優しい夜のうた

びぅむ

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第6章 もう、負けない

消えた祐

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放課後、佃島滋と渡部雪子は一緒に教室を出て駅に着くと、そこに以前佃島をCDショップで問い詰めていた大学生の玲とすれ違った。

玲は佃島の一つ年上だ。長い髪を降ろしていて、キッと佃島を睨みつけた。

「今日は梶原萌梨は一緒じゃないの?なんで、みんな、あんなガキみたいな女がいいのよ!」

と玲はブツブツと文句を言っている。無視して通りすぎようとした佃島は、ハッと我に返り、玲の肩を掴むと、

「みんなって、誰?そういえば、あの時も、なんで、萌梨のこと知ってるんだよ」

と佃島が言うと、玲は驚きながらも、そんな佃島を睨むように見つめた。

「高校の時、梶原萌梨の兄と付き合ってたのよ。2年付き合ってたのに、ある日突然フラれたわ。妹の萌梨が好きだって。だけどすぐに祐は留学しちゃうし、卒業もそのまま保留になるし。なんか、おかしいよ!」

玲が呆れるような溜め息をついて、そう言い捨てて走って去っていった。

「チクショウッ」

佃島はそう怒鳴るように言うと、後ろで見ていた渡部雪子は佃島に歩み寄った。

「滋、苛々してるね。よほど、梶原さんの過去、知りたかった?」

「え?」

佃島はドキッとして振り向くと、渡部はそんな佃島を見つめた。

「ただの暴力、虐待なら、そこまで男性を嫌わない。だけど梶原さんの場合は男性を嫌って、みんなを憎んでいるみたいだった。あれは…性的暴力が原因としか考えられないわ」

「性的……暴力……」

ぽつりとその言葉を呟くだけで、背中がゾッとする。

「滋。梶原さんの戦いは、これからよ。守ってあげてね」

「雪子…」

「もちろん、私も彼女を助けたいわ。でも事態は、私達が考えているよりもっと悪い方向に進むような気がする……」

渡部がそう言うと、佃島は舌打ちをして頭をかいて、

「……クソッ!」

と吐き捨てるように言った。






私は、全部を吐き出して、坂井さんに受け止めてもらって、安心したように眠っていた。熟睡できたのなんて、いつ以来?解熱剤の効果もあって、私はぐっすり眠れた。

美夜を助けなければ。

そして、行方不明だという祐の消息も知りたい。私と美夜のことは知られたくはないけれど、それとは別に、ただ、祐が無事であってほしい。

今の私に、何が出来るかな?
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