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一次試験~来島安鶴沙11~
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安鶴沙は周囲の気配を探る。
(1人、2人、3人…6人、7人…!?)
足音、息遣いなどから推し量れる敵の人数はおよそ7名。それらがこの周囲の茂みに、木の陰に、所々に潜んでいる。
「よう、『黒豹』…久しぶりじゃないか」
茂みの中からひとりの男が姿を現した。肩幅が広く、顎ががっしりとしている。いかにも強面といった風貌だ。
「いや、今はシルヴィ・ローズと名乗ってんだってな」
「え…?」
その言葉に、安鶴沙はシルヴィと男を交互に見比べる。
「お知り合いなんですか…!?」
つまり、仲間という事だろうか。そんな淡い期待は、すぐさま否定される。
「知り合いだけど…敵よ、こいつらは」
「おいおい、つれない事を言ってくれるじゃないか『黒豹』。俺たちは仲間だっただろ?」
「好きで盗賊なんてやってた訳じゃないわ。あなたの事を仲間だと思った事もない」
そう、目の前にいる男は…かつてシルヴィが盗賊団だった時代のメンバーのひとり。
「言ってくれるじゃないか『黒豹』…そういえば、ティネンのトーナメントで『灰色熊』のデズモンドを倒したらしいな。まあ、あのオッサンも粗暴なだけで大した腕じゃなかったからな。そもそも、捕まって死刑囚になってる時点でダサすぎるだろ」
くくっ…と笑う男。その声に呼応して、木陰や茂みの中からも笑い声が上がる。
「まあそんな事はどうでもいいんだ。ここにいる事からも分かる通だろうが、俺は今冒険者をやっててな…」
「あなたみたいな下種が冒険者なんて笑えない冗談ね、『褐色狐』」
「ははっ…それはお前も同じだろう。それと、俺を昔の渾名で呼ぶな…レイガッハ・バイゼル。それが今の俺の名だ。それで、だ」
レイガッハはシルヴィの方へと歩み寄る。
「頼みがあるんだ、シルヴィ。お前とお前の相棒が持ってるゴーレムの牙…俺に渡せよ。昔のよしみだ、喜んで渡してくれるよな?」
薄ら笑いを浮かべながら、レイガッハは腰の剣を抜いた。
(1人、2人、3人…6人、7人…!?)
足音、息遣いなどから推し量れる敵の人数はおよそ7名。それらがこの周囲の茂みに、木の陰に、所々に潜んでいる。
「よう、『黒豹』…久しぶりじゃないか」
茂みの中からひとりの男が姿を現した。肩幅が広く、顎ががっしりとしている。いかにも強面といった風貌だ。
「いや、今はシルヴィ・ローズと名乗ってんだってな」
「え…?」
その言葉に、安鶴沙はシルヴィと男を交互に見比べる。
「お知り合いなんですか…!?」
つまり、仲間という事だろうか。そんな淡い期待は、すぐさま否定される。
「知り合いだけど…敵よ、こいつらは」
「おいおい、つれない事を言ってくれるじゃないか『黒豹』。俺たちは仲間だっただろ?」
「好きで盗賊なんてやってた訳じゃないわ。あなたの事を仲間だと思った事もない」
そう、目の前にいる男は…かつてシルヴィが盗賊団だった時代のメンバーのひとり。
「言ってくれるじゃないか『黒豹』…そういえば、ティネンのトーナメントで『灰色熊』のデズモンドを倒したらしいな。まあ、あのオッサンも粗暴なだけで大した腕じゃなかったからな。そもそも、捕まって死刑囚になってる時点でダサすぎるだろ」
くくっ…と笑う男。その声に呼応して、木陰や茂みの中からも笑い声が上がる。
「まあそんな事はどうでもいいんだ。ここにいる事からも分かる通だろうが、俺は今冒険者をやっててな…」
「あなたみたいな下種が冒険者なんて笑えない冗談ね、『褐色狐』」
「ははっ…それはお前も同じだろう。それと、俺を昔の渾名で呼ぶな…レイガッハ・バイゼル。それが今の俺の名だ。それで、だ」
レイガッハはシルヴィの方へと歩み寄る。
「頼みがあるんだ、シルヴィ。お前とお前の相棒が持ってるゴーレムの牙…俺に渡せよ。昔のよしみだ、喜んで渡してくれるよな?」
薄ら笑いを浮かべながら、レイガッハは腰の剣を抜いた。
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