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王位継承編⑤ 過去と、赦し
リル⑱ 父親
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部屋を訪ねると、リルはいつも通り、一つも乱れのない格好で出迎えてくれた。
こいつは一体どれだけ朝早くに起きているのだろうか? 毎朝、味噌汁を作って欲しい。包丁が豆腐やネギを刻む音で目覚めたい。
「どうしたの? 朝から重たい顔してるわよ」
とはいえ今日は、俺もしっかりと目を覚まして身なりを整えてからやってきた。
用件が重たいからな……。
マノンはまあ、ボサボサの寝乱れ髪に室内着だけれど。こいつはいつも通りだ。
「――急なことで悪いんだが。昨日マノンと話していて、リルの親父さんが今どうしているかを調べたほうがいいんじゃないかと思ってな」
「お父さん……? でも、五年前に失踪していて――」
「薄々は気付いているんだろ? 五年前に俺が召喚されて、親父さんがいなくなったんだ」
核心を問うと、リルは表情を曇らせて俯いた。この表情はあまり似合わないな。
「マノンなら、日本へ渡った人の暮らしも例の盗撮魔法で追えるんじゃないか――って。情報さえ揃えば本当にできるかもしれないらしいんだ。俺も今の日本がどうなっているか知りたいし、リルは親父さんの姿が見られるかもしれない。マノンも日本の生活環境を知りたがっているから、誰も損はしないんじゃないかと思って……な」
ヒロイン養成学校では日本の暮らしについて詳細に伝えたようだけれど、マノンはそこへほとんど通っていないわけだ。
そして俺が今の日本を見てみたいことも事実。
だからまあ、あとはリルの気持ちさえ揃えば、三者三様にメリットのある話となる。
――けれど、そう単純な話でもないということぐらいは、理解している。
「お父さん……。本当に生きてるのかな?」
「日本ってのは、身元不明人をそう簡単に死なせるような国じゃない」
「でも、結構怖い事件とかの話も……」
「そりゃまあ、完璧な国なんてのはどこにも無いからな。それでも治安は間違いなく良いし、たぶん俺がいた世界では、迷い込んで一番無事に済む国が日本だと思う」
まあ『自分の生まれ育った国を信じたい』という願望も混ざっているとは思うけれど。
この国だって治安はそう悪くない。
いや、悪くなくなった。
この国は元々四つの国と国境を持っていた。その中で戦争を続けていれば、人々の心も荒むわけで。
懸命に働いて割とギリギリの生活を続けるこの国の民だって、もし戦争で旗色が悪くなれば『働いても働いても今より悪い暮らししかできない』となって、治安は悪化する。
もちろん他国の民だって、こちらが優勢になればなるほどに追い詰められていって、一部地域ではそれによる反乱が起こっているところもあった。
更には相手国のことなのに、『負けそうな国へ反旗を翻す民』と『押さえつけようとする権力者』、双方を宥める形となることもあった。
今は五つの国が一つとなって、それなりの治まりを見せている。
混乱こそあれど、果てしなく続いていた戦時に比べれば民衆のメンタルも安定していることだろう。
だから活気のある城下町の喧噪を聞くと、ああ、召喚された日の様子とは全く違うな――と嬉しくなるんだ。
「ねえ、リル。召喚術を使いながら、疑問に思っていたことがあるんだけど……、言ってもいいかな?」
「……ええ」
マノンが眠たそうな目をこすって、真剣な表情を作ってからリルを見上げた。
見た目は変わらなくても、あのマノンですら普段の様子とは違うことを悟ったのか、リルの短い返答も何かを覚悟したかのように声音が据わっている。
「ハヤトさんを召喚するときは『人』と『人』。そこで一対一の交換が成立したと考えられるのです。しかしハヤトさんの話によると国王の持つゲーム機は、そう大したことのない金額で買えるものだとか」
「私も一応、その話は聞いているけれど――」
「一方、『電気』を創り出すソーラーシステムと大容量バッテリーは遙かに高価。仮に日本で買えば、恐らくスーファミの数百倍、もしかしたらそれ以上……」
言われて、リルは軽く俯いて顎に手を当て、考え込む仕草を見せた。
そして言葉を紡ぐ。
「誤差程度の金額で買えてしまう――ということよね」
「はい。それに消費電力の話も少し奇妙だ、と」
「えーっと、電気をどれぐらい使うか、よね?」
「映像を映し出す『液晶テレビ』は『スーファミ』の十倍以上、電力を消費する。でもあの液晶テレビ、もっと小さいものもあるそうなのです。それを選べば十倍とはならずに、二、三倍で済むこともあるとか。購入価格も安いそうです」
リルは難しい顔をしてこちらを向いた。
「マノンの言うとおりだ。仮に召喚物を『日本からの買い物』だと仮定した場合、ちょっと……いや、かなりバランスが悪い。それと……な」
言いづらいことではあるけれど、ここまできて伝えないわけにもいかず。俺は慎重に言葉を選びながら喋った。
