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異世界帰りへ③ 英雄は○○を好みます
内政②
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国王に、国の乱れを正す仕事を依頼された。
引き受けるべきかどうか、まずは――。
「元々、俺の仕事は十字大陸の制覇。もう終わっているんだ。新しい仕事を求められるなら、報酬を明確にしてほしい」
仕事に対価を求めない人はいないだろう。
「続ける限り、今までと変わらず国費を財布にしてもらって構わぬ。これでどうじゃ?」
「実質無制限――ってことか。悪くないな」
差し詰め、クリア後のおまけクエストってところだ。
しかし爺さんめ……。金を握って俺を都合良く使役する気満々だな。召喚獣じゃねえっての。
だがこれは交渉事。なら、こっちも言いたいことを言わないとな。
「俺の目的はあくまで、ヒロイン報酬を連れての異世界帰りだ。仕事に追われてそれどころじゃなかった――なんてことになっちゃ話にならない。割と単細胞な自覚はあってな。二つのことを同時に進行できるほど器用じゃない」
「無論、新たなヒロイン探しは国を挙げて執り行おう。其方が自分で見つけてきても構わぬ」
「国家レベルで探してネトラレ要素を叩き込むとか、いらんことはしないよな?」
「……………………多分」
「おいっ。そこ最重要だぞ!」
「――わかった。今後寝取られ教育はやめよう。口惜しいが仕方がない」
この人、性癖に基づく悪政なんてとんでもないことを布いてるって、気付いているのかな? 割と本気で気付いてなさそうな気がしてきた。
…………そういや俺、この世界に来てからずっと戦ってきたなぁ。
息抜きにお店のお姉様方に遊んではもらったけれど、英雄が昼間っから顔を晒してそんなことできるわけないし、これを機にこっちの世界を満喫してみるのも乙なものかもしれない。
ヒロインが決まるまでの時間を暇で持て余すよりは、遙かに良質な時間を過ごせるとも考えられる。
どうせ城の中じゃ話し相手も限られてしまうし、城内での好感度めちゃ低いし、かと言って賓客の扱いじゃ城下町へ出て酒を飲むにも一々許可がいるだろう。
そんなの全く以て面白くない。
さてどうしたものか、と腕を前で組んでわざとらしく悩んで見せて、俺は、それとなくリルとパティの顔を見た。
「お祖父様、その仕事――私も一緒にやらせて頂きたいのですが」
「勿論構わぬよ。王族として民を治めることは義務のようなものじゃ。リルとハヤトの仲が深まるのならば一石二鳥じゃし、の」
深まらないと思うよ?
――でも、なるほどな。確かにこの王権制度の中では、王族がしっかり仕事を果たすことが重要だ。
それにしてもリルは本当に働きたがり屋だ。マグロやカツオのように、絶えず動いていないと死ぬ生き物なのかもしれない。
…………いかん。刺身を醤油で食べたくなってしまった。ワサビもほしい。日本に帰ったらまず米が食べたい。
続けて、パティはどうするのか、と表情を伺ってみたが。――こいつの場合はそもそも伺う必要もなかった。
国王は言う。
「パティ、其方が賢者として導くとよい」
「仰せのままに」
パティが国王に逆らうはずも無く、至極当然のこととして受け入れている。こいつの場合は通常営業みたいなものなのだろう。
俺は頭を掻きながら「仕方ないな……」と呟いて、発言を続ける。
「ま、やるだけやってみるか。タダ飯食らいみたいになるのも嫌だからな」
自信はないけれど、この世界は何もやることがないと本当に暇なんだ。国王が持っているゲームも結構古いのばかりみたいだし、ヨヨにもう一回傷を抉られるのはイヤだ。
五年間がむしゃらに、本当の意味で命を賭けて働いて、いきなり無職になるってのは落差が大きすぎる。
「まずは城下町で民の声を聞くがよい。情報を得るには酒場が打って付けじゃろう」
