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《風呂の時間》
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「おっ、よーじじゃねぇか。良いところに来た。坊ちゃんの髪がすごいことになってなっ!」
まるで少年かのようにはしゃいでいる狼煙とシャンプーハットを被っても目を閉じているきじの大差によーじは微笑ましさを感じる。狼煙は自分よりも大人だし強い神のみ使いであるが、楽しむ心があるのだ。そんな狼煙によーじは優しく微笑んだ。
「すごいことって、その……、シャンプーがですか?」
「お? これがいわゆる石鹸みたいなものなのか! いやぁ、すげぇな現代の日本は!」
「はっはっは~っ!」などと笑う狼煙にきじは慣れた手つきでシャワーの蛇口を捻って泡を洗い流す。泡立っていたシャンプーの泡が流れる姿を見て狼煙が驚嘆した。「おぉっ、石鹸じゃねぇのにっ!?」
「いや、石鹸も泡立つじゃありませんか。というかきじ、お前はトリートメントも付けろよ。母さんが使っている奴、借りていいから」
「……”とりーとめんと”は、なんか頭がかゆくなる……」
きじがシャンプーを洗い流したことを確認してからよーじは風呂椅子を使って座り込んできじの長い髪に触れる。やはりシャンプーのおかげで良い香りはするが、少しキシキシした感覚を覚えた。
よーじは小枝が普段から使っている三千円するトリートメントを躊躇いもなく使用する。小枝にバレたら怒られそうだが、きじの為に使ったとなれば多めに見るだろうと鑑みた。
トリートメントは花のような香りがした。表記にはフラワーローズと記載されている。ローズもフラワーも花じゃないかと内心でツッコみを入れた。
「まぁいいから。ほら、付けるぞ」
「う、うん……」
きじの髪に撫でるように触れてトリートメントを塗布した。それから一分ぐらい置くのだが軽く頭皮マッサージをする。きじが気持ちよさそうだ。
そんな中でざぶんと湯水が零れる音が聞こえた。狼煙が身体を洗っていたのだ。しかも頭から湯を浴びている。「ふひぃ~、気持ちいいなぁ~」
湯水を浴びてから頭を獣のように振る狼煙によーじは唖然とする。まぁ狼の髪のみ使いであるし、浴びてから入ってくれるのだから頭を振る以外のマナーは守ってくれている。
本来であればシャワーを浴びて隅々まで洗って欲しいぐらいだが。なのでよーじは狼煙へ声を掛けた。「俺が狼煙さんの髪とか洗うので待ってください! 日本人は風呂のマナーに厳しいんですからっ!」
「そうなのか? 俺の時代の時はそこまで厳しくなかったぞ?」
「狼煙さんが居た時代とは違うんですよ。ほら、ちょっと風呂から離れて俺の所に来てくださいっ」
そう言ってよーじはきじーの頭をよく洗って、身体もさっとシャワーで洗い流してからきじを風呂場に浸からせた。きじはまったりとした顔を浮かべていると長身の狼煙が椅子にどっかりと座る。
「はい、少し屈んでください。そんで、さっき石鹸だって間違えて言っていたシャンプーって奴を付けます。でも絶対に目を開けないで下さいね。沁みますから」
「あ、おう……」
狼煙の濡れた髪をさらにシャワーで濡らしてシャンプーを手に取った。きじの髪質は細くてきめ細かい髪質だ。しかし狼煙の髪質はどちらかというと太くて硬質な髪であった。
神のみ使いだからか、もしくは獣だからなのかは知らぬが人間と同じではないのだなとふと感じる。髪の毛にシャンプーがなかなか泡立ちづらいのでこれは二度洗いだなと考えた。「なんか泡立ちが悪いので一度流しますね。……ちゃんと、ちゃんと、それで絶対に目を瞑ってくださいよ?」
そこへ助け船のようにきじものほほんとした声で言い放つ。
「そうだぞ~。目が沁みると痛いぞぉ……」
しかし”目が沁みる”というのはどんな感覚なのかをあまり受けたことがない狼煙はそろりと開けてしまった。それから絶叫。「うがぁぁっっっ!!!!! 目ぇがぁぁぁっっーーーー!!!!」
目頭を押さえて逃げ出そうとする狼煙の頭によーじがシャワーを、きじが風呂桶に湯を入れてバシャンっと浴びせた。
よーじが盛大な息を吐き出す。「だから痛いって言ったのに……」それからもう一度、シャンプーをしてからトリートメントをして大柄な男である狼煙を湯に浸からせる。
今度はよーじの番だ。よーじがシャワーで頭と身体を洗う。すると傷口が沁みて顔をゆがめた。「痛っ……」
きじが風呂桶に湯を入れて飛ばしかけたので待ったをかけた。「違うぞ、きじ」
「あっ、そうなのか?」