「例えば英雄召喚は『無作為に等価となる人物を召喚した』と推測できる。この世界と同じように『人間』がいる世界がランダムに選ばれて、俺のいる世界がたまたま該当したわけだ」
「人間がいる世界からでなければ、英雄も召喚できない――?」
「ああ。妙な生き物が出てきたら困るだろ」
「なんで見ず知らずだったはずのハヤトくんのいた世界から召喚できたのか。そう考えると、まあ、確かに……」
「それは『人間』という生物の形を知っているからこそできたわけだ。――――だがその前提ならば、スーファミや液晶テレビ、ソーラーパネルに大容量バッテリー……。これらは日本の知識がなければ召喚不可能になる」
「そう……よね。この世界に等価となるものが存在し得ないし、そもそも召喚物のイメージすらできない」
リルという女性は、ヒロイン養成学校で首席を取るほどの力を持っているわけだ。
異世界の知識を貪欲に吸収できるのなら、頭の回転は良い。
「お父さんが、お祖父様に日本の知識を伝えていた――」
「ああ。だからきっと爺さんは、リルの親父さんが今どこでどうしているか、知っている」
そこまで言い伝えて、数秒待つとリルは、こくりと首を縦にした。
「――――わかったわ。お祖父様に会いに行きましょう」
仮説は、ある程度は的を射ているだろう。
正解からそう遠くないはずだ。
そしてマノンの魔法がどう発展するかは、予測不能。
透視先に姿を現したり、盗撮動画を脳内で一つの動画に編集したり、ここ数日でパティの入れ知恵から自分なりに魔法を発展させることを覚え始めている。
未知の世界を好き勝手に突き進まれてしまうのは怖いことだけれど、この場合、もしかしたらリルと親父さんの会話とか親父さんの連れ戻しとか、そういう常識外の魔法が成立する可能性がある。
「でも、選挙はいいの?」
「わからん。マノンが言い出したんだ」
リルに問われ、答え、二人でマノンへ向く。
「だって、私の必勝法は『恐喝』ですから。十字大陸各地に隕石を降らせようとしたら、みんな怯えて投票してくれます。前日まであぐらを掻いていて全然オーケーなのです」
「それもう、不正選挙じゃないか……?」
「禁止事項には当たりませんよ」
まあそうなんだけど。爺さんはなんで魔法の行使を禁止事項に設定しなかったかなぁ。
とはいえ、もしこれを不正だと訴えたところで、やり口を変えて
『この強大な魔力が国の力になります!!』
とでも言えば富国強兵的な希望と大陸外からの侵略を心配しなくても良くなる安心感で、莫大な票を貰えるわけで。
俺自身は少しずつとはいえ順調に進んでいるように思うけれど、果たしてこのチートにどうやって勝てばいいのか。難題だ。
こいつは一体どれだけ朝早くに起きているのだろうか? 毎朝、味噌汁を作って欲しい。包丁が豆腐やネギを刻む音で目覚めたい。
「どうしたの? 朝から重たい顔してるわよ」
とはいえ今日は、俺もしっかりと目を覚まして身なりを整えてからやってきた。
用件が重たいからな……。
マノンはまあ、ボサボサの寝乱れ髪に室内着だけれど。こいつはいつも通りだ。
「――急なことで悪いんだが。昨日マノンと話していて、リルの親父さんが今どうしているかを調べたほうがいいんじゃないかと思ってな」
「お父さん……? でも、五年前に失踪していて――」
「薄々は気付いているんだろ? 五年前に俺が召喚されて、親父さんがいなくなったんだ」
核心を問うと、リルは表情を曇らせて俯いた。この表情はあまり似合わないな。
「マノンなら、日本へ渡った人の暮らしも例の盗撮魔法で追えるんじゃないか――って。情報さえ揃えば本当にできるかもしれないらしいんだ。俺も今の日本がどうなっているか知りたいし、リルは親父さんの姿が見られるかもしれない。マノンも日本の生活環境を知りたがっているから、誰も損はしないんじゃないかと思って……な」
ヒロイン養成学校では日本の暮らしについて詳細に伝えたようだけれど、マノンはそこへほとんど通っていないわけだ。
そして俺が今の日本を見てみたいことも事実。
だからまあ、あとはリルの気持ちさえ揃えば、三者三様にメリットのある話となる。
――けれど、そう単純な話でもないということぐらいは、理解している。
「お父さん……。本当に生きてるのかな?」
「日本ってのは、身元不明人をそう簡単に死なせるような国じゃない」
「でも、結構怖い事件とかの話も……」
「そりゃまあ、完璧な国なんてのはどこにも無いからな。それでも治安は間違いなく良いし、たぶん俺がいた世界では、迷い込んで一番無事に済む国が日本だと思う」
まあ『自分の生まれ育った国を信じたい』という願望も混ざっているとは思うけれど。
この国だって治安はそう悪くない。
いや、悪くなくなった。
この国は元々四つの国と国境を持っていた。その中で戦争を続けていれば、人々の心も荒むわけで。
懸命に働いて割とギリギリの生活を続けるこの国の民だって、もし戦争で旗色が悪くなれば『働いても働いても今より悪い暮らししかできない』となって、治安は悪化する。
