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揺れる想い…真実と想いのはざまで…⑤
夢を見ていた。
光輝くステージで、大好きな歌声が聞こえる。
それは…森野さん?カケルさん?
照明が明るすぎて、顔が良く見えない。
でも…私はそのステージを幸せな気持ちで見つめていた。
どの位眠っていたのか?
いけない…、お客様と電話の途中だった。
必死に意識を取り戻そうと瞼を開けると、そこは病院のベッドの上だった。
「あれ?」
思わず呟いた私に、店長の奥様が顔を出した。
「あ、気が付いた。大丈夫?」
事態が飲み込めずに店長の奥様を見ていると
「柊さん、お店で倒れたのよ。森野君が電話のお客様を杉野さんに任せて、此処まで運んでくれたの。ずっと電話ってうなされてたけど…大丈夫」
店長の奥様の言葉に、なんとなく事態を理解した。
どうやらお店で倒れて、私はお店の裏にある総合病院に運び込まれたらしい。
「熱、39℃以上あるのに…無理しちゃダメじゃない」
店長の奥様に言われて、そんなに熱があったのかとぼんやり考えていた。
手には点滴が刺さっていて、もうじき終わりそうになっている。
…という事は、一時間以上気を失ってたんだ…。
自分の不甲斐なさに泣きそうになる。
その時
「あ…気ぃついたんか?」
店長ののんびりした声と、穏やかな笑顔が見えた。
その瞬間、気が緩んで涙が溢れて来た。
「すみません。仕事中に、ご迷惑をかけて…」
必死に涙を隠すように両手で顔を覆うと、店長の奥様がハンカチを差し出してくれた。
「急性胃腸炎やて。まぁ、ほんまによう頑張ってたもんな」
店長の大きな手が私の頭を撫でる。
「でも…結局ご迷惑を掛けてしまいした」
泣きながら呟いた私に
「迷惑?誰も掛かってへんよ。まぁ、強いて言えば、柊ちゃんを此処までお姫様抱っこで運んできた森野君が被害者かな?」
悪戯な笑みを浮かべて、店長がウインクしてそう答えた。
「森野さんが?」
「せやで。柊ちゃん抱えて、『店長!俺の大事な柊が倒れました!』ってな」
「誰が『俺の大事な』なんて言いました?」
私の言葉に店長が答えていると、地の底から這って来たような森野さんの声が聞こえる。
「あれ?森野君、お店は?」
「店長に戻って欲しいそうなので、俺が代わりに呼んで来いと言われて来たんです。ったく、俺が居ないからって、嘘八百並べないで下さい」
笑って誤魔化す店長に、森野さんが相変わらずの表情で答える。
「嘘八百やないで。森野君のあの慌て振り、そう思ってるように見えたんやけどな~」
店長はおどけたように言うと、椅子から立ち上がった。
「俺は!……二度と、目の前で誰かの命が消えるのを見たくないだけです」
森野さんは吐き捨てるようにそう言うと、店長から視線を外した。
「せやな、せやな。まぁ、そう思ってた方が楽やもんな」
店長はそう言って森野さんの肩をポンっと軽く叩いた。
光輝くステージで、大好きな歌声が聞こえる。
それは…森野さん?カケルさん?
照明が明るすぎて、顔が良く見えない。
でも…私はそのステージを幸せな気持ちで見つめていた。
どの位眠っていたのか?
いけない…、お客様と電話の途中だった。
必死に意識を取り戻そうと瞼を開けると、そこは病院のベッドの上だった。
「あれ?」
思わず呟いた私に、店長の奥様が顔を出した。
「あ、気が付いた。大丈夫?」
事態が飲み込めずに店長の奥様を見ていると
「柊さん、お店で倒れたのよ。森野君が電話のお客様を杉野さんに任せて、此処まで運んでくれたの。ずっと電話ってうなされてたけど…大丈夫」
店長の奥様の言葉に、なんとなく事態を理解した。
どうやらお店で倒れて、私はお店の裏にある総合病院に運び込まれたらしい。
「熱、39℃以上あるのに…無理しちゃダメじゃない」
店長の奥様に言われて、そんなに熱があったのかとぼんやり考えていた。
手には点滴が刺さっていて、もうじき終わりそうになっている。
…という事は、一時間以上気を失ってたんだ…。
自分の不甲斐なさに泣きそうになる。
その時
「あ…気ぃついたんか?」
店長ののんびりした声と、穏やかな笑顔が見えた。
その瞬間、気が緩んで涙が溢れて来た。
「すみません。仕事中に、ご迷惑をかけて…」
必死に涙を隠すように両手で顔を覆うと、店長の奥様がハンカチを差し出してくれた。
「急性胃腸炎やて。まぁ、ほんまによう頑張ってたもんな」
店長の大きな手が私の頭を撫でる。
「でも…結局ご迷惑を掛けてしまいした」
泣きながら呟いた私に
「迷惑?誰も掛かってへんよ。まぁ、強いて言えば、柊ちゃんを此処までお姫様抱っこで運んできた森野君が被害者かな?」
悪戯な笑みを浮かべて、店長がウインクしてそう答えた。
「森野さんが?」
「せやで。柊ちゃん抱えて、『店長!俺の大事な柊が倒れました!』ってな」
「誰が『俺の大事な』なんて言いました?」
私の言葉に店長が答えていると、地の底から這って来たような森野さんの声が聞こえる。
「あれ?森野君、お店は?」
「店長に戻って欲しいそうなので、俺が代わりに呼んで来いと言われて来たんです。ったく、俺が居ないからって、嘘八百並べないで下さい」
笑って誤魔化す店長に、森野さんが相変わらずの表情で答える。
「嘘八百やないで。森野君のあの慌て振り、そう思ってるように見えたんやけどな~」
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「俺は!……二度と、目の前で誰かの命が消えるのを見たくないだけです」
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「せやな、せやな。まぁ、そう思ってた方が楽やもんな」
店長はそう言って森野さんの肩をポンっと軽く叩いた。
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