114 / 137
断ち切れぬ想い
生傷の絶えない職場です
しおりを挟む
この施設は還らずの森に隣している辺境のフォルクヴァルツという領地内にあった。広大な土地にぽつんとある国立の施設の周辺には、ほぼなにもない。野生動物を相手にする施設なので、生態系を崩さぬよう、人の気配をなるべく削っているという理由もあった。
職員さん達はここから一番近い街の集合住宅の一室を借りて単身暮らしだったり、家を建てて家族と一緒に住んでいたりする。
一方の私は以前まで旧王都とここを転送術で大移動していた。魔法がなければ移動に時間がかかる距離を出勤のたびに行き来してきたけど、今日が最後かと思うとなんだか感慨深いものがあった。
「あの…」
慣れた職場のはずだけど、元の姿で入るとなると妙に緊張してしまう。どきどきしながら施設に入ると、近くにいた職員さんに話しかけた。
「あ、ご依頼の方ですか? お約束は」
すると職員さんはにこやかに来客対応してくれた。まるで知らない相手を接客するように。
…当然だ。私はここにミモザとして働きに来ていたのだ。この職場内でリナリアを知っている人は就職試験で会った一部の人だけであろう。
「いえ、依頼ではなくて、退職のご挨拶に伺いました。先日までこちらで働いていた者です」
職員さんは私の言葉に目を丸くした。
多分見覚えのない相手だったから、「こんな人いたっけ?」と疑問に思っているのであろう。
「ミモザ・ヘルツブラットと言えば、伝わると思います」
「…え!」
身分を明かすと、ぎょっとした顔をされたので、自身に幻影術を掛けて、その後すぐに解術してみせた。
「ちょちょ、待ってて! すぐに連れてくるから!」
それでようやく理解してくれたらしい職員さんが慌てて施設の奥に引っ込んでいった。今更逃げも隠れもしないからそんな走らなくても…と思っていたら、シュンッと目の前に2人の男性が転送してきた。
突然目の前に現れた存在に私がビクッと驚いていると、上司である彼らは私を見て、なんだか泣きそうな顔をしていたのである。
「この度はご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」
姿を偽ることなく、リナリア・ブルームとしてこれまでの不義理を謝罪した。
ひと月もの間お休みを頂いていた、身分詐称して所属していた職場。短い期間だったが、ここの人たちにもたくさんお世話になった。
辞めることになるのは正直残念だけど、けじめはしっかりしなくてはと思って、直接退職届を出したかった。
「まぁまぁまぁそんな堅苦しい事はいいよ」
「さぁこっち座って、柔らかいクッション敷いておいたから!」
退職の挨拶とお詫びを兼ねてお邪魔したのだが、初っ端からやけに歓迎された。ふかふかクッションが敷かれた椅子に座らされたと思えば、にこにこ笑顔の施設長と直属の上司だった人が前の席に座った。
「えぇと、これはお詫びと言ってはなんですが…皆さんで召し上がってください。それとこれ…」
「お菓子はもらうね、だけどこっちの悲しいお手紙は受け取りかねるかなぁ?」
職員全員に行き渡るよう、たくさんのお菓子詰め合わせを持ってきたのだが、そちらは素直に受け取ってもらった。しかし封筒に入れたそちらは受け取り拒絶されてしまった。
「あ、いや手紙じゃなくて退職とど…」
「いいんだよぉ! もともと訳アリの人だと知った上で雇っていたんだから! お願いだから辞めるとか言わないで!」
施設長は頭を下げた。その勢いで目の前のガラステーブルにがつんと額を打ち付けていたけど大丈夫だろうか。
「ミモザさん…じゃなくてリナリアさんが出勤しなくなって、森の動物や魔獣達が素直に応じてくれなくなって大変なんだ。お願いだから復職してほしいな…」
……気のせいだろうか、直属の上司は随分生傷が増えたように見える。爪で引っかかれたような、咬まれたような痕がたくさん……治癒魔法を使わないのだろか。
