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51話 強者
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「貴様、何者だ?」
突如現れた圧倒的な気配を放つ獣人は、鋭い目で俺を睨みながら質問をしてきた。
「俺の名前はリウス。こいつはゼーラだ」
「わかった。それでリウスよ。貴様はこの国に何をしに来た」
この獣人が来た途端、周りの兵士達や野次馬はすぐに静まり返ってしまった。
この獣人はそんなに恐ろしいヤツなのか?
もしそうなら、俺たちは危険だから出来る限り刺激をしないようにしないといけないな。
「俺はこの国の王と人を探しに来た」
「ほう」
「俺の用はただそれだけだ。危害を加えるつもりはない」
「いけません、ムラルドル様……!そんなやつの言葉を信じては……!」
こいつ頑丈だな。あれだけの打撃をくらいながらまだ喋るのか。
「そうか。ではこれは一体どう言う状況だ」
ムラルドル、と呼ばれた獣人は、傷を負いながら倒れる兵士や崩壊した建物を順番に見ていった。
なんでか俺は全部やったみたいになってるけど、9割はゼーラがやったんだからな。
「貴方達獣人が弱すぎるのですよ」
おいおい……状況の説明を求められてるのに何で煽る発言が出てくるんだよ……。
「なに……?」
「はい。私を拘束する力もないくせに急に連行して、挙げ句の果てにこのようなザマ。弱い以外なんとも言えませんねぇ」
「そうか……なら今から俺と――」
「いや、ちょっと待ってくれ」
今にも殺し合いが始まりそうな二人の間に俺は割って入った。
「なんだ?」
「こいつが獣人を弱いと言ったことは謝罪する。すまなかった」
「そんなことで許されると――」
「俺たちは戦いに危害を加えに来たわけではないってさっき言っただろ?確かにこんな状況になったけど、別に殺し合いがしたいわけじゃ……何の音だ?」
突然どこからか聞こえ出した轟音に、静まり返っていた野次馬は次第に騒がしさを取り戻していった。
それにしてもこの音はなんか嫌だな。
なぜか圧迫されるような感じだ。
それにどこから聞こえてるんだ?辺り一面に響いてるから全く音の出どころがわからない。
「なあ、この音ってなんだ」
「あいつ……大人しくしていろって言ったのに……」
どうやらムラルドルは音の正体を知っているようだが、予想外の事態らしい。
「なあ、この音はなん――」
そこで言葉を切り星が見える空を見上げると、俺の視界には固く握られた拳があった。
「な――」
「キハハ!面白い!」
楽しそうな声が頭上で聞こえた直後、俺の頭に凄まじい衝撃が走った。
なんだ……頭が……全く……回らない……。
何が……あったんだ……?
「おい、そんなことしたらこいつ死ぬぞ」
「大丈夫、こいつはこのくらいでは死なないよ」
うまく働かない頭が次第に回復していき、俺の頭に衝撃を加えた人物を視界に捉えた。
そこにいたのは、緑色の髪を伸ばして仁王立ちする女だった。
「お前……いきなり人を殴るってどういう頭をしてるんだ」
「ほら、死なないだろう」
「こいつの攻撃をくらって生きてるとは……それに傷の治りも早い。驚きだな」
何をこいつらは驚いた顔をして俺を見ているんだ。
その顔は隣にいる頭のおかしいヤツに向ける顔だぞ。
「なあ、お前は何――」
「リウス様にそんなことをしておいて、タダで済むと思っているのですか」
だよな。やっぱりゼーラは黙っちゃいないよな。
「私があなたを――」
「ちょっとお前邪魔」
突如俺を殴った奴は、目の前に立ち塞がったゼーラの頭を掴むとそのまま手前に引っ張り首を引きちぎり、地面に投げ捨てた。
「あ……」
「お前みたいな悪魔はこうしないと邪魔ばかりするからな。そこで大人しくしてろ」
ゼーラがあんな一瞬で……こいつの強さは異常だな。
慎重に行動しないといけないらしい。
今だにフラフラする頭を軽く左右に振り、倒れた体を起こして俺を殴った女に近づいた。
「なんだ?もう一度殴られたいか?」
「違う。俺が急に殴られた理由を知りたいんだよ。誰がもう一回殴られたかよ」
「殴られた理由だと?そんなの私が殴りたかったからに決まっているだろ?」
「はぁ?」
「こいつはそういうやつなんだよ」
俺の呆れた声に反応して、ムラルドルも呆れたような目で女を見た。
「はぁ……全く何で俺がこんな目に――ていうかこんなことしてる場合じゃない。この国の王とミミィ達に会わないと」
「なに?ミミィだと?」
「お前ミミィを知っているのか?まあ、王の娘って聞いたし知っていて当然か」
なぜか驚いた表情を見せるムラルドルは、考えるような表情に変わると自分の顎に手を当てた。
今、何かそんなに考えさすようなことを言ったか?
