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異世界帰りへ② ひきこもる少女は○○を望みます
マノン⑦ 目的も手段も人それぞれ
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「――ちょっ――ぉ、なんで!?」
マノンが俺に呪いをかける理由なんてないはずだ。
いや、パティに証明するためか!?
なら早いところ解いてもらわないと――――!
俺はそれを伝えようとした。だがマノンは不敵に笑っている。
「ふふっ――、ふぇっ、ふぇっ、ふぇ――ふえふえふえふえふえふえふ」
えっ、なにその笑いかた!? ちょっと怖いんだけど!!
俺が割と本気で引いていると、マノンは腕を組んで堂々と言い放つ。
「日本での引きこもり環境を聞いて、逃がしては置けませんよ!!」
ちょ、別人みたいになってるんですけどぉ――っ。
「ふぇっ、ふぇっ、ふぇ――。これでお兄さんは、私を放っておけないはず。ふえふえふえふ」
――いや、冷静になれ。俺にはライカブルがある。
マノンの好感度は高いままだ!
「で、でもさマノン、マノンは俺のこと、嫌いじゃないだろう?」
「…………私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い」
凄い勢いで好感度が下がっていらっしゃる!
自己暗示というやつか!?
「さあ、どうしますか英雄様? 死ぬよりはロリコンだと思われたほうがマシじゃあないですか? ふぇっ、ふぇっ」
ヤバい。こいつが一番危ない。ジジイよりネトラレヒロインよりよっぽど怖い。
「早く私と日本へ行きましょう? そして私を養うのです」
日本で引きこもる――――。ただそれだけのために俺の命を握りやがった!
「引きこもる気満々の奴を連れて帰れるか!! 俺にそんな甲斐性はねえよ!!」
「英雄様になくとも、ご両親にはあるでしょう?」
「発想が恐ろしいわ!!」
こいつ、幼気な顔でなんてことを言いやがる。
「死んだと思っていた息子が幼女を連れて帰ってきた。でも幼女は身元不明。――息子のために隠しますよね? 私、堂々と隠れられますよね?」
「悪魔かお前は!?」
なんでそこまで頭が働くんだよ!
純真な子供、可愛い妹みたいな子だと思っていたのに――っ。
「私、珍しく外出する気になりました。城へ行って『ネトラレヒロイン』と『ロリヒロイン』、どちらが良いか決着をつけましょう」
「なにその嫌すぎる二択!? ――あっ、そ、そうだ!! おいパティ、マノンの魔法を解くなら問題ないだろ!?」
マノンは王族ではない。上下関係的に言えばむしろ、賢者より遙か下に当たるはずだ。
だがパティは戦慄に身を震わせた表情で、こちらを見ている。
「パティ!?」
「嘘……。全然、解けない…………。……修練を積んだ私が…………賢者の、この私が…………。ただの引きこもりの子供に負けている………………と?」
「おいマジか!? マジで言ってんのか!?」
問いに答えたのはマノンではなく、国王だった。
「ハヤトよ。マノンは魔法の才に関してだけは王族を凌ぎ、その力は国をも滅ぼしかねんのじゃ。頭の回転も速い。じゃからワシも学校へ来るよう無理強いはできず…………の?」
「の? じゃねえぇぇぇっ!! なんで国王が庶民の子供に怯えちゃってんの!?」
「だって、呪われたら怖いじゃろ?」
「じゃあ先に言えぇぇぇぇぇぇえッ!!」
それでマノンだけネトラレ属性を叩き込まれることもなく、そこそこの生活しかできない、つまり子供でも多少働く必要があるような国の庶民でありながら引きこもれているわけか。
納得したくないけど、したよ! できちゃったよ!!
「もう俺じゃなくて、マノンが力尽くで大陸制覇すればよかったんじゃねえの!?」
「馬鹿を言うな。五年前のマノンはまだ九歳じゃ」
「ってことは、今は十四かよ……。もうちょい下に見えてたぞ…………」
色んな意味で恐ろしい。
俺はマノンへ顔を向け直して、その顔を直視する。
目鼻立ちは確かに、ここから幼さが抜けていけば好みになりそうだ。
だが性格に問題がありすぎる!!
