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*《気持ちの整理がつかない》
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どこか伺う様子の來斗は憂い顔を垣間見せる朔太郎の顎を掬い、自分と目を合わせた。涙を潤ませ、赤面している朔太郎は可愛らしさも感じるが、――どこか妖艶さも感じられた。
朔太郎はそれでも股間を抑えながら厳しく睨みつけた。
「あなたは、その……どうせ、どうせっ、遊びなんでしょっ! そんなつもりだったら俺に近づかないで下さい!」
「……誰がそんな入れ知恵入れ込んだ? 藍斗か?」
「藍斗と、その、……ミアっていう女の人ですよ」
二人の名前を告げた瞬間、來斗は深く息を吐いた。それから「あの二人か……」などと面倒ごとのように想起しこんなことを呟く。
「藍斗は百歩……いや千歩譲って良いとして、ミアはなぁ~。あいつ、メンヘラだしなぁ~。めんどくせぇ女だったんだよなぁ~」
ミアと付き合っていた当初を思い出したのか來斗は頭を抱えていた。それから疲弊を吐き出すように床に伏せている朔太郎へ近寄る。それから、――触れたキスを送った。
朔太郎はさらに顔を赤く染める。
「んなぁっ、なんですかっ! 訂正とかしないんですか? 藍斗もミアさんって人は瀬川さんのことクズとか言っていましたよ?」
「ははっ、クズってひどいな。まぁ、別に仕事できていればそれでいいんじゃね?」
「……サイテーですね、あなた」
キスされた挙句にあっさりとクズなことを認めた來斗に朔太郎は肩を落とした。ここまで開き直っていると逆に責められなくなるのが朔太郎にとってよくわからない気持ちになった。
來斗は触れたキスをしてから朔太郎へ深い口づけを施した。いきなり舌を入れ込んできたので朔太郎は固まってしまい、なすがままになってしまう。
朔太郎の小さな口から妖艶な声が聞こえてくる。
「ふぅ……ぅんぅ……、んぅっ、んぅ……ふぁっ……――――!」
朔太郎が後ろへ倒れ込もうとしたので來斗は背中に腕を回して抱え込んだ。片腕でも逞しさを感じる。
朔太郎は來斗と唇を離された途端、酸素を取り込むように息をした。來斗はニヒルに笑んだ。
「ははっ。ちゃ~んとキスするときに息しねぇと酸欠になるぞ? それとも、――ここも、もう限界か?」
來斗が妖しげに朔太郎の破裂しそうな局部に触れた。朔太郎は身体をビクつかせる。それから涙をにじらせた。
「うひぃ……、も、もう……、自分で、します……からぁ……」
「いいって、俺がご奉仕してやるよ。クズな奴にご奉仕されるなんて好きものだな、――朔?」
耳元で触れるように囁かれ名前を告げられた途端、朔太郎は自分の気持ちに整理がつかなくなった。
來斗のことが好きなのか、疑ってしまうほどこの気持ちが、――この大きな衝動はわからない。
朔太郎は身体を捩らせ、チノパンのチャックを下げた。そしてパンツから自身を取り出し、隠すように自分の手で扱いていく。
「あぁっ、うぅんぅ……っ、んぅ……っ、はぁっ……! 來斗、さぁん……、い、じってぇ……?」
憂いげで切なげな顔をした朔太郎に來斗は悪戯に笑んで、朔太郎自身に手を伸ばした。それから、彼らは料理が来るまで情事に励んだのだ。
朔太郎はそれでも股間を抑えながら厳しく睨みつけた。
「あなたは、その……どうせ、どうせっ、遊びなんでしょっ! そんなつもりだったら俺に近づかないで下さい!」
「……誰がそんな入れ知恵入れ込んだ? 藍斗か?」
「藍斗と、その、……ミアっていう女の人ですよ」
二人の名前を告げた瞬間、來斗は深く息を吐いた。それから「あの二人か……」などと面倒ごとのように想起しこんなことを呟く。
「藍斗は百歩……いや千歩譲って良いとして、ミアはなぁ~。あいつ、メンヘラだしなぁ~。めんどくせぇ女だったんだよなぁ~」
ミアと付き合っていた当初を思い出したのか來斗は頭を抱えていた。それから疲弊を吐き出すように床に伏せている朔太郎へ近寄る。それから、――触れたキスを送った。
朔太郎はさらに顔を赤く染める。
「んなぁっ、なんですかっ! 訂正とかしないんですか? 藍斗もミアさんって人は瀬川さんのことクズとか言っていましたよ?」
「ははっ、クズってひどいな。まぁ、別に仕事できていればそれでいいんじゃね?」
「……サイテーですね、あなた」
キスされた挙句にあっさりとクズなことを認めた來斗に朔太郎は肩を落とした。ここまで開き直っていると逆に責められなくなるのが朔太郎にとってよくわからない気持ちになった。
來斗は触れたキスをしてから朔太郎へ深い口づけを施した。いきなり舌を入れ込んできたので朔太郎は固まってしまい、なすがままになってしまう。
朔太郎の小さな口から妖艶な声が聞こえてくる。
「ふぅ……ぅんぅ……、んぅっ、んぅ……ふぁっ……――――!」
朔太郎が後ろへ倒れ込もうとしたので來斗は背中に腕を回して抱え込んだ。片腕でも逞しさを感じる。
朔太郎は來斗と唇を離された途端、酸素を取り込むように息をした。來斗はニヒルに笑んだ。
「ははっ。ちゃ~んとキスするときに息しねぇと酸欠になるぞ? それとも、――ここも、もう限界か?」
來斗が妖しげに朔太郎の破裂しそうな局部に触れた。朔太郎は身体をビクつかせる。それから涙をにじらせた。
「うひぃ……、も、もう……、自分で、します……からぁ……」
「いいって、俺がご奉仕してやるよ。クズな奴にご奉仕されるなんて好きものだな、――朔?」
耳元で触れるように囁かれ名前を告げられた途端、朔太郎は自分の気持ちに整理がつかなくなった。
來斗のことが好きなのか、疑ってしまうほどこの気持ちが、――この大きな衝動はわからない。
朔太郎は身体を捩らせ、チノパンのチャックを下げた。そしてパンツから自身を取り出し、隠すように自分の手で扱いていく。
「あぁっ、うぅんぅ……っ、んぅ……っ、はぁっ……! 來斗、さぁん……、い、じってぇ……?」
憂いげで切なげな顔をした朔太郎に來斗は悪戯に笑んで、朔太郎自身に手を伸ばした。それから、彼らは料理が来るまで情事に励んだのだ。
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