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断ち切れぬ想い
血の味がするキス
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自分の身へ訪れるであろう激痛に覚悟して目をつぶったその時だった。
「リナリア! フェリクス!」
彼の声が聞こえたのだ。
伏せていた顔をあげると、私とフェリクスを庇うように前に立つ彼の姿があった。
また、あの頃のように庇ってくれたんだ。そう思ったのは一瞬だけだった。
彼は力を失ったようにどしゃりと地面に倒れ込んでしまったからだ
「……ルーカス?」
恐る恐る声をかけた私の目には信じられないものが飛び込んできた。
彼の体の下からじわじわと赤が地面を塗り広げていたのだ。
「ねぇ」
私はフェリクスを片腕で抱きしめたまま、もう片方の腕でルーカスの背中を揺すった。すると地面を染める赤色が余計に広がったので怖くなって手を離してしまった。
防御呪文を詠唱するのが間に合わないと判断した彼は、私とフェリクスを守るために真正面からドロテアさんの攻撃を受け止めたのだ。
無謀だ。あまりにも彼らしくない判断。
どうして自分の身を犠牲にするような真似をするのか。
「いっいやあああああ! ルーク! ルークッ」
今のルーカスの状態はとても悪い。下手に触れたら深く切り裂かれた傷口から血が溢れ出して余計に悪くなってしまう。
それなのにドロテアさんはお構いなしにルーカスに縋りついて泣き叫んでいた。じわじわと血が広がるのを目の当たりにしてしまった私は、目の前が真っ赤になった。
「ルーカスに触らないで! 捕縛せよ!」
「キャアッ」
私はドロテアさんに怒鳴ると、捕縛術を掛けて彼女の動きを封じた。ついでにルーカスから引き剥がすように浮遊術を掛けて離しておく。
「何をしますの!? 解きなさいったら!」
「痛いの痛いの飛んでゆけ!」
何をするのはこっちのセリフだ。
今することは治癒魔法だろう。自分が傷つけておいて追い打ちをかけようとするあなたのしていることが信じられないよ。ルーカスにとどめを刺す気か!
私は繰り返し、ルーカスへ治癒魔法の重ねがけをした。
「っ……痛いの痛いの飛んでゆけ!」
だけど、ルーカスが血の海に倒れたまま。意識があるのか危うい。
治癒魔法を繰り返しかけるけど効かない。呪文は発動している。ちゃんと元素たちは反応して、治癒しようとしてくれている。
それなのに治らない。掛けても無駄なのだ。血が止まらない。
そういえば以前ルーカスが言っていた。治癒魔法でも大巫女様が作った聖水でも治らない、禁術に限りなく近い危険な術だと。
……ドロテアさんはそれを私にかけようとしたんだ。
私とフェリクスを完全に亡き者にするため…
「リナリアさん!」
「…ルーカス! これは一体なにがあったの!?」
彼らのお宅の目と鼻の先だったため、騒ぎを聞きつけたクライネルト夫妻が駆けつけてきた。彼らは自分たちの息子の惨状を見てさっと青ざめていた。治癒魔法を掛けながら半泣きになっている私とフェリクスを見た後、そばで拘束されたドロテアさんの姿を見ると、ふたりともそれだけで何があったか悟ったみたいだった。
「ルーカスが大怪我をしました! 血が止まらないんです!」
治癒魔法をかけているのに、ルーカスの身体からどんどん血が流れて行くのだ。
どうしよう、このままじゃ彼は死んでしまう!
「突然ドロテアさんに襲撃されて、防御したけど破られてそれで……ルーカスは私達を庇おうとしたんです!」
「うぎゃあああん!」
私は混乱して説明がめちゃくちゃになっていた。
フェリクスの泣き声も混ざって冷静さを失っていた私は、一緒になって泣きそうになった。私も一緒になって泣き喚きたい気分でいっぱいだ。
「違いますの、おじ様! あの女がわたくしのルーカスを奪おうとするから」
この期に及んで自己保身に走ろうとするドロテアさん。私は彼女に嫌悪感に似たものを抱いた。
自分の手で愛する男性を傷つけたのに反省も後悔もしないんだ。あくまで私が悪いから傷つけてしまったと言い訳をするのか。
「…治らない切り裂き術を……危険な黒呪術を使用したんだね」
クラウスさんは完全に失望したと言わんばかりに、怒りを込めてドロテアさんを見下ろしていた。
激高したりはしていないけど、彼は明らかに怒っている。大切な一人息子を殺されかけているのだ。今まさに虫の息状態で弱っているルーカスを前に、自己弁護しているドロテアさんに憎しみすら抱きそうな気配すらする。
「たしか、フォルクヴァルツのあの方はドラゴンの妙薬を持っているという噂を聞いたことがあるわ。彼女の住所を知っているから行ってみる!」
治癒魔法が効かない状態のルーカスを見たマリネッタさんの切り替えは早かった。
この怪我を治すには、ドラゴンの妙薬という希少な薬が必要だと判断し、それを所有している人物に思い当たるフシがあるようだった。
その場で転送術を使った彼女は一瞬でどこかへと消えてしまった。フォルクヴァルツって……歴史の授業で習った、消えた姫君の実家である辺境伯家…?
