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五話 引っ越し
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館から荷馬車が森に入りしばらくたった。その荷馬車の中で三人は誰一人として話そうとしなかった。さっき殺し合い一歩手前だった者らがそう簡単に仲良く会話とはいかないだろう。
ではルナはというと、さっきの二人にびびってしまい声を出すどころじゃないのだ。
そうして時間だけが過ぎていき、この空気に我慢の限界が来たコブラが話す。
「いや~ルナちゃんすまない。さっきは情けないところを見せた。ほんとごめん」
両手を合わせてコブラが謝る
「大丈夫です…わたしのために怒ってくれたのはわかってますし」
「めっちゃいい子…抱きたい」
「やめろ」
コブラが襲いかかる一歩手前で中村がストップをかける。
「おいクソボケ。俺らのこと少し話してもいいか?」
「別にいいよ。これから雇われる訳だし少しなら」
「よーし。じゃこのバカ…じゃなかった馬車が着くまで少し話すか」
コブラはルナの隣に移動する。
「ま、そんなに長くしないから安心してね。まずは…あれだな。前にも話したけど俺らは魔王と勇者って関係。俺が魔王でこいつが勇者ね。で、俺は人類を滅ぼすことで世界を救おうとしたんだよ」
「でおれが人類を助けて世界を救おうとした。おかげで仲悪なんだよなー」
「ま、それでも殺すのは好きじゃないから喧嘩ですんでんだよなぁ」
「たしかに」
二人は何故か納得して頷き始める。ルナが話に入れないでいるとコブラがルナの頭を撫でる。
「ごめんごめん。勝手にこっちで話終わらしてた。っと、簡単に言うと俺とこいつは九十九パーセントの確率で意見が割れるの」
「そうそう。こいつがいつもバカやるからな」
「あ、お前が融通利かないだけだろ」
「あ?」
「やんのか?」
コブラと中村が立ち上がる。
「や、やめてくださーい」
ルナが二人を止めるべく立ち上がる。そんなルナを見て二人は座る。
「ってな感じで俺らはクッソ仲悪なんだよ」
コブラが笑いながらそう説明する。コブラは笑いをやめ、ルナの方を見る。
「さて、改めて聞くが本当にいいのか?」
「えっと…なにがですか?」
突然話しかけられて驚いたルナがビクッと体を浮かしコブラの方を見る。
「俺らは見ての通り仲悪で俺は変態だ。いつか後悔するかもしれない。そうなっては遅いだーろ。切り捨てるなら今だぞ」
「そうそう。おれも男だから何するかわかんないよ」
二人でルナを止める二人。ルナは顎に手を置いて考える。そして
「大丈夫です」
と答える。
「わたしにはもう家族も誰もいないので独りなんです。なので二人がいてとても嬉しいです」
そう二人に言うと二人は顔を手で押さえてそっぽを向いた。
「あのどうしたんですか?」
ルナがそう聞くが二人は振り返らない。
「ちょっとまってこの子めっちゃいい子やん」
ようやくコブラが振り返ると何故か涙を流していた。コブラは涙を拭いながら
「ごめん。俺、こんないい子久しぶりに見たからつい」
ルナが中村の方を見ると涙は流していなかったが手で顔を覆っていた。
荷馬車が館を出立して二十分程してようやく森を抜けた。森を抜けるとそこは土の道と草むらが辺りに広がっていた。その道の向こうには大きな壁に囲まれた大きな街が見えてきた。
「見えてきた!」
中村が馬車のドアから体を出し声を上げる。
荷馬車が壁までたどり着くとそこには五メートル以上ある大きな門がありその前には銀色の鎧と槍で武装した兵士が十人いる。その者達に止められ荷馬車の男が話している。やがて兵士の男達は荷馬車の中を確認し始めルナ達が乗ってる荷馬車のドアを開けた。それと同時にコブラが指をパチンと鳴らす。
「支配」
そう言ってコブラはいきなりなんの前触れもなくその兵士を支配する。
「ちょ、いきなり何してんの!?」
中村がそう聞くとコブラは
「ごめんつい…」
と頬を掻きながら答える。
「とりあえずここの確認終わりでいいからどっか行って」
そう言って兵士を荷馬車から出した。
やがて確認が終わり荷馬車が動き出した。
街の様子を荷馬車の窓から街の様子を見るとやはりと言うべきかそこには中世時代を彷彿とさせる街並みが広がっていた。
そうして荷馬車は一軒の家の前で停止した。
「到着しました」
荷馬車の男にそう言われて荷馬車から降りると二階建ての木の家が目に入った。
「おおー」
コブラが感心してると荷馬車の男らが近づいてきた。
「荷物はどうしましょう?」
「なんで俺に…」
(そういや支配解いてなかったっけ)
コブラは支配を解いてない事を思いだし
「とりあえず中を見てからにする。少し待て」
と指示を出す。荷馬車の男らが礼をするのを尻目に家のドアの前に行く。
