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公妃になるなんて無茶難題過ぎます。
志望動機を語るがよろしいわ。
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そのつんざくような絶叫に私とヴィックは驚いて身をギクッとこわばらせた。
二人の世界に酔いしれていたはずの私はびしりと固まる。ロマンティックな雰囲気が一気にサスペンス風味になってしまったため、あんなに熱を持っていた身体が急速に冷えていくのがわかった。
そんな私と比べるとヴィックのほうが切り替えが早かった。彼は身体を起こしてぐるりと警戒した眼差しで周りを見渡すと……ある一角を見てぎょっとした顔をしていた。
「……なぜ君が私の寝室に入ってきているんだ、ハンナ・コール…」
その単語に私は布団から顔を出してヴィックの見ている方向へと視線を向けた。……本当だ。解雇決定したと聞かされていたハンナ・コールがヴィックの寝室に足を踏み入れている姿がそこにある。……なんでこの人深夜にヴィックの部屋に侵入してるの…? また窃盗でもしにきたのか?
一方の彼女と言えば、私とヴィックを見て、口をパクパクさせては顔を赤くしたり青くしたりなにやら狼狽えていた。……ていうかまた行為を第三者に見られた。なんなの、何が何でも婚前交渉は許しません的な呪いでもかかっているんだろうか。
彼女の絶叫で異変を察知したのだろう。部屋の外からはバタバタと複数の足跡が近づいてきた。その音に気づいたヴィックが私を腕の中に隠していた。
「何事ですか!?」
乱暴に開かれた扉の向こうには使用人達。中には寝間着姿の人もいた。やっとお休みの時間だったろうに急に悲鳴が響き渡って慌てて飛んできたのだろう。彼らは部屋にいるハンナ・コールを見て怪訝な顔をして、ベッドの上で不機嫌な顔をしているヴィックとその腕の中にいる私に気づいて気色ばんだ。
「まぁああ! リゼット様! お部屋を抜け出して何をなさっていますの!?」
案の定、怒髪天を衝いてしまったようである。メイドさんの悲鳴のような声に申し訳なくなりながら、私は言い訳じみた言葉を漏らす。
「だ、だってヴィックが大事な話があるって言うから」
私だって話を聞きに来ただけだったんだよ。ふたりきりでしか話せない内容なんだと思って、こっそり抜け出してきたんだ。
実際は私が夜這いしに行ったみたいな感じになっているけどね。
「そんなの、日中にでもすればよろしい! ヴィクトル様もヴィクトル様ですよ! いくらリゼット様を愛しく思われていたとしても、結婚前の男女が…!」
「責任は取ると言っている」
「そういう問題じゃありません!」
説教モードに入ったメイド長は男性使用人を一旦下げさせると、布団にくるまった全裸の私にネグリジェを着させた。ヴィックも渋々寝間着を着直している。
うぅ、また複数の人に見られた……なんだこの羞恥ならぬ周知プレイ……。
深夜に差し掛かるであろう時間だが、私とヴィックはメイド長によってくどくどと婚前の男女の距離感というものを指導された。
「そうは言うが、流石に一昔前の価値観だろう」
「おだまりなさい!」
うんざりした様子のヴィックが水を差すとメイド長が口から火を吐く勢いで怒鳴った。日中はヴィックのお怒りに青ざめていたメイド長が今ではまさにお母さんのようにヴィックを叱り飛ばしている。
……逆転しているじゃないか。この2人のパワーバランスが気になるところだが、私は身を縮めて彼女の説教を受け入れた。
