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《伝説に似ている》
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夜空の思惑が掴めないでいるきじではあるが、よーじと夜空は互いに準備運動をして鳥居の前に立つ。その姿は桃葉も見ていた。
睦月が競争の合図を掛けようとする。しかし、首を捻った。「兄貴、こういうときってどういうんですか? 『走れーっ!』とか『やれー!』とかでも良いんですか?」
「いやそれはないだろ。『よーい、どんっ!』で良いから」
「あっ、なるほどっ。わかりました。じゃあ二人とも、位置についてください」
位置に着くよーじと夜空に睦月は息を吸い込んだ。「よーいっ、どんっ!!!!」
するとよーじを突き放すように夜空が駆けていくではないか。その姿によーじもきじも、そして睦月や桃葉も驚愕した。特によーじは夜空が極度の運動音痴であることを知っているのでかなりの驚きようだ。
桃葉が紡いだ。「これが、――あやかしの力」
そう。これが八岐大蛇の力であった。八岐大蛇は醜く鈍足な夜空の脚を食らった代わりに神速の脚力を与えたのだ。そしてそのトリガーとなるのが姫であるクシナだ。
クシナに憑依された夜空の脚力は紅葉で彩っていた参道を突き抜けて本堂まで到着してしまう。その速さは平均の七秒台よりも断然、速いのではないかと思うぐらい神速であった。
しかし負担も大きかったらしい。本堂に着いた夜空は息を吸っては吐いてを繰り返していた。「ふーはー、ふーはーっ! あ~、疲れたぁ~!」
柱に寄りかかれるところでよーじが到着した。よーじは脚に手を置いている夜空へ「速くなったな、夜空」そう言ったかと思えば、境内まで引き連れていた。ほかの皆も二人の様子を見てから境内に集合している。そして夜空に案内された境内の中で夜空はクシナとの憑依を解除した。
瞳は白ではなく普通の黒目に戻っていた。夜空はクシナへ礼を告げる。
「クシナさん本当にありがとう。でも、僕の脚で良かったのかな? 鬼に呪われていた脚だって聞いているけれど」
「それは俺も思っていたんだ。どういうことなんだ?」
よーじも揃ってクシナへ話しかけるとクシナは少し真剣な目をして話をした。「神のみ使いは人間の醜さを食べてそれを力とします。ただ、それだけです」
そう言われてもどこか納得しない二人が、よーじと夜空が居た。するときじや桃葉が話し出した。
きじが話し出す。「鬼は人間の醜さを食らって生きているんだ。その神のみ使いも同じで人間の醜い個所を食らう。そこは心臓か、脚か手か頭かそれはわからない」
きじの話を聞いてよーじも夜空も思い当たったようだ。そうだ、夜空は自分の方音痴さを呪っていた。忌々しく思っていたと。
そこで桃葉が話を続ける。「つまり夜空くんの脚は八岐大蛇にとっては鬼を治める、まぁ鬼道丸様の供え物としては一級品だったというわけだ。それを呪っていたのならなおのこと」
息を吐き出す桃葉ではあるが、逆に夜空の両脚を見やって彼に視線を向けた。
「だがな、夜空くん。君は自分からあやかしに手を出したようなものだ。そのせいでこれからはあやかしに狙われる可能性が高い。それは神職者であるよーじもだがな」
桃葉の厳しい言葉に夜空は少し考えたかと思えばにこっと笑いかけたのだ。それはクシナもであった。
「そう……なんですね。でも、それがどんなに大変なことなのか考えられませんが、僕にはクシナさんが居る。ねぇ、クシナさん?」
クシナが夜空に笑いかける。「えぇ、そうですわ。夜空さん」そして二人は寄り添って笑い合った。その二人の姿を見てよーじは夜空が櫛名田姫を八岐大蛇に差し出されて助けたスサノオが夜空のようだとふと思ったのだ。
空は夕焼け色に染まり桃葉が寄り添う二人へにこりと微笑んだ。「小枝さんが今日は仕事だからわしが夕飯でも作ろう。どうかね?」
