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1.近所のおっさん失踪事件
1-4.腹が減ってはなんとやら。
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ギルドを出たカナチカは、一度事務所を経由したのち再びダレンズキッチンを訪れた。
時刻は21時。この店は酒類の取り扱いもしているが、酒場ではない。ラストオーダーは20時。閉店は20時45分と比較的早めに設定されている。
コンコン、とノックをして扉を開けると、カウンターで何やら作業をしていたスミが「お」と顔を上げた。
「お疲れ様です」
「お疲れ。…仕込み?」
「いや、夕飯です。食べました?」
「軽く菓子つまんだくらいだな」
「よかった。まかない飯でよければ一緒に」
「…ありがとう。助かる」
曇りのない穏やかな笑みと、なにやら旨そうなものの気配。
これを疑っているのかという一方的な罪悪感に心臓をチクチクと刺されつつ、店内へと入る。
「あ。鍵かけといてもらえますか」
「了解」
この辺りは商業地区であり、夜になると人通りもほぼなくなる。それでも灯りにつられて入ってくる人がいていはいけないと、扉に鍵をかけた。
下げてあるプレートにはしっかりとクローズの文字。これで気兼ねなく話ができる、完全な密室であることを確認し、カウンターに歩み寄る。
「これ、昼間の容器。ありがとね」
「あ、はい。いただきます」
そして手にぶら下げていた器を袋ごと渡し、ひとつだけカテラリーがセットされているテーブルに腰を下ろした。
「わ。なにこれ」
蓋をあけたスミが、驚きの声をあげる。
「お礼」
綺麗に洗った陶器製の容器に、旅のおみやげのひとつであるチョコレートを詰め込んでいたのだ。
スミが驚くのも無理はない。
色とりどりの包み紙が詰まったそれはあまりにもかわいらしくて、自分でも笑ってしまったくらいだ。
「…そんな。料金はちゃんと貰ってるのに」
「じゃあ夕飯のお礼にしよう」
スミはうーんと眉を寄せる。
おそらく、まかない飯とチョコレートの天秤にかけているのだろう。
チョコレートは甘味の中でも高級品だが、これは純粋な、気遣いへのお礼の気持ちだ。
そこに打算はない。
「…降参。いただいておきます。これも、綺麗に洗ってくれてありがとう」
「うん」
ただしく重みを図ってくれたらしいスミに、カナチカは満足の笑みを浮かべる。
持参した書類をテーブルの上に放り、スミの手があくのを待った。
待つことおおよそ十分後。一度キッチンへ下がったスミが、料理を手に戻ってきた。
「余りモノ全部乗せピザです」
「最高じゃん」
大きなピザと、一口大のハッシュポテト。半熟卵の乗ったサラダといったメニューだ。
「飲みます? ビール出ますよ」
「お願いします」
「はあい」
飲むか、飲まないか。この二択で迫られたら、そりゃあ、答えは「飲む」一択だろう。
目の前でじゅうじゅううと音をたてているチーズを前に抗えるやつなどそういない。そう心の中で断言し、素直に手を挙げる。
「手洗ってくる」
ビールを取りに戻る背中に声をかけ、トイレに入って手を丁寧に洗っていると、薄汚れた鏡のようなものの中の、存外楽しそうな自分と目が合った。
(…ピザごときではしゃぐな。馬鹿。)
そう戒めたところで、当然返事はない。
店内に戻ると、テーブルの上ではナイフで生地に線を引く、ピザ料理におけるハイライトともいえる場面を迎えていた。
「こういうの久しぶりだなー。めっちゃうまそう、やきたて」
「結局こういうのが雑なのが一番旨いんですよね」
「料理人、それでいいのか」
言いたいことはわかる。非常にわかるが、仮にも料理を生業とする人間の言葉としては、いささか不適切かもしれない。
「まあまあ」
だがスミはあはは、とごまかすように笑いながら、手馴れた手つきでポンポンと二本のビールの栓をあけた。
「はい、乾杯」
「乾杯」
瓶をかちんとぶつけあい、まずは一口。
労働後の一杯、その最初の一口が格別に旨いのは、万国共通だろう。
「あーーうまい。一日の終わりとしては最高すぎる」
「同感。」
「食べながら話しようとおもったけど、これ真面目な話無理だ。食ってからでもいい? 時間大丈夫?」
「大丈夫ですよ。トラムの最終23時なんで」
旨いものには、とことん抗えないもので。
ドキュメントケースを汚さないよう別のテーブルに移して、改めて二人、食卓で向き合う。
「何時から働いてんの?」
「8時半ですね」
「12時間越えじゃん。それでいくら稼げるわけ」
「時給1200ギル」
「割に合わない。キッチンだけじゃないだろ仕事」
「まあ、はい」
その精度自体は低そうだが、ダレンがやっていたであろう「店主」という業務をチルがそのまま引き継げるかと言われたらそれおそらくノーだろう。
見る限り金勘定は得意ではないし、読み書きができるといいう話も聞かない。
カスガという女性とのやりとりや店内に離れた見慣れない書き文字からして、彼が「店主」としての雑多な業務を請け負っているのは目に見えて明らかだった。
「……賃上げ交渉手伝う?」
「言えます?今の状況で」
「……そういうのよくないんだけどなあ」
ギイ、と椅子を傾けつつ、ため息をつく。
どんな状況であれ、労働には相応の対価が支払われるべきだ。……そう言おうとして、言葉はぐっと飲みこむ。
現在進行形で採算?なにそれな案件を抱えている自分が偉そうに言えたことではない。
「そういやちゃんと自己紹介してませんでしたね」
「あ、ほんとだ」
言われてみて、そういえば名前すらお互いに名乗っていなかったことに気づく。
会話の流れで名前だけは拾えていたが、こういうのは形式が大事というもの。
カナチカは自分の懐に手を入れると、中から小さなカードケースを取り出した。
「俺はスミです。スミ=レインウォーター」
「へえ……えらく詩的な苗字だな」
「…出身が、雨の多い町なので」
雨の町。その特徴を色濃く反映したその名から、やはり彼はある程度、身分ある家柄の人間ではないだろうかとあたりをつける。
その町の長か、顔役か――少なくともただの一般住民が名乗るような名ではないことは確かだ。
「……俺はカナチカ。カナチカ=グルウ。坂の上の赤煉瓦の建物、わかる? あそこに事務所と家があるんだけど」
現段階で掘りすぎるのは不自然。そう判断し、カナチカは自分の名を告げる。
証明にと差し出した名刺に目を落としながら、スミは「グルウ・リンク商会」と少しの驚きを込めて、名前の上に書かれていた社名を口にした。
「グルウ・リンクなら俺でも知ってます。結構手広く商売してますよね。雑貨、被服……あとは」
「食品卸とか。なにせ時間だけはあるもんだから、あちこちから買い付けては街に流してるって感じかなあ」
グルウ・リンク商会はこの東の国の中でも最大級の規模を誇る総合商社だ。商売相手は庶民から王族まで。扱う品も手広く、深く。
卸をメインとしているが、雑貨、被服に関しては自分たちで路面店を経営しているため、スミも知ることができたのだろう。
「あとはギルドに登録してる若者達の面倒くらいか。カンパニーの拠点もあの建物の上。とはいっても、仕事のあっせんと仮宿、郵便ポストとしての役割がメインだけどな」
「郵便ポスト?」
「冒険者は冒険が主な仕事だろ。住所不定のヤツも多いんだよ。家借りてても9割留守だし。だからうちを郵便の受け取り先にしてるの」
「あーなるほど。それは便利。保管期限とかありますしね」
「いいアイディアだろ」
ふふ、と得意げに笑うカナチカに、スミは素直に「すごいなあ」と相槌を打つ。
それを見て、カナチカは「このあたりでいいか」と情報の打ち止めを決めた。
英雄とかなんとかいう過去のことは、今の彼には関係のないことだ。
――変に警戒をされても困る、という本音にはあえて気づかなかったことにして、少しだけぬるくなったビールを口に運ぶ。
「…ていうか、カナチカさんっていくつなんです。見た感じ、あんま歳変らないんですけど」
「んー…スミ君、いくつ?」
「俺は二十歳です」
「やっぱそんくらいか。それならまあ…少なくとも君より上ではあるよね」
ちなみにカナチカは、かなりの童顔であり、それが唯一ともいえるコンプレックスでもあった。
美しいと褒めたたえられることについてはもう慣れてしまったが、いい年こいて、容姿の形容詞に「少年性」などというワードが飛び出すのはどうにもむず痒くて、いたたまれない気持ちになる。
「それはそうでしょうけど。…見えないなあ。うっかり友達感覚で口きいちゃいそう」
「別にいいよ、それでも。俺敬語がどうこうってあんま気にしないから」
「本当に?」
「うん」
「…じゃあ、そうさせてもらう。名前長いし、チルさんみたいにカナって呼んでも? そっちも、呼び捨てていいから」
「……うん」
(なんだこれ。)
(なんだこの、思春期みたいなやりとり)
まるで学生時代に戻ったような、あまりにも初々しくもたどたどしいやりとりに、顔の温度が上昇していくのがわかる。
照れているわけではない。これは紛れもない、羞恥だ。
「…あー、えーっと。スミ」
「うん」
「ピザめっちゃうまい。ありがとうね」
