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番外編・大学生活編
真っ昼間から誘惑するんじゃありません!
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慎悟はもう少しドライなやつだと思っていたが、頭の中は結構桃色みたいだ。昨日はおしりペンペンプレイをされてびっくりしたよ。欲求不満と睡眠不足が合わさるとあぁなるんだね。
生足キュロットスカートを慎悟が渋るので、ネットでレギンスを購入した。お急ぎ便で今朝届いた七分丈のそれを着用したら、彼は満足げに頷いていた。
そんなわけで再びペンペンされたくないので、私は大人しくそれを穿く。じっとりして暑いけど。
別荘3日目の朝、私達は再びテニスコートに立っていた。私が三浦君へリベンジマッチを挑んだのである。
涼しいうちにテニスして、暑くなったらプールでクールダウンするかという流れだったのだが……
「こんにちはぁ」
「テニスしてるんですかぁ? あたし達も混ぜてくださぁい」
一昨日のサークル女子が襲来したのである。
止める男性陣を振り払ってきたらしく、後ろから慌てて彼らが止めようとするも、彼女たちは三浦君と慎悟にテニスのお誘いをしていた。
「私達とお兄さん達でペア組んで、男女混合ダブルスで戦いましょ!」
ここに私がいるのに、私を省いた男女混合ペアでテニスをしようと提案し始めたのである。
おい待てよ、私の立場はどうなるんだ。後ろにいる同行者の男性らはどうするんだ。それ以前にここのテニスコートは三浦家所有の私有地だ。その振舞いはいかがなものかと思うのだが…
「いや男女混合なら、俺がこいつと組むんで、そちらはそちらで男女選抜したらいいじゃないですか……それでいいよな? 慎悟」
「あぁ」
グワシッと三浦君に頭を掴まれた。
上から抑えつけないで欲しい。背が縮むでしょうが…
三浦君の逆提案に、向こうの肉食系女子は不満そうな顔をしてこっちを睨んできたが、私は「んだコラ」と睨み返しておいた。
「あの女何よ」
「ありえなーい」
「ありえないのはお前らだろ。あっちに失礼だってわからんの?」
あの人達同じサークルみたいだけど、この合宿で仲違いして解散したりしないかな……ハメ外すと本性って出てきちゃうよね。
それはそうと、あっちの女子も薄着のユニフォームを着用している。スコートでタンクトップな分、私よりも露出が激しいのだが……私が隣にいる慎悟を見上げると、慎悟がその視線に気づいたのかこちらを見て不思議そうに首を傾げている。
やいやいとサークル内で言い合いをしているっぽい男女たちの傍らで、私は慎悟に問いかけた。
「あそこのお姉さんたちは私より刺激的な格好してるんだけど…」
「…? 赤の他人だろ。俺がどうこう言える話じゃない」
「これ暑いんだけどな」
「我慢しろ」
他の女性が刺激的な格好していることはスルーらしい。あくまで私には節度を持てと言いたいらしい。わがままな坊っちゃんめ。
くそー…普通に短パンみたいなの持ってきたらよかった。黒のレギンスは熱が籠もって暑い…一応通気性のいいものにしたけど、それでも暑いよ…
こうして、男女混合ダブルスの試合が始まった。私は前方、後方を三浦君が守ることに。
私と彼は一度スカッシュ、そしてテニスで対戦したくらいなのだが、三浦君は状況を読むのが上手だった。めちゃくちゃプレイしやすかったぞ。
あっという間にゲームセットして、私達は勝利を収めた。私と三浦君は腕をガッと固めて健闘を称え合った。初めて彼とはわかり合えた気がするぞ。
「なかなかやるじゃん」
「そっちこそ」
対戦相手の女性はそんなにテニスが得意じゃないのか、後ろにいたお兄さんが必死にボールを追いかけている感じであった。チャンスボールあったのに、ネットにぶち当てて失点していたし…。まぁサークルだから上手い下手いの差があっても仕方ないよね。
