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第三話 猫の家
物探し
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「ささ、座って座って~」
客室であろうところに案内されたのちに紅茶を出され私たちは今椅子に座っていた。
かなり周りをキョロキョロして風邪症状を引き起こすものを探したが一向に見つかることはなかった。
「ボソ…ボソ(見た感じないですよフェル様)」
「ボソボソ…(こっちも見当たらん。)」
ポン! クライネス先輩が手を叩き閃いたような音をだした。
「もしよければ僕の家の隅々を探してくれるかい?物とか沢山置いてあるのだけどハッキリ分からない物が多くてさ~」
「分かりました!」
「あっ、勿論僕達も手伝うよ!って言っても僕達に知識はないから君達についていくのだけど4人だと行動しにくいから男女で2組になろっか。」
フェル様とクライネス先輩。イーゲルさんと私の2組で分かれて捜索することになった。
主に私たちは外、フェル様達は中の探索だ。
「植物について少し勉強してきたので頑張って見ていきましょうイーゲルさん!」
「はい!」
庭に生えている植物から、壁、木、そこら辺に咲いている花などを見たがどれも風邪症状を起こす植物はなかった。
「中々、見つかりませんね~あっ!この植物!たしかお茶にすると美味しいのでしたっけ?」
すっとイーゲルさんが葉っぱを触ろうとした。
「触っちゃダメ!!」
が、ビクッと声を聞いてから手を引いた。
「それは触ると被れるので違う種類かと」
「まあ、ごめんなさい。教えて頂きありがとうございます」
「いえいえ、私も大きな声をだしてごめんなさい。」
初めて自分の調べてきた情報が役に立ったときだった。
(本来以外の使い道もあるみたいでよかった!)
ふう、とイーゲルさんが息をつくと。ちょっと休憩しませんか。と言ったのでお言葉に甘えて休憩することにした。
木陰に行き休息を取る。かと言って何も話さない訳にはいかないし、軽く会話をしよう。
「あのイーゲルさんとクライネス先輩って凄く仲が良くて憧れます!」
「え~???そうなんですか?」
「そんなに驚かれます??一般的に見ても凄く仲が良い方だと思いますけど。」
「初めて知りました~私たちつくづく気があわないので。」
「…?」
(気が合わない?一体どう言うことだろう。)
「凄く息ぴったりというか相性がいいと思いますけど。」
「どうなのでしょうか~。私と彼は何もかもと言っていいほど違います。趣味の話は続いた覚えがないです~。」
「意外です、詳しく聞いても大丈夫ですか?」
(これは婚約者がいる身として聞いておいた方がいいのでは…ゴクリ。)
「はい~全然大丈夫ですよ。
まず私と彼は暑がりと寒がりなので長い時間、同じ空間には入れないんです~つまり窓と扉を開けるか否かなんですね。
それに私は話すのが遅く、彼は凄く早いのでペースが違ってどっちも話すのに疲れてしまうんです~話す量も違ってきますから殆ど私が聞いていますね。他にもまだあるのですがやめておきます~」
「…が、ガチですね。(そう言われると全然違う。)」
「私凄く暑がりなのでこうして日に当たるのも少し苦手なんですよね~でも外が好きで」
「もしかしてクライネス先輩は寒がりで涼しい所が苦手かつ、家の中が好きなんですか?」
「まあ~エリーフェさん流石ですね。大正解です。」
「でもお二人はどちらも支え合ってますよね。私なんか全然なんも出来てなくて、あはは」
「……どうなのでしょうか。私、未だにあの人の事が理解できないんです。どっちもしっかり話はしたいのだろうけど場所と時間が合わなくて。まるで…」
(まるで…ハリネズミのジレンマみたい』かな。
ちゃんと話し合いたいそんな気持ちだけで十分な気もするけど、あんなに羨ましくなる2人でも、
悩み事があるのかー)
イーゲルさんの力になりたいそんな考えが私の頭によぎった。
「わかりました!!私、イーゲルさんとクライネス先輩の仲をもっと近づけて見せます!!」
びっくりしたのか彼女はその深く綺麗な藍色の目を大きくさせながら微笑んだ。
「フフッ、できるのでしょうか。こんな私たちでも。」
「やってみせます!探偵クラブの名にかけて!」
彼女の手を取りそれを誓った、ひとつ依頼が増えてしまったけど気にしない。
(これもリイスちゃんとフェル様をくっつける予行練習だ!)