□■□
しかしここでなぜハンナ・コールがヴィックの部屋にいたのかという疑惑が持ち上がる、疑惑も何も現行犯なのだが、あの場で執事頭に咎められた彼女は「夜這いしに来た」とぺろっと自供した。
だけどいざ部屋に入ってみれば、寝台の上で2人の男女の絡み合う生々しい姿を見て衝撃を受けて叫んでしまったのだという。刺激が強すぎたらしい。
ハンナ・コールという人物に関して不審な点を感じた執事頭が色々と調査してくれたそうだが、クレームついでに紹介状を書いたメイド協会に損害賠償請求したら新たな事実が判明した。
城で色々問題を起こしたこのハンナは偽物で、本名はエラというらしい。彼女は本物のハンナ・コールの幼馴染。本物は出発の前夜に睡眠薬で昏倒させられ、紹介状と身分証明証、移動用のチケットも奪われたのだそうだ。
手加減無しで薬を盛られた本物ハンナさんが目覚めたのは病院で、昏倒しているところを親御さんに発見されたとか。その時点で既に1週間以上経過した後だったらしい。退院してから慌ててメイド協会に駆けつけたが、身分証明書も紹介状も奪われた【ハンナ・コール】の身分証明とかその他の煩雑な手続きでなかなかエーゲシュトランド城の採用担当者と連絡が取れなかったのだという。
「色々不審な点があったので再調査しましたが……どんな理由があったにせよ身分詐称は褒められたことではありません」
変だな変だなと思ってたらそれが偽物だったとは誰が想像できるか。
こっちは写真なんてないから、別人の身分証明書を利用することも簡単みたいだもんね。偽物ハンナ・コールであるエラの取り調べに同席していた私は言葉も出なかった。本物のハンナさんは災難だったね…というしかあるまい。
悪いことをしたのは明白なのに、エラはブスくれていた。彼女は私が見ていると気づくと、こっちをギラリと睨みつけてきた。その眼光の鋭さに私はビクッとしてしまう。
「だってスラムの娘を妃にするって聞いたら興味わくに決まってるじゃない! 会ってみれば私のほうが美人だったから私が妃になってやろうと思ったのよ! …私はただの平民で終わる女じゃないんだから!」
そんな。原因が私だと言いたいのか。
この人は……言葉の端々から幼馴染のハンナさんを見下している風な言い方しているし、優秀なメイドだと認められたハンナさんに嫉妬して悔しくてそのポジションを奪ったってのもあるんじゃないかなぁ。お山の大将気取りなのだろうか。
「は…? なにを偉そうに。私のリゼットのほうが可愛らしいに決まっているだろう…」
エラの反論にわかりやすく反応したのはヴィックである。彼は私の肩を抱き寄せて鼻で笑っている。恥ずかしいからやめてほしい。ヴィックは恋で盲目状態だからそんなこと言えるんだ。
おい、思い出したかのようにちゅっちゅっとキスするな。みんなの前でされると恥ずかしいんだよ私は。ヴィックの口を手のひらで塞ぐと、今度は手のひらにキスし始めたし。
「なんなのよ! 私のほうが美人でしょうが!」
ヴィックには私しか見えないようだ。エラの存在を忘れて私を愛でる。それが彼女のプライドを傷つけたのだろうか。なんか顔を真っ赤にさせて憤慨しているようだったが、危害を加えるかもしれないってことで早々に強制送還させられていた。
その際、給料では相殺できなかった被害金額をエラの実家あてに被害請求することも忘れない。私の髪飾りの窃盗に破損もだけど、関係各所で色々やらかしていたようである。