「慎悟ーみてた? 勝ったよー!」
コートの隅で観戦していた慎悟に報告しようと駆け寄ると、慎悟の隣には肉食系女子がいた。ムッとした私は、見せびらかすように慎悟に抱きつく。
やい、人の婚約者に色目使ってんじゃないよ。
ハグを受け止めてくれた慎悟は私を抱き込んでぎょっとした顔をしていた。
「…熱い。身体をすぐに冷やしたほうがいい」
ぺた、と汗で張り付いた前髪を払って、おでこに触れた慎悟は渋い顔をしている。熱中症の心配をしているのかな。大丈夫なのに。
試合は終わった。これでテニスは終了とばかりに私のラケットを手に取ると、慎悟は私の手を引いて踵を返した。
「じゃあプール入ろうか」
体を冷やすにはプールが手っ取り早い。
私はまた3人でビーチバレーで遊ぶ気満々だったのだが……
「三浦君テニス上手だね! 長いことテニスやってんの?」
「小学生のころからずっと」
なにやらお兄さん方が三浦君の腕に惚れて質問攻めにし始めたのだ。テニスが好きなら知っているであろう、強豪校出身と聞いたお兄さんは「すげーな! 道理で強いわけだ! 俺そこ受けようとしたけど落ちちゃったんだよー!」と興奮した様子で騒いでいた。
「君のラケットどこの? フレームが特殊だね」
「これはドイツのメーカーに特注で作ってもらったんだ」
何やら彼らはテニス談義を始めていた。大学のテニスサークルメンバーだと言うからてっきりチャラチャラした集まりなのかと思えば、一部ガチ勢がいたようだ。
「次は男だけで試合しようぜ」
「じゃあ俺、三浦君と組むわ」
「ばぁかじゃんけんに決まってんだろ」
三浦君に急にモテ期が訪れたようである。男たちがこぞって三浦君を奪い始めたぞ。
放っておいても大丈夫そうなので、私達はその場を黙って後にした。彼らの後ろでむっすーとふてくされた顔をする肉食女子達のことは見なかったふりをして。
■□■
プールの水が反射して、水影が揺れる。私は浮き輪に乗ってプカプカ浮かびながら、降り注ぐ太陽の光に目を細めていた。
うーん、優雅。別荘でのバカンスだなんて、ものすごくセレブっぽい……
「三浦君、まだテニスしてるのかな」
「あいつは何もなければ一日中でもやるぞ」
この直射日光の暑い中すごいな…屋内競技と屋外競技プレイヤーの違いであろうか…
隣で浮き輪を動かしてくれている慎悟を見上げると、水も滴るいい男がそこにいた。本人はその気がないだろうが、色気がすごい。
私が浮き輪から降りようとすると、それに気づいた慎悟が手伝ってくれる。水の浮力で軽々と抱き上げられた私は彼の首に抱きついた。
「えーい」
慎悟の身体を抱き込んでその唇に吸い付くと、そのまま水の中へ共連れにした。私は彼の唇をしっかり塞いだまま水の中で彼と見つめ合った。空気の泡が水上へ浮上していく中、私達は空気のない水中で唇を重ね合った。水の中に差し込んでくる光がキラキラ輝いて眩しい。
ザバッと音を立ててプールから顔を出したあとは、お互い何も言葉をかわさずにしばらくキスをした。
プールの水で身体はすっかり冷えたというのに、お互いの舌の熱さで身体が火照ってくる。上唇を喰まれるようについばまれたら、お返しに相手の小鼻にキスを落としてやる。
「ん…は…」
お互いの舌を絡め合い、吸い合い、吐息を交わらせる。一度くっついたら離れがたい。相手のことを食べてしまいたい衝動に駆られるのだ。
夢中でキスをしていると、慎悟の手の動きが怪しくなってきた。ビキニの水着越しに胸を揉み始めたのだ。
徐々に慎悟の顔が下へと降りていき、胸元に顔を埋めたかと思えば、そこへキツく吸い付いた。
「こら!」
流石に場所と時間が悪い。私はその行為を止めて叱りつけた。
それに慎悟は上目遣いで不満を込めた視線を向けてきた。慎悟もバカンスで少々大胆になっているのかな? だけど所構わず発情するのは褒められたことではない。
「…駄目。まだ明るいでしょ?」
胸を揉んでいたその手を解くと、一旦慎悟から離れようとした。
