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異世界帰りへ② ひきこもる少女は○○を望みます
マノン⑥ 模倣犯
しおりを挟む普通、今日初めて会った相手に死の魔法なんて、使わないよね?
長い旅路を共にした仲間なら、ちょっと王族に逆らってでも魔法を解こうと、頑張るよね?
もう泣きそう。まともな子と会話して、お兄ちゃん泣いちゃいそう。
「――――――――なぁるほどぉ」
…………ん?
なにか今、とんでもなく悪そうな声が聞こえたような気が。
「ハヤトさん、そろそろ帰っても良い頃合いでしょう。光制御魔法は疲れるんです。陛下を立たせ続けるわけにもいかないですし、帰りましょう」
パティはまだ僅かに苛立ちながら、しかし賢者らしく表向きは淡々として述べた。
まあ、それもそうか。
マノンのことは気に掛かるけれど、家の場所はわかったから個人的に会いに出向けば良いだけだ。
可愛い妹のようなものだと思えば、他のヒロイン候補と会うよりもずっと良い。
ひょっとしたら、すぐに嫁にはなれなくても、将来のお嫁さん候補を――なんて。
どうしようもなくなれば、そういう選択肢もまあ、あるのかもしれないな。
本当に最後の手段のような気がするけれど。
ただ、そのためにはもうちょっとだけここにいて、少しは成長してくれないと。
俺は日本で、身元不明の幼女を連れた誘拐犯になってしまう。
「わかったよ。これで全員と会ったことだし、一度城へ帰って、今後のことはそこで話し合おう」
俺がパティと国王、そして侍従や近衛兵に視線を配った直後だった。
「――――っ、リミデス!!」
小声で呪文が詠唱されていることに気付かなかった俺は、放たれた魔法名と同時に背中にトンと軽い衝撃を受けてしまう。
「よしっ、成功しました!」
後ろを振り向くと、マノンが拳を握り込んで力強くガッツポーズをしている。
そこにさっきまでの、幸薄い少女の印象はなかった。
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