酒場で情報収集……ね。その展開は仄かに王道RPGの香りがして、結構好きだ。
引き受けるべきかどうか、まずは――。
「元々、俺の仕事は十字大陸の制覇。もう終わっているんだ。新しい仕事を求められるなら、報酬を明確にしてほしい」
仕事に対価を求めない人はいないだろう。
「続ける限り、今までと変わらず国費を財布にしてもらって構わぬ。これでどうじゃ?」
「実質無制限――ってことか。悪くないな」
差し詰め、クリア後のおまけクエストってところだ。
しかし爺さんめ……。金を握って俺を都合良く使役する気満々だな。召喚獣じゃねえっての。
だがこれは交渉事。なら、こっちも言いたいことを言わないとな。
「俺の目的はあくまで、ヒロイン報酬を連れての異世界帰りだ。仕事に追われてそれどころじゃなかった――なんてことになっちゃ話にならない。割と単細胞な自覚はあってな。二つのことを同時に進行できるほど器用じゃない」
「無論、新たなヒロイン探しは国を挙げて執り行おう。其方が自分で見つけてきても構わぬ」
「国家レベルで探してネトラレ要素を叩き込むとか、いらんことはしないよな?」
「……………………多分」
「おいっ。そこ最重要だぞ!」
「――わかった。今後寝取られ教育はやめよう。口惜しいが仕方がない」
この人、性癖に基づく悪政なんてとんでもないことを布いてるって、気付いているのかな? 割と本気で気付いてなさそうな気がしてきた。
…………そういや俺、この世界に来てからずっと戦ってきたなぁ。
息抜きにお店のお姉様方に遊んではもらったけれど、英雄が昼間っから顔を晒してそんなことできるわけないし、これを機にこっちの世界を満喫してみるのも乙なものかもしれない。
ヒロインが決まるまでの時間を暇で持て余すよりは、遙かに良質な時間を過ごせるとも考えられる。
どうせ城の中じゃ話し相手も限られてしまうし、城内での好感度めちゃ低いし、かと言って賓客の扱いじゃ城下町へ出て酒を飲むにも一々許可がいるだろう。
そんなの全く以て面白くない。
さてどうしたものか、と腕を前で組んでわざとらしく悩んで見せて、俺は、それとなくリルとパティの顔を見た。
「お祖父様、その仕事――私も一緒にやらせて頂きたいのですが」
「勿論構わぬよ。王族として民を治めることは義務のようなものじゃ。リルとハヤトの仲が深まるのならば一石二鳥じゃし、の」
深まらないと思うよ?
――でも、なるほどな。確かにこの王権制度の中では、王族がしっかり仕事を果たすことが重要だ。
それにしてもリルは本当に働きたがり屋だ。マグロやカツオのように、絶えず動いていないと死ぬ生き物なのかもしれない。
…………いかん。刺身を醤油で食べたくなってしまった。ワサビもほしい。日本に帰ったらまず米が食べたい。
続けて、パティはどうするのか、と表情を伺ってみたが。――こいつの場合はそもそも伺う必要もなかった。
国王は言う。
「パティ、其方が賢者として導くとよい」
「仰せのままに」
パティが国王に逆らうはずも無く、至極当然のこととして受け入れている。こいつの場合は通常営業みたいなものなのだろう。
俺は頭を掻きながら「仕方ないな……」と呟いて、発言を続ける。
「ま、やるだけやってみるか。タダ飯食らいみたいになるのも嫌だからな」
自信はないけれど、この世界は何もやることがないと本当に暇なんだ。国王が持っているゲームも結構古いのばかりみたいだし、ヨヨにもう一回傷を抉られるのはイヤだ。
五年間がむしゃらに、本当の意味で命を賭けて働いて、いきなり無職になるってのは落差が大きすぎる。
「まずは城下町で民の声を聞くがよい。情報を得るには酒場が打って付けじゃろう」
酒場で情報収集……ね。その展開は仄かに王道RPGの香りがして、結構好きだ。
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