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さっとスマホの画面を見る。

確認したのはこの前匿名で届いたメッセージだった。

『極上の体験をしてみませんか?』

たちの悪い広告メッセージかと思い無視したが、そこにある動画が添付されていた。

個人撮影のハメ撮りだった。
最初こそ下らないななんて思っていたが驚いたのはその内容だった。

見覚えのある景色。
見覚えのある制服。

画質は荒いがそれはよくわかった。
明らかにうちの学校内でうちの生徒が性行為を行っていたのだ。

黒髪のスタイルのいい若い女は、三人の男に囲まれて、ひたすら行為を繰り返している。
吐き出される精液を受け止めながら、他の男に突かれる女。
乱れた制服が、体液でぐちゃぐちゃになった顔が時おり映るが誰かは判別できない。

ただ長い黒髪は美作を一瞬思わせた。
だからあのテスト中に不謹慎な考えに及んだのだ。

こつこつこつと、歩くスピードが上がる。
目指すは旧校舎、最奥の多目的室。
誰も使わないその場所へ行く。

映っているのはそこだった。
今は誰も利用していない旧校舎。

少し調べるとどうやら裏サイト的な場所にある信憑性の薄い書き込みに1つだけそれっぽい情報があった。

学内非認可のエロいことができる風俗部ってのがあるらしい。

それだけ聞けばただの妄想だ。
AVの設定。
だけど俺にはなぜかそれが本当の用に感じ取れた。

「ついた…」

寂れた木造建築に、静かな校舎内。
目の前には音を立てて開きそうな扉があった。

ここで間違いないはず…。
映像の真実を確かめるために、俺はドアに手を掛けた。

開かない。
それが最初の予想だった。
何故ならここは使われていない多目的室。
普通は開放されていないのだ。

だがその予想を裏切るように、引戸は立て付けの悪い音を立てて開いた。

え?
そんなはずが…。

開いた部屋はやけに掃除されておりきれいな状態だった。
使われていない部屋にありがちな、誇りっぽさなどなく整頓されている。
そして…部屋の真ん中には大きなマットが敷かれていた。
それは体育の授業で体操なんかに使うような分厚いものだった。

そしてふと、背後に気配を感じた。
振り返ろうとした瞬間、強い力で押し飛ばされ、俺はマットの上に尻餅をついた。

「な…」

「ふふ…」

そこにいたのは、先程まで一緒に授業を受けていた美作だった。

座り込んだ俺を見下ろす美作。

「な、なにを…」

「さて、先生…なにを期待されて来たんですか?」

ふふふ、と妖艶に笑った。
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