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断ち切れぬ想い
柔らかい口づけ
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その日は休日だったけど、動物の治療をするためフェリクスをお母さんに任せて朝から外出していた。
相変わらず獣医がいないこの街では、動物と心通わせる私の能力は治癒魔法と共に重宝するらしい。私の元には動物たちの不調を治してあげてくれと懇願する依頼が複数寄せられた。
最後の依頼人の御宅へ訪問して、動物の不調を治してあげると依頼主から大変感謝された。
「ありがとうございます。シモーネちゃん良かったわねぇ」
シモーネと呼ばれた大型ネズミ…暖かい国に生息する出っ歯気味の生き物は先程までぐったりしていたが、治癒魔法で治療した今ではぼりぼりと人参を貪っていた。
茶色いまんまるなフォルムに、悠然とした雰囲気。すばしっこさはまるでない。
還らずの森で珍しい生き物を沢山見てきたが、このシモーネちゃんのような生き物は初めて見たかも。在来種ではないので原産国から輸入して飼い始めたのは間違いないだろう。
そもそも本当にネズミの仲間なのだろうか。疑わしいが、まぁ元気になったのならそれでいいか。
「では、私はこれで」
前金で依頼料は頂いていたので、これにて失礼しようと私が動くと、婦人に腕を掴まれて引き止められた。
「待って頂戴。せめてお茶を」
「いえいえ、家で子どもが待っているので」
お気遣いはありがたいけど、休日くらい子どもと過ごしたいのだ。帰らせて欲しい。今日は朝からいろんなお宅に回って動物へ治癒魔法を掛けてきたからちょっと疲れてしまったし。
残念がる婦人に挨拶を済ませるとそそくさとお暇して、転送術で時短移動した。
「ただいまー。お母さんごめんね、フェリクスの子守りお願いしちゃって」
せっかくの休日なのに、うちに帰り着くと夕方手前の時刻になってしまった。
家に帰ると、私は玄関でマントを脱ぎながらうちの中で子守りをしてくれているであろうお母さんに呼びかけた。
「しっ、ふたりとも眠っているから」
しかし声の大きさを咎められてしまった。
ふたりとも眠っているって……お父さんがフェリクスの面倒見てくれているのかな。そう思って部屋を覗き込むと、私は目を丸くして固まった。
絵本でも読み聞かせしてもらっていたのだろうか。傍らに本が開かれたまま放置されており、フェリクスはその人物の胸元に抱っこされてすよすよと寝入っていた。
そして面倒を見ていたらしき人物もつられて寝入ってしまった様子である。
「なんでルーカスが?」
来るとか連絡貰ってないけど。とひそめた声でお母さんに問いかけると、「ちょっと顔を見に来ただけって言ってたわよ」と返される。
「だけどリナリアが不在と聞いて、帰るまで待たせてくれませんかと言われたのよ。それからずっとフェリクスの相手してくれていたの」
それであやし疲れて一緒に寝てしまったというわけらしい。
「やっぱり父子なのね、寝顔がそっくりだわ」
お母さんがそう言ってくすくす笑うものだから私は変な気分になった。
同じダークブロンドの髪を持つふたりが寝ている姿を見た私は困惑した。目を閉じて無防備に眠るその姿は血のつながりがあるだけあって似通っている部分が多くて心臓がざわつく。
寝たままだといつかフェリクスが転がり落ちそうに見えたので、私はルーカスの腕の中からフェリクスをそっと持ち上げた。
フェリクスは熟睡しているようでむずがることもなくすやすや寝ていたので、そのままベビーベッドに寝かせた。
「ルーカス、そろそろ起きて」
ソファに座ったまま寝ている彼を起こすことにした。このままでは身体のどこか痛くなるだろう。眠いのなら帰ってからベッドで寝たほうが良い。
私の呼びかけに反応した彼の眉間にはシワが寄った。そしてふるふる震えた瞼がゆっくり開かれると、眩しそうに目を眇めていた。視点が定まっていない群青の瞳がぴったりと私へ照準をあわせる。
