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断ち切れぬ想い
魔力に取り憑かれた男
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目を覚ますと、見覚えのない場所だった。
私は床に転がされており、起き上がって地面に手をつくとひんやりしていた。目を凝らして見ると苔が生えている。冷たいレンガに囲まれたそこには窓がひとつもない。
…地下室、だろうか?
薄暗く、ジメジメとしてカビ臭い。ずっとここにいたら体を壊すか、精神をやられてしまいそうだ。
私は帰宅途中にハイドフェルト子爵に捕まって……ウルスラさんが逃がそうとしてくれたけど、気絶させられたんだ。
じゃあここは、ハイドフェルト子爵の所有する建物内? ウルスラさんは無事なの?
ウルスラさんのあの様子じゃ、彼女もハイドフェルト子爵から何かされたんだ。
恐らくひどいことを……
私に子どもを産めと言ってきたあの人は自分を魔なしだと言っていた。
……ウルスラさんが男性を怖がっていた事情、子どもが産めない体だと言っていた理由──巻き込まれた過去の事件となにか関連するのだろうか。
ひとつ引っかかると、次々に疑問が湧いてくる。しかし私には考えている暇はない。間違いなく私はこれから危険な目に遭わされる。
きょろきょろと室内を見渡して出口を探す。ここでおとなしくしている理由はない。隙をついて逃げなくては。
目についた扉のドアノブに手を伸ばして外に出ようとしたのだが、目の前に人の胴体が見えた時点で脱出失敗を悟った。
相手はハイドフェルト子爵だった。
相変わらず目の奥が笑っていない。私はその目を直視してゾッとした。
「無駄だよ。君はここからは出られない」
私がどういう行動に出ようとしたのか察知したみたいで、それが無駄な足掻きに見えたのかニヤニヤと小馬鹿にしたような笑みを浮かべていた。
私は相手を睨みつけてやるが、子爵はそれすらも鼻で笑った。
「この屋敷には私の命令に従順に従う人間しかいない。金が必要だという人間はどんなほの暗い仕事でも喜んで受け入れるからね」
なるほど、ここから出ようとすれば、子爵の手下に妨害されるというわけか……見たところ私はまだ魔封じなどの道具は使われていない。
だけどここで使用したら、子爵の味方である元教師がやってきて封じられるかもしれないので、今は使わないで様子見しよう。
「改めて自己紹介するよ。私はロート・ハイドフェルト。子爵家次男として生まれた。だけど魔なしだったものだから、この場所でいないものとして育てられた。
黙り込んでいた私が相手からどう見えたのかは知らないが、子爵は満足そうに頷くなり一人で語りだした。
まず、自身の両親と兄への恨みと殺害を告白した。
兄の妻を孕ませようとしたが、流産を重ねた挙げ句に気が狂ってしまったと言った子爵は実に楽しそうで、この人は本格的に狂っているのだと認識した
彼はどうしても魔力を持った自分の子が欲しくて、他の魔力持ちの女性を攫っては子を産ませたが、生まれた子はどれも魔なしだった。
だからそれぞれ処分したと言った。
「孕ませたその全員が不妊か、役に立たない子供を生んだ。ウルスラはその中のひとりだよ。役に立たないと判断してから使用人へ下げ渡したあと壊れてしまってね。死にかけのところを捨てさせてきたが、あそこまで回復しているとは思わなかった」
なんてないことのようにさらりと罪を告白され、私は憎しみに似た怒りを抱いた。
彼の家族に関しては知らない人だから、まだ他人事として冷静に見られたけど、ウルスラさんのことはだめだ。
彼女はここに連れ去られてひどい目に遭ったのだ。
だから彼女は身を挺して私を守ろうとしたのだ。
「君のことは初めて会ったときから目をつけていた。“彼”はまともに魔法が使えない落ちこぼれだと評価していたが、そんなことはない。天賦の才能を持つ才能豊かな女性であり……魔力を持った赤子を生んだ実績を持つ」
品定めするような視線を送られて悪寒がした。
私の魔法魔術学校入学前からこの人はそんなことを考えていたのか。
養女にしたいという言葉は建前で、魔力を持った私に子どもを産ませるために貴族令嬢になれるよと甘言を囁いて、私を引き取ろうとしていたのだろう。
あの時感じた不気味さは、気のせいじゃなかったんだ。
「優秀な胎を持つリナリア・ブルーム、お前なら私の血を引いた、魔力を持つ子を産めるだろう」
どの口がそんなことを言うのか。
これまでたくさんの罪なき女性たちを悲惨な目に遭わせておいてこの期に及んで……!