もちろん他国の民だって、こちらが優勢になればなるほどに追い詰められていって、一部地域ではそれによる反乱が起こっているところもあった。
更には相手国のことなのに、『負けそうな国へ反旗を翻す民』と『押さえつけようとする権力者』、双方を宥める形となることもあった。
今は五つの国が一つとなって、それなりの治まりを見せている。
混乱こそあれど、果てしなく続いていた戦時に比べれば民衆のメンタルも安定していることだろう。
だから活気のある城下町の喧噪を聞くと、ああ、召喚された日の様子とは全く違うな――と嬉しくなるんだ。
「ねえ、リル。召喚術を使いながら、疑問に思っていたことがあるんだけど……、言ってもいいかな?」
「……ええ」
マノンが眠たそうな目をこすって、真剣な表情を作ってからリルを見上げた。
見た目は変わらなくても、あのマノンですら普段の様子とは違うことを悟ったのか、リルの短い返答も何かを覚悟したかのように声音が据わっている。
「ハヤトさんを召喚するときは『人』と『人』。そこで一対一の交換が成立したと考えられるのです。しかしハヤトさんの話によると国王の持つゲーム機は、そう大したことのない金額で買えるものだとか」
「私も一応、その話は聞いているけれど――」
「一方、『電気』を創り出すソーラーシステムと大容量バッテリーは遙かに高価。仮に日本で買えば、恐らくスーファミの数百倍、もしかしたらそれ以上……」
言われて、リルは軽く俯いて顎に手を当て、考え込む仕草を見せた。
そして言葉を紡ぐ。
「誤差程度の金額で買えてしまう――ということよね」
「はい。それに消費電力の話も少し奇妙だ、と」
「えーっと、電気をどれぐらい使うか、よね?」
「映像を映し出す『液晶テレビ』は『スーファミ』の十倍以上、電力を消費する。でもあの液晶テレビ、もっと小さいものもあるそうなのです。それを選べば十倍とはならずに、二、三倍で済むこともあるとか。購入価格も安いそうです」
リルは難しい顔をしてこちらを向いた。
「マノンの言うとおりだ。仮に召喚物を『日本からの買い物』だと仮定した場合、ちょっと……いや、かなりバランスが悪い。それと……な」
言いづらいことではあるけれど、ここまできて伝えないわけにもいかず。俺は慎重に言葉を選びながら喋った。
「例えば英雄召喚は『無作為に等価となる人物を召喚した』と推測できる。この世界と同じように『人間』がいる世界がランダムに選ばれて、俺のいる世界がたまたま該当したわけだ」
「人間がいる世界からでなければ、英雄も召喚できない――?」
「ああ。妙な生き物が出てきたら困るだろ」
「なんで見ず知らずだったはずのハヤトくんのいた世界から召喚できたのか。そう考えると、まあ、確かに……」
「それは『人間』という生物の形を知っているからこそできたわけだ。――――だがその前提ならば、スーファミや液晶テレビ、ソーラーパネルに大容量バッテリー……。これらは日本の知識がなければ召喚不可能になる」
「そう……よね。この世界に等価となるものが存在し得ないし、そもそも召喚物のイメージすらできない」
リルという女性は、ヒロイン養成学校で首席を取るほどの力を持っているわけだ。
異世界の知識を貪欲に吸収できるのなら、頭の回転は良い。
「お父さんが、お祖父様に日本の知識を伝えていた――」
「ああ。だからきっと爺さんは、リルの親父さんが今どこでどうしているか、知っている」
そこまで言い伝えて、数秒待つとリルは、こくりと首を縦にした。
「――――わかったわ。お祖父様に会いに行きましょう」
仮説は、ある程度は的を射ているだろう。
正解からそう遠くないはずだ。
そしてマノンの魔法がどう発展するかは、予測不能。
透視先に姿を現したり、盗撮動画を脳内で一つの動画に編集したり、ここ数日でパティの入れ知恵から自分なりに魔法を発展させることを覚え始めている。
未知の世界を好き勝手に突き進まれてしまうのは怖いことだけれど、この場合、もしかしたらリルと親父さんの会話とか親父さんの連れ戻しとか、そういう常識外の魔法が成立する可能性がある。
「でも、選挙はいいの?」
「わからん。マノンが言い出したんだ」
リルに問われ、答え、二人でマノンへ向く。
「だって、私の必勝法は『恐喝』ですから。十字大陸各地に隕石を降らせようとしたら、みんな怯えて投票してくれます。前日まであぐらを掻いていて全然オーケーなのです」
「それもう、不正選挙じゃないか……?」
「禁止事項には当たりませんよ」
まあそうなんだけど。爺さんはなんで魔法の行使を禁止事項に設定しなかったかなぁ。
とはいえ、もしこれを不正だと訴えたところで、やり口を変えて
『この強大な魔力が国の力になります!!』
とでも言えば富国強兵的な希望と大陸外からの侵略を心配しなくても良くなる安心感で、莫大な票を貰えるわけで。
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