「ですが私は一度こちらの内定を蹴った立場で、身分詐称して入職したのです。けじめをつけなくては社会人として失格だと思うのです」
好意に甘えてばかりなのは良くない。
ここは責任を取らなきゃと思うのだ。
──なのだが、随分と彼らは私の能力を買ってくれているようで、めちゃくちゃ引き止めてきた。
だけど上司たちは紹介者の大巫女様の顔を立てるためにそんな事言ってるんじゃないかなぁ……上の人は良くても、平職員達はいい顔しないんじゃ…と考えていたのだけど、自分が所属していた部署に謝罪のためにお邪魔すると考えを改めざるを得なかった。
ミモザさんが戻ってきてくれたよ、と上司が声をかけた途端、同じく生傷が増えている同僚の皆さんが一斉に首を動かした。
「ミモザちゃん!?」
「いつ!? いつ戻ってきてくれるの!」
「助けて! あいつら姿を現してくれなくなったんだよ! お陰で仕事が進まないし、見つけても激しく抵抗してきて、俺もう心折れそうなの!」
一応この施設は野生動物や魔獣の保護・研究専門なのだけど、いつからこんな生傷の絶えない職場に変わったのだろうか…
「えぇと、私はミモザと偽っていましたが、本名がリナリア・ブルームといいまして」
私は長期間に渡って欠勤した上に、あなた方を騙していたんですよ? と説明したけど、現場はとにかく私の通心術の能力を欲しているようで、リナリア・ブルームとして復職を迫ってきた。
退職届は受け取ってもらえないし、色んな人に助けて助けてと救いを求められるし、なんか別の意味で恐ろしくなった。
とはいえ、この仕事は好きなので復職はやぶさかではない。
私は正しい身分で復職する手続きをした上で、仕事中にフェリクスの面倒を見てくれる乳母を雇うことを考えていた。
お母さんも子守を手伝ってくれるけど、お母さんにも仕事がある。ブルーム商会のことをお父さんに任せっきりになってしまっているので、このまま丸投げするのは良くないと判断した結果である。
そのことを遊びに来ていたウルスラさんになんとなく話すと、ウルスラさんは前のめりになって「私がやりたいわ!」と立候補してきた。
気持ちは嬉しい。ウルスラさんなら安心して任せられる。
……でも。家に通いになるし、魔力抑制状態のウルスラさんは転送術が使えない。旧王都からこの家まで距離があるので、馬車を使っても通勤は無理だと思うのだけど…と現実的な返事をすると、彼女は更に前のめりになった。
「近くに家を借りるわ!」
彼女の思い切りに私は驚いた。
ウルスラさんは男性の存在に怯えて、仕事や買い物以外では旧王都のあのアパートメントに引きこもっている人だった。あの場所なら大巫女様の庇護があるから少なくとも安全だ。
彼女があの場所から離れる選択をするとは思わなかったので、私は自分の耳を疑った。
だけど彼女は本気なのだという。これから近くのアパートメントの大家さんに空き家はないか聞いてくると家を飛び出そうとしていたので、それを引き止めた。
「いいの? この辺には普通に男の人がたくさんいる。ウルスラさんは男性が怖いんでしょう?」
そう確認してみた。口に出して聞くのは言いにくいことだったけど、これはよく考えないといけないことなのだ。ウルスラさんの心の傷を広げてしまう選択になる可能性だってあるんだから。
すると、私の問いかけにウルスラさんは苦笑いを浮かべていた。
「…少し前までの私なら、こんな事思いつかなかったと思う」
哀しそうな瞳で笑うその瞳には私は映っていないように見えた。遠い過去を見つめて感傷的になっているのかもしれない。
「でもリナリアを見ていたらいつまでも引きこもっていないで、現状を変えなきゃって気分になるの」
彼女は精神的な理由で抑制状態の魔力を再び扱えるようになるため訓練中なのだという。
ここ最近だと調子がいいと成功することもあるらしい。元々転送術が得意だったそうで、この間はグラナーダとの国境近くまで飛んだと笑っていた。
──元々ウルスラさんは風の元素持ちだった。
そういえば、どうして彼女は魔力を使えなくなったのだろう?
