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初めて *
しおりを挟む「今夜はルーシアと離れたくない」
バード家の屋敷に着いたあとでも、アレックスはもう離さないと言わんばかりにルーシアの腕を掴んでいる。そして二人揃ってアレックスの自室へとやってきたのだ。
そして、開口一番にこの言葉である。
ルーシアはその意味が分からないほど子供ではなかった。しかしながら、もちろん経験はない。
愛する男女がする秘密の契り。
知識は、王城で学ばされた性教育と侍女のハイリから聞いた程度である。
幸いなことに、このライオネル王国では結婚前の処女性は重視されていない。しかし婚前の女性、しかも仮にも一国の王女が朝帰りしてもいいのだろうか。
そう考えたルーシアは、困ったように眉を下げた。
「その、朝帰りはマズイですの」
途端にアレックスの表情は落胆に染まる。まるで、おねだりをしてもおやつをもらえなかった犬のようだ。
そんなアレックスの様子にくすくすと笑いながら、ルーシアは続ける。
「だけど、その……私もあなたが欲しいです」
ルーシアは頰を桃色に染めながら、上目遣いでアレックスを見た。
アレックスはルーシアを見て、こくりと喉を鳴らした。「今夜は一緒にいられないのか」「でもルーシアと一つになれる」と独り言をブツブツと一通り呟いたあと。
「……ありがとう。好きだよ」
アレックスはそう言ってルーシアに軽くふれるようにキスをした、
温もりを失った唇が、寂しさを覚えるのは気のせいだろうか。
ルーシアは温もりを求めるようにアレックスの首に腕を回し、彼がしたのと同様にキスを贈った。
するとアレックスの瞳の中には、馬車で見た時と同じ獰猛な色が混じり始める。
アレックスはルーシアの手を引き、ベッドサイドに座らせ、自身もその隣に腰をかけた。そしてルーシアの頰を両手で掴んだかと思うと。
「んっ」
唇を押しつけた。思わずルーシアの鼻からは息が漏れる。
それに興奮を覚えたのか、アレックスはルーシアの唇を舌でゆっくりとなぞった。
「んん……!」
ルーシアはその初めての感覚に驚いた。アレックスはそんな彼女の唇を舌でこじ開ける。
アレックスの肉厚な舌がルーシアの舌に絡みつき、ときには吸ったり、歯列をなぞったりして翻弄していく。
「あ…………んっ!」
ルーシアの口の端から飲み込みきれなかったよだれが垂れる。部屋にはクチュクチュと唾液が混ざり合う音が響き、それがまた二人を興奮へと導いた。
ルーシアの意識は思わぬ刺激によって次第に朦朧としてきたとき、やっとアレックスは唇を離した。そしてルーシアの口の端から垂れた唾液を舐め取り、恍惚な笑みで微笑んだ。
「はぁ…………はぁ…………」
ルーシアは息を荒くながら潤んだ瞳で、余裕のなさそうなアレックスを見つめる。
「はぁ……ルーシア。可愛いよ」
アレックスは愛情深さと興奮を含んだ声で呟きながら、ルーシアのドレスを脱がすために彼女の背中に手を伸ばす。それに驚き、肩を揺らしたルーシアは言った。
「ちょっと待って、私まだ湯浴みが…………」
「そんなことどうでもいいよ。ねぇ、ルーシアお願い。もう我慢出来ないんだ」
アレックスは眉を八の字にして懇願した。そして唇をルーシアの耳によせ、舌を耳の穴に挿し込む。
ーーーークチュリ
卑猥な音が直接脳に響き、ルーシアは思わず背中をそらし、腰を揺らす。
そして舌を抜いたあと、アレックスは耳元で言葉を紡いだ。
「お願い」
甘ったるい、ルーシアのはじめて聞く、男の欲望を存分に感じさせられる声だった。
ルーシアは抗うことはできず、もう頷くことしか出来ない。
アレックスは口元に弧を浮かべたあと、再度ルーシアの耳の穴に舌を入れ、さらに耳介を甘噛みする。びくり、とルーシアの体が震える。
その事に気を取られていたせいか、ルーシアは背中のボタンが全て外されていた事に気がつかなかった。
アレックスはドレスとともに肌着をもずり下ろし、おへそのあたりまで丸見えになってしまう。
「きゃっ!」
ルーシアは急いで胸を掌で隠そうとしたが、アレックスがそのままベッドに押し倒してきたために実行はされなかった。
彼はルーシアの両腕を頭の上で拘束し、赤く熟れてピンと主張する頂を口に含んだ。
「あぁっ!!!」
その途端、まるで身体に電気が流れたかのように体を震わせた。アレックスの口を出入りしている己の頂を眺めているだけで、頭がくらくらとしてくる。
「ルーシアの先っぽとっても美味しいよ」
こう言うと、空いた手でルーシアのもう片方の乳房の形を変えるように揉みしだく。人差し指と中指の間から出ている頂が、2本の指で挟まれ擦り上げられるたび、甘さを含んだ悲鳴をあげた。
「んああっ!」
「胸、感じやすいんだね。可愛い」
アレックスはルーシアの胸の頂をこりっ、と舌で甘噛みした。その途端、先程よりもさらに強い電流が走り、背筋を弓なりに反らす。その結果、よりアレックスに胸を押しつけることとなってしまったが、全く余裕のないルーシアは気付くはずもない。
(なんて恥ずかしいのっ。ああでも、気持ちいいわ!)
