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異世界帰りへ⑧ その召喚術は○○を招く
召喚!!
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国王を探す混乱のせいか、玉座の間を守る兵がいなかった。
まあ爺さんさえいなけりゃ、こんなのただの部屋だからな。
とはいえ、重く大きな扉にはしっかり鍵がかかっている。
「――仕方ない、か。リル、針金みたいなもの持ってないか」
「持ってな…………あ、いえ、その……持って……る、けれど」
なんで口籠もる?
「貸してくれ。扉を開ける」
「針金でどうやって……」
「いいから早く貸せって! 急ぐぞ!」
「う……うん」
なぜか躊躇いと恥じらいをタップリ持たせた困り顔で、リルは赤面していることを隠すように後ろへ向いた。そのまま手を背中に持って行き――。
「……おい。もしかして針金って、ワイヤー……」
「い、言っちゃダメだからね! あと、その……っ。み、見ないで……」
おいおいおい。なんでこんな時だけめちゃくちゃ乙女チックなんだよ。それでよくネトラレとか言えたもんだな。純情すぎるだろ。
「その――っ、ハヤトくんは、そういうお店で見慣れているのかも……しれないけどっ」
はい……。お店で見慣れています……。プライベートじゃありません……。純情じゃなくてすみません……。
マノンも厳しい目で見てくるし、ここは女性の胸をこよなく愛する正統派紳士として、泣く泣く後ろを向くことにしよう。
「…………はい、取れたわよ。ちゃんと後ろを向いててくれたから、助かったわ……」
ご褒美ぃーッ!!
ほうほう、このワイヤーがあの綺麗なバストラインを支えておったのか。ノンワイヤーブラが増えた現代日本では薄れてしまったワビサビが、まさかこの世界にあったとはのう。ただの針金なのに奥深さがあるわい。ふぉっふぉっふぉっ……。
――って、今そんなこと考えてる場合でもないな。
「折るぞ」
「ちょっ、折っちゃうの!? お気に入りだったのに……」
「折らないとどうしようもないんだよ!」
叫ぶように言うと、マノンが不思議そうに訊ねてくる。
「何をするんですか?」
「これはある兵士から受け継いだ特技。――ピッキングだ!」
受け継いだとだけ言えば、普通は、教わったものだと思うだろう。
実際はクロシードで継承したんだけれど。
「――そんな人が紛れている国軍とは一体……。だいたいハヤトさんも、なんてことを教わっているのですか? よく、それで生きて帰れましたね」
「仕方ないだろ! 前線兵に志願する人なんて大抵が訳ありなんだから! 色々教えてもらうことも生き残るためには必要だったんだよ!」
実際にこのスキルは役立ったんだ。敵国の治める危ない市街地の中で、使われていない倉庫を開けてそこに隠れたり……。戦争行為なんて、なんでもありだ。なんでもできたほうが、確実に勝率と生存率を上げることができる。
俺は鍵穴にそっと針金を差し込んで、指先の感覚で中の構造を探った。
懐かしいな、この感覚。
今も人の命がかかっている状況。その状況が生み出す独特の緊迫感――――。あの頃と、似ている。
「うわぁ……。リル、あの人ブラジャーのワイヤーでピッキングしていますよ」
「もう、犯罪の臭いしかしないわね」
あとでお前らの部屋に侵入して、ありったけのブラからワイヤーを抜き取ってやろうか!?
まあ爺さんさえいなけりゃ、こんなのただの部屋だからな。
とはいえ、重く大きな扉にはしっかり鍵がかかっている。
「――仕方ない、か。リル、針金みたいなもの持ってないか」
「持ってな…………あ、いえ、その……持って……る、けれど」
なんで口籠もる?
「貸してくれ。扉を開ける」
「針金でどうやって……」
「いいから早く貸せって! 急ぐぞ!」
「う……うん」
なぜか躊躇いと恥じらいをタップリ持たせた困り顔で、リルは赤面していることを隠すように後ろへ向いた。そのまま手を背中に持って行き――。
「……おい。もしかして針金って、ワイヤー……」
「い、言っちゃダメだからね! あと、その……っ。み、見ないで……」
おいおいおい。なんでこんな時だけめちゃくちゃ乙女チックなんだよ。それでよくネトラレとか言えたもんだな。純情すぎるだろ。
「その――っ、ハヤトくんは、そういうお店で見慣れているのかも……しれないけどっ」
はい……。お店で見慣れています……。プライベートじゃありません……。純情じゃなくてすみません……。
マノンも厳しい目で見てくるし、ここは女性の胸をこよなく愛する正統派紳士として、泣く泣く後ろを向くことにしよう。
「…………はい、取れたわよ。ちゃんと後ろを向いててくれたから、助かったわ……」
ご褒美ぃーッ!!
ほうほう、このワイヤーがあの綺麗なバストラインを支えておったのか。ノンワイヤーブラが増えた現代日本では薄れてしまったワビサビが、まさかこの世界にあったとはのう。ただの針金なのに奥深さがあるわい。ふぉっふぉっふぉっ……。
――って、今そんなこと考えてる場合でもないな。
「折るぞ」
「ちょっ、折っちゃうの!? お気に入りだったのに……」
「折らないとどうしようもないんだよ!」
叫ぶように言うと、マノンが不思議そうに訊ねてくる。
「何をするんですか?」
「これはある兵士から受け継いだ特技。――ピッキングだ!」
受け継いだとだけ言えば、普通は、教わったものだと思うだろう。
実際はクロシードで継承したんだけれど。
「――そんな人が紛れている国軍とは一体……。だいたいハヤトさんも、なんてことを教わっているのですか? よく、それで生きて帰れましたね」
「仕方ないだろ! 前線兵に志願する人なんて大抵が訳ありなんだから! 色々教えてもらうことも生き残るためには必要だったんだよ!」
実際にこのスキルは役立ったんだ。敵国の治める危ない市街地の中で、使われていない倉庫を開けてそこに隠れたり……。戦争行為なんて、なんでもありだ。なんでもできたほうが、確実に勝率と生存率を上げることができる。
俺は鍵穴にそっと針金を差し込んで、指先の感覚で中の構造を探った。
懐かしいな、この感覚。
今も人の命がかかっている状況。その状況が生み出す独特の緊迫感――――。あの頃と、似ている。
「うわぁ……。リル、あの人ブラジャーのワイヤーでピッキングしていますよ」
「もう、犯罪の臭いしかしないわね」
あとでお前らの部屋に侵入して、ありったけのブラからワイヤーを抜き取ってやろうか!?
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