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第二章『奴隷王国ドーレル滅亡』
10話
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住民をクリエール王国へ避難させ終わったクロード達は遂に奴隷王国ドーレルに巣食う全ての魔族殲滅に乗り出す。
まずクロードは今まで魔族達の監視に専念してもらっていたシャリナを自分のもと呼び戻して今どの様な上級になっているか聞いてみた。
「んっと今はね。王城内も各主要施設もどこもかしこも慌ただしいよ~。何か急に仲間の反応が消えたとかなんとか言ってた~」
「成程、魔族達はどうやら個人が持っている魔力の波動とかで仲間の位置とかを把握しているみたいだな。となるとこの宿を早々に離れた方がいいかもな。仲間の位置がわかるって事は準備が出来次第この場所に調べに来るだろうからな」
「確かに~。そうした方がいいかも~。何かとっても偉そうな魔族の人が兵士さんを集め始めたって今王城に残してきた子から連絡が来たよ~」
「やっぱりか。皆、直ぐに部屋から荷物を持って来て。ここから離れるよ」
クロードの言葉にケイトが反応する。
「離れるって言ったっていったいどこに行くって言うんだ。クロード、何かあてでもあるのか? 」
「ああ、あるよ。とっておきのがね」
クロードは皆が部屋から持って来た荷物を全てアイテムボックスに仕舞うと皆を連れて急いで宿を出る。
宿から大体一キロほど離れた時(全員インビジブルで透明化済み)、先程までクロード達がいた宿の辺りで大規模な爆発が起きた。
***
場所は変わりここは先程までクロード達がいた二階建てのありふれた宿屋だった場所、今は建物など無く黒焦げになった大量の瓦礫が散乱している。
その宿屋だった場所の上空に数人の魔族が浮遊している。
「おいバルカン。手下共にあの瓦礫の中を探らせろ。パンチ―の遺体と犯人の遺体を俺のもとに持って来るんだ。いいな」
「はっ、只今。おい!!お前達さっさとその瓦礫の中からパンチ―様の遺体と犯人の遺体を見つけ出せ。直ぐにだぞ。余りデベロッパー様をお待たせするんじゃないぞ」
一番豪華そうなローブを着た男にバルカンと呼ばれた魔族の男は直ぐに上空から地上に降り立ち自分達によって魔族モドキになった元住民達に指示を出す。
捜索を開始してから凡そ数時間が経過した。
「おい!!まだなのかバルカン!!さっさと遺体を俺のもとに持ってこい!!いったい何時まで掛かっているんだ!! 」
バルカンにデベロッパー様と呼ばれたこの魔族の男は何時間経っても未だ何も見つからないことに焦りと怒りを覚えて先程創作の指示を出したバルカンに八つ当たりをする。
デベロッパーに理不尽な八つ当たりをされたバルカンはなおも必死にありもしない遺体を探し続ける。
バルカンは哀れな男である。
無能な上司のもとについてしまったのが不運であった。
***
時は少しさかのぼり魔族達が宿を破壊した時、クロード達は宿から数キロ離れた空き家の民家の物置小屋の傍にいた。
「クロード?こんな所で一いったい何をするつもりなんだ? 」
ケイトの最もな疑問にクロードはさも何でもないかのように
「まあ見てて」
と言ってアイテムボックスを弄り始めた。
暫くアイテムボックスの中をあさっていると
「あ!あったあった。これだよこれ」
そう言いながらアイテムボックスの中から取り出したのはなんと小さな台座に乗ったオーブだった。
「クロード。このオーブをいったい何に使うんだ? 」
「ああ、このオーブにはね。透明化と遮音、そして聖結界を張ることが出来る効果が付与してあるんだ。王都の屋敷にいた時に暇つぶしに作った者なんだけど、まさかこんな所で役に立つなんてね。思いもしなかったよ」
クロードはそう言うとまたアイテムボックスをあさり始める。
今度は直ぐに目当ての物を見つけた様だ。
クロードはこの国に来る時に乗って来た馬車を取り出すと、扉を開けて馬車の中に先程のオーブを設置する。
「よし。これで敵に気付かれずに敵のボスがいる王城まで近づけるぞ。まあ、流石に王城に乗り込む時は馬車から降りて歩いていかないといけないけどね」
