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どうやら転生した様だ。

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「痛っっ…!ここは?」

目が覚めると周囲は真っ暗で、手を付いた床は硬い。というよりもザラザラしており砂っぽい。

記憶を思い出そうとする。オレは店でテキーラを飲んで…その後どうなった?

ゴウさんやカオリちゃんは?ここは何処なんだ?


「マスターお目覚めですか?全く寝坊助さんですねー!ツンツン!」

耳元から聞き慣れない声が響く。振り返るが誰も居ない、幻聴か?

だが何かに頬を突かれた感触がする。

「ヘロヘロー、こっちですよ!何処見てんねん!」

パッと光が灯りそこに映し出されたのは…虫?

「ちょいちょい~!酷いですよぉ、マスター!ティンちゃん…傷付いちゃった…なんてね!」

なんだ、この喧しい虫は…?

「あたいはティンクル!突然ですが今日からマスターにはダンジョンマスターになってもらいます!マスターを含めて百人のダンジョンマスターを蹴散らし見事一位になった暁には…なんと!神の許す限り、なんでも願いが叶います!あ…先に言っておきますけど前世には戻れないのでお忘れなき様!」

コロコロ一人称が変わるな…情緒不安定か?それよりも…

「ダンジョンマスターだと?どういうことだ?」

聞き捨てならない。というよりも頭の回転が追い付かない。

「えー、詳しく説明しますと…マスター、神無月 嵐士さん、貴方は急性アルコール中毒によって色々あって亡くなりました。それで私を創り上げた神の戯れで前世の記憶を引き継いでこのフォーチュンにて第二の人生、ダンジョンマスターとして生きることを強制されてしまったのです…お悼わしや…!しかぁーし、この超絶美少女高性能妖精ティンクルちゃんが全力でマスターをサポートしますのでご安心を!大船に乗ったつもりで居て下さい!」

死んだ?オレが?
急性アルコール中毒?
言葉が無数に浮かんでは消えた。
だが一つだけ確定した事実はある。
どうやらオレは転生したらしい。
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