しながら、セラはか細い声で、そう言いました。
――まるで、うなされるような声色で口にされた言葉でした。
「役に、立てますから……どうか、ここに置いていただけませんか……?」
「…………」
私はとりあえずセラを横に寝かせてから――問いました。
「セラ――あなたは何故、お国を出たのですか?」
「……お国の外で、捨てられてしまいました……」
「お国の、外……?」
「行商団の仕事に殉じていたのですが……失敗を……してしまって……」
「――ああ」
なるほど。
思わず、得心の顔を浮かべました。
お国を渡り貿易を行う、行商人の一行。
この子は、その一員だったと……。
ちらと、ミハクに視線を送りました。
ミハクは、「嘘は言っていないと思いますよ」、と視線で返事を返してきました。
……ルートから完全に外れた――なんて程度ではない辺境のここへ辿り着くまで、いったいどれだけの果てしない道を歩いてきたのでしょう……。
「あ、あの……私……」
ふうふうと息を荒げ、視線の定まらぬ瞳でどこかを見つめながら――セラは突然、両の瞳から涙をこぼし始めました。
「あってはならないことをしたのは分かっています……。孤児の私が、行商の一団で働けていたこと……。辛いこともあったけれど、役割を与えられていた……。けれど私は、天命に背いてしまった……。でも私……私……今度こそ、きちんと請け負った役割をこなしますから……。必ず……だからもう一度だけ……」
――それを聞いて。
その言葉を聞いて。
思わず、セラを映す私の瞳が、見開かれました。
「天命?」
「……生まれたときから、人として与えられた役割……だった……のに……」
「…………」
ああ、そうか。
この子の、この姿は――。
この目では見ていないけれど、確かに知っている姿でした。
あの日の過去で。
……もしかしたらあの日の聖女も、こんな感じだったのですかね。
「お願いします」
大粒の涙を止めどなく流しながら、セラは声を絞り続けました。
「もう一度、チャンスをください。せめて、自分の負った天命を全うしたと……人らしく生きたと……そう、信じられるように……もう一度……」
うなされるように言うセラの表情は――怯えているかのようでした。
いったい、何に?
それは私にも分かりません……。
この子に、手を貸したい。
自然と、そう思っていました。
――そのときでした。
天啓とでもいうべき正体不明の衝撃が、私の脳髄を鋭く揺らしたのです。
その衝撃の余韻の中で――あの日ミハクが口にした文言が、一言一句鮮明に、思い返されました。
『どうですかね。貴方はかつて、与えられたそれを与えられたものと考え、それに順守の念を抱いていましたが――さて……』
与えられたそれを与えられたものと考え。
……上手いことを言うものです。
だというのなら、今の私は――。
――天命。
その選択の先に存在するもの。
ああ、そうですか――そうか……。
私は悟り、深い息を吐き出しました。
……ああ、さらば働かずの日々。
私は観念して天を仰ぎながら、そんなことを内心で呟き――。
そんな私の様子に首を傾げるミハクの前で。
セラに、あの日私に向けられた説教を、今度は私から、迷える彼女に渡すことにしました。
「――いいですか、セラ」
彼女の頭を優しく撫でながら、その定まらぬ視線を受け止めながら。
私は、言葉を紡ぎ始めました。
「いいですか? 私は聖女です。この世に降り立ったそのときから、理の力を宿した神の化身。――けれどね、今の私は、己の役割というものを天啓から見出したわけではありません。そりゃあ、お国と民を救わねばならないという、漠然とした使命感のようなものは持っていましたが」
私の説教の、最初のくだりを聞くと――ミハクはフッと、柔らかな微笑みを浮かべました。
――私は若干頬を赤らめながらに、続けました。
「しかし今の私は自身の見定めで、運命を選択したのです。私というものも紛れもなく、雑多カオスから生まれる意思を持った存在であり、人形じゃないんですから」
ゆっくりとした口調を心掛け、伝わるよう願いながら、私は話し続けます。
「あなたは天命を全うすることが全てと言いますが、“天命”というものはあくまで人の言葉であり、それを定義付けたのもまた人です。――それを全うすることが素晴らしいことであると信ずるのなら、私から言うことは何もありません。しかしセラ――あなたは本当にその天命というものを、真に見定めたと胸を張って言えますか? ――私には、あなたはただ闇雲にあり、むやみやたらに辛そうなだけのように見受けられますが」
「…………。…………だというのなら」
セラはか細い涙声で、問い掛けを向けてきました。
「だというのなら……人は、何のために生きるべきだというのですか……?」