新たな家の前にルナが緊張した様子でドアノブを掴む。一呼吸してルナはそのドアを開く。
ドアを開けるとドアの先には六人は座れるような大きな机があり、その奥にはキッチンや階段、三つのドアがありかなり広い部屋が現れた。
「おぉ!」
三人が広い部屋に感激し、探索をし始める。
コブラはキッチンに行きガスコンロの前に立つ。コンロは二つありスイッチが一つそれぞれ一つずつ付いている。
「これで火を付けるのか」
そう言ってスイッチを押すが火は付かなかった。
「あ?」
コブラはスイッチを連続で押すが一向に火が付かない。
ルナは奥にあった三つの部屋に一つずつ入る。
一つ目の部屋にはトイレがあった。
二つ目には木でできたお風呂、ヒノキ風呂だ。
そして三つ目のドアを開けると外に繋がっている裏口だ。
ルナが部屋を全部見終わり二階に行こうとするとスイッチを連打しているコブラを見つけた。
「くっ、付かない。電池切れか?」
そう言って諦めようとするコブラにルナは近付いた。そしてスイッチを押して手をかざすと火が付いた。
「これは魔力を使わないと付かないんですよ」
「へー」
「それでもう一回押すと火が消えます」
スイッチを押して火を消す。
「さっすが」
「一緒に二階に行きましょ」
ルナに言われて一緒に二階に行く。
二階に行くとそこには四つのドアがあった。
一つ一つドアを開けると全部同じような部屋で何もない部屋に窓が付いていた。
その中の一つに中村がいた。
「何してんのゴミクズ」
中村は声に反応し振り返る。
「そんなアホみたいな顔して部屋の真ん中に突っ立って」
「なぁコブラ」
「あ?」
「これ敷金とか礼金とか家賃とかどうしたらいいんだろ」
「…よしルナちゃんちょっと待ってて。クソボケちょっと来い」
そう言って中村をドアの前に連れていく。
「ムラスケ。ここは異世界だ。そんなこといちいち気にするな」
小声でコブラが中村に言う。
「でももしあったらって思ったら…」
「とりあえず考えるのやめろ」
話し終わり二人はルナのところに戻る。
「ごめんねこいつが変なこと言って」
「…いえ」
「じゃ部屋に荷物入れますか」
三人は外に出て荷馬車の前に来た。
「よしお前ら荷運びよろ」
コブラは荷馬車の男達にそう命じて男達は荷物を運び出す。
「俺はこいつらに荷物運んでもらうから指示とか出さなきゃだし二人で街でも見てきたら」
「コブラ…いいのか?」
「あ?何が?ルナちゃんはちゃんと守れよ。あと昼飯と晩飯の材料買ってきて」
「わかった。行こルナちゃん」
「はい」
ルナと中村はコブラに見送られて買い物に出かけた。
ではルナはというと、さっきの二人にびびってしまい声を出すどころじゃないのだ。
そうして時間だけが過ぎていき、この空気に我慢の限界が来たコブラが話す。
「いや~ルナちゃんすまない。さっきは情けないところを見せた。ほんとごめん」
両手を合わせてコブラが謝る
「大丈夫です…わたしのために怒ってくれたのはわかってますし」
「めっちゃいい子…抱きたい」
「やめろ」
コブラが襲いかかる一歩手前で中村がストップをかける。
「おいクソボケ。俺らのこと少し話してもいいか?」
「別にいいよ。これから雇われる訳だし少しなら」
「よーし。じゃこのバカ…じゃなかった馬車が着くまで少し話すか」
コブラはルナの隣に移動する。
「ま、そんなに長くしないから安心してね。まずは…あれだな。前にも話したけど俺らは魔王と勇者って関係。俺が魔王でこいつが勇者ね。で、俺は人類を滅ぼすことで世界を救おうとしたんだよ」
「でおれが人類を助けて世界を救おうとした。おかげで仲悪なんだよなー」
「ま、それでも殺すのは好きじゃないから喧嘩ですんでんだよなぁ」
「たしかに」
二人は何故か納得して頷き始める。ルナが話に入れないでいるとコブラがルナの頭を撫でる。
「ごめんごめん。勝手にこっちで話終わらしてた。っと、簡単に言うと俺とこいつは九十九パーセントの確率で意見が割れるの」
「そうそう。こいつがいつもバカやるからな」
「あ、お前が融通利かないだけだろ」
「あ?」
「やんのか?」
コブラと中村が立ち上がる。
「や、やめてくださーい」
ルナが二人を止めるべく立ち上がる。そんなルナを見て二人は座る。
「ってな感じで俺らはクッソ仲悪なんだよ」
コブラが笑いながらそう説明する。コブラは笑いをやめ、ルナの方を見る。
「さて、改めて聞くが本当にいいのか?」
「えっと…なにがですか?」
突然話しかけられて驚いたルナがビクッと体を浮かしコブラの方を見る。
「俺らは見ての通り仲悪で俺は変態だ。いつか後悔するかもしれない。そうなっては遅いだーろ。切り捨てるなら今だぞ」
「そうそう。おれも男だから何するかわかんないよ」
二人でルナを止める二人。ルナは顎に手を置いて考える。そして
「大丈夫です」