ふわりと彼が甘く微笑んだものだから、再び私は固まることになる。
心臓がギュッと握りしめられたような衝撃だ。
それほど、威力の強い笑顔だったのだ。
「おはようリナリア…」
「!? ちょっと!」
寝ぼけているのか、ルーカスは腕を伸ばして私を抱き寄せてきた。私はソファに座っているルーカスの膝の上に乗り上がる形で座らされると、顔中にむちゅむちゅとキスを落とされた。そして極めつけに唇に落とされた口づけ。
あたたかい唇が私のそれを喰むように遊んでくるその感触。
一瞬私の頭は真っ白になったが、「あら…」と斜め後ろからお母さんの冷やかし声が聞こえてきて我を取り戻した。
「お母さんの前! それに今は夕方! おはようじゃないでしょ!」
恥ずかしくてルーカスの顔面にスペーンと張り手をすると、それで目が覚めたらしい。
彼は怒っている私の顔をぽかんと見上げた。そして傍らにいたお母さんの姿を見て、自分が寝ぼけてとんでもないことをしたと自覚したのだろう。
「……すみません、いい夢を見ていると思って寝ぼけていました」
「良いのよ」
…ここにお父さんがいなくてよかった。
いたらちょっぴり軟化していた態度が再び硬化するところだった。
ルーカスは今日、花屋さんでお花を買ってきたのだという。私への贈り物だと言って花束を手渡してきた。大きくて立派な白い百合の花だ。
「君の名前の花を贈りたかったけど、季節じゃなくて入手できなかった」
そんな気障なことしなくてもいいのに。
このお花が私へのご機嫌伺いなのだとしても、花には罪はない。贈り物は純粋に嬉しかった。
「このお花もとてもきれいよ。ありがとう」
恥ずかしくなっちゃって、熱くなった頬を隠すために花束を抱きしめる。
「顔に花粉が付いちゃうよ。百合の花粉は落ちにくいんだ」
ルーカスは私の頬と百合が接触しないように手を差し入れてきた。
持ち上げられた顔は確かに熱くなっていて、きっとルーカスに顔が赤くなっているのを見られてしまったであろう。
時間も時間なのでそろそろお暇するというルーカスを家の外まで見送ろうとしたら、腕を広げたルーカスに抱き寄せられた。
「離れたくない」
耳元で低く囁かれた言葉に私はドキッとする。
「…フェリクスが待っているから私はうちに戻らなきゃ」
彼の胸板を押し返して離れるよう促すが、ルーカスは更に私を抱きしめてきた。
「君をフェリクスとともに連れ帰って、一緒に暮らしたいよ」
そのまま、耳殻にキスが落とされる。彼の柔らかい唇の感触に身体が震えた。
私が拒絶してないと見たのか、彼の行動はどんどん大胆になっていく。さっき寝ぼけてキスしてきた時のように、私の額からまぶた、頬にキスを贈られた。
私はそれを黙って受け入れていた。
何故なの。彼の唇を拒めない自分がいる。
唇にキスを落とされると、それが徐々に深く濃厚なものになった。こんなキスを交わすのはあの日の晩以来。
あの時のルーカスの舌は熱くて、私まで身体が熱くなった。夢中になって交わした口づけは激しくて息つく暇もなかった。
今日の彼の舌は優しかった。私の頑固で意地っ張りな心をノックするように、優しく口づけてきた。
全く違う口づけなのに、彼の腕の中で幸せを感じていたあの日の夜の記憶が蘇って泣きたくなる。
「リナリア、愛してるよ」
唇が離れてしまい、寂しく思っていると、ルーカスは静かに言った。
私はそれに何も返せなかった。
「寝ぼけていた時、僕は夢を見たんだ。君と結婚していて、うたた寝した僕を君が起こしてくれる夢を」
彼から愛を囁かれると泣きたくなるほど幸せな気分になってしまう。
捨てたはずの想いがまた蘇ったみたいに、だけど、学生時代とは少し違う感情が生まれている。
「本当にそうなれば、きっと幸せだ」
……そうね、私も無意識のうちにそんな夢を見たことがある。
フェリクスとあなたと3人で仲良く歩く夢を見て幸せな気持ちを味わったこともある。
今の私は心の中身がちぐはぐだ。
