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揺れる想い…真実と想いのはざまで…⑥
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「でもな、どんなに表面取り繕うても、目は嘘吐けへんのやで」
意味深な言葉を言うと、店長は私に視線を戻して
「ごめんな~、柊ちゃん。ほんまは俺が送りたかったんやけど…。森野君で勘弁したってな」
そう言って部屋を出て行った。
私はその瞬間、ガバっとベッドから飛び起きようとして、目眩でベッドへと倒れ込む。
「お前…熱あるのに何してる訳?」
呆れた顔をしている森野さんに
「え!だって、送るって?」
動揺している私に
「安心しろ。園田さんも一緒だ。」
と森野さんが答えた瞬間、看護師さんが点滴を取りにやって来てしまった。
会計は既に店長の奥様が済ませていてくれて、車椅子で看護師さんにお店の車まで運ばれる。
「あの…一人で大丈夫です」
必死に訴える私に
「往生際が悪いな!ほら、とっとと乗れ!」
森野さんがイライラした様子で私を後部座席に押し込んだ。
運転席に森野さんが乗ると、店長の奥様が助手席に座った。
その瞬間、相手は店長の奥様なのに胸がモヤモヤしている自分に驚いた。
お店から10分位の所にあるアパートに私の部屋がある。
森野さんは杉野チーフから私の私物を預かったらしく、アパートに着くと鞄を私に差し出した。
「ありがとうございました」
お礼を言って部屋に戻ろうとしたら、何故か二人まで上がり込んで来た。
「え!あの!部屋、散らかってるんで!」
言いながら、身体がフラフラしている私を荷物を運ぶように肩に抱え込み
「こんな身体で、一人で何が出来るんだよ!」
そう言うと、ズカズカと部屋へ上がり込む。
(いやぁ~!)
恥ずかしさにジタバタしていると
「うるせえ!諦めろ!」
と私のお尻をパシっと叩き、ベッドへと下ろした。
私の部屋は玄関を入るとキッチンになっており、その先に和室が2間続いている。その一室が私の寝室になっている。
「恥ずかしいから、早く向こうの部屋へ行ってください!」
森野さんを寝室から追い出そうと、親切に運んでくれた森野さんの背中をグイグイと押した。
「分かったよ、うるせぇな!」
と、森野さんが立ち上がった瞬間、森野さんの手に何かが触れて床に『ガシャーン』と音を立てて落ちた。
私はハッとしてその落ちた物を拾おうとした時、一瞬早く森野さんが落ちた物を拾った。
「これ…」
驚いた顔で見ている森野さんに
「返して下さい。私の命より大切な物なんです」
そう言ってゆっくりと立ち上がった。
「お前…何でこれを?…これ、ふじま あすみって書いてあるぞ」
茫然とした顔で尋ねる森野さんに
「私、両親が小学校上がる前に離婚して名字が変わったんです。」
そう言いながら、森野さんの手からCDを取り返した。
「え?」
驚いた顔で森野さんが私を見る。
「この歌声に出会った時、丁度両親が離婚で揉めていて…。親戚の家に預けられていたんです。本当は寂しくて悲しくて辛い状況だったけど、誰にも言えなかった。そんな私の心を、カケルさんの声が救ってくれたんです。カケルさんの歌があったから、両親が離婚しても頑張れた。母親に引き取られて、住み慣れた街から転居して誰も知らない場所でも頑張れた。カケルさんの歌が無かったら、私は多分心が死んでたと思う」
私はこの世でたった一枚しか無いCDを抱き締めて
「だから、このCDは自分の命よりも大切な物なんです」
そう続けた。
森野さんは私から視線を外すと
「分かったから、お前はさっさと寝てろ」
そう言い残して部屋から出て行ってしまった。
私はいつも置いているベッドの横にあるサイドテーブルにCDを戻し、パジャマに着替えてベッドの中へ戻った。
この時、私は熱のせいで気付いていなかった。
森野さんが何故、あのCDが小さな女の子「藤間明日海」ちゃん宛てに送った筈なのに、そのCDが私の手元に有るのかと聞いて来た事に…。
