鬼を治めるよーじ

蒼空 結舞(あおぞら むすぶ)

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《双子の新しい物語》

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 昔。あるところに幼いながら亡くなってしまった餓鬼という少年が居ました。餓鬼と呼ばれた少年は幼いながら必死に生きましたが死に絶えて、彼の双子の兄である畜生は鬼を穿つ力を持ちますが冤罪の罪で亡くなってしまいます。
 しかし双子は転生をしたのです。その新しい名は弟が鬼を治める子として、鬼治丸で兄は鬼の道を行くと書いて鬼道丸と人々は名付けて祠を建てました。双子の兄である鬼道丸は自分たちを殺した人間を恨んでいましたが弟は違います。
 弟の鬼治丸はある青年と出会い、仲間と共に戦い、そして優しさを育んでいきました。弟の鬼治丸は”きじ”という愛称で皆に愛されるのです。
 
「よしっ。ここまでは書けた。えっと……。次は……」
「こら葉治っ! これじゃあまるで鬼道丸様が悪者みたいに書かれてるじゃないか! これじゃあ二人が浮かばれないぞっ!」
 神社の本殿にて書物を書き記すよーじは今、神社の正装をしていた。黒地に菊紋の着物を着ているよーじは白紙に筆で不器用ながらも物語を紡ぐ。本殿には像は幼い少年と青年の祠が崇められていた。きじと鬼道丸である。
 そして本殿の外では夜空も立ち会っている。夜空は写真係として二人のことを撮影しているのだ。前当主の桃葉に若き当主のよーじを記念写真に撮って。
「でもじいちゃん。俺はきじと居たから鬼道丸のことはほとんど知らないし……」
「馬鹿者っ! 鬼道丸様だってお強いはずだぞ、なぁ夜空くん?」
「えっと……。でも、僕は睦月さんやらクシナさんに意識を乗っ取られていたのでよく覚えていないというか……」
 あはは……などと苦笑気味な夜空に桃葉は盛大な息を吐いた。そんな桃葉によーじは思いついたような顔をした。
 それから墨汁で不器用ながらに話を紡いでいく。それはきじと鬼道丸はお互いを思いやって天に召されたという内容であった。
「よしっ、これでおしまい! これならハッピーエンドだし、二人も仲悪くないだろう? あー、疲れたっ。じいちゃん。俺、牛丼食べたい~」
 あっけらんかとしているよーじに桃葉は再び盛大な息を吐いた。それから「まぁ、慣れない書で疲れただろうから良しとするか」そう言って桃葉は正座からすんなりと足を立てて神社を出てしまった。恐らく今から作るのだろう。
 桃葉に続いてよーじも立ち上がろうとするが足が痺れて動けずにいた。動けないよーじに夜空が苦笑気味で笑う。
 よーじがぶすっとした顔になった。「なんだよ、夜空っ! 助けるのが親友の役割だろ?」
「はいはい……って、――痛っ! ちょっとよーじ何するんだよぉ」
「えっ、俺はなにもしてないけど……」
 不可解な夜空の反応によーじは首を傾げているとよーじはなにかを予兆する。それは本尊の前で皆が集合している。きじや睦月たちが集合している姿であった。
「夜空、カメラを本尊に向けろっ!」
「えっ、あ、……うん」
 夜空はためらいつつも真剣な様子のよーじに応えるようにカメラを向けて写真を撮る。夜空のカメラは一眼レフなので現存しないと映らない。
 それでもよーじはきじたちがそこに居るとなんとなく感じたのだ。夜空はなにかを感じ取ったのだろう。少し顔を綻ばせた。「映るといいね。たとえ透けて見えなくても」
「あぁ……。でもちゃんと、ここに居るってきじは言ってくれていると思うから。だから俺は頑張るよ。百済宗の神職として頑張る」
 秋から冬となって春となる。新学年となるよーじの目標は、立派な神職となってきじと対話することであった。それが叶うまでは長い道であっても、よーじは構わずに前に進むだろう。……小さな身体で戦うあの少年のように
 ~FIN~
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