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第二部【ミーガン子爵家再興編】 第一章 『フェンドラム山脈のドラゴン族とクラン設立』

15話

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 暫くしてクロードと合流したナビー達はクロードに全員がレベル百になったことを報告しる。

「そうか、無事に全員レベル百になったか。と言うことはそろそろ存在進化の影響で眠気が襲ってくるはずだから、その前に麓のバスフェンまで戻ろう」

 
 ドラゴンマウンテンの麓にある辺境都市バスフェンまで戻って来たクロード達は、その日一日をバスフェンで過ごすために城門近くにある高級ホテルにチャックインした。

***

 翌日、その日は前日に早く寝てしまったせいか、クロードは、まだ陽も登っていいない時間帯に目を覚ました。

 どうやらナビー達はまだ起きていない様だ。

 テントの中で眠りに就いているレイアと子供達もまだ起きる気配はない。

 クロードは外の空気を吸うために一人部屋を出た。

「お客様、おはようございます。お早いご起床ですね。ご朝食まではまだ時間がありますがお飲み物でもお出ししましょうか?」

「いや、大丈夫です。それよりちょっと外の空気を吸って来たいので少しの間外出して来ます。すぐ戻りますので」

 
 少しの間ホテルの前にあるベンチに座って風にあたりながらのんびりしていると、念のために発動していた気配探知でナビー達が起き始めたことに気付く。

「……ん?そろそろ皆起き始めたか。それじゃあ、ぼちぼち部屋に戻るか」

 
 クロードが部屋に戻ると、丁度ナビー達が寝室の方から出て来た所に出くわした。

「おはよう。みんな。……どうやらみんな存在進化出来たみたいだね。それじゃあ、俺はレイア達を起こして来るから先にリビングに行ってて」

 クロードは寝室に広げてあるテントの中へと入る。

 テントの中に入ると、そこにはなんと極上のモフモフ天国が広がっていた。

「……正にこれをギュウギュウ摘めって言うんだろうなぁ。さて、レイアから起こしていくか。……いったいどれがレイアなんだ?」

 クロードはテントに敷き詰められているモフモフのどれがレイアなのかわからなかったので見た目で見分けるのを断念し、レイアに対して念話を飛ばしてみた。

『お~い!!レイア起きているか。起きているならテントの入り口の方まで来てくれないか。子供達も存在進化して大きくなっていて、見分けがつかないんだ。……テントはギュウギュウだし』

『わふふ、わふ~、』

(わふわふって寝惚けているのか?)

 レイアが出て来るのをテントの入り口で待っていると、テントの中からボフンッという音がして、その後、額に三日月の模様を付けたレイアが目を擦りムニャムニャと出て来た。

「……お前、レイアだよな。お前も無事に存在進化したみたいだな」

「ふあ~~ぁ、あれ、主様だ~。おはようございま~す」

「あ、ああ、おはよう。子供達は……まだ寝ているのか。レイア先にリビングに行っていてくれナビー達はもう起きて先にリビングに行っているから。俺は、子供達を起こして来るよ」

 クロードはまたテントの中に入り、一人一人が四メートル越えの体になった子供達を少し時間をかけて起こす。

 ここでクロードは少し驚くことになる。

 なんと子供達は存在進化したことで新たに人化のスキルを獲得していた。

 クロードはまだ眠そうな子供達に人化してもらってからリビングへと向かった。

「みんな、お待たせ。それじゃあ、存在進化後のステータスの確認をしてから朝食を取りに行こうか」

 結果から言うと、ベロニカ、ケイト、アイリ、マルティは全員ハイヒューマンに存在進化していた。

 そして、従魔組に面々は、先ず、レイアはSランクモンスターのシルバーフェンリルから一部の種族からは神様扱いされているSSSランクモンスターのムーンスターフェンリルに進化していた。

 次に子供達だが、ボロはAランクモンスターのシャドウウルフからSSランクモンスターのダークシャドウフェンリルに、イリアはAランクモンスターのテンペストウルフからSSランクモンスターのフェアリーフェンリルに、レイはAランクモンスターのインフェルノウルフからSSランクモンスターのインフェルノフェンリルに、ハロはAランクモンスターのガイアウルフからSSランクモンスターガイアフェンリルに、リサはAランクモンスターのライトニングウルフからSSランクモンスターのサンダーフェンリルに進化していた。

「みんな、本当に強くなったなぁ。よし、朝食を食べたらネックに帰ろうか。ルシファー達やミレイが俺達の帰りを待っているからね。帰ったらお待ちかねの武器と防具の製作に取り掛かるよ!!」

 クロードはそう言うと、みんなを連れて朝食を食べにホテルの食堂に向かった。


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