果てなく困り続ける俺に、マノンはちょこんと小さな背を更に小さくして屈んで、可愛らしい笑顔で言った。
「一生、面倒見てくださいね♪」
最悪のプロポーズだ…………。
マノンが俺に呪いをかける理由なんてないはずだ。
いや、パティに証明するためか!?
なら早いところ解いてもらわないと――――!
俺はそれを伝えようとした。だがマノンは不敵に笑っている。
「ふふっ――、ふぇっ、ふぇっ、ふぇ――ふえふえふえふえふえふえふ」
えっ、なにその笑いかた!? ちょっと怖いんだけど!!
俺が割と本気で引いていると、マノンは腕を組んで堂々と言い放つ。
「日本での引きこもり環境を聞いて、逃がしては置けませんよ!!」
ちょ、別人みたいになってるんですけどぉ――っ。
「ふぇっ、ふぇっ、ふぇ――。これでお兄さんは、私を放っておけないはず。ふえふえふえふ」
――いや、冷静になれ。俺にはライカブルがある。
マノンの好感度は高いままだ!
「で、でもさマノン、マノンは俺のこと、嫌いじゃないだろう?」
「…………私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い私は英雄様が嫌い」
凄い勢いで好感度が下がっていらっしゃる!
自己暗示というやつか!?
「さあ、どうしますか英雄様? 死ぬよりはロリコンだと思われたほうがマシじゃあないですか? ふぇっ、ふぇっ」
ヤバい。こいつが一番危ない。ジジイよりネトラレヒロインよりよっぽど怖い。
「早く私と日本へ行きましょう? そして私を養うのです」
日本で引きこもる――――。ただそれだけのために俺の命を握りやがった!
「引きこもる気満々の奴を連れて帰れるか!! 俺にそんな甲斐性はねえよ!!」
「英雄様になくとも、ご両親にはあるでしょう?」
「発想が恐ろしいわ!!」
こいつ、幼気な顔でなんてことを言いやがる。
「死んだと思っていた息子が幼女を連れて帰ってきた。でも幼女は身元不明。――息子のために隠しますよね? 私、堂々と隠れられますよね?」
「悪魔かお前は!?」
なんでそこまで頭が働くんだよ!
純真な子供、可愛い妹みたいな子だと思っていたのに――っ。
「私、珍しく外出する気になりました。城へ行って『ネトラレヒロイン』と『ロリヒロイン』、どちらが良いか決着をつけましょう」
「なにその嫌すぎる二択!? ――あっ、そ、そうだ!! おいパティ、マノンの魔法を解くなら問題ないだろ!?」
マノンは王族ではない。上下関係的に言えばむしろ、賢者より遙か下に当たるはずだ。
だがパティは戦慄に身を震わせた表情で、こちらを見ている。
「パティ!?」
「嘘……。全然、解けない…………。……修練を積んだ私が…………賢者の、この私が…………。ただの引きこもりの子供に負けている………………と?」
「おいマジか!? マジで言ってんのか!?」
問いに答えたのはマノンではなく、国王だった。
「ハヤトよ。マノンは魔法の才に関してだけは王族を凌ぎ、その力は国をも滅ぼしかねんのじゃ。頭の回転も速い。じゃからワシも学校へ来るよう無理強いはできず…………の?」
「の? じゃねえぇぇぇっ!! なんで国王が庶民の子供に怯えちゃってんの!?」
「だって、呪われたら怖いじゃろ?」
「じゃあ先に言えぇぇぇぇぇぇえッ!!」
それでマノンだけネトラレ属性を叩き込まれることもなく、そこそこの生活しかできない、つまり子供でも多少働く必要があるような国の庶民でありながら引きこもれているわけか。
納得したくないけど、したよ! できちゃったよ!!
「もう俺じゃなくて、マノンが力尽くで大陸制覇すればよかったんじゃねえの!?」
「馬鹿を言うな。五年前のマノンはまだ九歳じゃ」
「ってことは、今は十四かよ……。もうちょい下に見えてたぞ…………」
色んな意味で恐ろしい。
俺はマノンへ顔を向け直して、その顔を直視する。
目鼻立ちは確かに、ここから幼さが抜けていけば好みになりそうだ。
だが性格に問題がありすぎる!!
果てなく困り続ける俺に、マノンはちょこんと小さな背を更に小さくして屈んで、可愛らしい笑顔で言った。
「一生、面倒見てくださいね♪」
最悪のプロポーズだ…………。
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