偽物の女神と陥れられ国を追われることになった聖女が、ざまぁのために虎視眈々と策略を練りながら、辺境の地でゆったり楽しく領地開拓ライフ!!

銀灰

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【宣告】・2

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「ノア」
「うん?」
「今更ですが、なぜ貴方に怨嗟を向けた国民まで救おうという気になったのですか?」
「んー、まあ」

 私は頬を掻き、宙に視線をやった。

「上があれでは、国は腐って当然だと考えていたから、かな。民に罪はない。それに、怨嗟を向けられたことに関しては、別段気にしていないしな」
「そうですか」

 エルーナは頷き、祈るように目を瞑った。

「うまく、いきますかね?」
「どうだろうな? ――とりあえず、しょぼくれているイルスをからかいに行くか」
「――ふふ。そうですね、様子を見に行きましょうか」

 言うと、エルーナは不意に――それが自然であるように、私の手を取った。
 ――微笑みが漏れる。

 二人手を繋ぎ、私たちは悠々と、きっと未だ涙目であるだろう友の待つ女神の間へと歩き出した。




 ――そして、半年後。


 
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