「殺人未遂が起きた。被害者はルーカスだ。犯人は捕まえてあるからすぐに来てくれ」
ギャンギャン喚くドロテアさんと、私の腕の中で泣きわめくフェリクスの声が耳に刺さって痛い。
クラウスさんは怒りを抑えながら、どこかへと伝書鳩を飛ばしている。
未だにルーカスが地面に突っ伏したままだ。彼が生きているのか死んでいるのかもわからない。触れるのがこわい。
あぁ、私は無力だ。私には彼を救えないのだ。
地面に座ったまま茫然自失としていると、放り出した片手をきゅっと握られた。
私より大きく、冷たいその手にぎくりとした私は下を見下ろした。
「リナ、リア…」
「ルーカス! 駄目よ、声を出さないで。血が止まらないから」
彼が力を振り絞って私の手を握ったのだ。
だけど今の状況でその行動は間違っている。このままだと彼は死ぬ。その状況で残された体力を消耗するのは自殺行為も同様なのに。
彼に動くな、声を出すなと言ったけれど、彼は身を起こそうとする。
紙のように真っ白になった顔色で彼は言った。
「ごめん」
こんな状態なのに何を言っているんだとは思ったけど、口には出さなかった。
「ずっと謝りたかった。傷つけてごめんと。だけど…君は逃げてばかりで、僕は途方に暮れたよ」
何故今そんな話をするのか。私は渋い顔をした。
血が止まらないんだから話さないでほしいのに。痛みは相当なもののはずなのに……もしかして痛みすら感じなくなってしまったのだろうか。
「……ルーカス、あなたは今危険な状態なの。お願いだからおとなしくしていて」
…あなたはいつも私を助けてくれた。私のことを身を挺して庇うことも多かった。あれだけ助けられたのに、一度の失望でそれまでの信頼は消えてなくなってしまった。
対話に応じず逃げた私は臆病だった。
怖かったの。あの頃の私は自分が可哀想に思えて、あれ以上傷つきたくなかった。
「頼むから、僕に機会を…ぐっ」
「血が止まっていないんだから動かないで! 口を開かないで!」
尚も話そうとするルーカスの口から血が溢れた。この傷は内臓まで到達しているのだろう。これ以上は本当に危険だ。
苦しそうに呼吸をするルーカスは言った。
「今度こそ、君を守らせてくれ。僕を信じてほしい」
守ったじゃない。なにを言っているのよ。死にかけているくせになんでそんなことを言うの。
私は守られた。フェリクスも無事だ。あなたは父親として立派に守ってくれた。
それでも尚、守りたいとか……
「バカ言わないでよ…」
「今ここで宣誓術をかけて僕を縛ってくれても構わない」
「禁術なんか使えるはずがないでしょう!? あなた気でも触れたの!?」
死に瀕した人間相手に使うようなものじゃないし、そこまでしなくていい。
あなたの気持ちは十分に伝わった。お願いだからこれ以上命を削るような真似をしないでほしい。
「君の心を手に入れられるのなら、僕はなんだってする。お願いだから僕に弁解の機会を与えてくれ…!」
必死に訴えるルーカスの表情は真に迫っており、私は何も言えなくなった。ここに来て彼の本音と真剣な気持ちが伝わってきて、言葉が出てこなかったのだ。
私の頬を両手で包み込んだルーカスはぐいっと引き寄せてきた。
重なった唇は冷たかった。
あの夜以来のキスだ。
血の味がするキス。
初めて彼と唇を重ねた時は嬉しくて幸せで夢のようだったのに、今したそれは死の味がして怖かった。
「リナリア、君を愛している…」
虚ろな生気のない瞳をしているくせに、私に愛おしそうに笑いかけるルーカスを前にして私は呆然とするしかなかった。
「そんな女に触らないでルーク!」
ドロテアさんの怒鳴り声が背後から飛んでくるが、ルーカスには聞こえていないようだった。
なぜなら、そのあとルーカスは失血で完全に意識を失ってしまったから。
「リナリア! フェリクス!」
彼の声が聞こえたのだ。
伏せていた顔をあげると、私とフェリクスを庇うように前に立つ彼の姿があった。
また、あの頃のように庇ってくれたんだ。そう思ったのは一瞬だけだった。
彼は力を失ったようにどしゃりと地面に倒れ込んでしまったからだ
「……ルーカス?」
恐る恐る声をかけた私の目には信じられないものが飛び込んできた。
彼の体の下からじわじわと赤が地面を塗り広げていたのだ。
「ねぇ」
私はフェリクスを片腕で抱きしめたまま、もう片方の腕でルーカスの背中を揺すった。すると地面を染める赤色が余計に広がったので怖くなって手を離してしまった。
防御呪文を詠唱するのが間に合わないと判断した彼は、私とフェリクスを守るために真正面からドロテアさんの攻撃を受け止めたのだ。
無謀だ。あまりにも彼らしくない判断。
どうして自分の身を犠牲にするような真似をするのか。
「いっいやあああああ! ルーク! ルークッ」
今のルーカスの状態はとても悪い。下手に触れたら深く切り裂かれた傷口から血が溢れ出して余計に悪くなってしまう。
それなのにドロテアさんはお構いなしにルーカスに縋りついて泣き叫んでいた。じわじわと血が広がるのを目の当たりにしてしまった私は、目の前が真っ赤になった。
「ルーカスに触らないで! 捕縛せよ!」
「キャアッ」
私はドロテアさんに怒鳴ると、捕縛術を掛けて彼女の動きを封じた。ついでにルーカスから引き剥がすように浮遊術を掛けて離しておく。
「何をしますの!? 解きなさいったら!」
「痛いの痛いの飛んでゆけ!」
何をするのはこっちのセリフだ。
今することは治癒魔法だろう。自分が傷つけておいて追い打ちをかけようとするあなたのしていることが信じられないよ。ルーカスにとどめを刺す気か!
私は繰り返し、ルーカスへ治癒魔法の重ねがけをした。
「っ……痛いの痛いの飛んでゆけ!」
だけど、ルーカスが血の海に倒れたまま。意識があるのか危うい。
治癒魔法を繰り返しかけるけど効かない。呪文は発動している。ちゃんと元素たちは反応して、治癒しようとしてくれている。
それなのに治らない。掛けても無駄なのだ。血が止まらない。
そういえば以前ルーカスが言っていた。治癒魔法でも大巫女様が作った聖水でも治らない、禁術に限りなく近い危険な術だと。
……ドロテアさんはそれを私にかけようとしたんだ。
私とフェリクスを完全に亡き者にするため…
「リナリアさん!」
「…ルーカス! これは一体なにがあったの!?」
彼らのお宅の目と鼻の先だったため、騒ぎを聞きつけたクライネルト夫妻が駆けつけてきた。彼らは自分たちの息子の惨状を見てさっと青ざめていた。治癒魔法を掛けながら半泣きになっている私とフェリクスを見た後、そばで拘束されたドロテアさんの姿を見ると、ふたりともそれだけで何があったか悟ったみたいだった。
「ルーカスが大怪我をしました! 血が止まらないんです!」
治癒魔法をかけているのに、ルーカスの身体からどんどん血が流れて行くのだ。
どうしよう、このままじゃ彼は死んでしまう!
「突然ドロテアさんに襲撃されて、防御したけど破られてそれで……ルーカスは私達を庇おうとしたんです!」
「うぎゃあああん!」
私は混乱して説明がめちゃくちゃになっていた。
フェリクスの泣き声も混ざって冷静さを失っていた私は、一緒になって泣きそうになった。私も一緒になって泣き喚きたい気分でいっぱいだ。
「違いますの、おじ様! あの女がわたくしのルーカスを奪おうとするから」
この期に及んで自己保身に走ろうとするドロテアさん。私は彼女に嫌悪感に似たものを抱いた。
自分の手で愛する男性を傷つけたのに反省も後悔もしないんだ。あくまで私が悪いから傷つけてしまったと言い訳をするのか。
「…治らない切り裂き術を……危険な黒呪術を使用したんだね」
クラウスさんは完全に失望したと言わんばかりに、怒りを込めてドロテアさんを見下ろしていた。
激高したりはしていないけど、彼は明らかに怒っている。大切な一人息子を殺されかけているのだ。今まさに虫の息状態で弱っているルーカスを前に、自己弁護しているドロテアさんに憎しみすら抱きそうな気配すらする。
「たしか、フォルクヴァルツのあの方はドラゴンの妙薬を持っているという噂を聞いたことがあるわ。彼女の住所を知っているから行ってみる!」
治癒魔法が効かない状態のルーカスを見たマリネッタさんの切り替えは早かった。
この怪我を治すには、ドラゴンの妙薬という希少な薬が必要だと判断し、それを所有している人物に思い当たるフシがあるようだった。
その場で転送術を使った彼女は一瞬でどこかへと消えてしまった。フォルクヴァルツって……歴史の授業で習った、消えた姫君の実家である辺境伯家…?