「……あなたが辛さを押し殺して続けてきたお仕事……生きるためというのならしようがありません。けれどセラ、今のあなたには――それ以外にも生きてゆける方法があると……私は進言しているのです」
もう一度彼女の頭を撫でて――私は言いました。
「今すぐその答えを出さなくてもよろしい。ここで暮らしなさい、セラ。ここで、今一度自らの命運を見定めなさい」
「……い、いいの……ですか……?」
「ええ。まあ辺境の地ですが、悪くないところですよ。食物もあるし、お家もあります。それにね――」
彼女の瞳をじっと見つめて、微笑みました。
「大丈夫、寂しくはないわ。私がいる」
「…………」
セラは目を見開き、焦点の合った瞳で私を見上げると――。
その一瞬の正気で気力が尽きたのか、その直後に、眠るように目を瞑りました。
涙を流したままに。
「――良い説教でした。心に響く内容でしたね、ルールゥ」
静かに笑いながら皮肉を言うミハクから、ぷいと顔を反らして。
私は日の昇る明日の方向を見つめて――内心でひっそりと、呟くのでした。
「……あーあ、これで、働かずの日々ともお別れかぁ」
「声に漏れてますよ、ルールゥ」
さてさて。
明日から、どんな日々が始まるのでしょうね?
そして、半年後――。
驚きの声を上げた私の元に、遠くから声が投げかけられてきました。
「ルールゥ、こちらです」
慌てて声のした方へ向かってみれば――。
「ちょ、えッ――どぅェエちょちょちょちょちょっ!」
思わず、仰天の声を上げてしまいました。
まだ立ち上がることさえ困難なはずのセラが、私の作った鍬を手に、水飲み場付近の地面に刃を突き立て土耕しをしていたのです。
何故!?
「ど、どう――ああっ、危ないッ!」
揺れるセラの体。
ふらりと倒れそうになったその華奢な体躯を、慌てて駆け寄り、支えました。
受け止めた腕の中で、セラはぜーひゅーと荒い息を吐き出しながら、揺れる視線を私に向けました。
「――申し訳ございません、ルールゥ様」
「うん――い、いやいや! ど、どうしたの!? 駄目だよ、まだ安静にしてなきゃ……!」
「ミ――ミハク様から、この頃は新しい水路を作ろうかと悩んでいたところだと、窺ったんです……」
私は驚きの視線をミハクに向けましたが――ミハクは薄く目を瞑り、何の反応も返さず、黙っているだけでした。
話が見えず困惑を浮かべたまま、とりあえず衰弱状態のセラに視線を戻します。
「そ、それで……?」
「あの、私、役に立てますから」
荒い呼吸を繰り返しながら、セラはか細い声で、そう言いました。
――まるで、うなされるような声色で口にされた言葉でした。
「役に、立てますから……どうか、ここに置いていただけませんか……?」
「…………」
私はとりあえずセラを横に寝かせてから――問いました。
「セラ――あなたは何故、お国を出たのですか?」
「……お国の外で、捨てられてしまいました……」
「お国の、外……?」
「行商団の仕事に殉じていたのですが……失敗を……してしまって……」
「――ああ」
なるほど。
思わず、得心の顔を浮かべました。
お国を渡り貿易を行う、行商人の一行。
この子は、その一員だったと……。
ちらと、ミハクに視線を送りました。
ミハクは、「嘘は言っていないと思いますよ」、と視線で返事を返してきました。
……ルートから完全に外れた――なんて程度ではない辺境のここへ辿り着くまで、いったいどれだけの果てしない道を歩いてきたのでしょう……。
「あ、あの……私……」
ふうふうと息を荒げ、視線の定まらぬ瞳でどこかを見つめながら――セラは突然、両の瞳から涙をこぼし始めました。
「あってはならないことをしたのは分かっています……。孤児の私が、行商の一団で働けていたこと……。辛いこともあったけれど、役割を与えられていた……。けれど私は、天命に背いてしまった……。でも私……私……今度こそ、きちんと請け負った役割をこなしますから……。必ず……だからもう一度だけ……」
――それを聞いて。
その言葉を聞いて。
思わず、セラを映す私の瞳が、見開かれました。
「天命?」
「……生まれたときから、人として与えられた役割……だった……のに……」
「…………」
ああ、そうか。
この子の、この姿は――。
この目では見ていないけれど、確かに知っている姿でした。
あの日の過去で。
……もしかしたらあの日の聖女も、こんな感じだったのですかね。
「お願いします」
大粒の涙を止めどなく流しながら、セラは声を絞り続けました。
「もう一度、チャンスをください。せめて、自分の負った天命を全うしたと……人らしく生きたと……そう、信じられるように……もう一度……」
うなされるように言うセラの表情は――怯えているかのようでした。
いったい、何に?