こみあげてくる様々な感情を押し殺しながら、そういえば告げそびれていた感想と感謝を口にすると、スミは「モテるなーこれ」と茶化しながら、嬉しそうに笑った。
時刻は21時。この店は酒類の取り扱いもしているが、酒場ではない。ラストオーダーは20時。閉店は20時45分と比較的早めに設定されている。
コンコン、とノックをして扉を開けると、カウンターで何やら作業をしていたスミが「お」と顔を上げた。
「お疲れ様です」
「お疲れ。…仕込み?」
「いや、夕飯です。食べました?」
「軽く菓子つまんだくらいだな」
「よかった。まかない飯でよければ一緒に」
「…ありがとう。助かる」
曇りのない穏やかな笑みと、なにやら旨そうなものの気配。
これを疑っているのかという一方的な罪悪感に心臓をチクチクと刺されつつ、店内へと入る。
「あ。鍵かけといてもらえますか」
「了解」
この辺りは商業地区であり、夜になると人通りもほぼなくなる。それでも灯りにつられて入ってくる人がいていはいけないと、扉に鍵をかけた。
下げてあるプレートにはしっかりとクローズの文字。これで気兼ねなく話ができる、完全な密室であることを確認し、カウンターに歩み寄る。
「これ、昼間の容器。ありがとね」
「あ、はい。いただきます」
そして手にぶら下げていた器を袋ごと渡し、ひとつだけカテラリーがセットされているテーブルに腰を下ろした。
「わ。なにこれ」
蓋をあけたスミが、驚きの声をあげる。
「お礼」
綺麗に洗った陶器製の容器に、旅のおみやげのひとつであるチョコレートを詰め込んでいたのだ。
スミが驚くのも無理はない。
色とりどりの包み紙が詰まったそれはあまりにもかわいらしくて、自分でも笑ってしまったくらいだ。
「…そんな。料金はちゃんと貰ってるのに」
「じゃあ夕飯のお礼にしよう」
スミはうーんと眉を寄せる。
おそらく、まかない飯とチョコレートの天秤にかけているのだろう。
チョコレートは甘味の中でも高級品だが、これは純粋な、気遣いへのお礼の気持ちだ。
そこに打算はない。
「…降参。いただいておきます。これも、綺麗に洗ってくれてありがとう」
「うん」
ただしく重みを図ってくれたらしいスミに、カナチカは満足の笑みを浮かべる。
持参した書類をテーブルの上に放り、スミの手があくのを待った。
待つことおおよそ十分後。一度キッチンへ下がったスミが、料理を手に戻ってきた。
「余りモノ全部乗せピザです」
「最高じゃん」
大きなピザと、一口大のハッシュポテト。半熟卵の乗ったサラダといったメニューだ。
「飲みます? ビール出ますよ」
「お願いします」
「はあい」
飲むか、飲まないか。この二択で迫られたら、そりゃあ、答えは「飲む」一択だろう。
目の前でじゅうじゅううと音をたてているチーズを前に抗えるやつなどそういない。そう心の中で断言し、素直に手を挙げる。
「手洗ってくる」
ビールを取りに戻る背中に声をかけ、トイレに入って手を丁寧に洗っていると、薄汚れた鏡のようなものの中の、存外楽しそうな自分と目が合った。
(…ピザごときではしゃぐな。馬鹿。)
そう戒めたところで、当然返事はない。
店内に戻ると、テーブルの上ではナイフで生地に線を引く、ピザ料理におけるハイライトともいえる場面を迎えていた。
「こういうの久しぶりだなー。めっちゃうまそう、やきたて」
「結局こういうのが雑なのが一番旨いんですよね」
「料理人、それでいいのか」
言いたいことはわかる。非常にわかるが、仮にも料理を生業とする人間の言葉としては、いささか不適切かもしれない。
「まあまあ」
だがスミはあはは、とごまかすように笑いながら、手馴れた手つきでポンポンと二本のビールの栓をあけた。
「はい、乾杯」
「乾杯」
瓶をかちんとぶつけあい、まずは一口。
労働後の一杯、その最初の一口が格別に旨いのは、万国共通だろう。
「あーーうまい。一日の終わりとしては最高すぎる」
「同感。」
「食べながら話しようとおもったけど、これ真面目な話無理だ。食ってからでもいい? 時間大丈夫?」
「大丈夫ですよ。トラムの最終23時なんで」
旨いものには、とことん抗えないもので。
ドキュメントケースを汚さないよう別のテーブルに移して、改めて二人、食卓で向き合う。
「何時から働いてんの?」
「8時半ですね」
「12時間越えじゃん。それでいくら稼げるわけ」
「時給1200ギル」
「割に合わない。キッチンだけじゃないだろ仕事」
「まあ、はい」
その精度自体は低そうだが、ダレンがやっていたであろう「店主」という業務をチルがそのまま引き継げるかと言われたらそれおそらくノーだろう。