「…じゃあ、部屋に行く」
私が言っている言葉の意味がわかってないのかなこの坊っちゃんは。お昼だから駄目だって言ってるの。
腰を抱き寄せて、色気の無駄遣いをする慎悟は私を誘い込もうとする。
でも駄目だぞ。
「また夜這いに来てよ…待ってるから」
慎悟の胸に顔を埋めて小さく呟いたお誘いはしっかりと彼の耳に届いていたようだ。
返事の代わりにおでこにキスを落とされたのである。
夕方過ぎにテニスから戻ってきた三浦君はものすごく日に焼けていた。だけど本人はスッキリした顔で、たのしかったー。と言っていたので、充実した一日を過ごせたようだ。
「あーでも久々こんなに試合したから疲れたな……悪いけど今日は早めに休ませてもらうわ」
避暑地とはいえ、動けば暑い。長時間のテニスでかなり体力を消耗したことであろう。早々に寝る宣言をした三浦君は、食事をとったらすぐに寝るつもりのようだ。
「あ、そうだ」
一旦部屋に着替えに行こうとした三浦君は足を止めてこちらを振り返ってきた。
「夜中にコソコソ出ていかなくていいよ。もう堂々としてくれたほうが気が楽」
それは慎悟に掛けた言葉だ。
初日には「はしたないから」と慎悟との同室を認めてくれなかったのにどういった心境の変化なのか。止めても慎悟が絶対に夜這いしに行くマンだから諦めたっていうのか。
別にそこはいいけど、気取られるというのは恥ずかしくてたまらんのですが。
その日の夜、夜這いすることなく私にあてられた部屋で共に過ごした慎悟の腕の中で、私はうとうとと微睡みながら話しかけた。
「明日で帰るのが惜しいなぁ…楽しかったね」
私の言葉に返事をするかのように慎悟は沢山顔にキスしてきた。くすぐったくて私は声を漏らして笑う。
今度は二階堂の別荘を貸してもらおうか。いや…婚約者といえど、未婚の男女が泊まるのははしたないと怒られちゃうかな? ……まぁいいや、考えるのは今度で。
「今度はどこに行こうか。慎悟が一緒ならきっとどこでも楽しいんだろうな…」
身体を重ねた後の独特な倦怠感と睡魔が混じり合って、私の意識は徐々に沈んでいく。
慎悟の腕に守られて眠りに落ちるこの瞬間が一等幸せで……私は夢も見ずにぐっすり寝入ったのである。
生足キュロットスカートを慎悟が渋るので、ネットでレギンスを購入した。お急ぎ便で今朝届いた七分丈のそれを着用したら、彼は満足げに頷いていた。
そんなわけで再びペンペンされたくないので、私は大人しくそれを穿く。じっとりして暑いけど。
別荘3日目の朝、私達は再びテニスコートに立っていた。私が三浦君へリベンジマッチを挑んだのである。
涼しいうちにテニスして、暑くなったらプールでクールダウンするかという流れだったのだが……
「こんにちはぁ」
「テニスしてるんですかぁ? あたし達も混ぜてくださぁい」
一昨日のサークル女子が襲来したのである。
止める男性陣を振り払ってきたらしく、後ろから慌てて彼らが止めようとするも、彼女たちは三浦君と慎悟にテニスのお誘いをしていた。
「私達とお兄さん達でペア組んで、男女混合ダブルスで戦いましょ!」
ここに私がいるのに、私を省いた男女混合ペアでテニスをしようと提案し始めたのである。
おい待てよ、私の立場はどうなるんだ。後ろにいる同行者の男性らはどうするんだ。それ以前にここのテニスコートは三浦家所有の私有地だ。その振舞いはいかがなものかと思うのだが…
「いや男女混合なら、俺がこいつと組むんで、そちらはそちらで男女選抜したらいいじゃないですか……それでいいよな? 慎悟」
「あぁ」
グワシッと三浦君に頭を掴まれた。
上から抑えつけないで欲しい。背が縮むでしょうが…
三浦君の逆提案に、向こうの肉食系女子は不満そうな顔をしてこっちを睨んできたが、私は「んだコラ」と睨み返しておいた。
「あの女何よ」
「ありえなーい」
「ありえないのはお前らだろ。あっちに失礼だってわからんの?」
