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2話〜呪われた彼〜

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「わかった。お前には言う。でも、これは2人だけの秘密な」
2人だけの秘密という言葉に少しキュンときた私を殴りたい。

「俺、いつからか心の中にとじこもってしまうんだ。んー分かりにくいか。まぁ簡単にいうと誰かに操られてるって感じだ。」
「えっ、じゃあ、車にぶつかりにいったのも操られたせいで……。」
「まぁそういうことになるな」
私はヒロトの言ってることが信じられなかった。でも、今ヒロトがこうなってるのだから信じるしかなかった。
「ねぇ、その呪い的なものってとれたりはしないの?」
「俺にはわからない。」
「そっか……。とりあえず私帰るね!また来るから」
「おう。きおつけてな」

私もなにかヒロトの役に立ちたい。
明日市内の図書館にでも行こうかな。

「ヒロト大丈夫!?」
「ひかり!逃げろ…はやく…逃げ…」
はっ!!
夢か……なんだったんだろう。


とりあえず図書館に行こう。ヒロトの呪いのなにかが分かるかもしれない。

私は自転車の鍵と図書バックを持って出かけた。
懐かしいなこの風景。
小学校の登校で歩いた道。たしかここで私転んで泣いたんだっけ
あの時は散々だったけど今になってはいい思い出。
信号のタイミングをうかがいながら自転車の速度を調節する。
ようやく着いた。市内の図書館なだけであって、少し古い。図書館らしい匂いもする。私はこの匂いがかなり好きだ。
友達にひかれたけどこの匂いだけ嗅ぎに図書館に来たこともあった。
よし、じゃあ探すか。
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