しっかり損害金の取り立てをするために海を渡って隣国入りして、エラの住んでいた町へ出向いた執事頭はそこであちらのメイド協会の人間と顔を合わせたそうだ。協会長の隣には意気消沈した若い女性の姿。彼女は周囲をごつい男に囲まれて監視されているエラを見るなりビンタをぶちかましたそうだ。
そう、その女性こそ本物のハンナ・コールだ。彼女は推薦状をもらえるほど認められるまでに必死に働いてきたのだ。それは彼女の努力の賜物。それを奪い取り、先方で迷惑をかけまくった身勝手な幼馴染のことが許せなかったのだろう。
それなのにエラは逆ギレしてハンナさんを殴り返した。最初から最後まで反省の色もなく、ハンナ・コールを小馬鹿にした態度を崩さなかったそうだ。その後エラの両親がやってきて平謝りしてきたそうだが、執事長は仕事を完遂すべくこれまで起きたことをずらりと箇条書きにした紙と請求書を提示して被害総額を一括で支払うように命じるとあちら側は血相変えて泡を食っていたとか。
激怒した両親に頬を張られたエラはギャーギャー騒いで耳障りだったと執事頭は後に語っていた。
嵌められた上に何もしていないのに解雇になるのは流石に本物のハンナ・コールが可哀想なので、その気があるならこちらで身元調査、面談・実技筆記試験をクリアした上で雇用を検討すると条件を出すと、本物のハンナさんは、前のめりになって頷いていたそうだ。
賃金がいいのか、エーゲシュトランド公国というネームバリューがいいのか、どうしてもここで働きたいのだという。その熱意に応えてチャンスを与えることにしたのだという。
後日、ハンナさんがエーゲシュトランドに来訪する機会があり、面談の場には私も同席した。公妃、そして女主人になった際には使用人の掌握も必要なのだとヴィックに言われた為である。まるで就職試験の場所で面接官をしているような心境であった。
メイド長に「リゼット様からなにか聞きたいことはありますか?」と話を向けられたので。私は難しい顔をしてそれらしく言った。
「ご自身の強みはなんですか? 具体的な経験例を交えて3分以内で答えてください」
「強み、ですか…えぇと私の強みは」
大学生が新卒試験で受けそうな質問を投げかけると、本物のハンナさんは緊張しながらも真面目に返してくれた。その回答は模範解答と言ってもいい。私は鷹揚に頷いてベテラン面接官のような反応を示したのである。
本物のハンナさんはメイド長が思わず手放しで褒めてしまうほど優秀なひとだったようで、実技試験筆記試験ともに優秀な成績を修めた。採用可否について私は口を挟む暇もなかった。
彼女が腹の中でどう思ってるかは分からないけど、スラム出身である私にも敬意を示してくれるし、上手に隠せるだけ十分である。
そんなわけで本日改めて新しくメイドのハンナ・コールさんが入職しました。
二人の世界に酔いしれていたはずの私はびしりと固まる。ロマンティックな雰囲気が一気にサスペンス風味になってしまったため、あんなに熱を持っていた身体が急速に冷えていくのがわかった。
そんな私と比べるとヴィックのほうが切り替えが早かった。彼は身体を起こしてぐるりと警戒した眼差しで周りを見渡すと……ある一角を見てぎょっとした顔をしていた。
「……なぜ君が私の寝室に入ってきているんだ、ハンナ・コール…」
その単語に私は布団から顔を出してヴィックの見ている方向へと視線を向けた。……本当だ。解雇決定したと聞かされていたハンナ・コールがヴィックの寝室に足を踏み入れている姿がそこにある。……なんでこの人深夜にヴィックの部屋に侵入してるの…? また窃盗でもしにきたのか?