あの人達同じサークルみたいだけど、この合宿で仲違いして解散したりしないかな……ハメ外すと本性って出てきちゃうよね。
それはそうと、あっちの女子も薄着のユニフォームを着用している。スコートでタンクトップな分、私よりも露出が激しいのだが……私が隣にいる慎悟を見上げると、慎悟がその視線に気づいたのかこちらを見て不思議そうに首を傾げている。
やいやいとサークル内で言い合いをしているっぽい男女たちの傍らで、私は慎悟に問いかけた。
「あそこのお姉さんたちは私より刺激的な格好してるんだけど…」
「…? 赤の他人だろ。俺がどうこう言える話じゃない」
「これ暑いんだけどな」
「我慢しろ」
他の女性が刺激的な格好していることはスルーらしい。あくまで私には節度を持てと言いたいらしい。わがままな坊っちゃんめ。
くそー…普通に短パンみたいなの持ってきたらよかった。黒のレギンスは熱が籠もって暑い…一応通気性のいいものにしたけど、それでも暑いよ…
こうして、男女混合ダブルスの試合が始まった。私は前方、後方を三浦君が守ることに。
私と彼は一度スカッシュ、そしてテニスで対戦したくらいなのだが、三浦君は状況を読むのが上手だった。めちゃくちゃプレイしやすかったぞ。
あっという間にゲームセットして、私達は勝利を収めた。私と三浦君は腕をガッと固めて健闘を称え合った。初めて彼とはわかり合えた気がするぞ。
「なかなかやるじゃん」
「そっちこそ」
対戦相手の女性はそんなにテニスが得意じゃないのか、後ろにいたお兄さんが必死にボールを追いかけている感じであった。チャンスボールあったのに、ネットにぶち当てて失点していたし…。まぁサークルだから上手い下手いの差があっても仕方ないよね。
「慎悟ーみてた? 勝ったよー!」
コートの隅で観戦していた慎悟に報告しようと駆け寄ると、慎悟の隣には肉食系女子がいた。ムッとした私は、見せびらかすように慎悟に抱きつく。
やい、人の婚約者に色目使ってんじゃないよ。
ハグを受け止めてくれた慎悟は私を抱き込んでぎょっとした顔をしていた。
「…熱い。身体をすぐに冷やしたほうがいい」
ぺた、と汗で張り付いた前髪を払って、おでこに触れた慎悟は渋い顔をしている。熱中症の心配をしているのかな。大丈夫なのに。
試合は終わった。これでテニスは終了とばかりに私のラケットを手に取ると、慎悟は私の手を引いて踵を返した。
「じゃあプール入ろうか」
体を冷やすにはプールが手っ取り早い。
私はまた3人でビーチバレーで遊ぶ気満々だったのだが……
「三浦君テニス上手だね! 長いことテニスやってんの?」
「小学生のころからずっと」
なにやらお兄さん方が三浦君の腕に惚れて質問攻めにし始めたのだ。テニスが好きなら知っているであろう、強豪校出身と聞いたお兄さんは「すげーな! 道理で強いわけだ! 俺そこ受けようとしたけど落ちちゃったんだよー!」と興奮した様子で騒いでいた。
「君のラケットどこの? フレームが特殊だね」
「これはドイツのメーカーに特注で作ってもらったんだ」
何やら彼らはテニス談義を始めていた。大学のテニスサークルメンバーだと言うからてっきりチャラチャラした集まりなのかと思えば、一部ガチ勢がいたようだ。
「次は男だけで試合しようぜ」
「じゃあ俺、三浦君と組むわ」
「ばぁかじゃんけんに決まってんだろ」
三浦君に急にモテ期が訪れたようである。男たちがこぞって三浦君を奪い始めたぞ。
放っておいても大丈夫そうなので、私達はその場を黙って後にした。彼らの後ろでむっすーとふてくされた顔をする肉食女子達のことは見なかったふりをして。
■□■
プールの水が反射して、水影が揺れる。私は浮き輪に乗ってプカプカ浮かびながら、降り注ぐ太陽の光に目を細めていた。
うーん、優雅。別荘でのバカンスだなんて、ものすごくセレブっぽい……
「三浦君、まだテニスしてるのかな」
「あいつは何もなければ一日中でもやるぞ」
