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第4章 抱擁
裏切り
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家に帰ると、圭太くんが先に帰ってきていて、遊びに行こうとしてスニーカーを履いているところだった。
「あ、お帰りなさい。お姉さん」
と言うと、ゆっくりと立ち上がってキャップを被った。
「夕飯までには帰ってきてね。あ、美夜は帰ってるの?」
と私が尋ねると、圭太くんの笑顔がサッと曇った。
「…美夜を、助けてよ、お姉さん」
「え…?」
意味が、分からなかった…。
「いじめ?」
と尋ねると、圭太くんは頭を横に振る。
「多分…お父さんに、叩かれてるんだ…。かわいそう。助けたくても、俺は締め出される」
「そ……ん…な…!」
そこに、美夜が後ろから帰ってくると、
「ただい………ま……、あ、お姉ちゃん。帰ってたの?」
と美夜が微かに笑みを浮かべて言うと、圭太くんはそそくさと玄関を出ていった。
美夜が先に靴を脱いで上がると、階段を昇っていき、私は美夜を呼び止めようにも、なんて聞き出したらいいか分からなくて戸惑っていた。
嘘…!約束したのに…。美夜には手を出さないって、約束したはずなのに…。
私はそう思うと、唇を強く噛み締めた。
*
深夜、いつもの時間。
梶原に抱かれながら、私は梶原の腕を掴んで少し離すと、
「聞きたいことが、あります…!」
と思い切って言うと、梶原は私の胸をグッと鷲掴みにした。
「気が散る。後にしなさい」
そう言いながら、両手で胸を激しく揉んでいる。私は眉をしかめながら、再びきつく目を閉じると、
「美夜には、もう手を出していないですよね」
と決意をして尋ねると、私の胸をまさぐる手がピタリと止まった。
私と梶原は、一瞬、見つめ合った。
空気が一気に張り詰めていく。
「約束?」
そうポツリと言って、梶原は唇の端をキュッと上げて微かな笑みを浮かべると、私は驚いて急いで梶原の腕から擦り抜けてベッドから降りた。が、すぐに梶原に腕を掴まれて、私はその腕を振り払った。
「放してよっ!!嘘つき!!美夜に手を出さない約束だったから私は…」
と怒りが溢れてきてそう言いかけると、梶原はそんな私の頬を殴り飛ばした。
「あ、お帰りなさい。お姉さん」
と言うと、ゆっくりと立ち上がってキャップを被った。
「夕飯までには帰ってきてね。あ、美夜は帰ってるの?」
と私が尋ねると、圭太くんの笑顔がサッと曇った。
「…美夜を、助けてよ、お姉さん」
「え…?」
意味が、分からなかった…。
「いじめ?」
と尋ねると、圭太くんは頭を横に振る。
「多分…お父さんに、叩かれてるんだ…。かわいそう。助けたくても、俺は締め出される」
「そ……ん…な…!」
そこに、美夜が後ろから帰ってくると、
「ただい………ま……、あ、お姉ちゃん。帰ってたの?」
と美夜が微かに笑みを浮かべて言うと、圭太くんはそそくさと玄関を出ていった。
美夜が先に靴を脱いで上がると、階段を昇っていき、私は美夜を呼び止めようにも、なんて聞き出したらいいか分からなくて戸惑っていた。
嘘…!約束したのに…。美夜には手を出さないって、約束したはずなのに…。
私はそう思うと、唇を強く噛み締めた。
*
深夜、いつもの時間。
梶原に抱かれながら、私は梶原の腕を掴んで少し離すと、
「聞きたいことが、あります…!」
と思い切って言うと、梶原は私の胸をグッと鷲掴みにした。
「気が散る。後にしなさい」
そう言いながら、両手で胸を激しく揉んでいる。私は眉をしかめながら、再びきつく目を閉じると、
「美夜には、もう手を出していないですよね」
と決意をして尋ねると、私の胸をまさぐる手がピタリと止まった。
私と梶原は、一瞬、見つめ合った。
空気が一気に張り詰めていく。
「約束?」
そうポツリと言って、梶原は唇の端をキュッと上げて微かな笑みを浮かべると、私は驚いて急いで梶原の腕から擦り抜けてベッドから降りた。が、すぐに梶原に腕を掴まれて、私はその腕を振り払った。
「放してよっ!!嘘つき!!美夜に手を出さない約束だったから私は…」
と怒りが溢れてきてそう言いかけると、梶原はそんな私の頬を殴り飛ばした。
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