……巻き込まれた事件がどう影響しているのだろうか。
ルーカスが口にしていた、ウルスラさんが過去に被害にあった事件のことが頭に浮かんできたけれど、それを本人の前で口に出すような真似はしなかった。
私はその事件の詳細を知らない。知ることで彼女を傷つけてしまう可能性を考えたら、このまま知らないほうがいいと思ったからだ。
過去は過去、現在は現在と考えて前に進もうとしている相手に聞くことじゃない。
そう思い直した私は、ウルスラさんに再びフェリクスの乳母としてお願いすることにしたのであった。
職員さん達はここから一番近い街の集合住宅の一室を借りて単身暮らしだったり、家を建てて家族と一緒に住んでいたりする。
一方の私は以前まで旧王都とここを転送術で大移動していた。魔法がなければ移動に時間がかかる距離を出勤のたびに行き来してきたけど、今日が最後かと思うとなんだか感慨深いものがあった。
「あの…」
慣れた職場のはずだけど、元の姿で入るとなると妙に緊張してしまう。どきどきしながら施設に入ると、近くにいた職員さんに話しかけた。
「あ、ご依頼の方ですか? お約束は」
すると職員さんはにこやかに来客対応してくれた。まるで知らない相手を接客するように。
…当然だ。私はここにミモザとして働きに来ていたのだ。この職場内でリナリアを知っている人は就職試験で会った一部の人だけであろう。
「いえ、依頼ではなくて、退職のご挨拶に伺いました。先日までこちらで働いていた者です」
職員さんは私の言葉に目を丸くした。
多分見覚えのない相手だったから、「こんな人いたっけ?」と疑問に思っているのであろう。
「ミモザ・ヘルツブラットと言えば、伝わると思います」
「…え!」
身分を明かすと、ぎょっとした顔をされたので、自身に幻影術を掛けて、その後すぐに解術してみせた。
「ちょちょ、待ってて! すぐに連れてくるから!」
それでようやく理解してくれたらしい職員さんが慌てて施設の奥に引っ込んでいった。今更逃げも隠れもしないからそんな走らなくても…と思っていたら、シュンッと目の前に2人の男性が転送してきた。
突然目の前に現れた存在に私がビクッと驚いていると、上司である彼らは私を見て、なんだか泣きそうな顔をしていたのである。
「この度はご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」
姿を偽ることなく、リナリア・ブルームとしてこれまでの不義理を謝罪した。
ひと月もの間お休みを頂いていた、身分詐称して所属していた職場。短い期間だったが、ここの人たちにもたくさんお世話になった。
辞めることになるのは正直残念だけど、けじめはしっかりしなくてはと思って、直接退職届を出したかった。
「まぁまぁまぁそんな堅苦しい事はいいよ」
「さぁこっち座って、柔らかいクッション敷いておいたから!」
退職の挨拶とお詫びを兼ねてお邪魔したのだが、初っ端からやけに歓迎された。ふかふかクッションが敷かれた椅子に座らされたと思えば、にこにこ笑顔の施設長と直属の上司だった人が前の席に座った。
「えぇと、これはお詫びと言ってはなんですが…皆さんで召し上がってください。それとこれ…」
「お菓子はもらうね、だけどこっちの悲しいお手紙は受け取りかねるかなぁ?」
職員全員に行き渡るよう、たくさんのお菓子詰め合わせを持ってきたのだが、そちらは素直に受け取ってもらった。しかし封筒に入れたそちらは受け取り拒絶されてしまった。
「あ、いや手紙じゃなくて退職とど…」
「いいんだよぉ! もともと訳アリの人だと知った上で雇っていたんだから! お願いだから辞めるとか言わないで!」
施設長は頭を下げた。その勢いで目の前のガラステーブルにがつんと額を打ち付けていたけど大丈夫だろうか。
「ミモザさん…じゃなくてリナリアさんが出勤しなくなって、森の動物や魔獣達が素直に応じてくれなくなって大変なんだ。お願いだから復職してほしいな…」
……気のせいだろうか、直属の上司は随分生傷が増えたように見える。爪で引っかかれたような、咬まれたような痕がたくさん……治癒魔法を使わないのだろか。
