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18章-09
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「とは言え、どこから攻めましょうか」
じりじりとこちらへ詰め寄ってくる二体に、ぐっと姿勢を低く落とす。どちらのボスも、初戦時はとても苦戦させられた相手だ。
【誘う影】には以前と違ってスムーズに攻撃が効くだろうけど、どちらにも共通する懸念事項は、とにかくスピードが速いこと。
一番すばやいダレンがやっと並走できるレベルなので、動きの遅い私や重装備のディアナ様では追いかけて叩くことはまず不可能だ。
(前回と同じく、まずは百足の足を全部削いでスピードを落とすべきか……でも、時間がかかりすぎるかも)
私を始め前衛の皆にかけている魔法は、多分時間経過で命を削っている。私だけならまだしも、ジュードも生贄にしている以上、なるべく早く倒したい。
……となれば、全員でどちらか一体に集中して倒しきるべきか。だとしたら、【誘う影】のが倒しやすいだろうけど……
「アンジェラ殿」
つらつらと戦略を考えていたところ、ふいにディアナ様から名を呼ばれた。
そちらを向けば、ニッと白い歯を輝かせた笑顔。続けて、巨大な斧を担いだディアナ様が走り出す――向かった先は【葬列の帰還】のほうだ。
「えっ!? ディアナ様!?」
準備状態だった百足も、ディアナ様の突撃に反応して一気に走り始める。その動きは、二十メートルを超える巨体とは思えないほどに速い。
「ッ、ディアナ様危ない!!」
慌てて私も加勢しようとしたけど、とても対応できる速さじゃない。
突進してくる巨大百足に対して――ごう、と、ディアナ様の斧が大きくふり上げられる。
「ぬおおおおおおおおおおおおおッ!!」
頭の攻撃を回避し、怒号とともに刃がふり下ろされたのは、足ではなく百足の胴体部分。それも、長い体のきっちりド真ん中だ。
ミシミシと骨の軋む音がこっちにまで聞こえたけど、いくらディアナ様の攻撃でも一撃で胴体を叩き斬ることはできない。
「えっあの!? ディアナ様!?」
一体何がしたかったのか。敬愛する女神様とはいえ、さっぱり謎な攻撃に戸惑うしかない。
――のだけど、直後に隣から「そうか!」とジュードの驚きの声が聞こえた。
「何どういうこと? 私さっぱりわかんないんだけど!?」
「長い体だからこそ、一か所破損させれば速度は落とせるんだ! 僕らじゃ到底無理だけど、ディアナさんはさすがだね!」
「一か所破損……?」
一度退いたディアナ様の背後では、百足が再度こちらへ向かってこようと構え直している。
グンッと勢いよく動く足にまた慌てれば――しかし直後に、地面を引き摺る鈍い音が響いた。
「あ!」
よく見れば、ディアナ様が殴った胴体が凹んで地面を擦ってしまっている。両側の足は気持ち悪いぐらい速く動いているけど、凹みがひっかかりとなって思うようにスピードを出せないのだろう。
(本当だ……長いからこそ、一か所躓くと全体に影響するんだ!)
巨体は脅威だとばかり思っていたけど、こんな対策があったとは! ……まあ、普通の人では、一撃であの胴体を凹ませるのは無理だろうけどね!
「さすがだな姐さん! 前もこうやって倒せばよかったのか」
「いや、かつての我ではここまでの力は出せなかった。今に至るまでの戦いが、我をより高みへと導いてくれたのだ」
感心する仲間たちに、ディアナ様はふっと軽く笑って返す。再び斧を構える姿は、慢心など微塵もない真摯なものだ。
ああ、素晴らしいです我が女神様! アンジェラは鼻血が出そうです!
「止めることできぬが、速度さえ落とせばあの大百足は我らだけで事足りるだろう」
「了解です。では、速度を落としようがない影は、僕ら三人で何とかしますよ」
チラッとディアナ様が視線を向ければ、ジュードが頷いて背を向ける。三人は前衛の男性陣のことか。
答えとばかりに皆が駆け出すと、正にその頭上へコールタールの手がふり下ろされる。私では目で追うのもやっとの速度だけど、三人は上手いこと指と指の間に滑り込んだようだ。
……なるほど、確かにこのチーム分けが妥当ね。
「アンジェラ殿は共にあの百足を屠ろう。骨には打撃のほうが効くだろうしな」
「任せて下さい! 速ささえなければ恐れるに足りません!」
百足も完全に停止したわけではないけど、影よりははるかにマシだ。これから足を落としていけば速度はドンドン下がるし、私のメイスが相性がいいのも本当だものね。
「相手を間違えたわね、【無垢なる王】」
「……かもね」
ぽそりと聞こえた返事に強気の笑みを返し、私もメイスを構えて走り出す。頭の突進さえ避けてしまえば、あとはヤツの速度を利用してメイスを叩き付ければいい!
