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二章
霊力と呪力①
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当然のことながら、教室にはまだ暗い空気が漂っていた。
欠席しているような生徒はあまりいないようだったが、みんな静かに口を閉じたまま自分の席に大人しく着席している。
胸を圧迫されるような空気を感じながらも、俺も自分の席に座っていた。
ふと斜め後方を振り返り、窓際の一番後ろの席に目をやる。
そこは昨日亡くなった彼女の席だった。
当然だが、そこにはもう彼女の姿はない。代わりに小瓶にさされた白い花が一輪、ぽつんと机の真ん中に置かれているだけだった。
おそらく、教師か生徒の誰かが供えたものだろう。
夏の日差しを受けて哀しそうに輝くその一輪の花は、一人の人間の死がいかに虚しいものであるかということを、痛切に物語っているように見えた。
開いた窓から風が吹き込み、花びらが揺れる。茎を軸にしてゆっくりと花が回転する。
そんな光景を俺はしばらくぼんやりと眺めていた。と同時に、俺は今朝見た夢のことを思い返していた。
前半はいつもの夢だった。二日連続であるということを除けば、特に違和感を覚えるような箇所はなかった。
問題は後半だ。
冬の空気、灰色の空、灰色の地面、そして真っ黒なダウンを羽織った不気味な人間―――。
あの夢は一体何だったのだろうか。
もちろん、すべての夢に脈絡があるわけではない。むしろ、脈絡のない夢の方が圧倒的に多いだろう。そんなことはわかっている。
だがそれでも、俺はあの夢のことが妙に気になっていた。
あの光景を、俺は昔どこかで見たような気がするのだ。
だが、それをどこで見たのか、いつ見たのか、肝心なそれらのことを思い出すことができなかった。
喉の奥に魚の小骨が引っ掛かった時のような不快感が、今朝からずっと続いている。
何か、とても大切なことを忘れているような気がした。
昼休みになり、俺は購買で買ってきたパンを食べ終えると、昨日出会った不思議な少女のことについて考え始めた。
彼女は確かにこの学校の三年生だった。生徒手帳を見せてもらったのでそれは間違いない。
あの華奢な身体をした少女が自分よりも年上だという事実には未だに違和感を覚えるが、事実は事実だ。
それよりも、もっと大きな違和感の原因は他にある。
それは俺がこれまでに、彼女の姿をただの一度も見たことがないということだ。
いくら学年が違えど、休み時間等には、廊下ですれ違ったりするくらいはあるだろう。あの容姿なら視界に入っていれば必ず印象に残っているはずだ。
一体いつも、どこで何やっているのか……?
学校内での彼女の生態が気になった。それに、昨日の妙な言葉も引っかかる。
―――次に会うときまでの宿題。
彼女は確かにそう言い残していった。
一体どういう意図があって、彼女はあんな発言をしたのだろうか。
胸の辺りが妙にざわつく。彼女のことが気になって仕方がない。
……まあ、とにかく、このモヤモヤを解消するためには、昨日の彼女を見つけるのが一番手っ取り早いだろう。
俺はそう結論付けると、まずは三年生の教室へと足を運んでみることにした。
この学校ではそれぞれの学年に対し、各階が振り分けられている。一年生は一階、二年生は二階、そして三年生は三階といった具合にだ。
俺は三階へと上がると、手始めにそれぞれの教室を見て回った。
しかし、それらしき人物はどの教室にも見当たらなかった。
俺は再び思案する。
トイレにでも行ってるのだろうか……?
そう思い、俺はしばらく廊下で待ってみた。
……だが五分待っても十分待っても、一向に彼女が現れる気配はない。
やはり、どこか別の場所にいるようだ。
「………」
この校舎は三階建てのため、これより上は屋上しかない。屋上には鍵こそは掛かっていないが、入るためには教師らの許可が必要であるため、わざわざ行きたがるような生徒はいなかった。
彼女が屋上にいるとは考えづらい。
俺は思考を巡らす。
俺が普段足を運ばず、なおかつ彼女がよく行きそうな場所といえば―――
と、その時、俺の頭の中にある場所が浮かんできた。
そこには入学以来、俺は確かに一度も足を向けたことがない場所だった。
もしかして―――
考えられるとすれば、そこしかなかった。
# # #
入口前で靴を脱ぎ、簀子の上に置かれていた指定のスリッパに履き替える。
初めて訪れる部屋の扉を開けて、俺は中に足を踏み入れた。
だだっ広く薄暗い室内。ドミノのように、規則正しく配置された大きな棚が目の前にいくつも佇んでいる。
古い書物の匂いが鼻の奥を刺激する。エアコンから排出される涼しい風が、汗ばんだ俺の身体を急速に冷やしていった。中には数人の生徒がちらほらと見える。
俺はきょろきょろと中を見回し、目的の人物を探す―――と、窓際にその人物を見つけた。
彼女は椅子に座って、静かに本に目を落としていた。
やはり―――
俺は内心でガッツポーズを作る。
俺は彼女に近づいて行った。
床には薄汚れたカーペットが敷かれている。そのカーペットとスリッパの擦れる音が、静かなこの部屋にはよく響いた。
「ここにいたか」
座っている彼女の左から声を掛けた。
と、
「……よく私がここにいるとわかりましたね」
おもむろに彼女は顔を上げ、そして少し驚いたように目を見開いた。
俺が今いる場所―――それは図書室だった。
この図書室は俺たちの教室がある本校舎ではなく、渡り廊下を渡った先にある旧校舎の二階に位置している。
この旧校舎は木造建てだ。築年数は既に四十年を経過しており、あちこちにガタが来始めている。
元々俺たちの教室はこの旧校舎に位置していた。しかし数年前に建物の老朽化が懸念され、新たに本校舎が建設されたのだ。俺たちの教室は今、全てそちらの本校舎へと移設されている。と言っても、俺が入学した頃には既にその本校舎は完成しており、教室の移設作業も全て終了した後だったため、この旧校舎には何の思い入れもない。
しかしそのため、旧校舎に足を運ぶのは今日が初めてのことだった。
旧校舎で今なお使われている部屋は、俺の知る限りではこの図書室だけのはずだ。使われなくなった教室は、学校の備品等を保管する物置部屋となっている。かつての職員室や家庭科室、視聴覚室や理科室も似たような状態だ。この旧校舎は、いまや図書室のためだけに存在していると言っても過言ではなった。
本に全く興味のなかった俺は、これまで旧校舎に来たことがなかったのだが……オカルトチックな彼女には、この場所がとても似合っているように思えた。何というか、雰囲気が似ている。
俺が行かないような場所で、彼女がよく足を向けそうな場所―――それはこの図書室くらいしか思いつかなかったのだ。
「本読むんだな………そんなの読んで楽しいか?」
彼女が読んでいたのは、ハードカバーでタイトルが〝古代日本人と呪いの因果関係〟という何とも奇抜なものだった。とても高校生が読むような本とは思えない。
「結構興味深いですよ。あなたも読んでみますか」
彼女はその本をパタンと閉じると、俺に差し出してきた。
「いや、遠慮しておくよ。本は苦手なんだ。特に、そんなよくわからない本はな」
「そうですか。残念ですね」
だが、その言葉とは反対に、彼女はあまり残念そうには見えない様子で静かにその本を机の上に置いた。
「よくそんなの読むよ―――さよは勉強熱心だな」
しかしそう言った途端、薄く整った彼女の眉がピクリと動いた。
「馴れ馴れしく名前で呼ばないでください」
冷ややかな視線が俺に向けられる。
どさくさに紛れて、彼女を名前で呼んでみたのだが失敗だった。
「いやだって、神崎さんって何か他人行儀だし、それに呼びにくいだろ。さよの方が呼びやすいんだって」
「他人行儀で呼びにくくて何が悪いんですか。先輩をいきなり下の名前で呼ぶ方がどうかしています」
「わかったよ。じゃあ―――さよっち、なんてどうだ」
「は―――?」
ぶっ飛んだ返しに意表を突かれたのか、彼女の口から素っ頓狂な声が漏れる。
「言ってる意味がわかりません。近頃の暑さで頭をやられましたか」
「なんだよ我儘だな。じゃあ―――さよりんなんてどうだ」
「怖気が走ります」
「じゃあ、さよちん」
「死ねばいいと思います」
「さよにゃん!」
「殺されたいのですか」
「ダメ押しの、さよぴょん!」
「本当に何なんですか。からかってるんですか」
彼女の端正な顔に、明らかな苛立ちの色が現れる。
「じゃあ、どれがいいか言ってくれよ。あ、神崎さんってのはなしだからな。呼びにくいし、堅苦しい」
「本当にあなたという人は……自分が後輩だという自覚はありますか。タメ口を許容している時点で、こちらとしてはかなり譲歩しているつもりなんですよ?」
「わかってるって。そこは感謝してるつもりだぞ。で、どれがいいんだ。嫌なら俺が決めちまうぞ」
彼女の言葉を受け流して急かすようにそう言うと、彼女は呆れたように黙り込んだ。
そして、少し逡巡するような様子を見せた後、
「……で、いいです」
「え……?」
「さよでいいです、と言いました」
ほんの少しだけ頬を赤らめながら、呟くようにそう答えた。
初めて、彼女の顔に表情らしい表情が見られた瞬間だった。
「……そうか」
まあ、あの中だったらそれが一番無難だろうなと、俺は密かに苦笑する。
自分から提案しておいてなんだが、もしさよぴょんがいいなんて答えられたらどうしようかと思っていた。
「じゃあ改めてよろしくな。さよ」
「……非常に不愉快かつ嫌悪感を拭えませんが……よろしくお願いします。時坂優」
毒を吐きつつも彼女は小さく頷く。
俺のことは何故かフルネーム呼びだった。
欠席しているような生徒はあまりいないようだったが、みんな静かに口を閉じたまま自分の席に大人しく着席している。
胸を圧迫されるような空気を感じながらも、俺も自分の席に座っていた。
ふと斜め後方を振り返り、窓際の一番後ろの席に目をやる。
そこは昨日亡くなった彼女の席だった。
当然だが、そこにはもう彼女の姿はない。代わりに小瓶にさされた白い花が一輪、ぽつんと机の真ん中に置かれているだけだった。
おそらく、教師か生徒の誰かが供えたものだろう。
夏の日差しを受けて哀しそうに輝くその一輪の花は、一人の人間の死がいかに虚しいものであるかということを、痛切に物語っているように見えた。
開いた窓から風が吹き込み、花びらが揺れる。茎を軸にしてゆっくりと花が回転する。
そんな光景を俺はしばらくぼんやりと眺めていた。と同時に、俺は今朝見た夢のことを思い返していた。
前半はいつもの夢だった。二日連続であるということを除けば、特に違和感を覚えるような箇所はなかった。
問題は後半だ。
冬の空気、灰色の空、灰色の地面、そして真っ黒なダウンを羽織った不気味な人間―――。
あの夢は一体何だったのだろうか。
もちろん、すべての夢に脈絡があるわけではない。むしろ、脈絡のない夢の方が圧倒的に多いだろう。そんなことはわかっている。
だがそれでも、俺はあの夢のことが妙に気になっていた。
あの光景を、俺は昔どこかで見たような気がするのだ。
だが、それをどこで見たのか、いつ見たのか、肝心なそれらのことを思い出すことができなかった。
喉の奥に魚の小骨が引っ掛かった時のような不快感が、今朝からずっと続いている。
何か、とても大切なことを忘れているような気がした。
昼休みになり、俺は購買で買ってきたパンを食べ終えると、昨日出会った不思議な少女のことについて考え始めた。
彼女は確かにこの学校の三年生だった。生徒手帳を見せてもらったのでそれは間違いない。
あの華奢な身体をした少女が自分よりも年上だという事実には未だに違和感を覚えるが、事実は事実だ。
それよりも、もっと大きな違和感の原因は他にある。
それは俺がこれまでに、彼女の姿をただの一度も見たことがないということだ。
いくら学年が違えど、休み時間等には、廊下ですれ違ったりするくらいはあるだろう。あの容姿なら視界に入っていれば必ず印象に残っているはずだ。
一体いつも、どこで何やっているのか……?
学校内での彼女の生態が気になった。それに、昨日の妙な言葉も引っかかる。
―――次に会うときまでの宿題。
彼女は確かにそう言い残していった。
一体どういう意図があって、彼女はあんな発言をしたのだろうか。
胸の辺りが妙にざわつく。彼女のことが気になって仕方がない。
……まあ、とにかく、このモヤモヤを解消するためには、昨日の彼女を見つけるのが一番手っ取り早いだろう。
俺はそう結論付けると、まずは三年生の教室へと足を運んでみることにした。
この学校ではそれぞれの学年に対し、各階が振り分けられている。一年生は一階、二年生は二階、そして三年生は三階といった具合にだ。
俺は三階へと上がると、手始めにそれぞれの教室を見て回った。
しかし、それらしき人物はどの教室にも見当たらなかった。
俺は再び思案する。
トイレにでも行ってるのだろうか……?
そう思い、俺はしばらく廊下で待ってみた。
……だが五分待っても十分待っても、一向に彼女が現れる気配はない。
やはり、どこか別の場所にいるようだ。
「………」
この校舎は三階建てのため、これより上は屋上しかない。屋上には鍵こそは掛かっていないが、入るためには教師らの許可が必要であるため、わざわざ行きたがるような生徒はいなかった。
彼女が屋上にいるとは考えづらい。
俺は思考を巡らす。
俺が普段足を運ばず、なおかつ彼女がよく行きそうな場所といえば―――
と、その時、俺の頭の中にある場所が浮かんできた。
そこには入学以来、俺は確かに一度も足を向けたことがない場所だった。
もしかして―――
考えられるとすれば、そこしかなかった。
# # #
入口前で靴を脱ぎ、簀子の上に置かれていた指定のスリッパに履き替える。
初めて訪れる部屋の扉を開けて、俺は中に足を踏み入れた。
だだっ広く薄暗い室内。ドミノのように、規則正しく配置された大きな棚が目の前にいくつも佇んでいる。
古い書物の匂いが鼻の奥を刺激する。エアコンから排出される涼しい風が、汗ばんだ俺の身体を急速に冷やしていった。中には数人の生徒がちらほらと見える。
俺はきょろきょろと中を見回し、目的の人物を探す―――と、窓際にその人物を見つけた。
彼女は椅子に座って、静かに本に目を落としていた。
やはり―――
俺は内心でガッツポーズを作る。
俺は彼女に近づいて行った。
床には薄汚れたカーペットが敷かれている。そのカーペットとスリッパの擦れる音が、静かなこの部屋にはよく響いた。
「ここにいたか」
座っている彼女の左から声を掛けた。
と、
「……よく私がここにいるとわかりましたね」
おもむろに彼女は顔を上げ、そして少し驚いたように目を見開いた。
俺が今いる場所―――それは図書室だった。
この図書室は俺たちの教室がある本校舎ではなく、渡り廊下を渡った先にある旧校舎の二階に位置している。
この旧校舎は木造建てだ。築年数は既に四十年を経過しており、あちこちにガタが来始めている。
元々俺たちの教室はこの旧校舎に位置していた。しかし数年前に建物の老朽化が懸念され、新たに本校舎が建設されたのだ。俺たちの教室は今、全てそちらの本校舎へと移設されている。と言っても、俺が入学した頃には既にその本校舎は完成しており、教室の移設作業も全て終了した後だったため、この旧校舎には何の思い入れもない。
しかしそのため、旧校舎に足を運ぶのは今日が初めてのことだった。
旧校舎で今なお使われている部屋は、俺の知る限りではこの図書室だけのはずだ。使われなくなった教室は、学校の備品等を保管する物置部屋となっている。かつての職員室や家庭科室、視聴覚室や理科室も似たような状態だ。この旧校舎は、いまや図書室のためだけに存在していると言っても過言ではなった。
本に全く興味のなかった俺は、これまで旧校舎に来たことがなかったのだが……オカルトチックな彼女には、この場所がとても似合っているように思えた。何というか、雰囲気が似ている。
俺が行かないような場所で、彼女がよく足を向けそうな場所―――それはこの図書室くらいしか思いつかなかったのだ。
「本読むんだな………そんなの読んで楽しいか?」
彼女が読んでいたのは、ハードカバーでタイトルが〝古代日本人と呪いの因果関係〟という何とも奇抜なものだった。とても高校生が読むような本とは思えない。
「結構興味深いですよ。あなたも読んでみますか」
彼女はその本をパタンと閉じると、俺に差し出してきた。
「いや、遠慮しておくよ。本は苦手なんだ。特に、そんなよくわからない本はな」
「そうですか。残念ですね」
だが、その言葉とは反対に、彼女はあまり残念そうには見えない様子で静かにその本を机の上に置いた。
「よくそんなの読むよ―――さよは勉強熱心だな」
しかしそう言った途端、薄く整った彼女の眉がピクリと動いた。
「馴れ馴れしく名前で呼ばないでください」
冷ややかな視線が俺に向けられる。
どさくさに紛れて、彼女を名前で呼んでみたのだが失敗だった。
「いやだって、神崎さんって何か他人行儀だし、それに呼びにくいだろ。さよの方が呼びやすいんだって」
「他人行儀で呼びにくくて何が悪いんですか。先輩をいきなり下の名前で呼ぶ方がどうかしています」
「わかったよ。じゃあ―――さよっち、なんてどうだ」
「は―――?」
ぶっ飛んだ返しに意表を突かれたのか、彼女の口から素っ頓狂な声が漏れる。
「言ってる意味がわかりません。近頃の暑さで頭をやられましたか」
「なんだよ我儘だな。じゃあ―――さよりんなんてどうだ」
「怖気が走ります」
「じゃあ、さよちん」
「死ねばいいと思います」
「さよにゃん!」
「殺されたいのですか」
「ダメ押しの、さよぴょん!」
「本当に何なんですか。からかってるんですか」
彼女の端正な顔に、明らかな苛立ちの色が現れる。
「じゃあ、どれがいいか言ってくれよ。あ、神崎さんってのはなしだからな。呼びにくいし、堅苦しい」
「本当にあなたという人は……自分が後輩だという自覚はありますか。タメ口を許容している時点で、こちらとしてはかなり譲歩しているつもりなんですよ?」
「わかってるって。そこは感謝してるつもりだぞ。で、どれがいいんだ。嫌なら俺が決めちまうぞ」
彼女の言葉を受け流して急かすようにそう言うと、彼女は呆れたように黙り込んだ。
そして、少し逡巡するような様子を見せた後、
「……で、いいです」
「え……?」
「さよでいいです、と言いました」
ほんの少しだけ頬を赤らめながら、呟くようにそう答えた。
初めて、彼女の顔に表情らしい表情が見られた瞬間だった。
「……そうか」
まあ、あの中だったらそれが一番無難だろうなと、俺は密かに苦笑する。
自分から提案しておいてなんだが、もしさよぴょんがいいなんて答えられたらどうしようかと思っていた。
「じゃあ改めてよろしくな。さよ」
「……非常に不愉快かつ嫌悪感を拭えませんが……よろしくお願いします。時坂優」
毒を吐きつつも彼女は小さく頷く。
俺のことは何故かフルネーム呼びだった。
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