優しい夜のうた

びぅむ

文字の大きさ
13 / 138
第2章 天国への階段

運命の夜

しおりを挟む
「だろ?俺、今こいつにハマッてる。めっちゃイイ歌なんだ」

「そうなんだ。彼女ともよく聴いてるの?」

私はそう言いながら祐の顔を覗きこむと、祐は眉根を持ち上げてハノ字にして私を見た。

「なんで、そこに彼女が出てくんだよ?」

「…なんとなく。こういうの、一緒に聴けるのっていいなぁって」

「…いいなぁっ…てなんだよ」

「だから、…彼女とか彼氏とか。好きな人と一緒にいて、好きな音楽一緒に寄り添って聴くって…いいよね」

「ばーか」

祐はそう言いながら、声を上げて笑った。すると、今度は私が口を尖らせて、

「なんで笑うのよっ」

「だって、こうやって俺たちだって、真夜中に同じベッドにいて、好きな歌一緒に聴いてるじゃん。でも、俺はこの歌は、いつも一人で聴いてたよ」

と祐は少し頭をかいて言うと、私は祐を見つめた。

「じゃ、なんで私にこれ、聴かせようって思ってくれたの?」

ベッドに手をついて、身を乗り出して尋ねると、祐は顔を上げて私を見つめた。こんなに近くで見つめ合ったことは、無かった。

すると、ゆっくり祐の顔が近づいてきた。

え?

驚きは、一瞬のうちに溶けて頭の中が真っ白になった。

祐と、唇が触れている。

なにが起こったのか、わからなかった。

最初はぎこちなく、優しく唇を重ねるだけのキスだった。

やがて祐は私の肩に腕を回すと、ぎゅっと抱きしめてくれた。私はどうしたらいいのか分からなったけれど、祐の背中に腕を回してきつく抱きしめた。

私、今、祐とキスしてる。

これは夢なの?

なんでかな?

抵抗、すべき?

でも、いやじゃない。

私…祐のこと……やっぱり、好き

やがて、重ねた唇の隙間から舌が絡み合っていく。これが、キスなの?こんなに、情熱的に絡み合うものなの?

止められない…。

いつの間にか祐は私をそのまま押し倒してきて、私のパジャマのボタンを外していくと、私は自分から祐の頬を両手で被い、首を伸ばしてキスをした。

まさか、こんな展開になるなんて、想像もしてなかった。でも、同時にキスだけでは終わらない熱情が、お互いに湧き起こってしまったんだ。



そうして、私は祐に抱かれた。家族としてでも、妹としてでもなく、ただ一人の女として……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

還暦妻と若い彼 継承される情熱

MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。 しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。 母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。 同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

背徳のミラールージュ(母と子 それぞれが年の差恋愛にのめり込んでいく鏡写し)

MisakiNonagase
恋愛
24歳の市役所職員・中村洋平には、自慢の恋人がいた。2歳年上の小学校教師、夏海。誰もが羨む「正解」の幸せの中にいたはずだった。 しかし、50歳になる母・美鈴が21歳の青年・翔吾と恋に落ちたとき、歯車は狂い出す。 ​母の恋路を「不潔だ」と蔑んでいた洋平だったが、気づけば自分もまた、抗えない引力に引き寄せられていた。  その相手は、母の恋人の母親であり、二回りも年上の柳田悦子。 ​純愛か、背徳か。4年付き合った恋人を捨ててまで、なぜ僕は「彼女」を求めてしまうのか。 交差する二組の親子。歪な四角関係の果てに、彼らが見つける愛の形とは――。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

処理中です...