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僕は人間以外と生きる。
【閑話休題】甘口看病作戦!
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これは、マナが風邪を引いてしまう前にアリッストが布団を被らずに裸で眠ったおかげで風邪を引いてしまった時の話…。
「くっしゅんっ!!!ズビ……。あいつ…やっと行ったか。」
アリッストが身体を起してリビングへと向かえばマナが作ってくれた野菜が刻まれているコンソメスープが置かれていた。その横には携帯メッセージが届いておりアリッストは火照る身体を抱きながら録音メッセージを聞く。
『アリッストさん!コンソメスープ作っておきましたからちゃんと食べて下さいね!風邪の時には温かいものが一番ですから!あと帰りに薬を』
-ブチっ!
「うっさい。頭痛ぇんだからイヌみてぇにキャンキャン喚くな…。バカクズ。…とりあえず食うか。」
マナの心配をよそに録音メッセージにキレて思いっきりボタンを押して消したアリッストはスープを温めて静かに食べて横になるのであった。
『お兄ちゃん!離れたくない!!!ずっといてよ!!!』
-誰だこの声…?聞き覚えがある…。
『お兄ちゃんに会いたいよ…。会ってよ!!!…私と会って?』
-知ってる。この声を知ってる…。俺の自慢の妹でロボットに飼われた挙句に命を亡くした…。
「アリス!!?」
「???アリス?誰ですか、その人?」
深く眠っていたようでアリッストがベットから起き上がればマナが帰って来ていた。しかし時間を見てみると普段よりもだいぶ早くに帰宅していた。
(こいつ…俺の為に?)
アリッストがそんなことを考えてるとはつゆ知らず、マナは余ったコンソメスープにはもやしを入れて自分の物にしてアリッストには卵がゆを作っていた。とぼけた顔をするアリッストに不審に思いながらマナは彼の隣へ行き体温計を持ってきて熱を測る。
「うん。熱は…だいぶ引きましたね。…汗かいてるから着替えて拭いてあげますよ。寝冷えしたら大変だから。」
「お…おう。」
手早く身体の汗を拭きとり着替えさせていくマナの姿に感嘆を示してしまうアリッストではあるが口から出るのは冷たい言葉しか出ない自分に腹が立つ。
「なかなか上手いな?バカクズ。クズのくせに。」
「クズは余計ですよ~。僕、もしも学校に入っていたら看護師になりたかったんですよ。安定してるし、人の世話するのも好きですし。」
「でも、結局はアバズレになったじゃねぇか。売婦みてぇな。」
マナの手が止まり少し悲しげな顔をする。焦ったアリッストではあったが言った言葉は訂正が出来ない。どうしようかと内心で焦っていればマナはアリッストの着替えを済ませてから切り返すように笑って卵がゆを器に盛る。
「そうですね。結局はそうなってしまいましたけど…。良いんです。ここでたくさんの…いえ、獣人と出会えてますから。…そろそろ食べましょうか。」
「……おう。」
何も言えずに黙って食べることしか出来ない自分に腹が立ったアリッストであった。
「くっしゅんっ!!!ズビ……。あいつ…やっと行ったか。」
アリッストが身体を起してリビングへと向かえばマナが作ってくれた野菜が刻まれているコンソメスープが置かれていた。その横には携帯メッセージが届いておりアリッストは火照る身体を抱きながら録音メッセージを聞く。
『アリッストさん!コンソメスープ作っておきましたからちゃんと食べて下さいね!風邪の時には温かいものが一番ですから!あと帰りに薬を』
-ブチっ!
「うっさい。頭痛ぇんだからイヌみてぇにキャンキャン喚くな…。バカクズ。…とりあえず食うか。」
マナの心配をよそに録音メッセージにキレて思いっきりボタンを押して消したアリッストはスープを温めて静かに食べて横になるのであった。
『お兄ちゃん!離れたくない!!!ずっといてよ!!!』
-誰だこの声…?聞き覚えがある…。
『お兄ちゃんに会いたいよ…。会ってよ!!!…私と会って?』
-知ってる。この声を知ってる…。俺の自慢の妹でロボットに飼われた挙句に命を亡くした…。
「アリス!!?」
「???アリス?誰ですか、その人?」
深く眠っていたようでアリッストがベットから起き上がればマナが帰って来ていた。しかし時間を見てみると普段よりもだいぶ早くに帰宅していた。
(こいつ…俺の為に?)
アリッストがそんなことを考えてるとはつゆ知らず、マナは余ったコンソメスープにはもやしを入れて自分の物にしてアリッストには卵がゆを作っていた。とぼけた顔をするアリッストに不審に思いながらマナは彼の隣へ行き体温計を持ってきて熱を測る。
「うん。熱は…だいぶ引きましたね。…汗かいてるから着替えて拭いてあげますよ。寝冷えしたら大変だから。」
「お…おう。」
手早く身体の汗を拭きとり着替えさせていくマナの姿に感嘆を示してしまうアリッストではあるが口から出るのは冷たい言葉しか出ない自分に腹が立つ。
「なかなか上手いな?バカクズ。クズのくせに。」
「クズは余計ですよ~。僕、もしも学校に入っていたら看護師になりたかったんですよ。安定してるし、人の世話するのも好きですし。」
「でも、結局はアバズレになったじゃねぇか。売婦みてぇな。」
マナの手が止まり少し悲しげな顔をする。焦ったアリッストではあったが言った言葉は訂正が出来ない。どうしようかと内心で焦っていればマナはアリッストの着替えを済ませてから切り返すように笑って卵がゆを器に盛る。
「そうですね。結局はそうなってしまいましたけど…。良いんです。ここでたくさんの…いえ、獣人と出会えてますから。…そろそろ食べましょうか。」
「……おう。」
何も言えずに黙って食べることしか出来ない自分に腹が立ったアリッストであった。
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