この直射日光の暑い中すごいな…屋内競技と屋外競技プレイヤーの違いであろうか…
隣で浮き輪を動かしてくれている慎悟を見上げると、水も滴るいい男がそこにいた。本人はその気がないだろうが、色気がすごい。
私が浮き輪から降りようとすると、それに気づいた慎悟が手伝ってくれる。水の浮力で軽々と抱き上げられた私は彼の首に抱きついた。
「えーい」
慎悟の身体を抱き込んでその唇に吸い付くと、そのまま水の中へ共連れにした。私は彼の唇をしっかり塞いだまま水の中で彼と見つめ合った。空気の泡が水上へ浮上していく中、私達は空気のない水中で唇を重ね合った。水の中に差し込んでくる光がキラキラ輝いて眩しい。
ザバッと音を立ててプールから顔を出したあとは、お互い何も言葉をかわさずにしばらくキスをした。
プールの水で身体はすっかり冷えたというのに、お互いの舌の熱さで身体が火照ってくる。上唇を喰まれるようについばまれたら、お返しに相手の小鼻にキスを落としてやる。
「ん…は…」
お互いの舌を絡め合い、吸い合い、吐息を交わらせる。一度くっついたら離れがたい。相手のことを食べてしまいたい衝動に駆られるのだ。
夢中でキスをしていると、慎悟の手の動きが怪しくなってきた。ビキニの水着越しに胸を揉み始めたのだ。
徐々に慎悟の顔が下へと降りていき、胸元に顔を埋めたかと思えば、そこへキツく吸い付いた。
「こら!」
流石に場所と時間が悪い。私はその行為を止めて叱りつけた。
それに慎悟は上目遣いで不満を込めた視線を向けてきた。慎悟もバカンスで少々大胆になっているのかな? だけど所構わず発情するのは褒められたことではない。
「…駄目。まだ明るいでしょ?」
胸を揉んでいたその手を解くと、一旦慎悟から離れようとした。
「…じゃあ、部屋に行く」
私が言っている言葉の意味がわかってないのかなこの坊っちゃんは。お昼だから駄目だって言ってるの。
腰を抱き寄せて、色気の無駄遣いをする慎悟は私を誘い込もうとする。
でも駄目だぞ。
「また夜這いに来てよ…待ってるから」
慎悟の胸に顔を埋めて小さく呟いたお誘いはしっかりと彼の耳に届いていたようだ。
返事の代わりにおでこにキスを落とされたのである。
夕方過ぎにテニスから戻ってきた三浦君はものすごく日に焼けていた。だけど本人はスッキリした顔で、たのしかったー。と言っていたので、充実した一日を過ごせたようだ。
「あーでも久々こんなに試合したから疲れたな……悪いけど今日は早めに休ませてもらうわ」
避暑地とはいえ、動けば暑い。長時間のテニスでかなり体力を消耗したことであろう。早々に寝る宣言をした三浦君は、食事をとったらすぐに寝るつもりのようだ。
「あ、そうだ」
一旦部屋に着替えに行こうとした三浦君は足を止めてこちらを振り返ってきた。
「夜中にコソコソ出ていかなくていいよ。もう堂々としてくれたほうが気が楽」
それは慎悟に掛けた言葉だ。
初日には「はしたないから」と慎悟との同室を認めてくれなかったのにどういった心境の変化なのか。止めても慎悟が絶対に夜這いしに行くマンだから諦めたっていうのか。
別にそこはいいけど、気取られるというのは恥ずかしくてたまらんのですが。
その日の夜、夜這いすることなく私にあてられた部屋で共に過ごした慎悟の腕の中で、私はうとうとと微睡みながら話しかけた。
「明日で帰るのが惜しいなぁ…楽しかったね」
私の言葉に返事をするかのように慎悟は沢山顔にキスしてきた。くすぐったくて私は声を漏らして笑う。
今度は二階堂の別荘を貸してもらおうか。いや…婚約者といえど、未婚の男女が泊まるのははしたないと怒られちゃうかな? ……まぁいいや、考えるのは今度で。
「今度はどこに行こうか。慎悟が一緒ならきっとどこでも楽しいんだろうな…」
身体を重ねた後の独特な倦怠感と睡魔が混じり合って、私の意識は徐々に沈んでいく。
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