と答える。
「わたしにはもう家族も誰もいないので独りなんです。なので二人がいてとても嬉しいです」
そう二人に言うと二人は顔を手で押さえてそっぽを向いた。
「あのどうしたんですか?」
ルナがそう聞くが二人は振り返らない。
「ちょっとまってこの子めっちゃいい子やん」
ようやくコブラが振り返ると何故か涙を流していた。コブラは涙を拭いながら
「ごめん。俺、こんないい子久しぶりに見たからつい」
ルナが中村の方を見ると涙は流していなかったが手で顔を覆っていた。
荷馬車が館を出立して二十分程してようやく森を抜けた。森を抜けるとそこは土の道と草むらが辺りに広がっていた。その道の向こうには大きな壁に囲まれた大きな街が見えてきた。
「見えてきた!」
中村が馬車のドアから体を出し声を上げる。
荷馬車が壁までたどり着くとそこには五メートル以上ある大きな門がありその前には銀色の鎧と槍で武装した兵士が十人いる。その者達に止められ荷馬車の男が話している。やがて兵士の男達は荷馬車の中を確認し始めルナ達が乗ってる荷馬車のドアを開けた。それと同時にコブラが指をパチンと鳴らす。
「支配」
そう言ってコブラはいきなりなんの前触れもなくその兵士を支配する。
「ちょ、いきなり何してんの!?」
中村がそう聞くとコブラは
「ごめんつい…」
と頬を掻きながら答える。
「とりあえずここの確認終わりでいいからどっか行って」
そう言って兵士を荷馬車から出した。
やがて確認が終わり荷馬車が動き出した。
街の様子を荷馬車の窓から街の様子を見るとやはりと言うべきかそこには中世時代を彷彿とさせる街並みが広がっていた。
そうして荷馬車は一軒の家の前で停止した。
「到着しました」
荷馬車の男にそう言われて荷馬車から降りると二階建ての木の家が目に入った。
「おおー」
コブラが感心してると荷馬車の男らが近づいてきた。
「荷物はどうしましょう?」
「なんで俺に…」
(そういや支配解いてなかったっけ)
コブラは支配を解いてない事を思いだし
「とりあえず中を見てからにする。少し待て」
と指示を出す。荷馬車の男らが礼をするのを尻目に家のドアの前に行く。
新たな家の前にルナが緊張した様子でドアノブを掴む。一呼吸してルナはそのドアを開く。
ドアを開けるとドアの先には六人は座れるような大きな机があり、その奥にはキッチンや階段、三つのドアがありかなり広い部屋が現れた。
「おぉ!」
三人が広い部屋に感激し、探索をし始める。
コブラはキッチンに行きガスコンロの前に立つ。コンロは二つありスイッチが一つそれぞれ一つずつ付いている。
「これで火を付けるのか」
そう言ってスイッチを押すが火は付かなかった。
「あ?」
コブラはスイッチを連続で押すが一向に火が付かない。
ルナは奥にあった三つの部屋に一つずつ入る。
一つ目の部屋にはトイレがあった。
二つ目には木でできたお風呂、ヒノキ風呂だ。
そして三つ目のドアを開けると外に繋がっている裏口だ。
ルナが部屋を全部見終わり二階に行こうとするとスイッチを連打しているコブラを見つけた。
「くっ、付かない。電池切れか?」
そう言って諦めようとするコブラにルナは近付いた。そしてスイッチを押して手をかざすと火が付いた。
「これは魔力を使わないと付かないんですよ」
「へー」
「それでもう一回押すと火が消えます」
スイッチを押して火を消す。
「さっすが」
「一緒に二階に行きましょ」
ルナに言われて一緒に二階に行く。
二階に行くとそこには四つのドアがあった。
一つ一つドアを開けると全部同じような部屋で何もない部屋に窓が付いていた。
その中の一つに中村がいた。
「何してんのゴミクズ」
中村は声に反応し振り返る。
「そんなアホみたいな顔して部屋の真ん中に突っ立って」
「なぁコブラ」
「あ?」
「これ敷金とか礼金とか家賃とかどうしたらいいんだろ」
「…よしルナちゃんちょっと待ってて。クソボケちょっと来い」
そう言って中村をドアの前に連れていく。
「ムラスケ。ここは異世界だ。そんなこといちいち気にするな」
小声でコブラが中村に言う。
「でももしあったらって思ったら…」
「とりあえず考えるのやめろ」
話し終わり二人はルナのところに戻る。
「ごめんねこいつが変なこと言って」
「…いえ」
「じゃ部屋に荷物入れますか」
三人は外に出て荷馬車の前に来た。
「よしお前ら荷運びよろ」
コブラは荷馬車の男達にそう命じて男達は荷物を運び出す。
「俺はこいつらに荷物運んでもらうから指示とか出さなきゃだし二人で街でも見てきたら」
「コブラ…いいのか?」
「あ?何が?ルナちゃんはちゃんと守れよ。あと昼飯と晩飯の材料買ってきて」
「わかった。行こルナちゃん」
「はい」
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