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第二部【ミーガン子爵家再興編】 第一章 『フェンドラム山脈のドラゴン族とクラン設立』
9話
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クロードはアイリ達がクランハウスの中に入るのを見届けると一人、クランハウスの裏手に回り先程みんなに説明するために作った建設予定地を記した図面を取り出し、畑と牧場の正確な位置づけを考え始める。
クロードは先ず、畑の範囲を区切るために畑の外側に土魔法で浅めの堀を作り、掘り出した土を土魔法で固め煉瓦状にし、掘り出した堀に敷いていく。
「うん。良い感じだな。次は雑草を抜かないとな。【ウィンドカッター】」
クロードは風魔法で雑草を狩った後、土魔法の【アースコントロール】で畑にする範囲の土をかくはんし下の土と上の土を混ぜ合わせると、掘り起こされた邪魔な石や岩を畑の範囲外に手作業で運び出して行く。
激しく照り付ける日差しの中、一人黙々と石や岩を運んでいると、クロードの上に急に影が差す。
「マスター。何か手伝いますよ。一人でやるよりみんなでやった方が効率も良いですし、それに楽しいですからね」
「そうだな!それじゃあ、アイリさんと子供達はこっちで俺と一緒に石と岩をあそこの石と岩が積んである所に運んでくれ。それで、ナビーと他のみんなはこの図面の通りに牧場の区画に沿って簡易的な柵を作ってくれ」
「「「「「了解!!」」」」」
***
暫くして畑から石と岩を取り除き終わったクロード達は牧場の柵を作っているナビー達に合流して簡易的な木の柵を完成させた。
「とりあえず牧場はこれで良いだろう。後は……ルシファー!!」
クロードが誰もいない場所に向かって呼び掛けると「はっ、ここに」とルシファーが黒い渦から突然現れる。
自分以外の全員が突然現れたルシファーに驚く中、クロードは平然とした態度でルシファーに話しかける。
「誰か魔道具に詳しい者の心当たりはないかな。出来れば詳しいだけじゃなくて作っている者がいれば、なお有り難いんだけど」
「そうですね。…………一人思い当たる者がおりますが少々面倒な輩でして、今から連れて来ますので少しお待ちください」
ルシファーはそう言うと、また黒い渦を出現させてその場から姿を消した。
少しして再び黒い渦が現れそこからルシファーともう一人女性が現れた。
但しお尻の辺りからサキュバスの様なしっぽが生えている。
「お待たせしました。クロード様、彼女が魔道具に詳しくそして作れる者です」
「ああ、ありがとう。それで、彼女の名前は何と言うのかな?」
「はい。彼女は――――「ちょっと、人を放置して勝手に話を進めているんじゃないわよ!!」」
なんとルシファーが連れて来た女性はルシファーの話を遮ってクロードとルシファーに文句を言って来る。
「な!!お前!!クロード様にタメ口を利くとは身の程をわきまえろ!!」
「全く五月蠅いわねぇ。ルシファー、あんたはちょっと黙っていなさい。……まあ良いわ。自己紹介くらいはしてあげる。私は強欲のマモン、魔界序列三位の大悪魔よ。まあ、そこにいるルシファーよりは下だけどね」
「ルシファー、そうなのか?」
「はい。私は魔界序列一位、傲慢のルシファーです。ですが魔界での立場などここでは関係ありません。ですので接し方も今まで通りでお願いします。勿論、マモンに対する接し方も私共と同様で構いません。……なぁ!!マモン!?」
ルシファーは強烈なプレッシャーをマモンに掛けながら問いかける。
「え、ええ、そ、そうね。それで良いわぁ」
「そうか、それじゃあ……早速で悪いがマモン、お前が所有している魔道具の中に水道とか上下水道、それと、水を溜めておける様な魔道具はあるか?」
「ん~~、上下水道と水道か~。それだと…………これなんかどうかな」
マモンは地面に魔石がはまった細長い筒を数本と大きな金属の樽を亜空間から取り出して置く。
「この筒と樽は一体どう言った物なんだ?」
「うん。これは二つとも魔道具よ。まず、この筒状の魔道具は、上下水道に使える筒で、水温の調節が出来るわ。そして常時浄化の効果がかかっているから綺麗な状態で川に戻すことが出来るわよ。それでこの二つの樽は水を溜めておく物よ。勿論、温度調整の機能も付けてあるわ」
マモンによる説明で、この筒状の魔道具は常時浄化の効果だけでなく自動で水源を探し、その水源まで勝手にのびて行く機能まで付いている事がわかった。
「まさかこんな便利な魔道具がこの世にあったなんてな。よし、じゃあマモン、早速で悪いけど、この筒の魔道具をクランハウスと接続してハウス内の水場で水を使えるようにしてくれるかな」
クロードの頼みを聞いたマモンは一瞬、苦虫を嚙み潰した様なすこぶる不機嫌な表情をしたが、自身をギロリと睨んでいるルシファーの顔が目に入る。
「!!……はぁ~、わかったわよ。私が作業している間にあん!!……クロード!!……様は、そこで私のことをガン睨みしているルシファーと樽型貯蔵魔道具を畑と牧場に設置しておきなさい。……はいこれ。樽型貯蔵魔道具の取り扱い説明書よ。これの通りにやれば誰でもできるわ」
