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《母親は嫌い》
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数十分後、料理が無事に運ばれて二人はぬるくなったビールと共に食事をしていたのだが、――朔太郎はもじもじしながら刺身を食べていた。鯛の刺身は弾力があり身が引き締まっていた。
頬を赤らめながら食べている朔太郎に明太子ピザを食べていた來斗は悪戯に笑む。
「そ~んなに恥ずかしいかぁ? 野郎同士で抜き合うのなんて別に平気だろ?」
「う、うるさいですっ! 普通はしませんよっ、そんな、そんなその……ハレンチなこと」
「ははっ。ハレンチだなんて可愛いこと言うなぁ、てんしちゃんは」
明太子ピザを豪快に食べながらビールを流し込む來斗の喉仏が上下に動く様子を見て朔太郎は鼓動を弾ませた。今回は二人で抜きあった。この前は性行為まで行こうとした。こんな男で男らしい男に、――自分は鼓動を高鳴らせている。
朔太郎は頭を振って突き出しのがんもどきと小松菜の煮物を一口で食んだ。味が染みて美味である。不埒な考えが消失していく感覚を得た。
「んぅ~、美味しい~」
突き出しを食べてからマグロの刺身を食べている朔太郎を見た來斗は、自分の突き出しを差し出した。少し驚いた様子の朔太郎に來斗は柔らかく笑んだ。
「やるよ。お前がうまそうに食べるの見ると、……ホッとする」
その言葉が朔太郎の心を揺さぶる。來斗の考えていることがわからない。だが、――悪い人間ではないと、やはり感じる。
「……ありがとう、ございます」
「おう。というかお前、煮物系とか好きなのか? この前、里芋の煮物でもそ~んな可愛い顔していたぞ?」
箸で突き出しの小皿を指しながら問いかける來斗に朔太郎は息を吐いた。箸で物や人を指すのは行儀が悪いと言われずに育ったのか、もしくはわざとか不明である。肘を付いていないからわざとの可能性が高いと朔太郎は見た。
「まぁ、そうですね。煮物ってうまく作れないじゃないですか。料理は作る方なんですけど、煮物とかうまく作れなくて……。最近は帰省していませんけど、母親がその……、ひじきとか、里芋とか、じゃがいもとか、……煮物を作るのが上手で」
「へぇ~、てんしくんの母さんがね。俺や藍斗はそういうの出されなかったな。というか、……母親、居ねぇし」
「――えっ?」
そうだったけ? そう朔太郎は感じた。藍斗から母親が居ないことは聞いていない。ちゃんと両親は居たはずだ。仮に藍斗が連れ子だとしても、來斗とこんなにも顔立ちが酷似しているのだから同じ母親であろうと考えられる。――でも、來斗の顔色はミアを思い出すよりも嫌そうな顔をした。
朔太郎は首を傾けて、突き出しの煮物を食べた。來斗はアユの塩焼きを豪快に食んでいる。
それから來斗はビールで流し込んだ。そして急に告げた。
「今日は嫌な気分だから、お前ん家行くわ」
「は、はいっっっ!???」
どういうことだと思いながら動揺している朔太郎にスマホが鳴った。スマホの着信主は藍斗からであった。
頬を赤らめながら食べている朔太郎に明太子ピザを食べていた來斗は悪戯に笑む。
「そ~んなに恥ずかしいかぁ? 野郎同士で抜き合うのなんて別に平気だろ?」
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「ははっ。ハレンチだなんて可愛いこと言うなぁ、てんしちゃんは」
明太子ピザを豪快に食べながらビールを流し込む來斗の喉仏が上下に動く様子を見て朔太郎は鼓動を弾ませた。今回は二人で抜きあった。この前は性行為まで行こうとした。こんな男で男らしい男に、――自分は鼓動を高鳴らせている。
朔太郎は頭を振って突き出しのがんもどきと小松菜の煮物を一口で食んだ。味が染みて美味である。不埒な考えが消失していく感覚を得た。
「んぅ~、美味しい~」
突き出しを食べてからマグロの刺身を食べている朔太郎を見た來斗は、自分の突き出しを差し出した。少し驚いた様子の朔太郎に來斗は柔らかく笑んだ。
「やるよ。お前がうまそうに食べるの見ると、……ホッとする」
その言葉が朔太郎の心を揺さぶる。來斗の考えていることがわからない。だが、――悪い人間ではないと、やはり感じる。
「……ありがとう、ございます」
「おう。というかお前、煮物系とか好きなのか? この前、里芋の煮物でもそ~んな可愛い顔していたぞ?」
箸で突き出しの小皿を指しながら問いかける來斗に朔太郎は息を吐いた。箸で物や人を指すのは行儀が悪いと言われずに育ったのか、もしくはわざとか不明である。肘を付いていないからわざとの可能性が高いと朔太郎は見た。
「まぁ、そうですね。煮物ってうまく作れないじゃないですか。料理は作る方なんですけど、煮物とかうまく作れなくて……。最近は帰省していませんけど、母親がその……、ひじきとか、里芋とか、じゃがいもとか、……煮物を作るのが上手で」
「へぇ~、てんしくんの母さんがね。俺や藍斗はそういうの出されなかったな。というか、……母親、居ねぇし」
「――えっ?」
そうだったけ? そう朔太郎は感じた。藍斗から母親が居ないことは聞いていない。ちゃんと両親は居たはずだ。仮に藍斗が連れ子だとしても、來斗とこんなにも顔立ちが酷似しているのだから同じ母親であろうと考えられる。――でも、來斗の顔色はミアを思い出すよりも嫌そうな顔をした。
朔太郎は首を傾けて、突き出しの煮物を食べた。來斗はアユの塩焼きを豪快に食んでいる。
それから來斗はビールで流し込んだ。そして急に告げた。
「今日は嫌な気分だから、お前ん家行くわ」
「は、はいっっっ!???」
どういうことだと思いながら動揺している朔太郎にスマホが鳴った。スマホの着信主は藍斗からであった。
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