木陰の下でキラキラとした青ベースの目が四つ輝いていた。
客室であろうところに案内されたのちに紅茶を出され私たちは今椅子に座っていた。
かなり周りをキョロキョロして風邪症状を引き起こすものを探したが一向に見つかることはなかった。
「ボソ…ボソ(見た感じないですよフェル様)」
「ボソボソ…(こっちも見当たらん。)」
ポン! クライネス先輩が手を叩き閃いたような音をだした。
「もしよければ僕の家の隅々を探してくれるかい?物とか沢山置いてあるのだけどハッキリ分からない物が多くてさ~」
「分かりました!」
「あっ、勿論僕達も手伝うよ!って言っても僕達に知識はないから君達についていくのだけど4人だと行動しにくいから男女で2組になろっか。」
フェル様とクライネス先輩。イーゲルさんと私の2組で分かれて捜索することになった。
主に私たちは外、フェル様達は中の探索だ。
「植物について少し勉強してきたので頑張って見ていきましょうイーゲルさん!」
「はい!」
庭に生えている植物から、壁、木、そこら辺に咲いている花などを見たがどれも風邪症状を起こす植物はなかった。
「中々、見つかりませんね~あっ!この植物!たしかお茶にすると美味しいのでしたっけ?」
すっとイーゲルさんが葉っぱを触ろうとした。
「触っちゃダメ!!」
が、ビクッと声を聞いてから手を引いた。
「それは触ると被れるので違う種類かと」
「まあ、ごめんなさい。教えて頂きありがとうございます」
「いえいえ、私も大きな声をだしてごめんなさい。」
初めて自分の調べてきた情報が役に立ったときだった。
(本来以外の使い道もあるみたいでよかった!)
ふう、とイーゲルさんが息をつくと。ちょっと休憩しませんか。と言ったのでお言葉に甘えて休憩することにした。
木陰に行き休息を取る。かと言って何も話さない訳にはいかないし、軽く会話をしよう。
「あのイーゲルさんとクライネス先輩って凄く仲が良くて憧れます!」
「え~???そうなんですか?」
「そんなに驚かれます??一般的に見ても凄く仲が良い方だと思いますけど。」
「初めて知りました~私たちつくづく気があわないので。」
「…?」
(気が合わない?一体どう言うことだろう。)
「凄く息ぴったりというか相性がいいと思いますけど。」
「どうなのでしょうか~。私と彼は何もかもと言っていいほど違います。趣味の話は続いた覚えがないです~。」
「意外です、詳しく聞いても大丈夫ですか?」
(これは婚約者がいる身として聞いておいた方がいいのでは…ゴクリ。)
「はい~全然大丈夫ですよ。
まず私と彼は暑がりと寒がりなので長い時間、同じ空間には入れないんです~つまり窓と扉を開けるか否かなんですね。
それに私は話すのが遅く、彼は凄く早いのでペースが違ってどっちも話すのに疲れてしまうんです~話す量も違ってきますから殆ど私が聞いていますね。他にもまだあるのですがやめておきます~」
「…が、ガチですね。(そう言われると全然違う。)」
「私凄く暑がりなのでこうして日に当たるのも少し苦手なんですよね~でも外が好きで」
「もしかしてクライネス先輩は寒がりで涼しい所が苦手かつ、家の中が好きなんですか?」
「まあ~エリーフェさん流石ですね。大正解です。」
「でもお二人はどちらも支え合ってますよね。私なんか全然なんも出来てなくて、あはは」
「……どうなのでしょうか。私、未だにあの人の事が理解できないんです。どっちもしっかり話はしたいのだろうけど場所と時間が合わなくて。まるで…」
(まるで…ハリネズミのジレンマみたい』かな。
ちゃんと話し合いたいそんな気持ちだけで十分な気もするけど、あんなに羨ましくなる2人でも、
悩み事があるのかー)
イーゲルさんの力になりたいそんな考えが私の頭によぎった。
「わかりました!!私、イーゲルさんとクライネス先輩の仲をもっと近づけて見せます!!」
びっくりしたのか彼女はその深く綺麗な藍色の目を大きくさせながら微笑んだ。
「フフッ、できるのでしょうか。こんな私たちでも。」
「やってみせます!探偵クラブの名にかけて!」
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(これもリイスちゃんとフェル様をくっつける予行練習だ!)
木陰の下でキラキラとした青ベースの目が四つ輝いていた。
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