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1章 学園編
十七話
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「魔術師か………懐かしいな。では、勝負と行きますか」
この世界には魔法など存在しない………。しかし、それは表向きの話でしかない。政府は魔法について隠したがっている。
その理由は簡単だ。魔法というのは危険すぎるからだ。そして、他国に知られると戦争の引き金になるということも理由の一つ。
だが、確実にこの世界には魔法使う術者たち、いわゆる『魔術師』と呼ばれる人たちが存在する。
魔術師同士の戦いは滅多に起こらない。魔術師自体がそこまでいないということが理由の一つだ。
「【ファイヤー・バースト】」
俺の相手のテロリストは炎属性らしい。【ファイヤー・バースト】はスピードを速くする技。
主に剣技を使う魔術師に多い傾向がある。それは、魔法勝負で勝つのは魔力の量が多いとかではなく、ただ、速いかどうか、それだけなのだ。
「【ガーディンシュ】」
俺はすかさずカードによって自分自身に魔法をかける。この魔法は防御の魔法だ。
さっき、魔法勝負は速さと言った。しかし、それだけでは不十分なのだ。
どんなに速く、どんなに強くても人は心臓一突きで致命傷になる。
だからこそ、普通の魔術師は最初に防御の魔法をかけとく。そうすれば、ちょっとやそっとでは致命傷を負うこともなくなるから。
「ふっ、魔術師………戦い慣れしてるなっ」
「そうか?このぐらい常識やと思うけど」
「ふっ、まあ、勝つのは俺だけどな。防御を張ったってそれ以上の魔法を使えばすぐに破れる」
「そうかよっ、だが、お前にそれができるか?」
「なんだとっ………!」
俺はテロリストの土俵に上がることにした。
「【ファイヤー・バースト】」
カードを片手に俺は唱える。俺のカードは結構便利なもので見たものを記録することができる。
まあ、このファイヤー・バーストは前に見たときのものだけど。
「くっ、貴様も………ファイヤー・バーストか」
スピードマックス状態の俺たち。俺も使ったことによりこの状況はプラマイゼロになる。
「【ファイヤー・トルネード】」
テロリストは俺に向かって炎属性の攻撃を撃ってくる。炎属性はその他の属性よりも攻撃力が高い傾向がある。
「なるほどな………強力な炎属性の技かっ、でもな、俺には届かない」
「なにっ」
そして、俺はさっきとはまた別の技を使う。
「【アイス・シールド】」
この技は氷属性。つまり、炎属性とは全く別の属性。【ファイヤー・トルネード】くらいなら避けられた。しかし、俺は避ける以上に効果的だと考えたのだ。
俺の魔力は少しずつ減ってくる。体力も消耗する。しかし、俺以上にテロリストの奴の方が体力を消耗している。
「ど、どうしてっ………二つの属性を持っているだと?」
「どうしたんだ?さっきまでの威勢は」
相手はとてつもなく、慌てていた。普通に考えたらあり得ないことなのだ。俺はそれを平然とやってのける。
「まっ、まさか………禁術の使い手かっ」
「………何言ってんだ?俺が禁術の使い手?そんなわけないだろ」
「そ、そんな………魔法聞いたことない。というか、そのカードはなんなんだっ」
「教えてやるよ。俺の魔法は『オリジナル魔法』だ」
「オリジナル………魔法だと」
この世界にある魔法で一番強いのは禁術とされている魔法だ。しかし、それは一般人には手の届かない代物。
そして、俺が使っているオリジナル魔法はこの世界に七つしか存在しない、禁術とされていない魔法なのだ。
その一つが目の前にある。テロリストは余計に焦り始めた。
「じゃあ、もう最後にするか」
「なんだと」
「観客たちも疲れただろうしさ」
「はっ………?」
俺の魔力が徐々に高まっているのに気がつくテロリスト。それに気づいた奴らはさっき入ってきたところから猛スピードで逃げていった。