「死んでも嫌よ! クズだわ。魔なしとか関係なく、あなたは人間としてクズ!」
冗談じゃない。誰がこんな腐った人間の子を産むもんか。
どんなに悲惨な生い立ちであっても、無関係の女性たちを傷つけていい理由にはならない。同情する理由にはならないんだ!
バシッと破裂音が耳の横で聞こえた。数秒遅れて頬に熱が伝わってくる。
じんじん痛みを持つ頬。子爵から平手打ちされたのだとわかった。
「優しくしてやってるのに生意気な女だ。貴い血を受け継ぐ子を産ませてやると言っているのに何だその口の聞き方は…!」
「いっ…!」
びっと頭皮が引き攣れる痛みに私はギュッと目をつぶった。子爵は乱暴に私の髪束を引っ張ると、ずいっと顔を近づけてきた。
「いいか、お前が意地を張れば張るほど、立場が悪くなるだけだ……大人しく私を受け入れて、魔力を持った赤子を産めばいいだけ。そうすれば扱いは考えてやる」
そう、脅しの言葉を念押しするように言うと、ぱっと手を離してこの部屋から退室していった。
ひとり取り残された私は渋い顔で黙り込んでいた。
……魔力を持った赤子って……私とルーカス両者とも魔力持ちだからフェリクスも自然と魔力を持ったけど、魔力を持った者同士でも魔なしが生まれるんだから産み分けなんかできるわけがない。
そもそも魔力を持った子どもが誕生したところでどうするんだろう。子爵は子どもを使って自分の立場を盤石なものにしようとしているのか……魔力に劣等感を抱いたあの男は我が子にすら嫉妬心を抱いて殺してしまうんじゃないだろうか……
たくさんの女性に子どもを産ませて、無事に生まれた子すら処分したと言ったくらい。道具にしか思っていないのだろう。
……子爵の口頭説明だけなので、疑問点はたくさんある。
わかったのは彼の劣等感と、魔力を保たないがゆえにこの劣悪な環境に押し込められて育ったことである。それによって彼の性格や価値観は歪み、自分がされたことを他者にしても構わないと思うようになっているんだ。
そんな彼をたしなめる人は周りにはいない。いるのは金で従う人間だけ。悪事に加担する人間が複数人いるってことだ。
おそらくその人達も倫理観が欠如しているんだと思う。あの元教師しかり。
そして、彼はあの連続魔術師女性行方不明事件の犯人だったということ。
監禁される事になった私のもとへは子爵の手のものらしき男が食事を届けに来た。見た目は普通の食事に見えたが、何を入れられてるかわからないので、飲食拒絶した。
状況が状況で流石に食欲もないし、薬を仕込まれるかもしれないので食べないほうがいいだろう。
私は黙って男の動きを注視していると、相手もこちらを見た。
食事を運んできた男は所々歯が抜けていた。身だしなみが全く出来ておらず、至近距離にいるわけじゃないのに臭う。全体的に不潔に感じられた。
男が手を伸ばしてきたと気づいたときには私の動きは遅れた。
ブチッと嫌な音が聞こえたと思ったら、首につけていた雫型のネックレスを引きちぎられて奪われてしまった。
「返して! それは」
それはルーカスに貰ったネックレスなのに…!
私が取り返そうと動くと、男は次の行動に出た。私の顎をがしと鷲掴みすると、顔を近づけてきたのだ。
むわっと香ってくる生臭い口臭に吐き気がした。
「きれいな顔だなぁ。…早く用無しにならねぇかなぁ。そしたらたくさん可愛がれるのに」
気持ちが悪い。
見られている箇所、触られている部分から腐ってしまいそうだ。
「触らないで!」
我慢できずにその手を振り払うと、相手の男は割と素直に手を引っ込めていた。
それに拍子抜けしていた私だったが、相手がにたにたと嫌な笑い方をするものだからゾッとした。
「強気でいられるのも今のうちだ。今まで来た女達も最後には従順になったのだから」
その言葉が意味するのはつまり……
想像したくない。自分も過去の被害者と同じ目に遭わせられるなんて。
ますます大人しくしていられない、そう思った。
ここから逃げなくては。
私は床に転がされており、起き上がって地面に手をつくとひんやりしていた。目を凝らして見ると苔が生えている。冷たいレンガに囲まれたそこには窓がひとつもない。
…地下室、だろうか?