マモンは説明書をクロードに渡すと地面に置きっぱなしになっていた筒状の魔道具を抱えてクランハウスへと向かって行った。
クロードは先ず、畑の範囲を区切るために畑の外側に土魔法で浅めの堀を作り、掘り出した土を土魔法で固め煉瓦状にし、掘り出した堀に敷いていく。
「うん。良い感じだな。次は雑草を抜かないとな。【ウィンドカッター】」
クロードは風魔法で雑草を狩った後、土魔法の【アースコントロール】で畑にする範囲の土をかくはんし下の土と上の土を混ぜ合わせると、掘り起こされた邪魔な石や岩を畑の範囲外に手作業で運び出して行く。
激しく照り付ける日差しの中、一人黙々と石や岩を運んでいると、クロードの上に急に影が差す。
「マスター。何か手伝いますよ。一人でやるよりみんなでやった方が効率も良いですし、それに楽しいですからね」
「そうだな!それじゃあ、アイリさんと子供達はこっちで俺と一緒に石と岩をあそこの石と岩が積んである所に運んでくれ。それで、ナビーと他のみんなはこの図面の通りに牧場の区画に沿って簡易的な柵を作ってくれ」
「「「「「了解!!」」」」」
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暫くして畑から石と岩を取り除き終わったクロード達は牧場の柵を作っているナビー達に合流して簡易的な木の柵を完成させた。
「とりあえず牧場はこれで良いだろう。後は……ルシファー!!」
クロードが誰もいない場所に向かって呼び掛けると「はっ、ここに」とルシファーが黒い渦から突然現れる。
自分以外の全員が突然現れたルシファーに驚く中、クロードは平然とした態度でルシファーに話しかける。
「誰か魔道具に詳しい者の心当たりはないかな。出来れば詳しいだけじゃなくて作っている者がいれば、なお有り難いんだけど」
「そうですね。…………一人思い当たる者がおりますが少々面倒な輩でして、今から連れて来ますので少しお待ちください」
ルシファーはそう言うと、また黒い渦を出現させてその場から姿を消した。
少しして再び黒い渦が現れそこからルシファーともう一人女性が現れた。
但しお尻の辺りからサキュバスの様なしっぽが生えている。
「お待たせしました。クロード様、彼女が魔道具に詳しくそして作れる者です」
「ああ、ありがとう。それで、彼女の名前は何と言うのかな?」
「はい。彼女は――――「ちょっと、人を放置して勝手に話を進めているんじゃないわよ!!」」
なんとルシファーが連れて来た女性はルシファーの話を遮ってクロードとルシファーに文句を言って来る。
「な!!お前!!クロード様にタメ口を利くとは身の程をわきまえろ!!」
「全く五月蠅いわねぇ。ルシファー、あんたはちょっと黙っていなさい。……まあ良いわ。自己紹介くらいはしてあげる。私は強欲のマモン、魔界序列三位の大悪魔よ。まあ、そこにいるルシファーよりは下だけどね」
「ルシファー、そうなのか?」
「はい。私は魔界序列一位、傲慢のルシファーです。ですが魔界での立場などここでは関係ありません。ですので接し方も今まで通りでお願いします。勿論、マモンに対する接し方も私共と同様で構いません。……なぁ!!マモン!?」
ルシファーは強烈なプレッシャーをマモンに掛けながら問いかける。
「え、ええ、そ、そうね。それで良いわぁ」
「そうか、それじゃあ……早速で悪いがマモン、お前が所有している魔道具の中に水道とか上下水道、それと、水を溜めておける様な魔道具はあるか?」
「ん~~、上下水道と水道か~。それだと…………これなんかどうかな」
マモンは地面に魔石がはまった細長い筒を数本と大きな金属の樽を亜空間から取り出して置く。
「この筒と樽は一体どう言った物なんだ?」
「うん。これは二つとも魔道具よ。まず、この筒状の魔道具は、上下水道に使える筒で、水温の調節が出来るわ。そして常時浄化の効果がかかっているから綺麗な状態で川に戻すことが出来るわよ。それでこの二つの樽は水を溜めておく物よ。勿論、温度調整の機能も付けてあるわ」
マモンによる説明で、この筒状の魔道具は常時浄化の効果だけでなく自動で水源を探し、その水源まで勝手にのびて行く機能まで付いている事がわかった。
「まさかこんな便利な魔道具がこの世にあったなんてな。よし、じゃあマモン、早速で悪いけど、この筒の魔道具をクランハウスと接続してハウス内の水場で水を使えるようにしてくれるかな」
クロードの頼みを聞いたマモンは一瞬、苦虫を嚙み潰した様なすこぶる不機嫌な表情をしたが、自身をギロリと睨んでいるルシファーの顔が目に入る。
「!!……はぁ~、わかったわよ。私が作業している間にあん!!……クロード!!……様は、そこで私のことをガン睨みしているルシファーと樽型貯蔵魔道具を畑と牧場に設置しておきなさい。……はいこれ。樽型貯蔵魔道具の取り扱い説明書よ。これの通りにやれば誰でもできるわ」
マモンは説明書をクロードに渡すと地面に置きっぱなしになっていた筒状の魔道具を抱えてクランハウスへと向かって行った。
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