そして何故、私がその時の少女だと知って動揺していたのかを…。
意味深な言葉を言うと、店長は私に視線を戻して
「ごめんな~、柊ちゃん。ほんまは俺が送りたかったんやけど…。森野君で勘弁したってな」
そう言って部屋を出て行った。
私はその瞬間、ガバっとベッドから飛び起きようとして、目眩でベッドへと倒れ込む。
「お前…熱あるのに何してる訳?」
呆れた顔をしている森野さんに
「え!だって、送るって?」
動揺している私に
「安心しろ。園田さんも一緒だ。」
と森野さんが答えた瞬間、看護師さんが点滴を取りにやって来てしまった。
会計は既に店長の奥様が済ませていてくれて、車椅子で看護師さんにお店の車まで運ばれる。
「あの…一人で大丈夫です」
必死に訴える私に
「往生際が悪いな!ほら、とっとと乗れ!」
森野さんがイライラした様子で私を後部座席に押し込んだ。
運転席に森野さんが乗ると、店長の奥様が助手席に座った。
その瞬間、相手は店長の奥様なのに胸がモヤモヤしている自分に驚いた。
お店から10分位の所にあるアパートに私の部屋がある。
森野さんは杉野チーフから私の私物を預かったらしく、アパートに着くと鞄を私に差し出した。
「ありがとうございました」
お礼を言って部屋に戻ろうとしたら、何故か二人まで上がり込んで来た。
「え!あの!部屋、散らかってるんで!」
言いながら、身体がフラフラしている私を荷物を運ぶように肩に抱え込み
「こんな身体で、一人で何が出来るんだよ!」
そう言うと、ズカズカと部屋へ上がり込む。
(いやぁ~!)
恥ずかしさにジタバタしていると
「うるせえ!諦めろ!」
と私のお尻をパシっと叩き、ベッドへと下ろした。
私の部屋は玄関を入るとキッチンになっており、その先に和室が2間続いている。その一室が私の寝室になっている。
「恥ずかしいから、早く向こうの部屋へ行ってください!」
森野さんを寝室から追い出そうと、親切に運んでくれた森野さんの背中をグイグイと押した。
「分かったよ、うるせぇな!」
と、森野さんが立ち上がった瞬間、森野さんの手に何かが触れて床に『ガシャーン』と音を立てて落ちた。
私はハッとしてその落ちた物を拾おうとした時、一瞬早く森野さんが落ちた物を拾った。
「これ…」
驚いた顔で見ている森野さんに
「返して下さい。私の命より大切な物なんです」
そう言ってゆっくりと立ち上がった。
「お前…何でこれを?…これ、ふじま あすみって書いてあるぞ」
茫然とした顔で尋ねる森野さんに
「私、両親が小学校上がる前に離婚して名字が変わったんです。」
そう言いながら、森野さんの手からCDを取り返した。
「え?」
驚いた顔で森野さんが私を見る。
「この歌声に出会った時、丁度両親が離婚で揉めていて…。親戚の家に預けられていたんです。本当は寂しくて悲しくて辛い状況だったけど、誰にも言えなかった。そんな私の心を、カケルさんの声が救ってくれたんです。カケルさんの歌があったから、両親が離婚しても頑張れた。母親に引き取られて、住み慣れた街から転居して誰も知らない場所でも頑張れた。カケルさんの歌が無かったら、私は多分心が死んでたと思う」
私はこの世でたった一枚しか無いCDを抱き締めて
「だから、このCDは自分の命よりも大切な物なんです」
そう続けた。
森野さんは私から視線を外すと
「分かったから、お前はさっさと寝てろ」
そう言い残して部屋から出て行ってしまった。
私はいつも置いているベッドの横にあるサイドテーブルにCDを戻し、パジャマに着替えてベッドの中へ戻った。
この時、私は熱のせいで気付いていなかった。
森野さんが何故、あのCDが小さな女の子「藤間明日海」ちゃん宛てに送った筈なのに、そのCDが私の手元に有るのかと聞いて来た事に…。
そして何故、私がその時の少女だと知って動揺していたのかを…。
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