ムラルドルの行動を不思議に感じながらも、地面に転がるゼーラの首を拾って隣で横たわる首無しの体にくっつけた。
「お役に立てず大変申し訳ございません」
「あ、あぁ。別にいいよ」
なんか一回は首を切られたのに、再生して喋り出すってなんか怖いな。
「それじゃ、俺たちは目的の人たちを探しに行くから――」
「リウス!」
ムラルドルたちに別れの言葉を告げて歩き出そうとした時、後方から絶対に忘れることの出来ない声が響き渡った。
「ミミィ……」
俺が後ろを振り返るのと同時に、小さな体が胸に向かって飛び込んできた。
「よかったぁ……リウスが死なないで……よかったぁ……」
「そんなに泣くなよ」
そうか……俺はこんな小さな少女に大きな心配をかけさせてしまっていたのか……。
「心配をかけてすまなかったな」
「ミミィ、リウスが無事に戻ってきてくれただけで嬉しい」
そしてミミィは俺に向かって最高の笑顔を見せてくれた。
突如現れた圧倒的な気配を放つ獣人は、鋭い目で俺を睨みながら質問をしてきた。
「俺の名前はリウス。こいつはゼーラだ」
「わかった。それでリウスよ。貴様はこの国に何をしに来た」
この獣人が来た途端、周りの兵士達や野次馬はすぐに静まり返ってしまった。
この獣人はそんなに恐ろしいヤツなのか?
もしそうなら、俺たちは危険だから出来る限り刺激をしないようにしないといけないな。
「俺はこの国の王と人を探しに来た」
「ほう」
「俺の用はただそれだけだ。危害を加えるつもりはない」
「いけません、ムラルドル様……!そんなやつの言葉を信じては……!」
こいつ頑丈だな。あれだけの打撃をくらいながらまだ喋るのか。
「そうか。ではこれは一体どう言う状況だ」
ムラルドル、と呼ばれた獣人は、傷を負いながら倒れる兵士や崩壊した建物を順番に見ていった。
なんでか俺は全部やったみたいになってるけど、9割はゼーラがやったんだからな。
「貴方達獣人が弱すぎるのですよ」
おいおい……状況の説明を求められてるのに何で煽る発言が出てくるんだよ……。
「なに……?」
「はい。私を拘束する力もないくせに急に連行して、挙げ句の果てにこのようなザマ。弱い以外なんとも言えませんねぇ」
「そうか……なら今から俺と――」
「いや、ちょっと待ってくれ」
今にも殺し合いが始まりそうな二人の間に俺は割って入った。
「なんだ?」
「こいつが獣人を弱いと言ったことは謝罪する。すまなかった」
「そんなことで許されると――」
「俺たちは戦いに危害を加えに来たわけではないってさっき言っただろ?確かにこんな状況になったけど、別に殺し合いがしたいわけじゃ……何の音だ?」
突然どこからか聞こえ出した轟音に、静まり返っていた野次馬は次第に騒がしさを取り戻していった。
それにしてもこの音はなんか嫌だな。
なぜか圧迫されるような感じだ。
それにどこから聞こえてるんだ?辺り一面に響いてるから全く音の出どころがわからない。
「なあ、この音ってなんだ」
「あいつ……大人しくしていろって言ったのに……」
どうやらムラルドルは音の正体を知っているようだが、予想外の事態らしい。
「なあ、この音はなん――」
そこで言葉を切り星が見える空を見上げると、俺の視界には固く握られた拳があった。
「な――」
「キハハ!面白い!」
楽しそうな声が頭上で聞こえた直後、俺の頭に凄まじい衝撃が走った。
なんだ……頭が……全く……回らない……。
何が……あったんだ……?