「はあああッ!!」
落とした柄頭から、バキバキと砕ける音が聞こえてくる。……そういえば、キュスターの時は地下墓地の死体を素材にしていたけど、この百足は一体どこの死体を素材にしたのだろう。
一体につき手足四本、胴体一セットとれるとしても、十人や二十人で足りるような量ではない。もしかして私が砕いているこれは、どこかの墓から拝借された可哀そうな死体なのだろうか。
「うぅっ、そう考えると申し訳ないけど、こっちも命がけなのよ! 恨むなら【無垢なる王】を恨んでちょうだいね!」
不安な心を叫んで誤魔化してから、握った柄を一気にふり抜く。メイスが通った部分の骨は、きれいに道を作って砕け散った。
……前回これと戦った時は、私はサポート要員だったものね。こうやって軽々と砕けるところを見ると、もしかしたら前回も私がメインになって戦えばよかったのかもしれない。
「ふんッ!!」
私の反対側では、ディアナ様の斧も容赦なく百足の体を削ぎ落している。
足を落とすだけではなく、密集した胴体の骨まで吹き飛ばしていくので、長い体は徐々に欠けていっている。
こっちの体力はまだ余裕があるし、これなら魔術のトドメを待たなくても結構削れそうだ。
「けっずれ削れー!!」
「うむ!! 我も揮おうぞ!!」
気分は金塊採掘者だ。ノッてきた気分に任せて、手当たり次第にメイスを叩きつける。幾重にも骨を繋げた巨大な体は、どんどん砕けて崩壊する。
……ガコンと大きな音を立てて、百足の後ろのほうの体が飛んでいった。
「あー……速度低下をしようと思ったのだが、必要なかったか」
「こっちにはいらないわ。向こうの影を遅くしてあげて」
ふと、背後から呼ばれたと思えば、微妙な顔をしたノアがこちらに魔術をかけようとして固まっていた。どうやら【誘う影】にはもうかけてくれた後らしい。
しかし、たった数分でガタガタになった百足を見て、不要と判断したのだろう。呆れたように息をつくと、【葬列の帰還】の頭に向かって、何か魔術を一発撃つ。
「目はなさそうだが、一応目くらましだ。頭の突進さえ食らわなければ、余裕だろう?」
「補佐ありがとう! ディアナ様、今の内にやっちゃいましょう!」
「承った!」
虚しかない頭にも、魔術の目くらましは有効だったらしい。
頭をふりながら足を止めてしまった百足に、私とディアナ様の追撃がガンガン入っていく。
武器をふるう度に、軋み砕けていく巨体。空に舞い踊るどこかの骨。
「……どっちが悪役かわからないな」
呟いたのは誰だったか。
――ボスラッシュ三体目の【葬列の帰還】は、同情するほど呆気なく散っていった。
じりじりとこちらへ詰め寄ってくる二体に、ぐっと姿勢を低く落とす。どちらのボスも、初戦時はとても苦戦させられた相手だ。
【誘う影】には以前と違ってスムーズに攻撃が効くだろうけど、どちらにも共通する懸念事項は、とにかくスピードが速いこと。
一番すばやいダレンがやっと並走できるレベルなので、動きの遅い私や重装備のディアナ様では追いかけて叩くことはまず不可能だ。
(前回と同じく、まずは百足の足を全部削いでスピードを落とすべきか……でも、時間がかかりすぎるかも)
私を始め前衛の皆にかけている魔法は、多分時間経過で命を削っている。私だけならまだしも、ジュードも生贄にしている以上、なるべく早く倒したい。
……となれば、全員でどちらか一体に集中して倒しきるべきか。だとしたら、【誘う影】のが倒しやすいだろうけど……
「アンジェラ殿」
つらつらと戦略を考えていたところ、ふいにディアナ様から名を呼ばれた。
そちらを向けば、ニッと白い歯を輝かせた笑顔。続けて、巨大な斧を担いだディアナ様が走り出す――向かった先は【葬列の帰還】のほうだ。
「えっ!? ディアナ様!?」
準備状態だった百足も、ディアナ様の突撃に反応して一気に走り始める。その動きは、二十メートルを超える巨体とは思えないほどに速い。
「ッ、ディアナ様危ない!!」
慌てて私も加勢しようとしたけど、とても対応できる速さじゃない。
突進してくる巨大百足に対して――ごう、と、ディアナ様の斧が大きくふり上げられる。
「ぬおおおおおおおおおおおおおッ!!」
頭の攻撃を回避し、怒号とともに刃がふり下ろされたのは、足ではなく百足の胴体部分。それも、長い体のきっちりド真ん中だ。
ミシミシと骨の軋む音がこっちにまで聞こえたけど、いくらディアナ様の攻撃でも一撃で胴体を叩き斬ることはできない。
「えっあの!? ディアナ様!?」
一体何がしたかったのか。敬愛する女神様とはいえ、さっぱり謎な攻撃に戸惑うしかない。
――のだけど、直後に隣から「そうか!」とジュードの驚きの声が聞こえた。
「何どういうこと? 私さっぱりわかんないんだけど!?」
「長い体だからこそ、一か所破損させれば速度は落とせるんだ! 僕らじゃ到底無理だけど、ディアナさんはさすがだね!」
「一か所破損……?」
一度退いたディアナ様の背後では、百足が再度こちらへ向かってこようと構え直している。
グンッと勢いよく動く足にまた慌てれば――しかし直後に、地面を引き摺る鈍い音が響いた。
「あ!」
よく見れば、ディアナ様が殴った胴体が凹んで地面を擦ってしまっている。両側の足は気持ち悪いぐらい速く動いているけど、凹みがひっかかりとなって思うようにスピードを出せないのだろう。
(本当だ……長いからこそ、一か所躓くと全体に影響するんだ!)
