優しい夜のうた

びぅむ

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第10章 壊れた夢

滋の恋、散る…

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私は唇を噛み締めると、

「美夜がお父さんの子供って話は、本当かな?」

と勇気を振り絞ってポツリと言うと、坂井さんと、祐と滋先輩は私を見つめた。

「え?な、なに、それ」

「アイツが、そう言ったの?」

「うん」

祐も初めて聞いたようで、驚いて私を見つめている。すると、滋先輩は私を見て、

「なぁ、萌梨のお母さんの実家とかに、何か…日記とかないかな?」

と言うと、私は滋先輩を見て首を捻った。

「お母さん、日記とか家計簿とかつけるような人じゃないからなぁ。でも何かヒント、あるかも」

「よし、じゃ、早速行ってみよう」

祐もそう言って私の頭を優しく撫でると、滋先輩は一瞬躊躇していた。私は我に返り、そんな祐からちょっと離れてしまう。

「何処だっけ?いや、昔調べたぞ。確か……静岡だよな。今から行けば、夕方には戻れる」

と坂井さんが言うと、私たちは同時に頷いて、滋先輩を残して立ち上がった。

「萌梨!ちょっと、いいか?祐さん。萌梨と、話していい?」

と病室を出ようとしている私を呼び止めて滋先輩が言うと、私はドキッとして滋先輩を見つめた。祐も、そんな私を見て頷き、

「話してなよ。コーヒー飲みながら、坂井さんと計画してるから」

と言って、坂井さんの肩を叩きながら病室を出ていくと、私はゆっくりと顔を上げて滋先輩を見つめた。滋先輩は横になったまま私の方を見て、

「良かったな、萌梨」

と言い出すと、私は驚いて滋先輩を見つめた。

「…滋…先輩……!ごめんなさい、私…」

と私が切り出すと、滋先輩は頭を横に振った。

「あやまんなくていいよ。萌梨、今、一番穏やかな顔してる。俺は、そんな顔の萌梨なんて知らないもん。だけど、萌梨のこと、助けたかったなぁ。俺には、なんにも出来なかったけど、……でも……!いいか、萌梨。君には幸せになる資格があるから!!」
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