きじは風呂桶をそっと元に戻した。その瞬間を見てよーじはきじの天然さと優しさを感じるのであった。
まるで少年かのようにはしゃいでいる狼煙とシャンプーハットを被っても目を閉じているきじの大差によーじは微笑ましさを感じる。狼煙は自分よりも大人だし強い神のみ使いであるが、楽しむ心があるのだ。そんな狼煙によーじは優しく微笑んだ。
「すごいことって、その……、シャンプーがですか?」
「お? これがいわゆる石鹸みたいなものなのか! いやぁ、すげぇな現代の日本は!」
「はっはっは~っ!」などと笑う狼煙にきじは慣れた手つきでシャワーの蛇口を捻って泡を洗い流す。泡立っていたシャンプーの泡が流れる姿を見て狼煙が驚嘆した。「おぉっ、石鹸じゃねぇのにっ!?」
「いや、石鹸も泡立つじゃありませんか。というかきじ、お前はトリートメントも付けろよ。母さんが使っている奴、借りていいから」
「……”とりーとめんと”は、なんか頭がかゆくなる……」
きじがシャンプーを洗い流したことを確認してからよーじは風呂椅子を使って座り込んできじの長い髪に触れる。やはりシャンプーのおかげで良い香りはするが、少しキシキシした感覚を覚えた。
よーじは小枝が普段から使っている三千円するトリートメントを躊躇いもなく使用する。小枝にバレたら怒られそうだが、きじの為に使ったとなれば多めに見るだろうと鑑みた。
トリートメントは花のような香りがした。表記にはフラワーローズと記載されている。ローズもフラワーも花じゃないかと内心でツッコみを入れた。
「まぁいいから。ほら、付けるぞ」
「う、うん……」
きじの髪に撫でるように触れてトリートメントを塗布した。それから一分ぐらい置くのだが軽く頭皮マッサージをする。きじが気持ちよさそうだ。
そんな中でざぶんと湯水が零れる音が聞こえた。狼煙が身体を洗っていたのだ。しかも頭から湯を浴びている。「ふひぃ~、気持ちいいなぁ~」
湯水を浴びてから頭を獣のように振る狼煙によーじは唖然とする。まぁ狼の髪のみ使いであるし、浴びてから入ってくれるのだから頭を振る以外のマナーは守ってくれている。
本来であればシャワーを浴びて隅々まで洗って欲しいぐらいだが。なのでよーじは狼煙へ声を掛けた。「俺が狼煙さんの髪とか洗うので待ってください! 日本人は風呂のマナーに厳しいんですからっ!」
「そうなのか? 俺の時代の時はそこまで厳しくなかったぞ?」
「狼煙さんが居た時代とは違うんですよ。ほら、ちょっと風呂から離れて俺の所に来てくださいっ」
そう言ってよーじはきじーの頭をよく洗って、身体もさっとシャワーで洗い流してからきじを風呂場に浸からせた。きじはまったりとした顔を浮かべていると長身の狼煙が椅子にどっかりと座る。
「はい、少し屈んでください。そんで、さっき石鹸だって間違えて言っていたシャンプーって奴を付けます。でも絶対に目を開けないで下さいね。沁みますから」
「あ、おう……」
狼煙の濡れた髪をさらにシャワーで濡らしてシャンプーを手に取った。きじの髪質は細くてきめ細かい髪質だ。しかし狼煙の髪質はどちらかというと太くて硬質な髪であった。
神のみ使いだからか、もしくは獣だからなのかは知らぬが人間と同じではないのだなとふと感じる。髪の毛にシャンプーがなかなか泡立ちづらいのでこれは二度洗いだなと考えた。「なんか泡立ちが悪いので一度流しますね。……ちゃんと、ちゃんと、それで絶対に目を瞑ってくださいよ?」
そこへ助け船のようにきじものほほんとした声で言い放つ。
「そうだぞ~。目が沁みると痛いぞぉ……」
しかし”目が沁みる”というのはどんな感覚なのかをあまり受けたことがない狼煙はそろりと開けてしまった。それから絶叫。「うがぁぁっっっ!!!!! 目ぇがぁぁぁっっーーーー!!!!」
目頭を押さえて逃げ出そうとする狼煙の頭によーじがシャワーを、きじが風呂桶に湯を入れてバシャンっと浴びせた。
よーじが盛大な息を吐き出す。「だから痛いって言ったのに……」それからもう一度、シャンプーをしてからトリートメントをして大柄な男である狼煙を湯に浸からせる。
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きじが風呂桶に湯を入れて飛ばしかけたので待ったをかけた。「違うぞ、きじ」
「あっ、そうなのか?」
きじは風呂桶をそっと元に戻した。その瞬間を見てよーじはきじの天然さと優しさを感じるのであった。
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