巨体は脅威だとばかり思っていたけど、こんな対策があったとは! ……まあ、普通の人では、一撃であの胴体を凹ませるのは無理だろうけどね!
「さすがだな姐さん! 前もこうやって倒せばよかったのか」
「いや、かつての我ではここまでの力は出せなかった。今に至るまでの戦いが、我をより高みへと導いてくれたのだ」
感心する仲間たちに、ディアナ様はふっと軽く笑って返す。再び斧を構える姿は、慢心など微塵もない真摯なものだ。
ああ、素晴らしいです我が女神様! アンジェラは鼻血が出そうです!
「止めることできぬが、速度さえ落とせばあの大百足は我らだけで事足りるだろう」
「了解です。では、速度を落としようがない影は、僕ら三人で何とかしますよ」
チラッとディアナ様が視線を向ければ、ジュードが頷いて背を向ける。三人は前衛の男性陣のことか。
答えとばかりに皆が駆け出すと、正にその頭上へコールタールの手がふり下ろされる。私では目で追うのもやっとの速度だけど、三人は上手いこと指と指の間に滑り込んだようだ。
……なるほど、確かにこのチーム分けが妥当ね。
「アンジェラ殿は共にあの百足を屠ろう。骨には打撃のほうが効くだろうしな」
「任せて下さい! 速ささえなければ恐れるに足りません!」
百足も完全に停止したわけではないけど、影よりははるかにマシだ。これから足を落としていけば速度はドンドン下がるし、私のメイスが相性がいいのも本当だものね。
「相手を間違えたわね、【無垢なる王】」
「……かもね」
ぽそりと聞こえた返事に強気の笑みを返し、私もメイスを構えて走り出す。頭の突進さえ避けてしまえば、あとはヤツの速度を利用してメイスを叩き付ければいい!
「はあああッ!!」
落とした柄頭から、バキバキと砕ける音が聞こえてくる。……そういえば、キュスターの時は地下墓地の死体を素材にしていたけど、この百足は一体どこの死体を素材にしたのだろう。
一体につき手足四本、胴体一セットとれるとしても、十人や二十人で足りるような量ではない。もしかして私が砕いているこれは、どこかの墓から拝借された可哀そうな死体なのだろうか。
「うぅっ、そう考えると申し訳ないけど、こっちも命がけなのよ! 恨むなら【無垢なる王】を恨んでちょうだいね!」
不安な心を叫んで誤魔化してから、握った柄を一気にふり抜く。メイスが通った部分の骨は、きれいに道を作って砕け散った。
……前回これと戦った時は、私はサポート要員だったものね。こうやって軽々と砕けるところを見ると、もしかしたら前回も私がメインになって戦えばよかったのかもしれない。
「ふんッ!!」
私の反対側では、ディアナ様の斧も容赦なく百足の体を削ぎ落している。
足を落とすだけではなく、密集した胴体の骨まで吹き飛ばしていくので、長い体は徐々に欠けていっている。
こっちの体力はまだ余裕があるし、これなら魔術のトドメを待たなくても結構削れそうだ。
「けっずれ削れー!!」
「うむ!! 我も揮おうぞ!!」
気分は金塊採掘者だ。ノッてきた気分に任せて、手当たり次第にメイスを叩きつける。幾重にも骨を繋げた巨大な体は、どんどん砕けて崩壊する。
……ガコンと大きな音を立てて、百足の後ろのほうの体が飛んでいった。
「あー……速度低下をしようと思ったのだが、必要なかったか」
「こっちにはいらないわ。向こうの影を遅くしてあげて」
ふと、背後から呼ばれたと思えば、微妙な顔をしたノアがこちらに魔術をかけようとして固まっていた。どうやら【誘う影】にはもうかけてくれた後らしい。
しかし、たった数分でガタガタになった百足を見て、不要と判断したのだろう。呆れたように息をつくと、【葬列の帰還】の頭に向かって、何か魔術を一発撃つ。
「目はなさそうだが、一応目くらましだ。頭の突進さえ食らわなければ、余裕だろう?」
「補佐ありがとう! ディアナ様、今の内にやっちゃいましょう!」
「承った!」
虚しかない頭にも、魔術の目くらましは有効だったらしい。
頭をふりながら足を止めてしまった百足に、私とディアナ様の追撃がガンガン入っていく。
武器をふるう度に、軋み砕けていく巨体。空に舞い踊るどこかの骨。
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