魔女として断罪された悪役令嬢は婚約破棄されたので魔王の妃として溺愛されることを目指します

悠月

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第四章 魔王の国を改革するための第一歩! 採用試験で自由に職業選択できる世界を目指します

1 さて、今後やることの整理をしましょう

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 城に戻り、夕食を終えた私は、与えられた部屋へと戻って、今日一日の成果や今後行うべきことをまとめておくことにした。
 おそらく、明日からはセパルと打ち合わせを重ねつつ、さっそく採用試験の準備にかからねばいけないことだろう。

「採用するにしても、闇雲に雇用を増やすわけにはいかないわよね。王家の私財から費用は捻出してくださるのだから、必要のない雇用を増やしたら申し訳ないわ。雇う側、雇われる側、その職によるサービスを受ける側、すべてにメリットがなければ……。そのために、まずは現在の雇用の実態を把握する必要があるわね。明日はここからだわ。小姓、侍女、役人、兵。それぞれ、各部署ごとの配属人数を正確に把握して、足りないところの人材を補充するようにしましょう」

 私は、紙に明日以降やるべきことを整理するために、リストにまとめて書き付けていく。

「それと、早々に開かないといけないのは保育所ね。この事業をまず最初に始めないと、女性が働くことも学校に行くこともかなわないわ。王立の保育所として利用できる場所……どこか空いている建物がないかどうかを確認してみましょう。貴族の邸で、使用していない別邸などがあれば、借り上げてもいいわね。余った建物は、学校に利用しましょう。
 そして、保育士を雇用する。これも現在の子どもの数を把握しなければ、子どもの数に見合う人数の雇用ができないわ。人頭税の制度があるということは、戸籍に準ずる何かがあるはずだから、明日、セパルに確認してみましょう。国中の子どもたちの数を把握しなければ。
 学校の先生の採用試験もしないとね。
 あと、できれば、介護サービスも一緒に整えられるといいんだけれど。もし、家で寝たきりになっているご年配の方がいたとしたら、介護の支援がないこの世界では、家業と家事と合わせて、おそらくその家の主婦が、寝たきりの家族の面倒まで一人で看ているはずだわ。福祉サービスがある程度は進んでいた前世でさえ、介護疲れによる心中や殺人が起きていたんだもの。もし、そういう人がいたら早々に救ってあげなければ。身体の不自由な家族がいる方だけ好きな仕事も勉強もできないとなったら、不公平が生じてしまうし。となると、介護士の雇用も必要になるのよね。
 介護を行うなら、本当はきちんとした医療の提供も行えたら一番いいのだけれど……。これは、学校の整備と一緒に、研究を進めていってもらうしかないかしらね」

 早急に進めるべきことの他に、私は今後、導入したい制度についても箇条書きで書き加えていった。

・やることリスト
1 小姓、侍女、役人、兵など各部署ごとの人数を正確に把握。過不足を確認の上、採用人数を決める。
2 保育所と学校用の土地と建物探し。
3 子どもの数を正確に把握した上で保育士を雇用。
4 学校の先生の雇用。

・今後始めたいリスト
1 できれば介護サービスを始める。
2 医療の進歩。学校で研究?

「あと、ジャガイモを植えられる土地の面積を把握しないとだったわ。これは、北方を治める領主たちにどれだけの土地が開墾可能かどうかを確認しないといけないわね。その土地の面積に合わせた人数を雇用しないと。ただ、開墾はかなり労力の必要な仕事だから……、首都の役人のように、『やりたい!』と手を挙げてくれる人が少ないかもしれないわ。何か、開墾することで得られるメリットを作っておかないとだわね。例えば、開墾した土地は、開墾した者の土地になるとか……。墾田永年私財法こんでんえいねんしざいほうみたいなメリットをプラスできるかどうか、考えないと。この辺については、領主との話し合いが必要だわ」

 私は、これもやることリストに追記する。

・やることリスト
5 ジャガイモ用に開墾する土地の面積を把握。開墾する人材の雇用、彼らに与えられるメリットを考える。

 やることリストをまとめる作業に没頭していると、部屋の扉がノックされた。

「エレイン様、失礼いたします」

 扉の向こうから、メイヴの声がする。

「ハーブティーをお持ちいたしました」
「まあ、どうもありがとう、メイヴ。どうぞ、入ってちょうだい」

 私は、ペンを置くと、メイヴを部屋へと招き入れた。
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