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4話〜過去〜

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ありえない。いくら呪われたからってヒロトが人を殺すことなんてない。
ねぇ、そうだよね……。

「ヒロトくん!」
私の声は病室中に響いた。
全力で走ってきたせいで息が上がっている。
「ひかりか。どうしたんだそんなに慌てて…もう夕方だぞ。」
「ねぇ…あなたの両親は……いないの?」
ヒロトの目付きが変わった。
すごく怖い。
「お前には関係ないだろ、とりあえずこの話やめろようぜ」
「あなたがあなたの両親を殺し」
「だまれ!!その話は2度とするな!
もう……出てけよ…」
ヒロトの声がかすれていってる。まるで過去のトラウマを思い出したかのように。
「……っ。わかった。じゃあね」

私は置いていたカバンを取り、病室から出ていった。
────なんであいつが俺のことそんなに知ってるんだ…。…っ
すると同じ病室で入院しているおばさんがヒロトのもとにきた。
「あらまぁ、何事かしら。ヒロトくん、もっと女の子には優しくしせんと。ほら、鏡をみてみ、ヒロトくんの顔、化け物みたいに怖いよ。」

これが俺の顔…。なんで俺がこんなめに…。

俺がまだ7歳の頃
両親の喧嘩があった。それは恐ろしいほどに怖かった覚えがある。その時に聞こえた言葉
「ヒロトなんか産まなければよかった」
これが俺の心をゆがました言葉。
するとなにかがきこえてきた。
(お前はいらない子。…そう生きてる意味なんてない。)
これがずっと頭の中できこえてくる。
うるさい。うるさい!
すると勝手に体が動き出したんだ。止めようとしても止まらない。
(ちょっと体が止まらない!なんで!?お母さんお父さん!逃げて!)
「ちょっと、ヒロトどうしたの!?」
「お母さん、お父さん……しん…で」
俺はナイフを持ち親を殺した。

「嘘……でしょ…。お母さん!お父さん!やぁぁぁ!!」
部屋中が血で赤く染められていた。
俺はその日ずっと親のそばで泣いていた。

それからだ。こんなことがよく起きるようになったのは。

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 私は涙が止まらなかった。ヒロトにきつい言葉を言われたからとかそんな理由ではない。
ヒロトが辛い思いをしていることに泣いているのだ。
たしかにヒロトが病院に運ばれてから両親の姿はなかった。
ヒロトにあった過去…相当ショックなものだったのだろう。
だからあの本は物語文とかではない。実話だったんだ。



〈コメント〉
読んでくださりありがとうございます!
ヒロトくんの過去ちょっと怖いですね…
恋愛小説よりファンタジーの方が強かったかもしれない…(ボソッ
で、でも後々恋愛要素バッチリ出すんで安心してください(汗
書いてる時にどんどん物語が浮かび上がる感じなので、このあとひかりがどう行動するのか私にもわかりませんw
私自身とても続きが楽しみだなんてw
次の話は明日までにはだすので楽しみにしてくださると嬉しいです♪


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