「おい、そんなことしたらこいつ死ぬぞ」
「大丈夫、こいつはこのくらいでは死なないよ」
うまく働かない頭が次第に回復していき、俺の頭に衝撃を加えた人物を視界に捉えた。
そこにいたのは、緑色の髪を伸ばして仁王立ちする女だった。
「お前……いきなり人を殴るってどういう頭をしてるんだ」
「ほら、死なないだろう」
「こいつの攻撃をくらって生きてるとは……それに傷の治りも早い。驚きだな」
何をこいつらは驚いた顔をして俺を見ているんだ。
その顔は隣にいる頭のおかしいヤツに向ける顔だぞ。
「なあ、お前は何――」
「リウス様にそんなことをしておいて、タダで済むと思っているのですか」
だよな。やっぱりゼーラは黙っちゃいないよな。
「私があなたを――」
「ちょっとお前邪魔」
突如俺を殴った奴は、目の前に立ち塞がったゼーラの頭を掴むとそのまま手前に引っ張り首を引きちぎり、地面に投げ捨てた。
「あ……」
「お前みたいな悪魔はこうしないと邪魔ばかりするからな。そこで大人しくしてろ」
ゼーラがあんな一瞬で……こいつの強さは異常だな。
慎重に行動しないといけないらしい。
今だにフラフラする頭を軽く左右に振り、倒れた体を起こして俺を殴った女に近づいた。
「なんだ?もう一度殴られたいか?」
「違う。俺が急に殴られた理由を知りたいんだよ。誰がもう一回殴られたかよ」
「殴られた理由だと?そんなの私が殴りたかったからに決まっているだろ?」
「はぁ?」
「こいつはそういうやつなんだよ」
俺の呆れた声に反応して、ムラルドルも呆れたような目で女を見た。
「はぁ……全く何で俺がこんな目に――ていうかこんなことしてる場合じゃない。この国の王とミミィ達に会わないと」
「なに?ミミィだと?」
「お前ミミィを知っているのか?まあ、王の娘って聞いたし知っていて当然か」
なぜか驚いた表情を見せるムラルドルは、考えるような表情に変わると自分の顎に手を当てた。
今、何かそんなに考えさすようなことを言ったか?
ムラルドルの行動を不思議に感じながらも、地面に転がるゼーラの首を拾って隣で横たわる首無しの体にくっつけた。
「お役に立てず大変申し訳ございません」
「あ、あぁ。別にいいよ」
なんか一回は首を切られたのに、再生して喋り出すってなんか怖いな。
「それじゃ、俺たちは目的の人たちを探しに行くから――」
「リウス!」
ムラルドルたちに別れの言葉を告げて歩き出そうとした時、後方から絶対に忘れることの出来ない声が響き渡った。
「ミミィ……」
俺が後ろを振り返るのと同時に、小さな体が胸に向かって飛び込んできた。
「よかったぁ……リウスが死なないで……よかったぁ……」
「そんなに泣くなよ」
そうか……俺はこんな小さな少女に大きな心配をかけさせてしまっていたのか……。
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そしてミミィは俺に向かって最高の笑顔を見せてくれた。
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