ルーシアは顔を上気させながら、快楽に身悶える。そして知らず知らずのうちに、まだ男を知らない蜜壺からも愛液を溢れ出させていた。
「もう、全部脱がすね」
アレックスは呟くと、息絶え絶えとなったルーシアのドレスを下着と一緒に脱がせた。下着を脱ぐときには、ネットリとしたものが銀の糸となって下着と下腹部を繋いでおり、ルーシアは気恥ずかしさに目線を逸らした。
さらに、アレックスは自分のシャツとズボンも脱ぎ捨て、終いには下着まで脱ぐ。
二人は生まれたままや姿になり、ルーシアは今さらながら本当に情を交わすのかと、まるで人ごとのような気持ちで眺めていた。
「ルーシア、とっても綺麗だ」
アレックスはルーシアの膝を立て、左右に割る。そして、その中央を恍惚な笑みを浮かべながら眺めた。初めて他人に晒したそれは、鮮やかなピンク色に花咲いており、ヒクヒクと蠢いている。
(……っ!アレクに……見られてる)
そう思うだけで、ルーシアは全身の血が沸騰したかのような錯覚を覚えた。だが蜜壺から溢れる蜜は、とどまることを知らなかった。
「すごい……綺麗。それにもうこんなにも溢れてる……」
アレックスはルーシアの茂みをかき分け、花弁にゆっくりと手を沿わせた。
「あんぁ……っ」
それはクチュリと卑猥な音を鳴らした。
花弁が音を立てるとともにルーシアからも嬌声が漏れ、びくりと腰を揺らす。
アレックスは指で上から下へとなぞったあと、いきなりルーシアの赤く熟れた陰核を強く押した。
「あぁあ!」
痛みをも感じる強すぎる刺激に、甲高い悲鳴を上げる。それでもアレックスはしつこいぐらいに陰核をくるくるとこねくり回す。素早く擦ったり、摘んでみたり、多彩な動きでらルーシアを翻弄した。
どれくらいの時が経ったであろうか。ルーシアは信じられぬほどの強い快楽の波が襲ってくるようになった。次第にその快楽によって、どこかへ飛んでいってしまうような錯覚を覚える。何かが弾けてしまいそうな初めての感覚に、ルーシアは思わずアレックスの腕を掴んだ。
「ア、レク。なんかぁ……なんかきちゃうっ!!」
そんなルーシアの様子に彼は恍惚の微笑みを浮かべた。
「もうイキそう?そのときは、俺にちゃんと伝えてね。ルーシアのイってるときの顔、見せて欲しい」
アレックスは興奮した声で囁く。
快楽の波はその間にも狭まっていき、ルーシアは我が身を忘れて嬌声を上げる。
「あぁ、なんかくるぅっ!きちゃ……うのっっ!!」
「ルーシア、俺を見て。イクって言って」
「あぁんっ!イっちゃうのぉ、アレク!」
「ん、イって」
アレクはそう言った途端、陰核をぐりっと強く擦り上げた。
「イくっぅぁっ!!」
ルーシアは全身を硬直させ、びくびくと痙攣する。頭は快楽以外のことを考えることが出来ない。目の前が真っ白になったかのような錯覚を覚えた。
暫くしたあと、ルーシアは倒れるようにベッドに身を沈めた。全身は汗まみれで、太ももの辺りは愛液でびっしょりと濡れていた。
アレックスが、彼女の汗で張り付いた前髪を横に流して額にキスを落とす。そして、そのまま引き寄せられるかのように唇に深くキスをした。
「ふ……」
ルーシアは意識を朦朧とさせながらも、甘いキスに必死で答えた。
暫く貪るようなキスが続き、やっとの事で唇が離れたのは、ルーシアの意識が覚醒し始めた頃だった。
「体、大丈夫?」
彼は心配そうな声色で尋ねる。ルーシアはこくりと頷いた。
「そう、よかった。それじゃあ今度は指、入れるけど……本当に無理してない?」
アレックスは彼女の髪を梳く。ルーシアは彼の問いに「大丈夫よ」という意味を込めて、笑みを送った。その微笑みを見て安心したアレックスは、チュッと頰にキスを落とす。そして、アレックスはルーシアの花弁に指を一本沈め始めた。