一方の彼女と言えば、私とヴィックを見て、口をパクパクさせては顔を赤くしたり青くしたりなにやら狼狽えていた。……ていうかまた行為を第三者に見られた。なんなの、何が何でも婚前交渉は許しません的な呪いでもかかっているんだろうか。
彼女の絶叫で異変を察知したのだろう。部屋の外からはバタバタと複数の足跡が近づいてきた。その音に気づいたヴィックが私を腕の中に隠していた。
「何事ですか!?」
乱暴に開かれた扉の向こうには使用人達。中には寝間着姿の人もいた。やっとお休みの時間だったろうに急に悲鳴が響き渡って慌てて飛んできたのだろう。彼らは部屋にいるハンナ・コールを見て怪訝な顔をして、ベッドの上で不機嫌な顔をしているヴィックとその腕の中にいる私に気づいて気色ばんだ。
「まぁああ! リゼット様! お部屋を抜け出して何をなさっていますの!?」
案の定、怒髪天を衝いてしまったようである。メイドさんの悲鳴のような声に申し訳なくなりながら、私は言い訳じみた言葉を漏らす。
「だ、だってヴィックが大事な話があるって言うから」
私だって話を聞きに来ただけだったんだよ。ふたりきりでしか話せない内容なんだと思って、こっそり抜け出してきたんだ。
実際は私が夜這いしに行ったみたいな感じになっているけどね。
「そんなの、日中にでもすればよろしい! ヴィクトル様もヴィクトル様ですよ! いくらリゼット様を愛しく思われていたとしても、結婚前の男女が…!」
「責任は取ると言っている」
「そういう問題じゃありません!」
説教モードに入ったメイド長は男性使用人を一旦下げさせると、布団にくるまった全裸の私にネグリジェを着させた。ヴィックも渋々寝間着を着直している。
うぅ、また複数の人に見られた……なんだこの羞恥ならぬ周知プレイ……。
深夜に差し掛かるであろう時間だが、私とヴィックはメイド長によってくどくどと婚前の男女の距離感というものを指導された。
「そうは言うが、流石に一昔前の価値観だろう」
「おだまりなさい!」
うんざりした様子のヴィックが水を差すとメイド長が口から火を吐く勢いで怒鳴った。日中はヴィックのお怒りに青ざめていたメイド長が今ではまさにお母さんのようにヴィックを叱り飛ばしている。
……逆転しているじゃないか。この2人のパワーバランスが気になるところだが、私は身を縮めて彼女の説教を受け入れた。
□■□
しかしここでなぜハンナ・コールがヴィックの部屋にいたのかという疑惑が持ち上がる、疑惑も何も現行犯なのだが、あの場で執事頭に咎められた彼女は「夜這いしに来た」とぺろっと自供した。
だけどいざ部屋に入ってみれば、寝台の上で2人の男女の絡み合う生々しい姿を見て衝撃を受けて叫んでしまったのだという。刺激が強すぎたらしい。
ハンナ・コールという人物に関して不審な点を感じた執事頭が色々と調査してくれたそうだが、クレームついでに紹介状を書いたメイド協会に損害賠償請求したら新たな事実が判明した。
城で色々問題を起こしたこのハンナは偽物で、本名はエラというらしい。彼女は本物のハンナ・コールの幼馴染。本物は出発の前夜に睡眠薬で昏倒させられ、紹介状と身分証明証、移動用のチケットも奪われたのだそうだ。
手加減無しで薬を盛られた本物ハンナさんが目覚めたのは病院で、昏倒しているところを親御さんに発見されたとか。その時点で既に1週間以上経過した後だったらしい。退院してから慌ててメイド協会に駆けつけたが、身分証明書も紹介状も奪われた【ハンナ・コール】の身分証明とかその他の煩雑な手続きでなかなかエーゲシュトランド城の採用担当者と連絡が取れなかったのだという。
「色々不審な点があったので再調査しましたが……どんな理由があったにせよ身分詐称は褒められたことではありません」
変だな変だなと思ってたらそれが偽物だったとは誰が想像できるか。
こっちは写真なんてないから、別人の身分証明書を利用することも簡単みたいだもんね。偽物ハンナ・コールであるエラの取り調べに同席していた私は言葉も出なかった。本物のハンナさんは災難だったね…というしかあるまい。
悪いことをしたのは明白なのに、エラはブスくれていた。彼女は私が見ていると気づくと、こっちをギラリと睨みつけてきた。その眼光の鋭さに私はビクッとしてしまう。
