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《仲間にしてくれないかな?》
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よーじがきじの頭を撫でていると巨大な八岐大蛇も指輪も消失し、代わりに白髪の少女と夜空の姿が現れた。二人の人物を目にしたよーじときじ、そして睦月はどういうことなのかわからずにいた。
だが変わったことがある。それは夜空の両脚のズボンがちぎれて白い生足が出ていたのだ。その姿にきじは目を見張りよーじを退けて夜空へずかずかと前に出る。
「おい、お前。もしかして、大蛇に脚を差し出したのか?」
「あ……うん。差し出しちゃったけど」
何でもないという風な夜空の姿にきじは項垂れてしまう。一般市民を巻き込んでしまったのだ。鬼を治める者として面目潰れにもほどがあると痛感した。
しかし夜空は両脚を大蛇に取られたのにも関わらず、どこか嬉しそうであった。それがきじは不思議に思った。そこで問いかけようとするとよーじが夜空へ声を掛けるのだ。「俺と一緒に走ってみないか? ここじゃないところでさ」
そう。地面はぬかるんでいた。だからよーじは自分の神社で競争をしようと突然言い出したのだ。首を捻るきじと睦月ではあるが白髪の少女はにこっと笑んだ。
「夜空様は私を助けてくださいました。だから平気です。あの八岐大蛇から奪われたものは、あなた様にとってはそれほど残酷なものではないと思いますよ?」
「……あんたは一体?」
よーじと夜空が睦月と共に百済宗が祀っている自分の神社へ行こうとする。空は曇天の天気であったのに晴れ間が広がっていた。草花には雫が滴り、地面には水が巡っている。まるでそれは五穀豊穣を願う姫のように思えた。
そしてそういえば八岐大蛇も願っていたなときじはふと思う。白髪の少女は笑みを深めていた。「私は櫛名田姫と申します。八岐大蛇に捧げられそうになった者です。クシナと呼んでくださると幸いです」
クシナはそう言って深々ときじへ頭を下げた。紫色と白の菊紋の着物が似合う美少女であった。そんなクシナへきじもお辞儀をすると彼女はきじの手を引いて夜空の元へ向かう。
そして夜空へくっつくのだ。「夜空様っ。そのきれいなおみ足はあなた様の羽となるでしょう。戦には十分の馬力です」
どこか夜空へ見惚れているようなクシナに夜空はあははと笑いながら軽くステップを踏んだ。その軽くて俊敏な足取りは親友であるよーじも驚愕するほどであった。
「夜空。お前いつの間にそんな足が速くなったんだよ……?」
「えへへ。よーじが身を捧げるのが見ていられなかったから代わりに僕の鈍足な両足を差し出したんだ。そしたら大蛇さんが代わりに僕へ脚を差し出したんだよね。なんか僕の脚って鬼に呪われていたみたいで」
その話は聞き捨てならなかった。きじも睦月も話に加勢する。「夜空と言ったか? お前の脚は呪われていたのか?」きじが尋ねると夜空はまぁ、などと頷いていた。
夜空の今の足取りは軽いものある。小柄なきじでさえも追いつくのがやっとであった。そこへ睦月が声を上げた。
「おい、茶髪っ! 少し速度を下げろ。鬼治丸様が追いつくのがやっとになっている」
「睦月……。そこは言わなくて良いよ」
「……すみません」
怒られる睦月ではあるが夜空はあはっ、なんて笑うと立ち止まってきじと睦月とよーじを順に眺めた。それから困ったように笑う。「大蛇さんから聞いたけどさ……」それから話を続けた。
「僕はこの両脚と引き換えに神のみ使いを探し出して暴走している鬼の祠を鎮めないといけないんだよね。でも僕の力が発揮できるにはクシナさんが居る時だけなんだ。だから――」
そう切ってきじへ歩み寄ったかと思えば手を差し出す。それはクシナもそうであった。「僕たちを仲間に入れてくれないかな?」きじも睦月も驚いた顔をしていたのだ。
だが変わったことがある。それは夜空の両脚のズボンがちぎれて白い生足が出ていたのだ。その姿にきじは目を見張りよーじを退けて夜空へずかずかと前に出る。
「おい、お前。もしかして、大蛇に脚を差し出したのか?」
「あ……うん。差し出しちゃったけど」
何でもないという風な夜空の姿にきじは項垂れてしまう。一般市民を巻き込んでしまったのだ。鬼を治める者として面目潰れにもほどがあると痛感した。
しかし夜空は両脚を大蛇に取られたのにも関わらず、どこか嬉しそうであった。それがきじは不思議に思った。そこで問いかけようとするとよーじが夜空へ声を掛けるのだ。「俺と一緒に走ってみないか? ここじゃないところでさ」
そう。地面はぬかるんでいた。だからよーじは自分の神社で競争をしようと突然言い出したのだ。首を捻るきじと睦月ではあるが白髪の少女はにこっと笑んだ。
「夜空様は私を助けてくださいました。だから平気です。あの八岐大蛇から奪われたものは、あなた様にとってはそれほど残酷なものではないと思いますよ?」
「……あんたは一体?」
よーじと夜空が睦月と共に百済宗が祀っている自分の神社へ行こうとする。空は曇天の天気であったのに晴れ間が広がっていた。草花には雫が滴り、地面には水が巡っている。まるでそれは五穀豊穣を願う姫のように思えた。
そしてそういえば八岐大蛇も願っていたなときじはふと思う。白髪の少女は笑みを深めていた。「私は櫛名田姫と申します。八岐大蛇に捧げられそうになった者です。クシナと呼んでくださると幸いです」
クシナはそう言って深々ときじへ頭を下げた。紫色と白の菊紋の着物が似合う美少女であった。そんなクシナへきじもお辞儀をすると彼女はきじの手を引いて夜空の元へ向かう。
そして夜空へくっつくのだ。「夜空様っ。そのきれいなおみ足はあなた様の羽となるでしょう。戦には十分の馬力です」
どこか夜空へ見惚れているようなクシナに夜空はあははと笑いながら軽くステップを踏んだ。その軽くて俊敏な足取りは親友であるよーじも驚愕するほどであった。
「夜空。お前いつの間にそんな足が速くなったんだよ……?」
「えへへ。よーじが身を捧げるのが見ていられなかったから代わりに僕の鈍足な両足を差し出したんだ。そしたら大蛇さんが代わりに僕へ脚を差し出したんだよね。なんか僕の脚って鬼に呪われていたみたいで」
その話は聞き捨てならなかった。きじも睦月も話に加勢する。「夜空と言ったか? お前の脚は呪われていたのか?」きじが尋ねると夜空はまぁ、などと頷いていた。
夜空の今の足取りは軽いものある。小柄なきじでさえも追いつくのがやっとであった。そこへ睦月が声を上げた。
「おい、茶髪っ! 少し速度を下げろ。鬼治丸様が追いつくのがやっとになっている」
「睦月……。そこは言わなくて良いよ」
「……すみません」
怒られる睦月ではあるが夜空はあはっ、なんて笑うと立ち止まってきじと睦月とよーじを順に眺めた。それから困ったように笑う。「大蛇さんから聞いたけどさ……」それから話を続けた。
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