スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ

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40話 俺の目に焼きついた

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 国王から殺しの命令……俺、何かしたか?
 
 「理由は聞かされていないので、俺たちも分かりません」
 「とか言って……知ってたりして……」
 「そんなわけないでしょう! こんな状況で嘘つくなんて死にたがりなやつですよ!」

 どうやら嘘は言ってないっぽいな。
 それにしても国王はどうして俺を狙ったんだろうか。
 俺を邪魔に思っていた……はないか。
 そう思うんだったらもっと早くからやっていたはずだしな。
 ということは、他の勇者の信頼を落としたくなかった……とかか? 
 もし俺が暴露したりしたら、ドラウロ達の信頼は地に落ちるだろう。
 そうなれば勇者を選んだ国の信頼も落ちることになる。
 そうならないための口封じってとこだろうな。
 
 でも、どうして国王は俺とドラウロ達の出来事を知っているんだ?
 考えれば考えるほどわからなくなる。
 まあでも、口封じって可能性が1番高いな。
 
 「そんでどうすんだ? この国の王ってやつを殺しに行くのか?」

 ジューザラスが机に足を乗せながら、急に物騒なことを言ってくる。
 
 「おい、余は何度も机に足を乗せるなって言っただろ」
 「うるせぇ! 俺は俺のやりたいようにやんだよ!」

 神達の言い合いは始まると、縛られているピエロ達はすっかり身を縮めてしまっている。
 おい2人とも、ピエロ達が怖がってるぞ。

 「言い合ってるところ悪いが、国王のところへは向かわない」
 「ああ、こっから炎ぶっ放して殺すって事だな」
 「それも違う」
 「じゃあどうやって殺すんだよ!」
 「勘違いしているが、俺は国王を殺すつもりないからな。もし国王が死んだとなれば、悪魔達が攻めてきているのに国は誰が仕切るんだ?
 俺たちが更なる混乱を招いてどうする」

 今はどんな相手だろうと、手を組んで悪魔達をどうにかすることが必要だ。
 そして俺はハーシュを救い出す。
 俺の命に変えても、絶対に。

 「まず俺たちがやることは――」
 
 俺がそこまで言いかけた時、外から人の声が入ってきた。
 だがその声が、外にいる人に話し声ではない。
 魔法による人の声だ。

 『全冒険者に告ぐ。直ちに王宮前に集まるように。冒険者であるにも関わらず、王宮前に来なかった場合は、国家反逆罪として処罰する』

 どうやら俺から動く必要は無くなったようだ。
 それにしても国家反逆罪として処罰するとは、余程国も焦っているらしい。
 でも仕方ないか。
 者達が攻めてきているのだから。

 「あの、この縄解いてもらって良いですか? 俺達も向かわないと国王様に――」
 「あ? 何言ってんだ? そんなことするわけねぇだろ」
 「というか、どうしてこいつらを殺さなかったのだ? 生かしておいても邪魔なだけだろ」
 「確かにそうだな。何か情報が手に入るかもって生かしておいたが、もう要はねぇな。殺っちまうか」
 
 おいおい……家の中ではやめてくれよ……。
 買ったばかりの家が血で染まるのは勘弁だ。
 それにだ。

 「別に生かしておいても良いんじゃないか?」
 
 俺の意見に、ジューザラス達は納得がいかないように俺のことを見てきた。

 「何言ってんだ。こいつは敵だぞ。生きてても邪魔なだけだろが」
 「確かにそうだけど、もしかしたら、悪魔達の戦いで使えるかもしれないだろ?」
 「だが裏切ったらどうする。こんな人間は信用できない」
 
 それはグラに言う通りだ。
 俺もこのピエロのことは全く信用していない。
 俺を殺そうとしてきた相手だし。
 だから対策を打つんだよ。

 俺はジューザラスの耳に口を近づけて、ある事を提案した。
 
 「それは良いなぁ。そう言うことならちょうど良いやつがいる」
 
 そう言ってジューザラスは、白く光る牙を見せて笑った。

 「おいテメェら」
 「は、はい……」
 「お願いです殺さないで下さい!」
 「それはテメェらの答え次第だ」
 「え?」
 「それは一体どう言う……」
 「支配か死。どちらか選べ」


 ◇◆◇


 「ということで呼び出されたリリルだよ! よろしくね」

 久しぶりに【神族召喚】を使ったな。
 なんか疲れたぞ。

 俺が今回、だいぶ久しぶりに召喚した神は支配の神、リリルだ。
 白銀の神を持つ彼……? 彼女……? リリルは可愛らしい見た目に反して、相手を支配する神らしい。
 支配の神って言うからもっと怖そうな感じかと思ったが……全然違った。