そして、クロード達は馬車に乗り込み敵のボスが待つ奴隷王国ドーレルの王城に向かった。
まずクロードは今まで魔族達の監視に専念してもらっていたシャリナを自分のもと呼び戻して今どの様な上級になっているか聞いてみた。
「んっと今はね。王城内も各主要施設もどこもかしこも慌ただしいよ~。何か急に仲間の反応が消えたとかなんとか言ってた~」
「成程、魔族達はどうやら個人が持っている魔力の波動とかで仲間の位置とかを把握しているみたいだな。となるとこの宿を早々に離れた方がいいかもな。仲間の位置がわかるって事は準備が出来次第この場所に調べに来るだろうからな」
「確かに~。そうした方がいいかも~。何かとっても偉そうな魔族の人が兵士さんを集め始めたって今王城に残してきた子から連絡が来たよ~」
「やっぱりか。皆、直ぐに部屋から荷物を持って来て。ここから離れるよ」
クロードの言葉にケイトが反応する。
「離れるって言ったっていったいどこに行くって言うんだ。クロード、何かあてでもあるのか? 」
「ああ、あるよ。とっておきのがね」
クロードは皆が部屋から持って来た荷物を全てアイテムボックスに仕舞うと皆を連れて急いで宿を出る。
宿から大体一キロほど離れた時(全員インビジブルで透明化済み)、先程までクロード達がいた宿の辺りで大規模な爆発が起きた。
***
場所は変わりここは先程までクロード達がいた二階建てのありふれた宿屋だった場所、今は建物など無く黒焦げになった大量の瓦礫が散乱している。
その宿屋だった場所の上空に数人の魔族が浮遊している。
「おいバルカン。手下共にあの瓦礫の中を探らせろ。パンチ―の遺体と犯人の遺体を俺のもとに持って来るんだ。いいな」
「はっ、只今。おい!!お前達さっさとその瓦礫の中からパンチ―様の遺体と犯人の遺体を見つけ出せ。直ぐにだぞ。余りデベロッパー様をお待たせするんじゃないぞ」
一番豪華そうなローブを着た男にバルカンと呼ばれた魔族の男は直ぐに上空から地上に降り立ち自分達によって魔族モドキになった元住民達に指示を出す。
捜索を開始してから凡そ数時間が経過した。
「おい!!まだなのかバルカン!!さっさと遺体を俺のもとに持ってこい!!いったい何時まで掛かっているんだ!! 」
バルカンにデベロッパー様と呼ばれたこの魔族の男は何時間経っても未だ何も見つからないことに焦りと怒りを覚えて先程創作の指示を出したバルカンに八つ当たりをする。
デベロッパーに理不尽な八つ当たりをされたバルカンはなおも必死にありもしない遺体を探し続ける。
バルカンは哀れな男である。
無能な上司のもとについてしまったのが不運であった。
***
時は少しさかのぼり魔族達が宿を破壊した時、クロード達は宿から数キロ離れた空き家の民家の物置小屋の傍にいた。
「クロード?こんな所で一いったい何をするつもりなんだ? 」
ケイトの最もな疑問にクロードはさも何でもないかのように
「まあ見てて」
と言ってアイテムボックスを弄り始めた。
暫くアイテムボックスの中をあさっていると
「あ!あったあった。これだよこれ」
そう言いながらアイテムボックスの中から取り出したのはなんと小さな台座に乗ったオーブだった。
「クロード。このオーブをいったい何に使うんだ? 」
「ああ、このオーブにはね。透明化と遮音、そして聖結界を張ることが出来る効果が付与してあるんだ。王都の屋敷にいた時に暇つぶしに作った者なんだけど、まさかこんな所で役に立つなんてね。思いもしなかったよ」
クロードはそう言うとまたアイテムボックスをあさり始める。
今度は直ぐに目当ての物を見つけた様だ。
クロードはこの国に来る時に乗って来た馬車を取り出すと、扉を開けて馬車の中に先程のオーブを設置する。
「よし。これで敵に気付かれずに敵のボスがいる王城まで近づけるぞ。まあ、流石に王城に乗り込む時は馬車から降りて歩いていかないといけないけどね」
そして、クロード達は馬車に乗り込み敵のボスが待つ奴隷王国ドーレルの王城に向かった。
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