「だってスラムの娘を妃にするって聞いたら興味わくに決まってるじゃない! 会ってみれば私のほうが美人だったから私が妃になってやろうと思ったのよ! …私はただの平民で終わる女じゃないんだから!」
そんな。原因が私だと言いたいのか。
この人は……言葉の端々から幼馴染のハンナさんを見下している風な言い方しているし、優秀なメイドだと認められたハンナさんに嫉妬して悔しくてそのポジションを奪ったってのもあるんじゃないかなぁ。お山の大将気取りなのだろうか。
「は…? なにを偉そうに。私のリゼットのほうが可愛らしいに決まっているだろう…」
エラの反論にわかりやすく反応したのはヴィックである。彼は私の肩を抱き寄せて鼻で笑っている。恥ずかしいからやめてほしい。ヴィックは恋で盲目状態だからそんなこと言えるんだ。
おい、思い出したかのようにちゅっちゅっとキスするな。みんなの前でされると恥ずかしいんだよ私は。ヴィックの口を手のひらで塞ぐと、今度は手のひらにキスし始めたし。
「なんなのよ! 私のほうが美人でしょうが!」
ヴィックには私しか見えないようだ。エラの存在を忘れて私を愛でる。それが彼女のプライドを傷つけたのだろうか。なんか顔を真っ赤にさせて憤慨しているようだったが、危害を加えるかもしれないってことで早々に強制送還させられていた。
その際、給料では相殺できなかった被害金額をエラの実家あてに被害請求することも忘れない。私の髪飾りの窃盗に破損もだけど、関係各所で色々やらかしていたようである。
しっかり損害金の取り立てをするために海を渡って隣国入りして、エラの住んでいた町へ出向いた執事頭はそこであちらのメイド協会の人間と顔を合わせたそうだ。協会長の隣には意気消沈した若い女性の姿。彼女は周囲をごつい男に囲まれて監視されているエラを見るなりビンタをぶちかましたそうだ。
そう、その女性こそ本物のハンナ・コールだ。彼女は推薦状をもらえるほど認められるまでに必死に働いてきたのだ。それは彼女の努力の賜物。それを奪い取り、先方で迷惑をかけまくった身勝手な幼馴染のことが許せなかったのだろう。
それなのにエラは逆ギレしてハンナさんを殴り返した。最初から最後まで反省の色もなく、ハンナ・コールを小馬鹿にした態度を崩さなかったそうだ。その後エラの両親がやってきて平謝りしてきたそうだが、執事長は仕事を完遂すべくこれまで起きたことをずらりと箇条書きにした紙と請求書を提示して被害総額を一括で支払うように命じるとあちら側は血相変えて泡を食っていたとか。
激怒した両親に頬を張られたエラはギャーギャー騒いで耳障りだったと執事頭は後に語っていた。
嵌められた上に何もしていないのに解雇になるのは流石に本物のハンナ・コールが可哀想なので、その気があるならこちらで身元調査、面談・実技筆記試験をクリアした上で雇用を検討すると条件を出すと、本物のハンナさんは、前のめりになって頷いていたそうだ。
賃金がいいのか、エーゲシュトランド公国というネームバリューがいいのか、どうしてもここで働きたいのだという。その熱意に応えてチャンスを与えることにしたのだという。
後日、ハンナさんがエーゲシュトランドに来訪する機会があり、面談の場には私も同席した。公妃、そして女主人になった際には使用人の掌握も必要なのだとヴィックに言われた為である。まるで就職試験の場所で面接官をしているような心境であった。
メイド長に「リゼット様からなにか聞きたいことはありますか?」と話を向けられたので。私は難しい顔をしてそれらしく言った。
「ご自身の強みはなんですか? 具体的な経験例を交えて3分以内で答えてください」
「強み、ですか…えぇと私の強みは」
大学生が新卒試験で受けそうな質問を投げかけると、本物のハンナさんは緊張しながらも真面目に返してくれた。その回答は模範解答と言ってもいい。私は鷹揚に頷いてベテラン面接官のような反応を示したのである。
本物のハンナさんはメイド長が思わず手放しで褒めてしまうほど優秀なひとだったようで、実技試験筆記試験ともに優秀な成績を修めた。採用可否について私は口を挟む暇もなかった。
彼女が腹の中でどう思ってるかは分からないけど、スラム出身である私にも敬意を示してくれるし、上手に隠せるだけ十分である。
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