彼を前にすると、意地っ張りな自分と蘇りかけた恋心が競合する。彼がこうして優しく囁きかけてくるたびに簡単に気持ちが変わりそうになる。
それなのに素直になれない自分はきっと、臆病なままなのだろう。
自分でもどうしたらいいのか分からなくなってるんだ。
相変わらず獣医がいないこの街では、動物と心通わせる私の能力は治癒魔法と共に重宝するらしい。私の元には動物たちの不調を治してあげてくれと懇願する依頼が複数寄せられた。
最後の依頼人の御宅へ訪問して、動物の不調を治してあげると依頼主から大変感謝された。
「ありがとうございます。シモーネちゃん良かったわねぇ」
シモーネと呼ばれた大型ネズミ…暖かい国に生息する出っ歯気味の生き物は先程までぐったりしていたが、治癒魔法で治療した今ではぼりぼりと人参を貪っていた。
茶色いまんまるなフォルムに、悠然とした雰囲気。すばしっこさはまるでない。
還らずの森で珍しい生き物を沢山見てきたが、このシモーネちゃんのような生き物は初めて見たかも。在来種ではないので原産国から輸入して飼い始めたのは間違いないだろう。
そもそも本当にネズミの仲間なのだろうか。疑わしいが、まぁ元気になったのならそれでいいか。
「では、私はこれで」
前金で依頼料は頂いていたので、これにて失礼しようと私が動くと、婦人に腕を掴まれて引き止められた。
「待って頂戴。せめてお茶を」
「いえいえ、家で子どもが待っているので」
お気遣いはありがたいけど、休日くらい子どもと過ごしたいのだ。帰らせて欲しい。今日は朝からいろんなお宅に回って動物へ治癒魔法を掛けてきたからちょっと疲れてしまったし。
残念がる婦人に挨拶を済ませるとそそくさとお暇して、転送術で時短移動した。
「ただいまー。お母さんごめんね、フェリクスの子守りお願いしちゃって」
せっかくの休日なのに、うちに帰り着くと夕方手前の時刻になってしまった。
家に帰ると、私は玄関でマントを脱ぎながらうちの中で子守りをしてくれているであろうお母さんに呼びかけた。
「しっ、ふたりとも眠っているから」
しかし声の大きさを咎められてしまった。
ふたりとも眠っているって……お父さんがフェリクスの面倒見てくれているのかな。そう思って部屋を覗き込むと、私は目を丸くして固まった。
絵本でも読み聞かせしてもらっていたのだろうか。傍らに本が開かれたまま放置されており、フェリクスはその人物の胸元に抱っこされてすよすよと寝入っていた。
そして面倒を見ていたらしき人物もつられて寝入ってしまった様子である。
「なんでルーカスが?」
来るとか連絡貰ってないけど。とひそめた声でお母さんに問いかけると、「ちょっと顔を見に来ただけって言ってたわよ」と返される。
「だけどリナリアが不在と聞いて、帰るまで待たせてくれませんかと言われたのよ。それからずっとフェリクスの相手してくれていたの」
それであやし疲れて一緒に寝てしまったというわけらしい。
「やっぱり父子なのね、寝顔がそっくりだわ」
お母さんがそう言ってくすくす笑うものだから私は変な気分になった。
同じダークブロンドの髪を持つふたりが寝ている姿を見た私は困惑した。目を閉じて無防備に眠るその姿は血のつながりがあるだけあって似通っている部分が多くて心臓がざわつく。
寝たままだといつかフェリクスが転がり落ちそうに見えたので、私はルーカスの腕の中からフェリクスをそっと持ち上げた。
フェリクスは熟睡しているようでむずがることもなくすやすや寝ていたので、そのままベビーベッドに寝かせた。
「ルーカス、そろそろ起きて」
ソファに座ったまま寝ている彼を起こすことにした。このままでは身体のどこか痛くなるだろう。眠いのなら帰ってからベッドで寝たほうが良い。
私の呼びかけに反応した彼の眉間にはシワが寄った。そしてふるふる震えた瞼がゆっくり開かれると、眩しそうに目を眇めていた。視点が定まっていない群青の瞳がぴったりと私へ照準をあわせる。
ふわりと彼が甘く微笑んだものだから、再び私は固まることになる。
心臓がギュッと握りしめられたような衝撃だ。