 「それで僕が支配すれば良い人達は誰かな」

 踵をついて一回転しながら、翠に瞳で俺のことをじっと見つめてくる。
 おい、俺を支配しようとするな。
 
 内心そう思いながら、縛られて地面に座り込んでいるピエロ達を指さした。

 「あぁ! 君達を支配すれば良いんだね! でもなんで支配される気になったの?」
 
 ピエロ達はリリルと自分達のテンションに疲れてしまったのか、顔が余計にげんなりしてしまっている。
 
 「支配か死かって言われたから、支配を選ぶしかなくないですか。まだ死にたくないし」
 「ふーん。まっいいや! どうせ裏切ったら自動的に死ぬし」
 「え? それはどう言うことです――」
 「はい支配完了! これで僕達に逆らったら駄目だからね。もし逆らったら……」

 リリルはそこで言葉を止めて膝をつくと、ピエロ達に向かって顔を近づけた。
 その顔には、さっきからは考えられないような不気味な笑みが浮かんでいる。

 「体が爆ぜて死ぬからね」
 「「「「「……」」」」」
 「あの子怖いです」
 
 シェラレイはルーレルの肩の上で少し震えた。
 よかった。
 そう思っていたのは俺だけではないようだ。

 「じゃあ行くか」
 「どこにだ?」
 「さっきの聞いてなかったのか? 王宮の前だよ。もちろん、ピエロ達もな」


 ◇◆◇


 おいおい、冒険者ってこんなにいたのかよ。
 俺たちが来た頃には、すでに300は余裕で超える冒険者が集まってきていた。
 どうしてここに集めたのか。
 住民が困ってるじゃないか。

 「よく集まってきてくれた。勇敢な冒険者達」

 突然、どこからか響き渡る声でその場にいる冒険者達を静まり返した。
 なぜ冒険者達が静まりかえったか。
 その答えは実に簡単だ。
 その声を発したのが、勇者と騎士団長だからだ。
 その騎士団長の隣には、ドラウロ達が深刻な表情をして立っている。
 
 「よかった……。国王様はいない……」

 そんな表情とは逆に、ピエロ達は国王がこの場にいないことに安堵していた。
 殺されているはずの標的と一緒にいることがバレれば、ピエロ達の首が飛ぶことは間違いなしだな。
 
 俺達が出て行ったすぐに呼び出されたのか?
 
 「現在、多数の悪魔がこの国に向かって侵攻している。目的は不明だが、直ちに討伐しなくてはいけない」
 「騎士団長様。質問をよろしいでしょうか?」

 俺と同じ歳くらいの冒険者が、皆の視線を恐れることなく発言をした。

 「なんだ」
 「なぜ悪魔を相手にこの国全ての冒険者を集める必要があったのですか?」
 「確かに疑問に思うだろうな。俺の説明不足だった。お前達が今まで戦ってきた悪魔は、下級悪魔と呼ばれる者達だ。今回侵攻してきているのは、下級悪魔と上級悪魔だ」
 「上級悪魔というのはそんなにも強いのですか」
 「そうだ。勇者が束になっても勝てるかわからん」

 騎士団長が放ったその一言で、一気に空気が悪くなっていくのを感じた。
 勇者というのは冒険者の強さを遥かに凌駕する存在だ。
 そんな存在が束になっても勝てない、と言われてしまえば不安になるのも仕方のないことだ。

 「だが安心するが良い! 我ら騎士団も共に戦う! 必ずこの偉大なる国を守るぞ!」
 「「「おおぉぉぉ!!!」」」

 流石は騎士団長。 
 皆の士気の上げ方もわかっているらしい。

 しかしグラ達はそんなことで動じず、それどころか苛立ちを覚えているようだ。

 「愚かな奴め」
 「なんでそう思うんだ?」
 「人間の騎士団などグレデラだけで壊滅させられる」
 「もしかしたら上級悪魔だけでもやられるかもねー」
 「でもこの国の騎士団は周辺国に比べると、飛び抜けて強いぞ?」
 「そんなの人間同士ではだろ。地面を歩いているこのアリがアリの世界でいくら強くとも、ライにとっては別にどうってことないだろ?」

 グラは地面を素早く歩くアリを見つめながら、静かにそう言った。
 
 「悪魔にとって人間ってのはそんなもんだ」
 「行くぞ! 勇敢なる冒険者達! 我ら騎士団に続くが良い!」
 「なあ、どうやって悪魔殺す?」
 「そんなもん剣で斬り殺すに決まってるだろ」
 「俺をじっくりと殺してやるぜぇ」

 今の冒険者達の顔からは不安というものは消え、新しい物を買ってもらった子供のようにウキウキとしている。

 今から俺達は、どれだけ愚かなことをしに行こうとしているのだろうか。
 俺は……ハーシュを取り戻せるのだろうか……。

 冒険者達が進んでいき、その場から誰もいなくなった地面に目を向けると、体が潰れ瀕死状態のアリが俺の目に焼きついた。
 

 
 
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