夜空とクシナは互いに見合って頷いたのであった。今日の夕飯はなんだろうか。
睦月が競争の合図を掛けようとする。しかし、首を捻った。「兄貴、こういうときってどういうんですか? 『走れーっ!』とか『やれー!』とかでも良いんですか?」
「いやそれはないだろ。『よーい、どんっ!』で良いから」
「あっ、なるほどっ。わかりました。じゃあ二人とも、位置についてください」
位置に着くよーじと夜空に睦月は息を吸い込んだ。「よーいっ、どんっ!!!!」
するとよーじを突き放すように夜空が駆けていくではないか。その姿によーじもきじも、そして睦月や桃葉も驚愕した。特によーじは夜空が極度の運動音痴であることを知っているのでかなりの驚きようだ。
桃葉が紡いだ。「これが、――あやかしの力」
そう。これが八岐大蛇の力であった。八岐大蛇は醜く鈍足な夜空の脚を食らった代わりに神速の脚力を与えたのだ。そしてそのトリガーとなるのが姫であるクシナだ。
クシナに憑依された夜空の脚力は紅葉で彩っていた参道を突き抜けて本堂まで到着してしまう。その速さは平均の七秒台よりも断然、速いのではないかと思うぐらい神速であった。
しかし負担も大きかったらしい。本堂に着いた夜空は息を吸っては吐いてを繰り返していた。「ふーはー、ふーはーっ! あ~、疲れたぁ~!」
柱に寄りかかれるところでよーじが到着した。よーじは脚に手を置いている夜空へ「速くなったな、夜空」そう言ったかと思えば、境内まで引き連れていた。ほかの皆も二人の様子を見てから境内に集合している。そして夜空に案内された境内の中で夜空はクシナとの憑依を解除した。
瞳は白ではなく普通の黒目に戻っていた。夜空はクシナへ礼を告げる。
「クシナさん本当にありがとう。でも、僕の脚で良かったのかな? 鬼に呪われていた脚だって聞いているけれど」
「それは俺も思っていたんだ。どういうことなんだ?」
よーじも揃ってクシナへ話しかけるとクシナは少し真剣な目をして話をした。「神のみ使いは人間の醜さを食べてそれを力とします。ただ、それだけです」
そう言われてもどこか納得しない二人が、よーじと夜空が居た。するときじや桃葉が話し出した。
きじが話し出す。「鬼は人間の醜さを食らって生きているんだ。その神のみ使いも同じで人間の醜い個所を食らう。そこは心臓か、脚か手か頭かそれはわからない」
きじの話を聞いてよーじも夜空も思い当たったようだ。そうだ、夜空は自分の方音痴さを呪っていた。忌々しく思っていたと。
そこで桃葉が話を続ける。「つまり夜空くんの脚は八岐大蛇にとっては鬼を治める、まぁ鬼道丸様の供え物としては一級品だったというわけだ。それを呪っていたのならなおのこと」
息を吐き出す桃葉ではあるが、逆に夜空の両脚を見やって彼に視線を向けた。
「だがな、夜空くん。君は自分からあやかしに手を出したようなものだ。そのせいでこれからはあやかしに狙われる可能性が高い。それは神職者であるよーじもだがな」
桃葉の厳しい言葉に夜空は少し考えたかと思えばにこっと笑いかけたのだ。それはクシナもであった。
「そう……なんですね。でも、それがどんなに大変なことなのか考えられませんが、僕にはクシナさんが居る。ねぇ、クシナさん?」
クシナが夜空に笑いかける。「えぇ、そうですわ。夜空さん」そして二人は寄り添って笑い合った。その二人の姿を見てよーじは夜空が櫛名田姫を八岐大蛇に差し出されて助けたスサノオが夜空のようだとふと思ったのだ。
空は夕焼け色に染まり桃葉が寄り添う二人へにこりと微笑んだ。「小枝さんが今日は仕事だからわしが夕飯でも作ろう。どうかね?」
夜空とクシナは互いに見合って頷いたのであった。今日の夕飯はなんだろうか。
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