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第一話 転生したら推しの婚約者だった
脳筋じゃなくても直進で2
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「……はい?」
もおーフェル様って間抜けな声出して~どうしたぉ~(現実逃避ッーー)推しに推しって言う馬鹿いるか!!私じゃん!
「いえ…あの。フェル様はこう恋愛対象ではなく…崇める対象といいますか。その尊敬のようなものなのです。」
このとおりだ!!許してフェル様!私これ以上言葉出てこないから。聞かなかったことにしてくれ!!!!
「なるほど…。」
「理解していただけましたか?」
「いえ、していません。ですが、これ以上聞いても拉致が開かないであろうから深掘りはしないですよ。」
「ありがとうございます!」
なんか知らないけど水に流してもらえたっぽい!
「ところで。」
「は、はい。なんでしょうか…」
「先程、僕のことをフェル様とおっしゃいま
「すすす!すみません!大変失礼なことをお詫び申し上げますライゼント様!」
話の途中だったが食い気味に訂正を!!!ついオタクの癖でフェル様~♡の気分だったッ!!
「いえ、むしろ今はまだ婚約者なのでお互い名前で呼びましょう。その方がいいでしょう、エリーフェ。」
「カハッ…(推しに名前呼ばれた?!?!)はぃ…フェル様。」
「フェルで良いですよ。」
「いえ、推しを呼び捨ては無礼にも程があるので大丈夫です…。」
そうですか、と対して興味のなさそうな返事を返されると改めて話に戻った。
「恋路を応援する…と言うことは貴方には策があるという訳ですか?先程私の思い人の事は知らないらしいですし、貴方が一体何をしたいのか僕にも知る権利があるのでは?」
「…それは。」
たしかに、そうだ。先程の会話では私が、貴方って好きな人いるんでしょ~応援してあげる!という感じだった筈だ。それに私は貴方の思い人は何方か知りません!とも言った。ここで言ってしまえば私が転生者だってバレて……
いや、バレちゃ駄目なんてルールは無い。それに話す相手はフェル様だけ。信じてもらえるかは分からないが、言う…か?
「先程も言いましたが、僕はエリーフェに深く探りを入れません。貴方が言いたく無いのなら言わなくて良いです。」
「でも、十分な理由がなければ私の策には乗っていただけませんよね。」
「…場合によりますが。ほぼ、そうなりますね。」
そうなりますよねー!
お堅い人がこんな頭悪めかつ、突拍子もない策になってない作戦には乗らないよねー!……言うか素性を…
「信じて欲しいので言いますが。私、転生者なんです。」
「…転生者?」
「ここはとある物語の世界で……」
そこからはあっという間だった。フェル様が片思いしている女性はこれから学園に入学する女性だということ、そしてその子が救国の聖女だと言うこと。抽象的だが他にもヒロインを好きになる人が出てくると言うこと。ラストには王子と結婚してしまうことを
話をしたら随分気が楽になった。絶対さっきよりもマシになった筈。
しかしまあ、そこまで読み込んでないからヒロインが誰かと出会う日時とか、はっきり覚えていないのだが。二次創作だとか駆け落ちで幸せにさせる二次創作だとかを見てたから……もーオタクならきっちり読んでおけば良かった。
などと考えていればあっという間に時間は過ぎていた。
「今日は感謝します。本当に君と話が出来て良かったと思います。」
「はい、ですがフェル様はこんな作り話かもしれない信憑性が無いことをそこまで信じるのですが?」
「少し疑っていますが、信じています。君がそんな冗談を言ったところで君に徳があるとは思えない話でしたので。」
ふわりと静かな笑みを見せてはモノクルを上げる動作をする。…やっぱり私の推しは最高か?モノクル、クール系キャラだぞ??たしかに今は少し猫被ってるけど愛想全然無いからな。しかも真面目…しっかりしてるんだなこれが!あー推し眺めんのたのし~
「ではこれで、入学前、また話す機会を設けましょう。」
「はい。今日はお越しいただき、ありがとうございました。」
推しを送り出すと、疲れたかのように私の体は敷地内の庭でぶっ倒れた。
もおーフェル様って間抜けな声出して~どうしたぉ~(現実逃避ッーー)推しに推しって言う馬鹿いるか!!私じゃん!
「いえ…あの。フェル様はこう恋愛対象ではなく…崇める対象といいますか。その尊敬のようなものなのです。」
このとおりだ!!許してフェル様!私これ以上言葉出てこないから。聞かなかったことにしてくれ!!!!
「なるほど…。」
「理解していただけましたか?」
「いえ、していません。ですが、これ以上聞いても拉致が開かないであろうから深掘りはしないですよ。」
「ありがとうございます!」
なんか知らないけど水に流してもらえたっぽい!
「ところで。」
「は、はい。なんでしょうか…」
「先程、僕のことをフェル様とおっしゃいま
「すすす!すみません!大変失礼なことをお詫び申し上げますライゼント様!」
話の途中だったが食い気味に訂正を!!!ついオタクの癖でフェル様~♡の気分だったッ!!
「いえ、むしろ今はまだ婚約者なのでお互い名前で呼びましょう。その方がいいでしょう、エリーフェ。」
「カハッ…(推しに名前呼ばれた?!?!)はぃ…フェル様。」
「フェルで良いですよ。」
「いえ、推しを呼び捨ては無礼にも程があるので大丈夫です…。」
そうですか、と対して興味のなさそうな返事を返されると改めて話に戻った。
「恋路を応援する…と言うことは貴方には策があるという訳ですか?先程私の思い人の事は知らないらしいですし、貴方が一体何をしたいのか僕にも知る権利があるのでは?」
「…それは。」
たしかに、そうだ。先程の会話では私が、貴方って好きな人いるんでしょ~応援してあげる!という感じだった筈だ。それに私は貴方の思い人は何方か知りません!とも言った。ここで言ってしまえば私が転生者だってバレて……
いや、バレちゃ駄目なんてルールは無い。それに話す相手はフェル様だけ。信じてもらえるかは分からないが、言う…か?
「先程も言いましたが、僕はエリーフェに深く探りを入れません。貴方が言いたく無いのなら言わなくて良いです。」
「でも、十分な理由がなければ私の策には乗っていただけませんよね。」
「…場合によりますが。ほぼ、そうなりますね。」
そうなりますよねー!
お堅い人がこんな頭悪めかつ、突拍子もない策になってない作戦には乗らないよねー!……言うか素性を…
「信じて欲しいので言いますが。私、転生者なんです。」
「…転生者?」
「ここはとある物語の世界で……」
そこからはあっという間だった。フェル様が片思いしている女性はこれから学園に入学する女性だということ、そしてその子が救国の聖女だと言うこと。抽象的だが他にもヒロインを好きになる人が出てくると言うこと。ラストには王子と結婚してしまうことを
話をしたら随分気が楽になった。絶対さっきよりもマシになった筈。
しかしまあ、そこまで読み込んでないからヒロインが誰かと出会う日時とか、はっきり覚えていないのだが。二次創作だとか駆け落ちで幸せにさせる二次創作だとかを見てたから……もーオタクならきっちり読んでおけば良かった。
などと考えていればあっという間に時間は過ぎていた。
「今日は感謝します。本当に君と話が出来て良かったと思います。」
「はい、ですがフェル様はこんな作り話かもしれない信憑性が無いことをそこまで信じるのですが?」
「少し疑っていますが、信じています。君がそんな冗談を言ったところで君に徳があるとは思えない話でしたので。」
ふわりと静かな笑みを見せてはモノクルを上げる動作をする。…やっぱり私の推しは最高か?モノクル、クール系キャラだぞ??たしかに今は少し猫被ってるけど愛想全然無いからな。しかも真面目…しっかりしてるんだなこれが!あー推し眺めんのたのし~
「ではこれで、入学前、また話す機会を設けましょう。」
「はい。今日はお越しいただき、ありがとうございました。」
推しを送り出すと、疲れたかのように私の体は敷地内の庭でぶっ倒れた。
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