「殺人未遂が起きた。被害者はルーカスだ。犯人は捕まえてあるからすぐに来てくれ」
ギャンギャン喚くドロテアさんと、私の腕の中で泣きわめくフェリクスの声が耳に刺さって痛い。
クラウスさんは怒りを抑えながら、どこかへと伝書鳩を飛ばしている。
未だにルーカスが地面に突っ伏したままだ。彼が生きているのか死んでいるのかもわからない。触れるのがこわい。
あぁ、私は無力だ。私には彼を救えないのだ。
地面に座ったまま茫然自失としていると、放り出した片手をきゅっと握られた。
私より大きく、冷たいその手にぎくりとした私は下を見下ろした。
「リナ、リア…」
「ルーカス! 駄目よ、声を出さないで。血が止まらないから」
彼が力を振り絞って私の手を握ったのだ。
だけど今の状況でその行動は間違っている。このままだと彼は死ぬ。その状況で残された体力を消耗するのは自殺行為も同様なのに。
彼に動くな、声を出すなと言ったけれど、彼は身を起こそうとする。
紙のように真っ白になった顔色で彼は言った。
「ごめん」
こんな状態なのに何を言っているんだとは思ったけど、口には出さなかった。
「ずっと謝りたかった。傷つけてごめんと。だけど…君は逃げてばかりで、僕は途方に暮れたよ」
何故今そんな話をするのか。私は渋い顔をした。
血が止まらないんだから話さないでほしいのに。痛みは相当なもののはずなのに……もしかして痛みすら感じなくなってしまったのだろうか。
「……ルーカス、あなたは今危険な状態なの。お願いだからおとなしくしていて」
…あなたはいつも私を助けてくれた。私のことを身を挺して庇うことも多かった。あれだけ助けられたのに、一度の失望でそれまでの信頼は消えてなくなってしまった。
対話に応じず逃げた私は臆病だった。
怖かったの。あの頃の私は自分が可哀想に思えて、あれ以上傷つきたくなかった。
「頼むから、僕に機会を…ぐっ」
「血が止まっていないんだから動かないで! 口を開かないで!」
尚も話そうとするルーカスの口から血が溢れた。この傷は内臓まで到達しているのだろう。これ以上は本当に危険だ。
苦しそうに呼吸をするルーカスは言った。
「今度こそ、君を守らせてくれ。僕を信じてほしい」
守ったじゃない。なにを言っているのよ。死にかけているくせになんでそんなことを言うの。
私は守られた。フェリクスも無事だ。あなたは父親として立派に守ってくれた。
それでも尚、守りたいとか……
「バカ言わないでよ…」
「今ここで宣誓術をかけて僕を縛ってくれても構わない」
「禁術なんか使えるはずがないでしょう!? あなた気でも触れたの!?」
死に瀕した人間相手に使うようなものじゃないし、そこまでしなくていい。
あなたの気持ちは十分に伝わった。お願いだからこれ以上命を削るような真似をしないでほしい。
「君の心を手に入れられるのなら、僕はなんだってする。お願いだから僕に弁解の機会を与えてくれ…!」
必死に訴えるルーカスの表情は真に迫っており、私は何も言えなくなった。ここに来て彼の本音と真剣な気持ちが伝わってきて、言葉が出てこなかったのだ。
私の頬を両手で包み込んだルーカスはぐいっと引き寄せてきた。
重なった唇は冷たかった。
あの夜以来のキスだ。
血の味がするキス。
初めて彼と唇を重ねた時は嬉しくて幸せで夢のようだったのに、今したそれは死の味がして怖かった。
「リナリア、君を愛している…」
虚ろな生気のない瞳をしているくせに、私に愛おしそうに笑いかけるルーカスを前にして私は呆然とするしかなかった。
「そんな女に触らないでルーク!」
ドロテアさんの怒鳴り声が背後から飛んでくるが、ルーカスには聞こえていないようだった。
なぜなら、そのあとルーカスは失血で完全に意識を失ってしまったから。
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