それは私にも分かりません……。
この子に、手を貸したい。
自然と、そう思っていました。
――そのときでした。
天啓とでもいうべき正体不明の衝撃が、私の脳髄を鋭く揺らしたのです。
その衝撃の余韻の中で――あの日ミハクが口にした文言が、一言一句鮮明に、思い返されました。
『どうですかね。貴方はかつて、与えられたそれを与えられたものと考え、それに順守の念を抱いていましたが――さて……』
与えられたそれを与えられたものと考え。
……上手いことを言うものです。
だというのなら、今の私は――。
――天命。
その選択の先に存在するもの。
ああ、そうですか――そうか……。
私は悟り、深い息を吐き出しました。
……ああ、さらば働かずの日々。
私は観念して天を仰ぎながら、そんなことを内心で呟き――。
そんな私の様子に首を傾げるミハクの前で。
セラに、あの日私に向けられた説教を、今度は私から、迷える彼女に渡すことにしました。
「――いいですか、セラ」
彼女の頭を優しく撫でながら、その定まらぬ視線を受け止めながら。
私は、言葉を紡ぎ始めました。
「いいですか? 私は聖女です。この世に降り立ったそのときから、理の力を宿した神の化身。――けれどね、今の私は、己の役割というものを天啓から見出したわけではありません。そりゃあ、お国と民を救わねばならないという、漠然とした使命感のようなものは持っていましたが」
私の説教の、最初のくだりを聞くと――ミハクはフッと、柔らかな微笑みを浮かべました。
――私は若干頬を赤らめながらに、続けました。
「しかし今の私は自身の見定めで、運命を選択したのです。私というものも紛れもなく、雑多カオスから生まれる意思を持った存在であり、人形じゃないんですから」
ゆっくりとした口調を心掛け、伝わるよう願いながら、私は話し続けます。
「あなたは天命を全うすることが全てと言いますが、“天命”というものはあくまで人の言葉であり、それを定義付けたのもまた人です。――それを全うすることが素晴らしいことであると信ずるのなら、私から言うことは何もありません。しかしセラ――あなたは本当にその天命というものを、真に見定めたと胸を張って言えますか? ――私には、あなたはただ闇雲にあり、むやみやたらに辛そうなだけのように見受けられますが」
「…………。…………だというのなら」
セラはか細い涙声で、問い掛けを向けてきました。
「だというのなら……人は、何のために生きるべきだというのですか……?」
「……あなたが辛さを押し殺して続けてきたお仕事……生きるためというのならしようがありません。けれどセラ、今のあなたには――それ以外にも生きてゆける方法があると……私は進言しているのです」
もう一度彼女の頭を撫でて――私は言いました。
「今すぐその答えを出さなくてもよろしい。ここで暮らしなさい、セラ。ここで、今一度自らの命運を見定めなさい」
「……い、いいの……ですか……?」
「ええ。まあ辺境の地ですが、悪くないところですよ。食物もあるし、お家もあります。それにね――」
彼女の瞳をじっと見つめて、微笑みました。
「大丈夫、寂しくはないわ。私がいる」
「…………」
セラは目を見開き、焦点の合った瞳で私を見上げると――。
その一瞬の正気で気力が尽きたのか、その直後に、眠るように目を瞑りました。
涙を流したままに。
「――良い説教でした。心に響く内容でしたね、ルールゥ」
静かに笑いながら皮肉を言うミハクから、ぷいと顔を反らして。
私は日の昇る明日の方向を見つめて――内心でひっそりと、呟くのでした。
「……あーあ、これで、働かずの日々ともお別れかぁ」
「声に漏れてますよ、ルールゥ」
さてさて。
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