「ですが私は一度こちらの内定を蹴った立場で、身分詐称して入職したのです。けじめをつけなくては社会人として失格だと思うのです」
好意に甘えてばかりなのは良くない。
ここは責任を取らなきゃと思うのだ。
──なのだが、随分と彼らは私の能力を買ってくれているようで、めちゃくちゃ引き止めてきた。
だけど上司たちは紹介者の大巫女様の顔を立てるためにそんな事言ってるんじゃないかなぁ……上の人は良くても、平職員達はいい顔しないんじゃ…と考えていたのだけど、自分が所属していた部署に謝罪のためにお邪魔すると考えを改めざるを得なかった。
ミモザさんが戻ってきてくれたよ、と上司が声をかけた途端、同じく生傷が増えている同僚の皆さんが一斉に首を動かした。
「ミモザちゃん!?」
「いつ!? いつ戻ってきてくれるの!」
「助けて! あいつら姿を現してくれなくなったんだよ! お陰で仕事が進まないし、見つけても激しく抵抗してきて、俺もう心折れそうなの!」
一応この施設は野生動物や魔獣の保護・研究専門なのだけど、いつからこんな生傷の絶えない職場に変わったのだろうか…
「えぇと、私はミモザと偽っていましたが、本名がリナリア・ブルームといいまして」
私は長期間に渡って欠勤した上に、あなた方を騙していたんですよ? と説明したけど、現場はとにかく私の通心術の能力を欲しているようで、リナリア・ブルームとして復職を迫ってきた。
退職届は受け取ってもらえないし、色んな人に助けて助けてと救いを求められるし、なんか別の意味で恐ろしくなった。
とはいえ、この仕事は好きなので復職はやぶさかではない。
私は正しい身分で復職する手続きをした上で、仕事中にフェリクスの面倒を見てくれる乳母を雇うことを考えていた。
お母さんも子守を手伝ってくれるけど、お母さんにも仕事がある。ブルーム商会のことをお父さんに任せっきりになってしまっているので、このまま丸投げするのは良くないと判断した結果である。
そのことを遊びに来ていたウルスラさんになんとなく話すと、ウルスラさんは前のめりになって「私がやりたいわ!」と立候補してきた。
気持ちは嬉しい。ウルスラさんなら安心して任せられる。
……でも。家に通いになるし、魔力抑制状態のウルスラさんは転送術が使えない。旧王都からこの家まで距離があるので、馬車を使っても通勤は無理だと思うのだけど…と現実的な返事をすると、彼女は更に前のめりになった。
「近くに家を借りるわ!」
彼女の思い切りに私は驚いた。
ウルスラさんは男性の存在に怯えて、仕事や買い物以外では旧王都のあのアパートメントに引きこもっている人だった。あの場所なら大巫女様の庇護があるから少なくとも安全だ。
彼女があの場所から離れる選択をするとは思わなかったので、私は自分の耳を疑った。
だけど彼女は本気なのだという。これから近くのアパートメントの大家さんに空き家はないか聞いてくると家を飛び出そうとしていたので、それを引き止めた。
「いいの? この辺には普通に男の人がたくさんいる。ウルスラさんは男性が怖いんでしょう?」
そう確認してみた。口に出して聞くのは言いにくいことだったけど、これはよく考えないといけないことなのだ。ウルスラさんの心の傷を広げてしまう選択になる可能性だってあるんだから。
すると、私の問いかけにウルスラさんは苦笑いを浮かべていた。
「…少し前までの私なら、こんな事思いつかなかったと思う」
哀しそうな瞳で笑うその瞳には私は映っていないように見えた。遠い過去を見つめて感傷的になっているのかもしれない。
「でもリナリアを見ていたらいつまでも引きこもっていないで、現状を変えなきゃって気分になるの」
彼女は精神的な理由で抑制状態の魔力を再び扱えるようになるため訓練中なのだという。
ここ最近だと調子がいいと成功することもあるらしい。元々転送術が得意だったそうで、この間はグラナーダとの国境近くまで飛んだと笑っていた。
──元々ウルスラさんは風の元素持ちだった。
そういえば、どうして彼女は魔力を使えなくなったのだろう?