それほど、威力の強い笑顔だったのだ。
「おはようリナリア…」
「!? ちょっと!」
寝ぼけているのか、ルーカスは腕を伸ばして私を抱き寄せてきた。私はソファに座っているルーカスの膝の上に乗り上がる形で座らされると、顔中にむちゅむちゅとキスを落とされた。そして極めつけに唇に落とされた口づけ。
あたたかい唇が私のそれを喰むように遊んでくるその感触。
一瞬私の頭は真っ白になったが、「あら…」と斜め後ろからお母さんの冷やかし声が聞こえてきて我を取り戻した。
「お母さんの前! それに今は夕方! おはようじゃないでしょ!」
恥ずかしくてルーカスの顔面にスペーンと張り手をすると、それで目が覚めたらしい。
彼は怒っている私の顔をぽかんと見上げた。そして傍らにいたお母さんの姿を見て、自分が寝ぼけてとんでもないことをしたと自覚したのだろう。
「……すみません、いい夢を見ていると思って寝ぼけていました」
「良いのよ」
…ここにお父さんがいなくてよかった。
いたらちょっぴり軟化していた態度が再び硬化するところだった。
ルーカスは今日、花屋さんでお花を買ってきたのだという。私への贈り物だと言って花束を手渡してきた。大きくて立派な白い百合の花だ。
「君の名前の花を贈りたかったけど、季節じゃなくて入手できなかった」
そんな気障なことしなくてもいいのに。
このお花が私へのご機嫌伺いなのだとしても、花には罪はない。贈り物は純粋に嬉しかった。
「このお花もとてもきれいよ。ありがとう」
恥ずかしくなっちゃって、熱くなった頬を隠すために花束を抱きしめる。
「顔に花粉が付いちゃうよ。百合の花粉は落ちにくいんだ」
ルーカスは私の頬と百合が接触しないように手を差し入れてきた。
持ち上げられた顔は確かに熱くなっていて、きっとルーカスに顔が赤くなっているのを見られてしまったであろう。
時間も時間なのでそろそろお暇するというルーカスを家の外まで見送ろうとしたら、腕を広げたルーカスに抱き寄せられた。
「離れたくない」
耳元で低く囁かれた言葉に私はドキッとする。
「…フェリクスが待っているから私はうちに戻らなきゃ」
彼の胸板を押し返して離れるよう促すが、ルーカスは更に私を抱きしめてきた。
「君をフェリクスとともに連れ帰って、一緒に暮らしたいよ」
そのまま、耳殻にキスが落とされる。彼の柔らかい唇の感触に身体が震えた。
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私はそれを黙って受け入れていた。
何故なの。彼の唇を拒めない自分がいる。
唇にキスを落とされると、それが徐々に深く濃厚なものになった。こんなキスを交わすのはあの日の晩以来。
あの時のルーカスの舌は熱くて、私まで身体が熱くなった。夢中になって交わした口づけは激しくて息つく暇もなかった。
今日の彼の舌は優しかった。私の頑固で意地っ張りな心をノックするように、優しく口づけてきた。
全く違う口づけなのに、彼の腕の中で幸せを感じていたあの日の夜の記憶が蘇って泣きたくなる。
「リナリア、愛してるよ」
唇が離れてしまい、寂しく思っていると、ルーカスは静かに言った。
私はそれに何も返せなかった。
「寝ぼけていた時、僕は夢を見たんだ。君と結婚していて、うたた寝した僕を君が起こしてくれる夢を」
彼から愛を囁かれると泣きたくなるほど幸せな気分になってしまう。
捨てたはずの想いがまた蘇ったみたいに、だけど、学生時代とは少し違う感情が生まれている。
「本当にそうなれば、きっと幸せだ」
……そうね、私も無意識のうちにそんな夢を見たことがある。
フェリクスとあなたと3人で仲良く歩く夢を見て幸せな気持ちを味わったこともある。
今の私は心の中身がちぐはぐだ。
彼を前にすると、意地っ張りな自分と蘇りかけた恋心が競合する。彼がこうして優しく囁きかけてくるたびに簡単に気持ちが変わりそうになる。
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