薄暗く、ジメジメとしてカビ臭い。ずっとここにいたら体を壊すか、精神をやられてしまいそうだ。
私は帰宅途中にハイドフェルト子爵に捕まって……ウルスラさんが逃がそうとしてくれたけど、気絶させられたんだ。
じゃあここは、ハイドフェルト子爵の所有する建物内? ウルスラさんは無事なの?
ウルスラさんのあの様子じゃ、彼女もハイドフェルト子爵から何かされたんだ。
恐らくひどいことを……
私に子どもを産めと言ってきたあの人は自分を魔なしだと言っていた。
……ウルスラさんが男性を怖がっていた事情、子どもが産めない体だと言っていた理由──巻き込まれた過去の事件となにか関連するのだろうか。
ひとつ引っかかると、次々に疑問が湧いてくる。しかし私には考えている暇はない。間違いなく私はこれから危険な目に遭わされる。
きょろきょろと室内を見渡して出口を探す。ここでおとなしくしている理由はない。隙をついて逃げなくては。
目についた扉のドアノブに手を伸ばして外に出ようとしたのだが、目の前に人の胴体が見えた時点で脱出失敗を悟った。
相手はハイドフェルト子爵だった。
相変わらず目の奥が笑っていない。私はその目を直視してゾッとした。
「無駄だよ。君はここからは出られない」
私がどういう行動に出ようとしたのか察知したみたいで、それが無駄な足掻きに見えたのかニヤニヤと小馬鹿にしたような笑みを浮かべていた。
私は相手を睨みつけてやるが、子爵はそれすらも鼻で笑った。
「この屋敷には私の命令に従順に従う人間しかいない。金が必要だという人間はどんなほの暗い仕事でも喜んで受け入れるからね」
なるほど、ここから出ようとすれば、子爵の手下に妨害されるというわけか……見たところ私はまだ魔封じなどの道具は使われていない。
だけどここで使用したら、子爵の味方である元教師がやってきて封じられるかもしれないので、今は使わないで様子見しよう。
「改めて自己紹介するよ。私はロート・ハイドフェルト。子爵家次男として生まれた。だけど魔なしだったものだから、この場所でいないものとして育てられた。
黙り込んでいた私が相手からどう見えたのかは知らないが、子爵は満足そうに頷くなり一人で語りだした。
まず、自身の両親と兄への恨みと殺害を告白した。
兄の妻を孕ませようとしたが、流産を重ねた挙げ句に気が狂ってしまったと言った子爵は実に楽しそうで、この人は本格的に狂っているのだと認識した
彼はどうしても魔力を持った自分の子が欲しくて、他の魔力持ちの女性を攫っては子を産ませたが、生まれた子はどれも魔なしだった。
だからそれぞれ処分したと言った。
「孕ませたその全員が不妊か、役に立たない子供を生んだ。ウルスラはその中のひとりだよ。役に立たないと判断してから使用人へ下げ渡したあと壊れてしまってね。死にかけのところを捨てさせてきたが、あそこまで回復しているとは思わなかった」
なんてないことのようにさらりと罪を告白され、私は憎しみに似た怒りを抱いた。
彼の家族に関しては知らない人だから、まだ他人事として冷静に見られたけど、ウルスラさんのことはだめだ。
彼女はここに連れ去られてひどい目に遭ったのだ。
だから彼女は身を挺して私を守ろうとしたのだ。
「君のことは初めて会ったときから目をつけていた。“彼”はまともに魔法が使えない落ちこぼれだと評価していたが、そんなことはない。天賦の才能を持つ才能豊かな女性であり……魔力を持った赤子を生んだ実績を持つ」
品定めするような視線を送られて悪寒がした。
私の魔法魔術学校入学前からこの人はそんなことを考えていたのか。
養女にしたいという言葉は建前で、魔力を持った私に子どもを産ませるために貴族令嬢になれるよと甘言を囁いて、私を引き取ろうとしていたのだろう。
あの時感じた不気味さは、気のせいじゃなかったんだ。
「優秀な胎を持つリナリア・ブルーム、お前なら私の血を引いた、魔力を持つ子を産めるだろう」
どの口がそんなことを言うのか。
これまでたくさんの罪なき女性たちを悲惨な目に遭わせておいてこの期に及んで……!