見る限り金勘定は得意ではないし、読み書きができるといいう話も聞かない。
カスガという女性とのやりとりや店内に離れた見慣れない書き文字からして、彼が「店主」としての雑多な業務を請け負っているのは目に見えて明らかだった。
「……賃上げ交渉手伝う?」
「言えます?今の状況で」
「……そういうのよくないんだけどなあ」
ギイ、と椅子を傾けつつ、ため息をつく。
どんな状況であれ、労働には相応の対価が支払われるべきだ。……そう言おうとして、言葉はぐっと飲みこむ。
現在進行形で採算?なにそれな案件を抱えている自分が偉そうに言えたことではない。
「そういやちゃんと自己紹介してませんでしたね」
「あ、ほんとだ」
言われてみて、そういえば名前すらお互いに名乗っていなかったことに気づく。
会話の流れで名前だけは拾えていたが、こういうのは形式が大事というもの。
カナチカは自分の懐に手を入れると、中から小さなカードケースを取り出した。
「俺はスミです。スミ=レインウォーター」
「へえ……えらく詩的な苗字だな」
「…出身が、雨の多い町なので」
雨の町。その特徴を色濃く反映したその名から、やはり彼はある程度、身分ある家柄の人間ではないだろうかとあたりをつける。
その町の長か、顔役か――少なくともただの一般住民が名乗るような名ではないことは確かだ。
「……俺はカナチカ。カナチカ=グルウ。坂の上の赤煉瓦の建物、わかる? あそこに事務所と家があるんだけど」
現段階で掘りすぎるのは不自然。そう判断し、カナチカは自分の名を告げる。
証明にと差し出した名刺に目を落としながら、スミは「グルウ・リンク商会」と少しの驚きを込めて、名前の上に書かれていた社名を口にした。
「グルウ・リンクなら俺でも知ってます。結構手広く商売してますよね。雑貨、被服……あとは」
「食品卸とか。なにせ時間だけはあるもんだから、あちこちから買い付けては街に流してるって感じかなあ」
グルウ・リンク商会はこの東の国の中でも最大級の規模を誇る総合商社だ。商売相手は庶民から王族まで。扱う品も手広く、深く。
卸をメインとしているが、雑貨、被服に関しては自分たちで路面店を経営しているため、スミも知ることができたのだろう。
「あとはギルドに登録してる若者達の面倒くらいか。カンパニーの拠点もあの建物の上。とはいっても、仕事のあっせんと仮宿、郵便ポストとしての役割がメインだけどな」
「郵便ポスト?」
「冒険者は冒険が主な仕事だろ。住所不定のヤツも多いんだよ。家借りてても9割留守だし。だからうちを郵便の受け取り先にしてるの」
「あーなるほど。それは便利。保管期限とかありますしね」
「いいアイディアだろ」
ふふ、と得意げに笑うカナチカに、スミは素直に「すごいなあ」と相槌を打つ。
それを見て、カナチカは「このあたりでいいか」と情報の打ち止めを決めた。
英雄とかなんとかいう過去のことは、今の彼には関係のないことだ。
――変に警戒をされても困る、という本音にはあえて気づかなかったことにして、少しだけぬるくなったビールを口に運ぶ。
「…ていうか、カナチカさんっていくつなんです。見た感じ、あんま歳変らないんですけど」
「んー…スミ君、いくつ?」
「俺は二十歳です」
「やっぱそんくらいか。それならまあ…少なくとも君より上ではあるよね」
ちなみにカナチカは、かなりの童顔であり、それが唯一ともいえるコンプレックスでもあった。
美しいと褒めたたえられることについてはもう慣れてしまったが、いい年こいて、容姿の形容詞に「少年性」などというワードが飛び出すのはどうにもむず痒くて、いたたまれない気持ちになる。
「それはそうでしょうけど。…見えないなあ。うっかり友達感覚で口きいちゃいそう」
「別にいいよ、それでも。俺敬語がどうこうってあんま気にしないから」
「本当に?」
「うん」
「…じゃあ、そうさせてもらう。名前長いし、チルさんみたいにカナって呼んでも? そっちも、呼び捨てていいから」
「……うん」
(なんだこれ。)
(なんだこの、思春期みたいなやりとり)
まるで学生時代に戻ったような、あまりにも初々しくもたどたどしいやりとりに、顔の温度が上昇していくのがわかる。
照れているわけではない。これは紛れもない、羞恥だ。
「…あー、えーっと。スミ」
「うん」
「ピザめっちゃうまい。ありがとうね」
こみあげてくる様々な感情を押し殺しながら、そういえば告げそびれていた感想と感謝を口にすると、スミは「モテるなーこれ」と茶化しながら、嬉しそうに笑った。
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