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第6章 もう、負けない
消えた祐
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放課後、佃島滋と渡部雪子は一緒に教室を出て駅に着くと、そこに以前佃島をCDショップで問い詰めていた大学生の玲とすれ違った。
玲は佃島の一つ年上だ。長い髪を降ろしていて、キッと佃島を睨みつけた。
「今日は梶原萌梨は一緒じゃないの?なんで、みんな、あんなガキみたいな女がいいのよ!」
と玲はブツブツと文句を言っている。無視して通りすぎようとした佃島は、ハッと我に返り、玲の肩を掴むと、
「みんなって、誰?そういえば、あの時も、なんで、萌梨のこと知ってるんだよ」
と佃島が言うと、玲は驚きながらも、そんな佃島を睨むように見つめた。
「高校の時、梶原萌梨の兄と付き合ってたのよ。2年付き合ってたのに、ある日突然フラれたわ。妹の萌梨が好きだって。だけどすぐに祐は留学しちゃうし、卒業もそのまま保留になるし。なんか、おかしいよ!」
玲が呆れるような溜め息をついて、そう言い捨てて走って去っていった。
「チクショウッ」
佃島はそう怒鳴るように言うと、後ろで見ていた渡部雪子は佃島に歩み寄った。
「滋、苛々してるね。よほど、梶原さんの過去、知りたかった?」
「え?」
佃島はドキッとして振り向くと、渡部はそんな佃島を見つめた。
「ただの暴力、虐待なら、そこまで男性を嫌わない。だけど梶原さんの場合は男性を嫌って、みんなを憎んでいるみたいだった。あれは…性的暴力が原因としか考えられないわ」
「性的……暴力……」
ぽつりとその言葉を呟くだけで、背中がゾッとする。
「滋。梶原さんの戦いは、これからよ。守ってあげてね」
「雪子…」
「もちろん、私も彼女を助けたいわ。でも事態は、私達が考えているよりもっと悪い方向に進むような気がする……」
渡部がそう言うと、佃島は舌打ちをして頭をかいて、
「……クソッ!」
と吐き捨てるように言った。
*
私は、全部を吐き出して、坂井さんに受け止めてもらって、安心したように眠っていた。熟睡できたのなんて、いつ以来?解熱剤の効果もあって、私はぐっすり眠れた。
美夜を助けなければ。
そして、行方不明だという祐の消息も知りたい。私と美夜のことは知られたくはないけれど、それとは別に、ただ、祐が無事であってほしい。
今の私に、何が出来るかな?
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