「あっぅ……!」
「ルーシアの中、すごくあったかい。それにすごく狭い……俺を受け入れられるくらいほぐすね」
初めて受け入れる異物にルーシアは違和感を感じたが、幸い痛みは感じることはなかった。指を出し入れしたり、中でかき混ぜたりされているうちにさらにもう一本、指が進入してくる。
「んんっ」
「二本入ったよ」
下からはクチャクチャと卑猥な音が奏でられ、思わず目をギュッと閉じた。そうしているうちにとうとう三本目の指が入れられ、ルーシアの中はすっかりほぐされた。
アレックスは指を全て抜き、別の何かを花弁擦り付け始める。
「あっ」
下をみれば、大きく反りたった彼自身が花弁に擦り付けられていた。
ルーシアは、その非日常的な光景を夢のように感じていた。
アレックスの先から溢れるものとルーシアの蜜を潤滑油として、ゆっくりと中を開拓していく。ルーシアの蜜穴は、指でほぐしたにも関わらず狭い。周囲の壁がアレックス自身を圧迫し、彼は眉間に皺を寄せた。
しかし、遥かに強い苦しみを感じているのはルーシアだった。
「いっ!!!」
「くっ……」
体が引き裂かれるような痛みを感じ、ルーシアはシーツを握りしめる。
(痛い痛い痛い!)
声にならないほどの激痛で、なまじりに涙が溜まる。視界がボヤけ、呼吸が止まりそうになった。
ここまで肉体に苦痛を与えられた経験などないルーシアは、思わず気絶しそうになる。だが、歯を食いしばりながらも必死に耐えた。
「ルーシア、力抜いてっ」
「そ、んなことっ、!」
アレックスは辛そうに眉をひそめながらも、ルーシアの陰核を優しく刺激した。
少しずつではあるが秘部は再度熱を取り戻し、ルーシアは痛みと快楽に板挟みになる。
アレックスはゆっくりとではあるが、ルーシアの中に進入する。
痛みと快楽。同時に感じる感覚は、辛いのか気持ちがいいのか分からず、混乱を覚えた。ポロポロと涙をこぼしていたが、これがアレックスが与えてくれたものであるゆえ、全てが愛おしく思えた。
「は…………いった!全部」
アレックスはそう言いながら、ルーシアの溢れる涙を指で拭った。
「君と一つになれて、心から嬉しい」
微笑みなが、ルーシアに羽根のようなキスを贈る。
(ああ、私はアレクと一つになったのね)
ルーシアは、胸に広がる甘い感情を全身で噛み締めた。
「辛いかもしれないけど、ゆっくり動くよ」
アレックスはそう言って、緩々と腰を動かし始めた。そして同時にルーシアの陰核も刺激する。
「……っぁ」
痛みと快楽は再び強く襲ってきたため、ルーシアは歯を食い締めた。
「ルーシアの中……本当に気持ちいい……好きだよ、好きだっ」
アレックスは秀麗な美顔を歪めながら、愛を囁く。中に彼自身がごりごりと当たり、まだ中で快楽を感じることが難しいルーシアは脂汗をかいた。
(辛いし痛いわ。でも……アレクがあんなにも感じてくれてるなんて、嬉しい)
痛みで引き裂かれそうになっても、陰核を弄られることで気が遠くなりそうな快楽を与えられても、ルーシアの心に広がるものは一つであった。
ーーーアレックスが愛おしい。
どれ位の間、そうしていたであろうか。
アレックスの顔が辛そうなものに変わり始めたのだ。
「ルーシア、俺……もうっ!」
そう言ったアレックスは、無我夢中で彼女の小さな唇に吸い付いてきた。そして一段と動きが激しくなり、陰核をぐりっと強く潰す。その瞬間。
「あぁああっ!!」
「……っ」
甲高い嬌声をあげ、ルーシアは息が止まった。そして、アレックスの快楽に歪んだ顔を目に映しながら、意識は深い闇へと落ちていった。
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