「死んでも嫌よ! クズだわ。魔なしとか関係なく、あなたは人間としてクズ!」
冗談じゃない。誰がこんな腐った人間の子を産むもんか。
どんなに悲惨な生い立ちであっても、無関係の女性たちを傷つけていい理由にはならない。同情する理由にはならないんだ!
バシッと破裂音が耳の横で聞こえた。数秒遅れて頬に熱が伝わってくる。
じんじん痛みを持つ頬。子爵から平手打ちされたのだとわかった。
「優しくしてやってるのに生意気な女だ。貴い血を受け継ぐ子を産ませてやると言っているのに何だその口の聞き方は…!」
「いっ…!」
びっと頭皮が引き攣れる痛みに私はギュッと目をつぶった。子爵は乱暴に私の髪束を引っ張ると、ずいっと顔を近づけてきた。
「いいか、お前が意地を張れば張るほど、立場が悪くなるだけだ……大人しく私を受け入れて、魔力を持った赤子を産めばいいだけ。そうすれば扱いは考えてやる」
そう、脅しの言葉を念押しするように言うと、ぱっと手を離してこの部屋から退室していった。
ひとり取り残された私は渋い顔で黙り込んでいた。
……魔力を持った赤子って……私とルーカス両者とも魔力持ちだからフェリクスも自然と魔力を持ったけど、魔力を持った者同士でも魔なしが生まれるんだから産み分けなんかできるわけがない。
そもそも魔力を持った子どもが誕生したところでどうするんだろう。子爵は子どもを使って自分の立場を盤石なものにしようとしているのか……魔力に劣等感を抱いたあの男は我が子にすら嫉妬心を抱いて殺してしまうんじゃないだろうか……
たくさんの女性に子どもを産ませて、無事に生まれた子すら処分したと言ったくらい。道具にしか思っていないのだろう。
……子爵の口頭説明だけなので、疑問点はたくさんある。
わかったのは彼の劣等感と、魔力を保たないがゆえにこの劣悪な環境に押し込められて育ったことである。それによって彼の性格や価値観は歪み、自分がされたことを他者にしても構わないと思うようになっているんだ。
そんな彼をたしなめる人は周りにはいない。いるのは金で従う人間だけ。悪事に加担する人間が複数人いるってことだ。
おそらくその人達も倫理観が欠如しているんだと思う。あの元教師しかり。
そして、彼はあの連続魔術師女性行方不明事件の犯人だったということ。
監禁される事になった私のもとへは子爵の手のものらしき男が食事を届けに来た。見た目は普通の食事に見えたが、何を入れられてるかわからないので、飲食拒絶した。
状況が状況で流石に食欲もないし、薬を仕込まれるかもしれないので食べないほうがいいだろう。
私は黙って男の動きを注視していると、相手もこちらを見た。
食事を運んできた男は所々歯が抜けていた。身だしなみが全く出来ておらず、至近距離にいるわけじゃないのに臭う。全体的に不潔に感じられた。
男が手を伸ばしてきたと気づいたときには私の動きは遅れた。
ブチッと嫌な音が聞こえたと思ったら、首につけていた雫型のネックレスを引きちぎられて奪われてしまった。
「返して! それは」
それはルーカスに貰ったネックレスなのに…!
私が取り返そうと動くと、男は次の行動に出た。私の顎をがしと鷲掴みすると、顔を近づけてきたのだ。
むわっと香ってくる生臭い口臭に吐き気がした。
「きれいな顔だなぁ。…早く用無しにならねぇかなぁ。そしたらたくさん可愛がれるのに」
気持ちが悪い。
見られている箇所、触られている部分から腐ってしまいそうだ。
「触らないで!」
我慢できずにその手を振り払うと、相手の男は割と素直に手を引っ込めていた。
それに拍子抜けしていた私だったが、相手がにたにたと嫌な笑い方をするものだからゾッとした。
「強気でいられるのも今のうちだ。今まで来た女達も最後には従順になったのだから」
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