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ダンジョンマスターのお仕事
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暫く呆然と立ち尽くす。思考が巡っては消えてまた浮かぶ。
「えー…マスター?大丈夫ですか?とりあえずざっくり説明しますよー」
虫…ティンクルがオレの承諾を受けず無視して説明を始める。
少し黙っててほしいんだがこの先見知らぬ土地で生きていく為にも情報は必要だ。
「まず今居るこの場所はフォーチュンに唯一ある天馬大陸の西側にあるメメント帝国の辺境の荒野ですー。こんな形ですねー」
地面に翼を広げ足を掲げた天馬…ペガサスを描き前脚の部分に丸を書き込んだ。
「この前脚から東はこの付根部分、北はこの鼻先辺りまでが帝国の領土ですー。怖いですねー恐ろしいですねー」
約三分の一がメメントとかいう帝国の領土か、凄まじいな。
「そこからは大小十二の国があって…まぁ帝国には手も足も出ない状況ですね。今は現皇帝が倒れたので兵を引いてる状態ですー。ヨボヨボのお爺さんですからねー。子供も十八人居て血みどろの骨肉の争いですよ、貴族共は自分の利権を守る為に煽る始末。本当、人間って馬鹿よねー」
演技がかった小芝居を挟みながらペラペラ喋る。
「まぁ、現在居る場所が分かった所でお次はお待ちかね!ダンジョンの説明となります!はい、拍手ー!パチパチパチパチ」
「良いからさっさと続けろ!」
「もうっ!せっかちさんですねー!女の子に嫌われちゃいますよぉ?冗談はこのくらいにしといてまずはダンジョンマスターのお仕事から!」
ティンクルが説明したのは以下の項目だった。
一、ダンジョンマスターは不定期にダンジョンバトルという総力戦を行う。これを回避する事は出来ず対戦相手は前日まで明かされない。
ニ、ダンジョンマスターは魔物を生み出す力、CPクリエイトポイントを使用することが出来る。侵入者を排除すればするほど加算されていく。もしく滞在時間、人数によっても入手出来る。多ければ多い程強力な魔物を召喚する事が出来る。またCPは消耗品との交換も可能である。
三、ダンジョンを改造、改築するにはDPダンジョンポイントを使用。設置した罠で侵入者を排除する事で入手出来る。またダンジョンマスターのレベルアップの特典でも入手可能。
四、ダンジョンマスターの目的は百人のうちたった一人になるまで繰り返される。
ざっと纏めるとこんな内容だった。他にも細かい項目はあったがその都度ティンクルが説明してくれるとのこと。
「それじゃあまずは、ダンジョンを改造しちゃいましょー!えいえいおー!あれ?一緒にやって下さいよぉーマスターのイ・ケ・ズゥ~!」
やれやれ喧しい奴だ、疲れてきたな…
だがこの状況は有利とも取れるだろう。
オレは込み上げる笑いを抑えきれなかった。
「えー…マスター?大丈夫ですか?とりあえずざっくり説明しますよー」
虫…ティンクルがオレの承諾を受けず無視して説明を始める。
少し黙っててほしいんだがこの先見知らぬ土地で生きていく為にも情報は必要だ。
「まず今居るこの場所はフォーチュンに唯一ある天馬大陸の西側にあるメメント帝国の辺境の荒野ですー。こんな形ですねー」
地面に翼を広げ足を掲げた天馬…ペガサスを描き前脚の部分に丸を書き込んだ。
「この前脚から東はこの付根部分、北はこの鼻先辺りまでが帝国の領土ですー。怖いですねー恐ろしいですねー」
約三分の一がメメントとかいう帝国の領土か、凄まじいな。
「そこからは大小十二の国があって…まぁ帝国には手も足も出ない状況ですね。今は現皇帝が倒れたので兵を引いてる状態ですー。ヨボヨボのお爺さんですからねー。子供も十八人居て血みどろの骨肉の争いですよ、貴族共は自分の利権を守る為に煽る始末。本当、人間って馬鹿よねー」
演技がかった小芝居を挟みながらペラペラ喋る。
「まぁ、現在居る場所が分かった所でお次はお待ちかね!ダンジョンの説明となります!はい、拍手ー!パチパチパチパチ」
「良いからさっさと続けろ!」
「もうっ!せっかちさんですねー!女の子に嫌われちゃいますよぉ?冗談はこのくらいにしといてまずはダンジョンマスターのお仕事から!」
ティンクルが説明したのは以下の項目だった。
一、ダンジョンマスターは不定期にダンジョンバトルという総力戦を行う。これを回避する事は出来ず対戦相手は前日まで明かされない。
ニ、ダンジョンマスターは魔物を生み出す力、CPクリエイトポイントを使用することが出来る。侵入者を排除すればするほど加算されていく。もしく滞在時間、人数によっても入手出来る。多ければ多い程強力な魔物を召喚する事が出来る。またCPは消耗品との交換も可能である。
三、ダンジョンを改造、改築するにはDPダンジョンポイントを使用。設置した罠で侵入者を排除する事で入手出来る。またダンジョンマスターのレベルアップの特典でも入手可能。
四、ダンジョンマスターの目的は百人のうちたった一人になるまで繰り返される。
ざっと纏めるとこんな内容だった。他にも細かい項目はあったがその都度ティンクルが説明してくれるとのこと。
「それじゃあまずは、ダンジョンを改造しちゃいましょー!えいえいおー!あれ?一緒にやって下さいよぉーマスターのイ・ケ・ズゥ~!」
やれやれ喧しい奴だ、疲れてきたな…
だがこの状況は有利とも取れるだろう。
オレは込み上げる笑いを抑えきれなかった。
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