……巻き込まれた事件がどう影響しているのだろうか。
ルーカスが口にしていた、ウルスラさんが過去に被害にあった事件のことが頭に浮かんできたけれど、それを本人の前で口に出すような真似はしなかった。
私はその事件の詳細を知らない。知ることで彼女を傷つけてしまう可能性を考えたら、このまま知らないほうがいいと思ったからだ。
過去は過去、現在は現在と考えて前に進もうとしている相手に聞くことじゃない。
そう思い直した私は、ウルスラさんに再びフェリクスの乳母としてお願いすることにしたのであった。
20
あなたにおすすめの小説
時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】
remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。
佐倉ここ。
玩具メーカーで働く24歳のOL。
鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。
完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。
【完結】ありがとうございました‼
猫になった悪女 ~元夫が溺愛してくるなんて想定外~
黒猫子猫
恋愛
ディアナは欲深く、夫にも結婚を強いた悪女として知られた女王だ。当然のように人々から嫌われ、夫婦仲は悪く、病に倒れた時も誰も哀しまなかった。ディアナは、それで良かった。余命宣告を受け、自分の幸せを追い求める事などとうに止めた。祖国のためにできる事は全てやった。思うままに生きたから、人生をやり直せると言われても、人間などまっぴらごめんだ。
そして、《猫》になった。日向でのんびりと寝ている姿が羨ましかったからだ。いざ、自堕落な生活をしようと思ったら、元夫に拾われてしまった。しかも、自分が死んで、解放されたはずの彼の様子が妙だ。
あなた、隙あらば撫でようとするの、止めてくれる? 私達は白い結婚だったでしょう。
あなた、再婚する気がないの? 「お前を愛したりしない」って嬉しい事を言ってくれたのは誰よ!
猫になった孤高の女王×妻を失って初めて色々気づいてしまった王配の恋のお話。
※全30話です。
お兄ちゃんは、ヒロイン様のモノ!!……だよね?
夕立悠理
恋愛
もうすぐ高校一年生になる朱里には、大好きな人がいる。義兄の小鳥遊優(たかなしゆう)だ。優くん、優くん、と呼んで、いつも後ろをついて回っていた。
けれど、楽しみにしていた高校に入学する日、思い出す。ここは、前世ではまっていた少女漫画の世界だと。ヒーローは、もちろん、かっこよくて、スポーツ万能な優。ヒロインは、朱里と同じく新入生だ。朱里は、二人の仲を邪魔する悪役だった。
思い出したのをきっかけに、朱里は優を好きでいるのをやめた。優くん呼びは、封印し、お兄ちゃんに。中学では一緒だった登下校も別々だ。だって、だって、愛しの「お兄ちゃん」は、ヒロイン様のものだから。
──それなのに。お兄ちゃん、ちょっと、距離近くない……?
※お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね? は二人がいちゃついてるだけです。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
Catch hold of your Love
天野斜己
恋愛
入社してからずっと片思いしていた男性(ひと)には、彼にお似合いの婚約者がいらっしゃる。あたしもそろそろ不毛な片思いから卒業して、親戚のオバサマの勧めるお見合いなんぞしてみようかな、うん、そうしよう。
決心して、お見合いに臨もうとしていた矢先。
当の上司から、よりにもよって職場で押し倒された。
なぜだ!?
あの美しいオジョーサマは、どーするの!?
※2016年01月08日 完結済。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる