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三章
お買い物デート③
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「次はどこへ行きましょうか」
ファッション店を出た私たちは、再び人の波に乗って歩き始めていた。
私の右手には、少し大きめの紙袋が提げられている。その中には、先ほど彼女が購入してくれたワンピースが入っていた。
「美鈴さんは何も買わなくて良かったんですか?」
私は気になっていたことを訊ねた。
彼女は私のワンピースの購入を済ませると、もう用はないというように私を連れて店を出た。あの店に行ったのは、まるで私のためだけのようだった。
「私はいいんです。今日は服を買う予定はなかったので」
「……そうだったんですか」
どうやら本当に私のためだけだったらしい。
「わざわざすみませんでした」
申し訳なさから、私は彼女に謝った。
「謝らないでください。言ったじゃないですか。あれは私がしてあげたくてやったことなんです」
「……はい、ありがとうございます」
本当にこの人はと、私は胸の内で苦笑した。
「それで、どこに行きましょうか? さよさんは、どこか行きたい場所はありますか?」
「そうですね……」
再び問われて私は思案した。
初めての町で、初めての商店街。急に行きたい場所と言われても、中々思い付かない。
仕方なく私は辺りを見渡して、何か私の興味を惹くようなお店はないだろうかと探した。しかし店舗が密集し過ぎていて、何がどのようなお店なのかよくわからない。遠くに総合案内所の看板が見えたので、一瞬あそこで訊いたら良いのではないかと思ったが、それは今の状況ではなんだか少し違うような気がしたので止めておいた。
彼女が喜びそうなお店はどこだろうか?
自分の行きたい所が思い付かなかったため、私は考え方の方向性を変えてみた。
ファッション店―――は今行ったばかりだし……日用品店? 家電量販店? 百貨店? 生活雑貨店? 化粧品店? 彼女は普段、どういったお店に足を運ぶのだろうか。
考えを巡らせたが、わかりそうにはなかった。そもそも私は彼女の私生活をほとんど知らない。決定するには判断材料が少なすぎる。
やむを得ず、私は彼女に訊き返そうとした。
しかし、その時、
きゅるるるる~
何とも可愛いらしい音が響いた。
一瞬、私の世界から音が消えた。
次いで、自分の顔の温度が急上昇していくのを感じた。
くすっ、と隣を歩いていた彼女が小さく笑った。
私は慌てて両手でお腹を隠したが、そもそも隠しても意味はないし、それは音の発生源が自分であるということを認めているも同然の行為だった。
「ち、違います! 今のは―――」
「結構歩きましたからね。お腹空きましたか?」
「…………ッ」
「どこかの喫茶店で、お茶でもしましょうか。私がよく行くお店があるのですが、そこでも大丈夫ですか?」
「…………はい」
私はこくんと小さく頷いた。
弁明したかったが、上手い言い訳が見つからなかった。
自分は一体何をやっているのだろう。
私は少しだけ肩を落とした。
# # #
「いらっしゃいませ」
自動ドアが開くと同時に、私たちは店員の明るい挨拶に迎えられた。
中の様子を窺うと、席数にはまだ幾らかの余裕がありそうだったので、私たちは先に注文を済ませてしまうことにした。
カウンターでメニュー表を見せてもらうと、予想していたよりも豊富なラインナップが揃えられていたので、私は少し驚いてしまった。時間を掛けても申し訳ないと思ったので、私は取り敢えず無難であろうランチセットを頼んだ。ドリンクはホットコーヒーにした。彼女も同じものを注文した。
番号札をそれぞれ受け取ると、私たちは店の奥に向かい、二人用のテーブル席に腰を下ろした。
「美鈴さんは、よくこのお店にいらっしゃるんですか?」
私は店の中をぐるりと見渡しながら彼女に訊ねた。
彼女に連れられて来たこの喫茶店は、内装がとても穏やかで落ち着いた気分になれた。隣の席との間隔も余裕を持って設けられているため、あまり気を遣う必要もない。人通りが多く賑やかな表とはガラス板一枚を隔てているだけなのに、店内の時間はとてもゆっくり流れているような気がした。
「そうですね。この商店街に来た時には、必ず寄るようにしています」
テーブルに置いてあったお手拭きで手を拭いながら、彼女が言った。
「このお店、結構好きなんですよ」
「そうなんですか。素敵なお店ですね」
私が言うと、にこりと彼女が微笑んだ。
「さよさんは、水の中って好きですか?」
「……はい?」
全く脈絡を感じさせない突飛な彼女の質問に、私は思わず声が裏返った。聞き間違いかと思った。
「私は結構好きなんですよ。水の中」
しかしもう一度言われてしまい、それが聞き間違いではないと教えられる。
「……えっと……」
「学校で水泳の授業とかあるじゃないですか。私は泳ぐのが苦手なので水泳自体は嫌いなんですが、最後の自由時間だけは、いつも楽しみにしているんです」
「……はあ」
一体何の話だろうか?
「みんなが友達とじゃれ合っている中、私はプールの底めがけて一気に潜水するんです。それでふと上を見上げると、水面に太陽の光がきらきらと反射していて、まるで昼の空に星が瞬いているように見えるんですよ」
「……そう、なんですか」
「……でも、私が本当に好きなのはそれじゃないんです」
そこで彼女の声のトーンが少しだけ下がった。
「私はあの閉じられた空間が好きなんです」
「……どういう意味ですか?」
彼女の話に完全に置いてけぼりにされていた私だったが、その言葉が引っ掛かって訊き返した。
「水の中って、外の音がほとんど遮断されるじゃないですか」
「……そうですね」
「人の声とか、車の音とかセミの鳴き声とか、そういったものが水中では全部遮断されて……外の世界から切り離されたような気分になって―――」
「…………」
「あの空間にいる時だけは、ほんの少しだけ心が軽くなるんです」
そう言う彼女の表情は少し寂しげだった。これまで彼女が抱えてきた心の闇が、ほんの少しだけ垣間見えたような気がした。
「だから私、このお店が好きなんですよ」
しかし次の瞬間には、いつもの朗らかな彼女に戻っていた。
「このお店も、ガラス一枚を隔てて外の世界と遮断されているじゃないですか。ガラスの向こうは、あんなにも人がたくさんいて騒がしいのに、店の中は静かで落ち着いていて整然としています。それがなんだか水中の雰囲気に似ているような気がして、毎回ついつい足を運んじゃうんです」
そう言って彼女は、照れたような表情を浮かべた。
……なるほど。
一体何の話かと思って聞いていたが、どうやら彼女なりに、このお店が気に入っている理由を説明してくれていたらしい。彼女にとってあのガラス板は水面で、このお店は水の中なのだろう。
心安らぐ場所。自分が自分でいられる場所。
彼女にとってこのお店は、まさしくそういった場所なのかもしれない。
彼女らしい面白い考え方だなと、私は胸の内でくすりと笑った。
「美鈴さんは、本当に面白い方ですね」
思わず、私はそう口に出してしまった。
しかしその声は、私たちの席に注文した品を持ってきてくれた店員の元気の良い声によって掻き消された。
「お待たせ致しました。ランチセット、お二つになります」
女性の店員は、私たちのテーブルにプレートに乗せられたランチセットを二つ丁寧に置くと、番号札を回収し、小さくお辞儀をしてからカウンターへと戻っていった。
プレートの上にはチョココロネとサンドイッチ、それからホットのコーヒーが乗せられている。チョココロネはこのお店の一押し商品らしい。入口の看板にも大きく写真が載せられていた。焼きたてのようで、パンの香ばしい匂いが、コーヒーの香りと絡み合って私の食欲を刺激してきた。
「いただきましょうか」
彼女が手を合わせたので、私も手を合わせ、小さくいただきますと言ってから焼きたてのチョココロネに手を伸ばした。
ファッション店を出た私たちは、再び人の波に乗って歩き始めていた。
私の右手には、少し大きめの紙袋が提げられている。その中には、先ほど彼女が購入してくれたワンピースが入っていた。
「美鈴さんは何も買わなくて良かったんですか?」
私は気になっていたことを訊ねた。
彼女は私のワンピースの購入を済ませると、もう用はないというように私を連れて店を出た。あの店に行ったのは、まるで私のためだけのようだった。
「私はいいんです。今日は服を買う予定はなかったので」
「……そうだったんですか」
どうやら本当に私のためだけだったらしい。
「わざわざすみませんでした」
申し訳なさから、私は彼女に謝った。
「謝らないでください。言ったじゃないですか。あれは私がしてあげたくてやったことなんです」
「……はい、ありがとうございます」
本当にこの人はと、私は胸の内で苦笑した。
「それで、どこに行きましょうか? さよさんは、どこか行きたい場所はありますか?」
「そうですね……」
再び問われて私は思案した。
初めての町で、初めての商店街。急に行きたい場所と言われても、中々思い付かない。
仕方なく私は辺りを見渡して、何か私の興味を惹くようなお店はないだろうかと探した。しかし店舗が密集し過ぎていて、何がどのようなお店なのかよくわからない。遠くに総合案内所の看板が見えたので、一瞬あそこで訊いたら良いのではないかと思ったが、それは今の状況ではなんだか少し違うような気がしたので止めておいた。
彼女が喜びそうなお店はどこだろうか?
自分の行きたい所が思い付かなかったため、私は考え方の方向性を変えてみた。
ファッション店―――は今行ったばかりだし……日用品店? 家電量販店? 百貨店? 生活雑貨店? 化粧品店? 彼女は普段、どういったお店に足を運ぶのだろうか。
考えを巡らせたが、わかりそうにはなかった。そもそも私は彼女の私生活をほとんど知らない。決定するには判断材料が少なすぎる。
やむを得ず、私は彼女に訊き返そうとした。
しかし、その時、
きゅるるるる~
何とも可愛いらしい音が響いた。
一瞬、私の世界から音が消えた。
次いで、自分の顔の温度が急上昇していくのを感じた。
くすっ、と隣を歩いていた彼女が小さく笑った。
私は慌てて両手でお腹を隠したが、そもそも隠しても意味はないし、それは音の発生源が自分であるということを認めているも同然の行為だった。
「ち、違います! 今のは―――」
「結構歩きましたからね。お腹空きましたか?」
「…………ッ」
「どこかの喫茶店で、お茶でもしましょうか。私がよく行くお店があるのですが、そこでも大丈夫ですか?」
「…………はい」
私はこくんと小さく頷いた。
弁明したかったが、上手い言い訳が見つからなかった。
自分は一体何をやっているのだろう。
私は少しだけ肩を落とした。
# # #
「いらっしゃいませ」
自動ドアが開くと同時に、私たちは店員の明るい挨拶に迎えられた。
中の様子を窺うと、席数にはまだ幾らかの余裕がありそうだったので、私たちは先に注文を済ませてしまうことにした。
カウンターでメニュー表を見せてもらうと、予想していたよりも豊富なラインナップが揃えられていたので、私は少し驚いてしまった。時間を掛けても申し訳ないと思ったので、私は取り敢えず無難であろうランチセットを頼んだ。ドリンクはホットコーヒーにした。彼女も同じものを注文した。
番号札をそれぞれ受け取ると、私たちは店の奥に向かい、二人用のテーブル席に腰を下ろした。
「美鈴さんは、よくこのお店にいらっしゃるんですか?」
私は店の中をぐるりと見渡しながら彼女に訊ねた。
彼女に連れられて来たこの喫茶店は、内装がとても穏やかで落ち着いた気分になれた。隣の席との間隔も余裕を持って設けられているため、あまり気を遣う必要もない。人通りが多く賑やかな表とはガラス板一枚を隔てているだけなのに、店内の時間はとてもゆっくり流れているような気がした。
「そうですね。この商店街に来た時には、必ず寄るようにしています」
テーブルに置いてあったお手拭きで手を拭いながら、彼女が言った。
「このお店、結構好きなんですよ」
「そうなんですか。素敵なお店ですね」
私が言うと、にこりと彼女が微笑んだ。
「さよさんは、水の中って好きですか?」
「……はい?」
全く脈絡を感じさせない突飛な彼女の質問に、私は思わず声が裏返った。聞き間違いかと思った。
「私は結構好きなんですよ。水の中」
しかしもう一度言われてしまい、それが聞き間違いではないと教えられる。
「……えっと……」
「学校で水泳の授業とかあるじゃないですか。私は泳ぐのが苦手なので水泳自体は嫌いなんですが、最後の自由時間だけは、いつも楽しみにしているんです」
「……はあ」
一体何の話だろうか?
「みんなが友達とじゃれ合っている中、私はプールの底めがけて一気に潜水するんです。それでふと上を見上げると、水面に太陽の光がきらきらと反射していて、まるで昼の空に星が瞬いているように見えるんですよ」
「……そう、なんですか」
「……でも、私が本当に好きなのはそれじゃないんです」
そこで彼女の声のトーンが少しだけ下がった。
「私はあの閉じられた空間が好きなんです」
「……どういう意味ですか?」
彼女の話に完全に置いてけぼりにされていた私だったが、その言葉が引っ掛かって訊き返した。
「水の中って、外の音がほとんど遮断されるじゃないですか」
「……そうですね」
「人の声とか、車の音とかセミの鳴き声とか、そういったものが水中では全部遮断されて……外の世界から切り離されたような気分になって―――」
「…………」
「あの空間にいる時だけは、ほんの少しだけ心が軽くなるんです」
そう言う彼女の表情は少し寂しげだった。これまで彼女が抱えてきた心の闇が、ほんの少しだけ垣間見えたような気がした。
「だから私、このお店が好きなんですよ」
しかし次の瞬間には、いつもの朗らかな彼女に戻っていた。
「このお店も、ガラス一枚を隔てて外の世界と遮断されているじゃないですか。ガラスの向こうは、あんなにも人がたくさんいて騒がしいのに、店の中は静かで落ち着いていて整然としています。それがなんだか水中の雰囲気に似ているような気がして、毎回ついつい足を運んじゃうんです」
そう言って彼女は、照れたような表情を浮かべた。
……なるほど。
一体何の話かと思って聞いていたが、どうやら彼女なりに、このお店が気に入っている理由を説明してくれていたらしい。彼女にとってあのガラス板は水面で、このお店は水の中なのだろう。
心安らぐ場所。自分が自分でいられる場所。
彼女にとってこのお店は、まさしくそういった場所なのかもしれない。
彼女らしい面白い考え方だなと、私は胸の内でくすりと笑った。
「美鈴さんは、本当に面白い方ですね」
思わず、私はそう口に出してしまった。
しかしその声は、私たちの席に注文した品を持ってきてくれた店員の元気の良い声によって掻き消された。
「お待たせ致しました。ランチセット、お二つになります」
女性の店員は、私たちのテーブルにプレートに乗せられたランチセットを二つ丁寧に置くと、番号札を回収し、小さくお辞儀をしてからカウンターへと戻っていった。
プレートの上にはチョココロネとサンドイッチ、それからホットのコーヒーが乗せられている。チョココロネはこのお店の一押し商品らしい。入口の看板にも大きく写真が載せられていた。焼きたてのようで、パンの香ばしい匂いが、コーヒーの香りと絡み合って私の食欲を刺激してきた。
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