「はぁ……くだらねー奴だったな」
その瞬間、会場からは盛大な拍手が聞こえてきた。
この世界には魔法など存在しない………。しかし、それは表向きの話でしかない。政府は魔法について隠したがっている。
その理由は簡単だ。魔法というのは危険すぎるからだ。そして、他国に知られると戦争の引き金になるということも理由の一つ。
だが、確実にこの世界には魔法使う術者たち、いわゆる『魔術師』と呼ばれる人たちが存在する。
魔術師同士の戦いは滅多に起こらない。魔術師自体がそこまでいないということが理由の一つだ。
「【ファイヤー・バースト】」
俺の相手のテロリストは炎属性らしい。【ファイヤー・バースト】はスピードを速くする技。
主に剣技を使う魔術師に多い傾向がある。それは、魔法勝負で勝つのは魔力の量が多いとかではなく、ただ、速いかどうか、それだけなのだ。
「【ガーディンシュ】」
俺はすかさずカードによって自分自身に魔法をかける。この魔法は防御の魔法だ。
さっき、魔法勝負は速さと言った。しかし、それだけでは不十分なのだ。
どんなに速く、どんなに強くても人は心臓一突きで致命傷になる。
だからこそ、普通の魔術師は最初に防御の魔法をかけとく。そうすれば、ちょっとやそっとでは致命傷を負うこともなくなるから。
「ふっ、魔術師………戦い慣れしてるなっ」
「そうか?このぐらい常識やと思うけど」
「ふっ、まあ、勝つのは俺だけどな。防御を張ったってそれ以上の魔法を使えばすぐに破れる」
「そうかよっ、だが、お前にそれができるか?」
「なんだとっ………!」
俺はテロリストの土俵に上がることにした。
「【ファイヤー・バースト】」
カードを片手に俺は唱える。俺のカードは結構便利なもので見たものを記録することができる。
まあ、このファイヤー・バーストは前に見たときのものだけど。
「くっ、貴様も………ファイヤー・バーストか」
スピードマックス状態の俺たち。俺も使ったことによりこの状況はプラマイゼロになる。
「【ファイヤー・トルネード】」
テロリストは俺に向かって炎属性の攻撃を撃ってくる。炎属性はその他の属性よりも攻撃力が高い傾向がある。
「なるほどな………強力な炎属性の技かっ、でもな、俺には届かない」
「なにっ」
そして、俺はさっきとはまた別の技を使う。
「【アイス・シールド】」
この技は氷属性。つまり、炎属性とは全く別の属性。【ファイヤー・トルネード】くらいなら避けられた。しかし、俺は避ける以上に効果的だと考えたのだ。
俺の魔力は少しずつ減ってくる。体力も消耗する。しかし、俺以上にテロリストの奴の方が体力を消耗している。
「ど、どうしてっ………二つの属性を持っているだと?」
「どうしたんだ?さっきまでの威勢は」
相手はとてつもなく、慌てていた。普通に考えたらあり得ないことなのだ。俺はそれを平然とやってのける。
「まっ、まさか………禁術の使い手かっ」
「………何言ってんだ?俺が禁術の使い手?そんなわけないだろ」
「そ、そんな………魔法聞いたことない。というか、そのカードはなんなんだっ」
「教えてやるよ。俺の魔法は『オリジナル魔法』だ」
「オリジナル………魔法だと」
この世界にある魔法で一番強いのは禁術とされている魔法だ。しかし、それは一般人には手の届かない代物。
そして、俺が使っているオリジナル魔法はこの世界に七つしか存在しない、禁術とされていない魔法なのだ。
その一つが目の前にある。テロリストは余計に焦り始めた。
「じゃあ、もう最後にするか」
「なんだと」
「観客たちも疲れただろうしさ」
「はっ………?」
俺の魔力が徐々に高まっているのに気がつくテロリスト。それに気づいた奴らはさっき入ってきたところから猛スピードで逃げていった。
「はぁ……くだらねー奴だったな」
その瞬間、会場からは盛大な拍手が聞こえてきた。
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