最強魔獣使いとなった俺、全ての魔獣の能力を使えるようになる〜最強魔獣使いになったんで元ギルドを潰してやろうと思います〜

東雲ハヤブサ

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77話 繰り返し

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 「はぁ……ぁ……」

 心臓の鼓動に合わせて、今の攻撃で穴の空いた場所から血が溢れ出てくる。
 どうにかして止血しようと、患部を手で押さえる。
 
 やられた。
 まさか俺の防御を貫通するとは……威力が桁違いすぎる……。

 恐らくさっきの攻撃で左の肺が潰れた。
 魔獣の力を回復にまわしているが、完全に治すには時間がかかる。

 「私の攻撃を防げると思ったのか? 実に滑稽だな。まぁ、お前はもう動けないだろう。ここで殺してしまうのも面白くない。私を侮辱した罪で、これから更なる苦しみを味合わせてやる」
 「更なる苦しみ……だと……?」
 「そうだ。今からここに貴様の仲間を連れてきてやろう。そして殺す。そして貴様の苦しむ顔を見る! 最高ではないか!」
 「ふざけるなよ……俺の仲間に手を出すな……」
 「なら、お前が今から止めてみろ。まぁ、無理だろうがな。では今から連れてくるとするか」

 嘲笑うように俺を見ると、近くで戦闘を繰り広げる覇獣士に目をやった。
 
 「あいつにしよう」

 そう言って、覇獣士の誰かに視線を止めると、手から水を蔓のように伸ばしていった。
 獲物を見つけた蛇のように、迷わず、一直線に進んでいき対象の体に巻きついた。

 「あぁ!? なにこれ!!!」

 一切放そうとしない蔓に巻きつかれたのは、シェビーだった。
 何とか逃れようと必死に体を動かしているが、蔓は全くビクともしない。

 「こっちに来い」

 セハンが腕を手前に引くと、それに従うように蔓は手の中に戻っていった。
 シェビーが目の前まで引きずられてくると、もう片方の手で蔓を切断して縛り上げたままにした。

 「痛ったいなぁ! 引きずんじゃ――がぁっ……!」
 
 地面に座り込んで、下から睨みつけるシェビーの顔を容赦なく蹴り上げる。

 「黙れ」
 「やめろよ……!」
 「クハハハ! そうだ! 私は貴様のそういう顔が見たいのだ! この私を侮辱し、傷つけた罪を受けるがいい!」

 狂気の笑みを浮かべ、さっきの蹴りで地面に横たわったシェビーを躊躇なく踏みつけていく。
 まるで石を蹴って遊ぶ子供のように。

 「がぁっ……は……ぁっ……! お前……絶対私が殺してやるよ……がはっ!」
 「そんな地面に横たわる奴に言われても、何とも思わねぇんだよ! さぁ! もっと苦しめ!」

 力を弱めることなく、ただひたすら蹴り続けていく。

 またこれかよ……。
 また俺のせいで誰かが傷つくのかよ……。
 何回同じことやったら……気が済むんだよ!

 目の前で助けが必要なやつがいるのに、俺はまた何もしないのか。
 肺が一つ潰れて、血が流れてるぐらいで勝手に自分には何も出来ないって決めつけてんじゃねぇよ!

 もういい加減、同じこと繰り返すの……

 「やめようぜ」
 「は? 貴様何を言ってるんだ? 貴様はただ苦しい顔をしていれば――ぁぇ……? 何だこれは……」

 肺を潰された事で血が大量に流れたせいなのか、フラフラとする体を無理やり立たせる。

 「お前に言ってんじゃなくて、俺に向かって言ってんだよ。勝手に反応すんな」

 もう自分の弱さで誰かが死んで、誰かが傷つくのは飽きたよ。
 だからもう、やめだ。

 俺は肺の治癒に使っていた魔獣の力を停止させた。
 別に同時に使うこともできるが、使わない方が別のことに専念できる。
 俺が専念するのは事は、目の前にいるやつを殺すこと。

 「お前も俺の苦しむ顔見るの飽きただろ。だから今から、お前自身に苦しい顔をさせてやるよ」
 「貴様……! また私を傷つけやがって……!」

 血を吐きながらフラフラと歩くセハンの腹には、俺の背中から伸びる黒い触手が突き刺さっていた。
 
 「俺が今気付いた発見を教えてやるよ」
 「発見……だと……」
 「ああ。俺の力はどうやら怒りを感じると、その怒りを養分として強化されていくみたいだ。そして今俺は、お前に嫌というほど怒りを覚えている……!」

 俺の今の攻撃が当たったのも、恐らくそういう事だろう。
 だが、この状況は正直言ってきつい。
 もし一回でも気を抜けば、しばらくは立ち上がることができなくなるだろう。
 
 だから俺はこいつを、
 
 「すぐに殺してやるよ」
 
 

 
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