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第9章 母の選択
復讐と愛情
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私はゴクリと唾を飲むと、
「…お母さんと再婚したのは、何故?」
と恐る恐る訊ねてみた。すると、梶原は足を組んで私の頬を撫で回しながらニヤッと笑って私を見つめてきた。
「知りたいか?いいだろう。
…小沢はうちの会社に入ったけれど、僕とは犬猿の仲で、あんまり話したりしなかった。まあ、そんなことはどうでもいい。だがある日、偶然祥子を見かけたんだ。相変わらず綺麗だった。昔憧れた女性だ。一度は手が届いた人だったのに、小沢に取られたんだ。祥子は子供を連れていた。…お前だよ、萌梨。祥子によく似て、かわいらしくて、素直そうで頭も良さそうだ。俺の娘になってたかもしれないのに。その座をあいつに奪われた。憎んでも憎んでも、憎しみは消えない。俺のこともすぐに気に入ってくれるはずだ。だから俺はお前と話をしたくて近づいた。なのに、お前は僕を見て突然泣き出したんだよ。怖いって、たった一言だけ言ってね。傷ついた。連れ去ろうと思ったけど、それも失敗したよ。お前はかなり警戒心の強い子供だった。
祥子のそばには小沢がいて、お前が笑って懐いていて、祥子が幸せそうに寄り添っている光景。小沢が現れなければ、隣にいたのは俺のはずなのに。その娘の父親が、俺であったはずなのに…!壊したい、というより、奪いたくなった。祥子に近づきたくて、再度小沢と話すようにして、昔の仲たがいを水に流して、たまには3人で飯を食おうと持ち掛けた。だが小沢は俺の企みに気付いたんだ。
『もう、騙されない。いつもお前は俺を裏切る』
そう言って俺を詰った。本当に…心底憎いと思ったね。頭にきて、その時湧いた感情を抑え込める自信もなかった。
めちゃくちゃにしてやる。祥子は俺のものだ。昔から、俺だけのものだ!
そう思って突っ走って、気付いたら祥子に会いに行っていた。その頃、パートで働いていた祥子の職場のことは知ってるから、そこで待ち伏せをして、うまいこと言って祥子を車に乗せたんだ。そこで、また口論になって、俺を拒絶した。もう我慢ならない。だから俺は車の中で、無理矢理、祥子を抱いた」
長い長い梶原の過去の話に、私はきつく目を閉じて、グルグル目が回りそうになって、黙ってその話を聞いていた。
お母さんが、こいつに、そんなことをされてたなんて……。
「…お母さんと再婚したのは、何故?」
と恐る恐る訊ねてみた。すると、梶原は足を組んで私の頬を撫で回しながらニヤッと笑って私を見つめてきた。
「知りたいか?いいだろう。
…小沢はうちの会社に入ったけれど、僕とは犬猿の仲で、あんまり話したりしなかった。まあ、そんなことはどうでもいい。だがある日、偶然祥子を見かけたんだ。相変わらず綺麗だった。昔憧れた女性だ。一度は手が届いた人だったのに、小沢に取られたんだ。祥子は子供を連れていた。…お前だよ、萌梨。祥子によく似て、かわいらしくて、素直そうで頭も良さそうだ。俺の娘になってたかもしれないのに。その座をあいつに奪われた。憎んでも憎んでも、憎しみは消えない。俺のこともすぐに気に入ってくれるはずだ。だから俺はお前と話をしたくて近づいた。なのに、お前は僕を見て突然泣き出したんだよ。怖いって、たった一言だけ言ってね。傷ついた。連れ去ろうと思ったけど、それも失敗したよ。お前はかなり警戒心の強い子供だった。
祥子のそばには小沢がいて、お前が笑って懐いていて、祥子が幸せそうに寄り添っている光景。小沢が現れなければ、隣にいたのは俺のはずなのに。その娘の父親が、俺であったはずなのに…!壊したい、というより、奪いたくなった。祥子に近づきたくて、再度小沢と話すようにして、昔の仲たがいを水に流して、たまには3人で飯を食おうと持ち掛けた。だが小沢は俺の企みに気付いたんだ。
『もう、騙されない。いつもお前は俺を裏切る』
そう言って俺を詰った。本当に…心底憎いと思ったね。頭にきて、その時湧いた感情を抑え込める自信もなかった。
めちゃくちゃにしてやる。祥子は俺のものだ。昔から、俺だけのものだ!
そう思って突っ走って、気付いたら祥子に会いに行っていた。その頃、パートで働いていた祥子の職場のことは知ってるから、そこで待ち伏せをして、うまいこと言って祥子を車に乗せたんだ。そこで、また口論になって、俺を拒絶した。もう我慢ならない。だから俺は車の中で、無理矢理、祥子を抱いた」
長い長い梶原の過去の話に、私はきつく目を閉じて、グルグル目が回りそうになって、黙ってその話を聞いていた。
お母さんが、こいつに、そんなことをされてたなんて……。
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