24 / 93
23話 魔獣
しおりを挟む
俺はエンファに案内され、外に出るとそこは巨大な木で覆われた場所にだった。
「それで、一つ質問してもいいか?」
「ん?なんだ?」
なぜか木の影で、大人しく待っている魔獣達を見ながら俺は質問の許可をとった。
「なんでこの魔獣達はエンファ達に懐いているんだ?」
魔獣は人間の敵。それは昔から何も変わらない。まあ俺は仲良くしてるけど。
「こいつらはなぁ、小さい時に親を殺されていてな、それで俺が勝手に家に連れて帰ったんだ」
「何のために?」
「ただの興味本位」
俺は素直に感心した。人間は魔獣を恐れ、敵としてきた。それなのに連れて帰るなんて普通の人が出来ることじゃない。たとえ小さい魔獣だったとしてもだ。
「ミミィも魔獣連れて帰りたい」
俺と手を繋いでいる逆の方の手で、目の前にいる巨大な角を3本生やした魔獣を指さした。
「うーん……まだミミィには早いかな」
魔獣を連れて帰れない事がわかると、しょんぼりとした顔で下を向き、尻尾を下に垂らした。
「俺は、最初は育てて大きくなったら皮なり角なり売るつもりだったんだが、俺も流石に愛着が湧いちまってな、他の人間に見つからないように育てることにしたんだよ」
「でもこの人たちは?」
俺は、後ろをついて歩くエンファの仲間達を見た。
「そいつらはいいんだよ。俺の仲間だからな」
仲間ねぇ……。
こいつらがどうやって出会ったのか知らないが、魔獣を飼うということは人類の敵を意味する。それを知っても尚エンファはこいつらにこの事実を隠さないでいるということはよほど信頼し合っている関係なんだろうな。
「なあ、この魔獣達に近づいてもいいか?」
「ああ、別に構わないが……何かあっても責任は取らないぞ?」
エンファは冗談混じりに言うと、コイツらに近づけるものなら近づいてみろ、と言わんばかりの目で俺を見てきた。
俺はポケットの中で、マジックストーンを3本の指で転がしながら外見が震え上がるほど恐ろしい魔獣達に近づいていった。
マジックストーン力のことは大体カロスに説明されたけど、まだ不確実なことも多い。多分カロスはおおよそのことは知っているが、どのようにして魔獣の力発動させるかなど細かいことは知らないのだろう。
だからもしかしたらだけど……
俺は目が4つある魔獣の前に立つと、じっと魔獣の目を見つめた。どの目を見ればいいのかわからないけど。そして心の中で考え続けた。
この魔獣と会話がしたい、この魔獣と会話がしたい、会話がしたい会話がしたい会話会話会話会話……
(お前、我と話ができるのか?)
すると、その場にいた人の声ではない、また別の新しい声が聞こえた。
その声の主は当然……
(そのようだな。人間と会話するの初めてか?)
どうやらカロスにも知らない力がマジックストーンにはあるようだ。
「それで、一つ質問してもいいか?」
「ん?なんだ?」
なぜか木の影で、大人しく待っている魔獣達を見ながら俺は質問の許可をとった。
「なんでこの魔獣達はエンファ達に懐いているんだ?」
魔獣は人間の敵。それは昔から何も変わらない。まあ俺は仲良くしてるけど。
「こいつらはなぁ、小さい時に親を殺されていてな、それで俺が勝手に家に連れて帰ったんだ」
「何のために?」
「ただの興味本位」
俺は素直に感心した。人間は魔獣を恐れ、敵としてきた。それなのに連れて帰るなんて普通の人が出来ることじゃない。たとえ小さい魔獣だったとしてもだ。
「ミミィも魔獣連れて帰りたい」
俺と手を繋いでいる逆の方の手で、目の前にいる巨大な角を3本生やした魔獣を指さした。
「うーん……まだミミィには早いかな」
魔獣を連れて帰れない事がわかると、しょんぼりとした顔で下を向き、尻尾を下に垂らした。
「俺は、最初は育てて大きくなったら皮なり角なり売るつもりだったんだが、俺も流石に愛着が湧いちまってな、他の人間に見つからないように育てることにしたんだよ」
「でもこの人たちは?」
俺は、後ろをついて歩くエンファの仲間達を見た。
「そいつらはいいんだよ。俺の仲間だからな」
仲間ねぇ……。
こいつらがどうやって出会ったのか知らないが、魔獣を飼うということは人類の敵を意味する。それを知っても尚エンファはこいつらにこの事実を隠さないでいるということはよほど信頼し合っている関係なんだろうな。
「なあ、この魔獣達に近づいてもいいか?」
「ああ、別に構わないが……何かあっても責任は取らないぞ?」
エンファは冗談混じりに言うと、コイツらに近づけるものなら近づいてみろ、と言わんばかりの目で俺を見てきた。
俺はポケットの中で、マジックストーンを3本の指で転がしながら外見が震え上がるほど恐ろしい魔獣達に近づいていった。
マジックストーン力のことは大体カロスに説明されたけど、まだ不確実なことも多い。多分カロスはおおよそのことは知っているが、どのようにして魔獣の力発動させるかなど細かいことは知らないのだろう。
だからもしかしたらだけど……
俺は目が4つある魔獣の前に立つと、じっと魔獣の目を見つめた。どの目を見ればいいのかわからないけど。そして心の中で考え続けた。
この魔獣と会話がしたい、この魔獣と会話がしたい、会話がしたい会話がしたい会話会話会話会話……
(お前、我と話ができるのか?)
すると、その場にいた人の声ではない、また別の新しい声が聞こえた。
その声の主は当然……
(そのようだな。人間と会話するの初めてか?)
どうやらカロスにも知らない力がマジックストーンにはあるようだ。
0
あなたにおすすめの小説
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~
下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。
二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。
帝国は武力を求めていたのだ。
フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。
帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。
「ここから逃げて、田舎に籠るか」
給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。
帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。
鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。
「私も連れて行ってください、お兄様」
「いやだ」
止めるフェアに、強引なマトビア。
なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。
※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる